――おかしな公演の舞台へようこそ!――
[キミは今、どうしていただろうか。
何気ない日常の最中? 今まさに死を迎える瞬間?
どうあれ、キミの足元に突然ぽっかりと穴が開き、キミは落下するような感覚を覚える。
そして落下の最中、キミの目の前には一瞬だけ、こんな光景が映る。
近代西欧めいた調度品に囲まれながらも、ピアノの脇にレトロフューチャーなマシンを完備した>>6部屋。
ピアノの前でてへぺろをする、黒い長袖のカーディガンに白いプリンセスラインドレス、黒いピンヒールを纏った妖精。
マシンの前で頭を抱えて悲鳴を上げている様子の、白いタキシードに黒い革靴を纏った人間。
数多の世界を映す窓の形は見えないが、部屋の中に月明かりが燦燦と降り注いでいることは判るだろう。
この時、妖精も人間もキミに向けて何かメッセージを向けることはない。
キミは紫の光に包まれ、さらに落下していく。]
(12) 2021/04/12(Mon) 19時半頃