─乾恵一の部屋─
[率直に言えば、私は彼にこれと同等かそれ以上の痛みを与えてやりたい。勿論、私が痛いからではなく、康生の痛みを思い知らせてやりたいからだ。いや、私達が二人ともやられている様な物なのだから、二倍痛めつけても許されるのではないか。……明日香ならそう言うだろうな。あれは怖い女だから。その分、強いのだが。]
[だが、殺しはしない>>9。司法の場へと引き摺り出すのが私のやり方だからだ。正当な裁きを受け自分のした事を心から悔いてもらいたいと思うし、康生の最愛だと知りながら殺せる筈もない。]
[……いや、康生は彼の死を望んでるんだったか。今の壊れかけた康生なら「ケイのこと罰してほしいわけじゃねーけど、死刑になってくれるなら嬉しい」等と言いかねない。最愛だからこそ死を願うという感覚は受け入れ難いし、我が子ながら怖ろしくもある。康生自身は純粋な子で、サイコパスという訳でもないから余計にだ。何処で歪んだ。どうしてこうなった。私のせいか?]
(20) 2023/11/14(Tue) 18時半頃