― 安置室 ―
[鼻をすする音>>109が聞こえてきて。自分がこうしているから彼を哀しませてしまっているのだろうかと、不安に駆られる。
追いかけたり、しないほうが良かったのだろうか? でも、もしも、もしも違うのなら……。
やがて通信機がメッセージの到着を報せて、かろうじてまだ滲んでいない視界で、それを読む。]
大丈夫、……まだ、泣いてない、ヨ。
……それにネ、迷惑なんて、誰が言うノ?
言わないヨ。ケトゥートゥは絶対、ぜったい言わないし、ミンナだって、きっと、言わないヨ。
だから、それだけが理由なラ。ヨーランダが、本当は、いたいなラ。……このまま、居てほしい、ヨ。
[もしも、ヨーランダの涙の理由が、ケトゥートゥのせいばかりじゃないなら。何かの葛藤がそこにあるなら。
離れたくない。離したくない。出来ること全部をやるまで、傍にいるのをやめたくない。]
教えテ。……本当に、本当に、船を降りたいノ?
[もしも、肯定が帰ってきたら。その時は、ちゃんと「いってらっしゃい」を言うから。
どうか、教えてほしいと。その場でまた、じっと待つ。*]
(110) sleepingxalice 2021/11/19(Fri) 00時半頃