─別行動軸、礼拝堂─
[散々だ。"あの世界"はあんなに幸福に溢れていたというのに、誰も彼もが笑えて過ごせるはずの世界だったというのに。
自身の焦燥は追い打ちをかける他者の不幸で募り深まった。
全貌は知らずとも、人生とは、"この世界"とは、惨澹に満ち溢れる。
じわじわと現実味を増していくのは、正しくこの世界の現状をゆっくりと理解し思い出してきたからに違いない。]
[虚ろに何かを誰かを探して、結局は当ても無く、何かを願う為に礼拝堂へと訪れた。
ぎい、と開く扉の先に>>+8ステンドグラスに彩られた金糸を見たのは予想外だったけれど。]
驚いた。ここで起きてる人物に会うなんて。
[カツカツと光の元へと歩み寄り、彼女に並ぶその前、数歩後ろで立ち止まる。
神的な光の中に立ち入ったのなら澄んだ崇拝を濁し汚してしまいそうで、瞬時くらりと眩暈めく。]
……隣、良い?
神様は、俺の祈りなんて聞いちゃくれねえかな…。
[誰かの幸福を願う言葉くらい聞き入れくれて良いじゃねえか、なんて。それは利己より傲慢な罪に成り得たか。]
(+13) 2021/10/16(Sat) 18時半頃