──if・瑠璃川珊瑚の戦い──
大和くんの入った壺を抱えながら、私は病院の待合によく置いてある腰掛けに座って戦いに臨んでいた。
大和くんの戦いで、別の世界線?別の地球?が存在してして、そちらで戦うこともあるのだと知っている。
それをアウェイとハロは呼んだ。
七尾ちゃんの時はあちらにとってのアウェイだったから。場所のことなんて気にせずに思い切り勝負を挑んできたんだろう。
大和くんはアウェイでもなるべく被害が出ないようにしてくれたけど──私にあんな戦いかた、出来るだろうか。
でも、早く終わらせられればそれだけ早く大和くんと一緒になれる。
私が死んだら父さんには知らせずに一緒に埋めて欲しいとハロにお願いしていた。
父さんには──遺書を残しておいたから、それで察して欲しい。娘が巻き込まれていると知って、その裏に軍や政府も絡んでいると知って、世界を恨まないで欲しいから。
だからハロにも、私の名前は他で出さないで欲しいとは願ったけど…それは後に残された人々次第かもね。
私は待ち望んだその日を冷静に受け止めた。
一ヶ月近く経ってしまった。でも四十九日には間に合ったから、きっと隣にいけるよね。
(=0) 2023/11/17(Fri) 13時半頃