でも、今さ。ケイは「してもいい」としか言わねーじゃん。
してもよくて、しなくてもいいなら…さ。
俺はケイのこと、蔑むのも突き放すのもしたくねーんだよ。
ただ、ちょっとだけ呆れてさ。「バカだなー」って笑って
そんで、傍に居られたらいいよなー…なんて、思うだけ。
それをケイが「ふざけてる」って言うんなら……。
きっと、ふざけた人間なんだろうな。俺って。
[金槌の先で顎を持ち上げられ>>153、それでも康生は笑って見せた。顔のあちこちが痛んでも、尚。そんな姿に増々苛立ったのか、彼の舌打ちが響いた>>154。このまま頭でも叩き割られるのかと思ったが、予想に反して彼は康生を抱き上げた。どうやら場所を移すらしい。]
い゛ッ、あぐ……っ!
[この抱えられ方は、砕かれた右脛と左膝に堪える。呻く康生の両手は、変わらず胸元に在った。]
(173) 2023/11/12(Sun) 23時頃