──それから──
[僕は、いや、僕等は。自分の地球に戻ってきた。
元いた町の被害は甚大で、僕がAやハロと旅立つ時は丁度、休校中だったのだけど。戻ってきたら、プレハブ校舎で授業が再開されていた。
体育館はぺしゃんこだったので、相変わらず部活動はお休みになっているけど。弟に誘われて始めた、七星兄妹に出逢った弓道。帰還したら天文部に入ってもいいな、なんて思ってたけど、今は何故かとても弓を持ちたい。
天道家。祖父母には、数か月家を空ける旨は置き手紙で伝えてあった。帰宅すると涙を流して喜ばれた。よくしてはもらっていたけど、血が繋がってないし、勝手に出て行った母がどこかで産んだ子で。居なかったも同然の孫だと思っていたので、少し驚いた。
素直に、ごめんなさい、心配かけました、心配してくれてありがとう、と言えた。
こういう、気持ちや感謝を伝える系の言葉はいつも縁牙にまかせていたけど。もう居ないから。
自室に戻ると、あっちの地球と同じ間取りなのだけど、見覚えのある本棚、PCの乗ったローデスクと座布団、隅には布団が畳まれてあって。紛れもなく僕の使っていた部屋だった。帰って来たな、と思う。]
(25) steel 2023/08/25(Fri) 11時半頃