ほっぺたをつねってほしかったのは、夢じゃないか、って思ったからだ。自分でつねったけどだめだった。そしたら、僕一人の夢じゃあないと思う。[嘘は吐けない。申告は率直だ。手慰みめいて前髪をぺたぺたと撫で付けながら、視線を彷徨わせる。僕は夢が叶ったかもしれない、なんて声は小さく。]けど……、ヤンさんはもとから幸せだよね。[彼は心配げにこちらを見ているんだろうか。二児の父だからか、はたまた元々の性質か。彼の寛大さを大らかさを、困惑で翳らせるのは惜しいから。変なこと言ってるかな?なんて目で見る。自覚はあるんだ。]
(14) 2021/10/14(Thu) 15時半頃