― 三日目・朝:安置室前 ―
[移動するであれば、行き先はケトゥートゥに任せる事になる。>>118
服の裾は好きなだけ掴んでいくと良い。男は何も言わず、静かに声を撫ぜている。
ふと、ケトゥートゥが小さく名を呼ぶ。
視線を同じ方向に向ければ、名の持ち主であるジルのほのかな明かりが見えた。>>102
小さな手が伸ばされるのを微か笑いながら見る。
ジルがこちらに歩んで来るならば、自分も手を伸ばし、数度毛並みを撫で、ゆっくりと手を放す。
そろそろ立ち直らなければ。
探索三日目、クルー達が徐々に出発し始めている。
今は自分に出来る事をと、静かにケトゥートゥとジルから離れていく。
ケトゥートゥは先より落ち着いたようだし、ジルはそもそもセラピストだ。
過保護すぎても困るだろうと後ろに下がる。
まあ自分に付いて来るであればついて来ていいので話は別だが、多分ついて来ても、大慌てな未来が待って居るぞ。*]
(132) 2021/11/12(Fri) 19時半頃