─海辺にて 恵一と─
[俺にとって恋愛は、よくわからないもんってのが正直なとこだ。なんかうまく行かねーし、伝わんねーし、何かが違う。そんな感想を持ってた。他に楽しいこといっぱいあるから、別にそれをしなくてもいいよなって。 ……そう、思ってた。]
[けど、この時の俺は、どうしようもなく傷ついてたし、凹んでたし、参ってた。父さんも母さんも居てくれてるのに、迷惑掛けてばっかな気がしてて。そんなことないはずなのに、なんでか世界中に嫌われてるみたいな感覚があった。酷く独りぼっちのような気がしてて。俺が死んだらいいのかな、って。そんな気持ちもちょっとあったんだ。]
[でも、ケイから伝わって来る少し早い鼓動も、温もりも「そうじゃない」って言ってくれてるような気がした。それが俺の勘違いじゃないってことは、この後続く言葉で証明された。]
好き……? 俺のことを?
[辛かったのは、とっくに見抜かれてた>>+96。「聞いてくれる?」って言われた>>+97から頷いて、ケイの言葉を待った。 ……や、正確にはちょい違う。言葉を待ったわけじゃない。こんなこと言うと怒るかガッカリさせるかさせそうだけど、言葉は別に要らなかったんだ。]
(+113) 2023/08/23(Wed) 21時半頃