――合宿の帰宅後――
[合宿からの帰宅後、誰もいない築60年以上経過している木造二階建てのアパートで大和は荷物を降ろした。
肩が軽くなって部屋の畳の上に座り込み、暫くしてからガラケーを手に取った。
後でと約束していたから、いや、その前から帰ったらと約束をしていたから――]
『今、合宿から家に帰ったよ』
『柊木は入院したけど、他の皆は無事だった』
『詳しいことはもう誰かから聞いてる?』
『電話苦手だから、瑠璃川の時間が空いてるとき』
『会いにいってもいいかな』
[短く、ショートメッセージとしては長い文章を送る。
この家は壁が薄いから話し声なんて筒抜けになってしまう。
話せることも話したいことも話せないしショートメッセージでは明らかに文章量が足りない。
その返答だろうか>>40柊木が無事なことが伝わってきて少し安堵した。
安堵したけれど――脳裏に浮かび上がるのは合宿所で見た動かぬ七星の姿だった*]
(41) 2023/08/15(Tue) 08時頃