舞い上がって捲し立て、数年前に意識がトリップしかかっていたが、咳込んで漸く現在に戻ってきた。
はたと、自身のあまりの剣幕に気圧されたようなもう一人に向かって、首を傾げる。
「ええっとそれで……そちらはどなた?
学生に見えるけど、るくあの後輩さんかな?」
学び舎の敷地内のことまでは、さすがに及びがつかない。別々に進学した高校然り、自分が卒業した後の中学然り。ホログラムは『私のだいすきなあなた達』と語ったのだから、某かの交流はあったと考えられる。
ツキリ、と胸が軋むのを噯にも出さないで、促されればカメラに向けるように朗らかな、自己紹介を返すのだ。
『ボクは見ての通り、
未来の銀河から地球星人を観測するためにやって来た、
🍭キャンディ🍬です。よろしくチョ〜ッス!!』
敬礼の角度にあげた手で指ハートをつくる、斜め43度の決めポーズ。
「るくあとは中学の時出会ってェ、
……とっても仲良しの、
――オトモダチだった、かな。」**
(171) 2023/11/16(Thu) 13時頃