嘘、だろ……。[ それは、あのとき思わず逃げ出した 薔薇の絵に似ている。>>0:301 似てはいるのだけれど、 その中で女と寄り添っている男の顔は―― ] 父さん……。[ 俺とそっくりな――多分他の人が見ると、 俺を20歳くらい老けさせたような――顔が 幸せそうに微笑んでいる。 ] なんで……。[ 俺はそう呟くのが精いっぱいで、 無意識のうちに手を伸ばしていた。 父さんはこちらに見向きもしない。 ]
(65) 2023/07/29(Sat) 12時半頃