兄弟弟子たちみんなで、協力して商売をしていった……って言うと聞こえはいいけれど。実際はほぼほぼ詐欺集団だったわねえ。
『師』の教えを元にした教本を売ったり、ちょっとしたおまじないや占いで路銀稼ぎ……まではまあ、って感じだったけど。その辺の中古品店で買った壺とか置物に『魔法』をかけて、それを『お守り』にして売ったりとか。
悩んでる人たちに『奇跡を見せてあげる!』とかなんとか言って、妙ちきりんな儀式を行ったりとか。
まあ、色々。
……本物の『魔法』が使えるんじゃなかったのかって?
それがねえ、あたしたちが当時拠点にしていた場所って、あまり『魔法』についての研究が進んでない土地だったのよねえ。『師』はあんまり積極的に『魔術の実践訓練』みたいな事をしなかったから。ぶっちゃけ弟子の半数くらいは自分が本当に『魔道士』だなんて思っていなかったんじゃないかしら。
一応、それっぽい事が出来てた子も何人かはいたけれど……そういう子たちは、いつの間にか本当に外から来た人に見初められて、いつの間にか遠くへ行ってしまったみたいね。
(154) 2024/02/24(Sat) 21時頃