― 三日目・夜/タラップ付近 ―
よかった。
謝るようなことじゃないだろ、別に。
[おれは運んだだけだし……と口の中でもごもご言う。
実際、ライジの二足歩行機でなければ腕の腫れはもうちょっとマシだったかもしれない。勿論、あの状況では他に選択肢はなくて、そう考えるのも意味のないIF>>71なのだけれど。
右腕に嵌るギプスは、タプルが処置してくれたものだろう。返ってくる返事>>111が普段の口調であることに、少しだけほっとする。
あの時>>3、キランディの様子はあまりに普段と違っていた。この笑顔も、特徴的な口調も、何かを覆うためかもしれないと思う。自分の口数が多くないのと同じように。]
え。
[付き合ってくれ、の誘いに間の抜けた声が返る。
イエスとかノーとかの前に、まさかそんな声がかかると思っていなかったので、完全に虚を突かれましたという顔だ。僅かに開いた目を何度か瞬く。]
あー……礼なんて別にいいんだけどな。
……いや。おれでいいなら、付き合うよ。
[視線をタラップの床に落として、頭を掻く。
それじゃあ談話室でいいか、と指をさして、歩き出す。もう夜も遅いし、人気もあまりないだろう。*]
(117) 2021/11/14(Sun) 13時半頃