― 食堂 ―
[見返りは>>83と問われ、僅かに眉を下げる。]
よく聞かれます。
ええ、見返りを求めないように見える相手は、信用しにくいものですよね。
[そう問うてくる相手への対応は、それではとご納得いただけるような見返りを提案してみたり、そうは言っても相手には他に頼るところがないことを指摘してみたり、時と場合によってまちまちだが。]
わたくしは、誰にでも救いが与えられて欲しいのです。
世界がそのようであって欲しいと、願っています。
誰であろうとも、助けを求めて手を伸ばした時に、その手をとる者があって欲しいと願っています。
ですから、そうですね……もしも我々に救われたと思う方が、いつか他の人にも手を差し伸べてくれることがあれば、それは"見返り"と言えるでしょうね。
[それこそ、おとぎ話の綺麗事だ。
誰にでも手を差し伸べること、それ自体が、そうであって欲しいと願う世界、いつか辿り着きたいと求める楽園への、祈りだ。]
(88) 2022/05/09(Mon) 12時半頃