─柊木家と瑠璃川家─
[俺は本当に、病室からほとんど出らんなかったレベルのガキだった。だから、瑠璃川…ってか珊瑚が来てくれなきゃ、俺から会いには行けなかった。しょっちゅう死に掛けてたり手術したりで、来てもらっても会えない期間だってきっと多かった。でも珊瑚のことだから、ずっと気に掛けてくれてたんだろうな。俺の白い世界には、ちょっとだけ珊瑚の青があったのかもしれない。]
[でも俺にとっての珊瑚は、外の世界との窓口とか、唯一の友達とかそんな感じ。大事ではあるけど、恋とか愛とかそういうのはなかった。でも、幼馴染ってそういうもんじゃね? 俺はどっちかって言うと、珊瑚が語ってくれる外の世界にワクワクしてた。]
[多分、今「瑠璃川」呼びと「柊木くん」呼びなのは、一年の頭くらいにめっちゃ騒がれたから。俺は騒がれる理由とか全然わかってなかったから、珊瑚から指摘があったのかもな。それから、俺は女子は基本名字で呼ぶことにしてる。]
(+83) 2023/08/21(Mon) 21時頃