─ 三日目/医療処置室 ─
まったくもう、大人をからかうのはよくないぞ。
これでも他の星ではまだまだビックリドッキリされる方なんだからね、わたしは。
[うねうねと食指を伸ばして威嚇してみせる。
これでも子供が泣く見た目だという自負はある。
そんな自分でもこの船では分け隔てない。
ここはそういう場所だった。喩えどんな事情があろうともこの船に乗り合わせた以上、タプルにとっては守るべき家族も同然だ。]
[介添えをするように紅茶を差し出しながら思う。>>77
きっと彼もまだどこかで揺らいでいるのだろう。
いくら知覚で感じ取れたとしても、深く理解することは叶わない。それをもどかしく感じながら、しばし言葉を重ねて自分もひとくち、クッキーをかじった。]
くれぐれも無理はしないようにね。
何かあった時には、いつでもここで待っているから。
……いってらっしゃい。
[いつもそうするように声をかけて。
処置室を出ていくその背を見送った。**]
(82) 2021/11/14(Sun) 01時頃