― 通信中:アリババ ―
[違うのはどこかと聞かれ>>98、悩む。なぜ悩んでいるのかというと、伝えられるほど公用語を喋れないからだ]
ありばば わかる ない する ごめんなさい。
[わからなかったらごめんと前置きした(つもり)上で、知っている限りの公用語を駆使して説明するつもりのようだ]
ぼく ほし たてもの いっぱい。
くさ いっぱい しかし ほんもの ちがう。
ここ くさ いっぱい ほんもの。
[ヨーランダの生まれた星では、人々の暮らす都市はビルが建ち並び、自然が存在する余地はない。あるのは精緻に(手触りすらも)再現されたホログラムによる植物であり、風景だ。
多くの人はそれを当然と受け入れ、またそれしか知らない人間が大多数なのがヨーランダの故郷の現状だ。
スンと鼻をひくつかせ、この星のにおいを嗅ぐ。ここにはにおいがある、土、草、水、どれも今のヨーランダの星では失われたものだ]
ここ におい ある。
いきる する におい。
[その言葉には怒りとも望郷の念とも違う、どこか空虚な響きがあった**]
(140) 2021/11/08(Mon) 15時半頃