[そのとき館内放送>>6>>7が流れた。ロバートは言葉を止め、耳がピンと立つ。放送を聞き漏らすまいとする。
ロバートは『PaLooook』の名前は聞いたことがあった。定期健診で世話になっている駆虫薬のメーカーで、効果は確かだった。そうすると明日の朝には、危険生物の脅威は減るだろう。明日の朝には。明日の朝には?
ふと、ロバートの思考を何かがかすめる。危険『生物』と、公用語と、犬である自分と。でもそれは、泡のようにすぐに消えてしまった。
続きの放送がないことを確認すると、PJを見上げて笑う。]
医務室で、薬を貰う必要は、なくなったみたいだね。
では、君の行きたい所へ。
[途切れた言葉の続きは無かった。
この後PJが望む限り、ロバートはついていき、周囲を警戒している。少し耳としっぽが立っているので、見ればすぐに分かるだろう。]
(94) 2022/05/04(Wed) 16時半頃