― 朝・談話室付近 ―
[回れ右をすると、かぼちゃ頭を安置室の方に向けたジルが佇んでいる。>>102
セラピストとしてこの船に乗っているやさしいいきものも、聞こえてくる泣き声は気にかかる様子。それでも安置室の方へ向かわないのは、ジルなりの気遣いだろう。
おれですか。なんかアリババとキランディがてんやわんやしてるのが見えたので逃げました。ゴメンナサイ。]
多分、あいつにはあれが一番、いい方法なんだと思う。
[思い切り泣いて、直接別れを告げて、夜に歌う。>>2:86
それが彼の弔いであることを知っている。だからきっと、そんなに心配はいらないと思っている。]
おれみたいに情けない顔してるやつがいたら、また慰めてやってくれ。
おれはすごく……助かったから。
[頼まずとも、それがジルの仕事なのだから、ジルはそうするだろう。だから多分、本当に伝えたかったのは後半だ。何となく付け足すような風にしか言えなかったが。
それじゃあな、と一旦ジルには別れを告げて、男はロビーの方へ向かった。]
(119) 2021/11/12(Fri) 12時半頃