おっ、ありがたいね。
ちょうど整備が終わったところだ、早速読み込ませてみよう。
[最初はその風貌――というか断面にぎょっとしたものだが、こうして機体別に調整してくれるアリババの細やかさにはいつも助けられている。
爪ほどの小さなカードを注意深く受け取ると、慣れた様子で探査機の脚部をよじ登り、ドームを開けて中に入った。
操縦席周りには多少機材が増設されており、手渡されたメモリーカードだってちゃんと読み込める。正確に言えば、これ以上圧縮された形式のものは読み込めないのだ。
読み込み口にカードを挿入して数秒、ハードディスクが限界駆動しているかのような不穏な音をさせながらも、探査機のモニターはどうにかもらったデータを表示した。]
はーんなるほど、おれが目をつけてたところも多少変化が……いや、より正確な情報になったってとこか。
思ったより足場が悪そうだな、念の為予備のワイヤーを多めに積んでおくか……
(71) 2021/11/06(Sat) 17時頃