― 船内ロビー ―
[モニターの前で、じっと待っていた。
ただの事故で、ちょっと通信機が壊れてしまっただけで。少しは怪我をして、動けなくなっていたかもしれなくても、無事に帰ってきてくれると、そう信じたい一心で。
けれど、更新音と共にモニターに表示された×印が、LOSTに移動した名前が>>#0、事実はそうではないと突き付ける。
じわりと、視界が滲む。どんどん滲んで、印も文字も見れなくなる。
見たくないからだろうか? 見たくなかった。見ることになるかもしれないと思っていても、見たくは、なかった。]
ッ……う……うわぁあァあぁァアン!!!
[そのまま、声を上げて泣いた。顔も隠さず、涙も零しっぱなしで。
ケトゥートゥは子どもではないけれど、大人だけれど、悲しいものは悲しい。泣きたい時は泣きたい。良くある話>>#0:1だとしたって慣れなくていい。
それでいいと思うから、そうしたいと思うままに泣いた。]
(12) 2021/11/09(Tue) 03時半頃