[その宣言>>0のタイミングでは狐はまだ目の前にいたのでしょうか。
それとも、一度消えていたのでしょうか。
ビクッと体が大きく跳ねます。
その内容を分かっているのでしょうか。
それともただ、頭に響くその声に驚いたのでしょうか。
大きく目を見開いた後、その目に薄く水の膜が張りました。
そして、しくしくと泣き始めました。
静かに、なきじゃくることもなく、ほろほろと涙が溢れて来ていたのです。]
まま……。
[ほてほてと、頼りない足取りで田端は部屋を出ていきます。
先ほどまでとは違って、子供の視線の高さでは何もかもが大きく見えています。
部屋を出ていく、と一言で言っても、ドアノブに手をかけるのもやっとの高さでした。
でも、怖くても、ままを探さなくてはなりません。
ここは家と違ってとても広いから、ままだって迷子になってしまったのかもしれませんよ。]**
(7) 2023/08/02(Wed) 00時半頃