痛みに彼が悲鳴を上げた。僕はもう、先程までのようにそれに興奮はしない。
ーー痛みは、傷は二人の絆にはならなかっから。
彼は僕への罪悪感から全てを受け止めたし、僕はそんな風に”僕が与える苦痛に堪え忍ぶ彼”に支配欲をそそられてしまったがーーそんな事をしなくとも彼は僕から離れなかったし、彼は僕のものだったんだ……。
彼は脚の激痛に顔を歪めた。
嗚呼。苦しまずに、一息に殺してあげたいとも思う。
愛しいからこそ僕は今、彼を殺したくて堪らない。
でも同じぐらい、彼とセックスしたいとも思うのだ。そしてそれは彼の願いでもあるーー
“挿れて”なんて。背筋がぞくぞくすると艶目いた誘い文句を彼が口にする。
当然意識したわけではないのだろうが、僕は彼の魅惑にくらりと来た。
僕の剛直が彼の小さな後孔をメリメリと裂く。
彼の悲鳴が部屋を震わせる。
「ごめん、ごめんよ、コウ。
だけど君のナカ……いいッ」
(123) 2023/11/16(Thu) 00時頃