[文明の発達と共に固定の外見情報を不要と判断、身体のみを限界まで退化させた粘弾性物質。
一度は四つ足の哺乳類と言った外見、またはそれ以上まで発展した種であった筈だが、これもまた進化の形なのだろう。]
過去に栄えた何かを取り戻そうとする、
再びの共存を求めようとする
[クルー達から送信されてくる『マーレ10』のデータを幾つか操作し、色彩溢れる風景写真をデジタルディスプレイ越しに閲覧し、ため息をつく。]
たとえそれが一方的な欲望、
どうしようもない傲慢であったとしても、
その気があるのならば、
もう一度やり直せるのでは無いかなぁ
[手元の端末には、自身の体組織と『マーレ10』が不適合であると言う結果が表示されている。
もしも自分が、自分では無い何者かであったのならば、
この命の中で生きて行けたのかも知れない。*]
(157) 2021/11/08(Mon) 22時半頃