35 忙しい人のための手紙村(宇宙編)
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― 朝/高校の温室 ―
[良く晴れた、清々しい朝。 その日も始業時間よりも早く、高校の温室へ行くと、育苗ポッドの傍へ行って。]
わー。第二本葉が出てる。 写真撮って、なゆたんに送ろ。
[嬉しそうに目を細めて、写真を撮った後、端末を鞄にしまうと。]
そっと……そーっと。
[苗の根を傷めない様にそっと、間引きと、それから、元気な苗を少し大きい9cmのポットへ移植をして。 他の植物達のお世話も終えた後、教室へと急いだ。]
(9) 2024/04/06(Sat) 21時半頃
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― 夕方/カフェ ―
[今日は予備校が無い日だから、放課後、友人達とカフェへ寄り道。 注文した苺のパフェは、生クリームもアイスも合成だし、本物の苺も使われていなくて。 化学的に苺の味を再現した、ジャムの様な物が使われているのだけれど。]
本物の、新鮮なトマト。 喜んでくれたらいいな……。 [少し俯きがちに、小さく笑んで呟くと、隣に座っている友人が首を傾げる。 なんでないよ、と小さく頭を振って、窓の外へ視線を向けると、空は茜色に染まり始めていて。 少し強めの西日を受けて、目を細めた。]
(10) 2024/04/06(Sat) 21時半頃
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― 夜/自宅 ―
[自室で受験勉強をして、その休憩の時間。 端末の電源を入れると、電子メールを表示させた。]
(11) 2024/04/06(Sat) 21時半頃
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なゆたんへ
大気がある星なんだ!それは期待大だね!🍅🌸
最後に会った時かー。 あの時からだと、そんなに変わってないと思うけど。 私が物心ついた時には、なゆたんが居たし、 実家を出てからも、こっちによく帰ってきてたから、 1年も会ってないのって初めてだね。
そうそう! あのリュック、まだ家にあるよ。 あの時はとても大きく感じて、大人になった気分だったけど、 今見ると小さいのよね。
[くすくす笑いながら返信をして。 苗のヒント、赤い食べ物まで書いても、全然分からないと返ってくると、 本当に?と、んー、っと考える間の後、返信を続ける。]
(-8) 2024/04/06(Sat) 22時頃
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秘密の苗はね、今日、第二本葉が出てたから、 間引きと植え替えをしたよ。順調に育ってます!🌱🎶
[朝撮った写真>>9を添付して。]
そっか。それなら、この返信が届く頃には、 もう最後の惑星に着いてるのかな。 夕陽かぁ……いいね。
[綺麗な夕陽、観に行こ!と書こうとして、やめておいた。 一緒に観に行きたい人とか、居るかもしれないものね。]
今日は、もう少し勉強頑張ってから寝ます💪🐰📚 おやすみ!
[頭にはちまきを巻いたうさぎが、一生懸命勉強している便箋で送信。]
(-9) 2024/04/06(Sat) 22時頃
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[那由多に電子メールを送信すると、机の上に置いてあるうさぎのオルゴールに手を伸ばして、ゼンマイを巻く。 机にうつ伏せになって、瞼を閉じると、その音色にしばらく身をゆだねた。]
[那由多が地球を発つ前に、同じ物を押し付けた、 そのオルゴールから流れるのは、『夢を信じて』という曲のメロディ。**]
(12) 2024/04/06(Sat) 22時頃
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― どこかの宇宙船/ケージ ―
[回し車を回す足を止めると、トン、とそこから降りて。]
(んー。やっぱり、ニンゲンが様子を見に来て、 ここを開けた時に脱走するしかないかなー。)
[小さなケージの中、アシモフは引き続き、脱出方法を考えている。**]
(13) 2024/04/06(Sat) 22時半頃
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/* 『小さな前脚を組んで』アシモフは〜>>13って書いたけど、そこまで人間ぽくして良いか迷って消しましたw 実験で高い知能を持ったねずみ、としても、世界観を壊してしまったらと思いw
(-10) 2024/04/06(Sat) 22時半頃
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[それからは、ささやかな近況報告が ぽつりぽつりと届くようになった。>>0:28
謎のチョイスの便箋に肩を震わせたりしながら、 送られてくる画像を眼鏡越しに眺め 妙な安心感を胸に日々を過ごしていた。
きれいだと思ったもの、珍しいもの、 彼女が過ごす中で切り取られたごく一部の とりとめのないことばかりだが、 それは妙な不安に駆られていた日々を癒すには十分で。
何度も何度も読み返しはするものの、 返事はろくに返せずにいた。]
(14) 2024/04/06(Sat) 22時半頃
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[咥えたスティックキャンディーをカラコロと 口の中で転がしながら、 宇宙局本部から届いた定時連絡を確認。]
YARS、念のためだ、 警報装置をチェックしておいてくれ。 動作確認も忘れずにな。
「アイ、コピー。警報装置をチェックします」
……問題なさそうだな。 ん?
[そうしていれば、 1件の音声メッセージの受信音が鳴った。]
(15) 2024/04/06(Sat) 22時半頃
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……、
[再生させ、久々に聞いた声は 時折届いていた近況報告の電子メールよりも 悲痛な響きを帯びていて。 随分と――寂しさを押し殺したような声に 聞こえたのは、きっと俺の勘違いじゃないと思いたい。]
あー……、どうすっかな。
[最後のノイズからも、意図的ではなさそうな その音声メッセージにどう対応したものか。 拳を額にあて、しばし考え込む。**]
(16) 2024/04/06(Sat) 23時頃
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/* 今日中にもう一通送りたい。 けどちょっと寝かしつけしてこよう
(-11) 2024/04/06(Sat) 23時頃
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/* 入村前にPCについて特に何か話したわけじゃないのに、鯖さんがさぁ、こっちのロルから性格やらなんやら汲み取ってくれるのがすごいんだわ。 よくわかるね、神様信じてないタイプって。 結構確定で投げちゃってるのも丁寧に拾ってくれてたりして、めちゃくちゃうれしい。 たのしいね。
(-12) 2024/04/06(Sat) 23時頃
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あーーー、もーーー、疲れたぁ。
[ 今日も今日とて仕事はある。 笑顔を貼り付けながら理不尽な事に耐え、 やるのが自分じゃなくてもいい作業をこなす日々。
疲れなのか気圧なのかズキズキと痛む頭を 鎮痛剤でどうにかやり過ごして。 帰宅し、自室の窓から見る隣の家の窓は 相変わらず真っ暗でカーテンが揺れることもない。]
(17) 2024/04/06(Sat) 23時半頃
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[ 補給を地球資源に頼っていた時代と違い、 今は宇宙の各地に補給拠点がいくつもある。 特別な用事がない限り、宇宙探索者が戻ってくるのは 個人差はあるが長ければ十年や数十年なこともある。
戻って来られなかった探索者も、 自分が知らない範囲でいくらでもいるのだろう。 その中にエフが含まれてるだとしたら なんて。
最後に顔を見たの、もう何年前だっけ。]
(18) 2024/04/07(Sun) 00時頃
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[ 随分と前に送られてきた手紙を眺めて、 小さくため息を吐いた。
部屋の壁に貼られたいくつもの写真を眺めても、 それを撮ったのと同じ場所に居ないなら 同じ世界を見られないことに変わりはない。]
私も宇宙探索者の試験受けとけばなぁ。
[ 受かったとしても、既に旅立った探索者と合流なんて どれだけ幸運を重ねればいいんだろう。 それでも滅多に来ない手紙を待ち続けるよりは、 少しはマシな気持ちになれただろうか。]
(19) 2024/04/07(Sun) 01時頃
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[ けれど。それが出来ない大きな理由。]
……いつまでいい子で待たせるのよ。
[ 最初にもらった手紙にあった、あの約束。 あれのお陰で転勤を伴った昇進を蹴る羽目になったし 何度か考えた一人暮らしを諦め続けている。
とはいえ。 待ってろよ、なんて言われてなくたって、 親離れは出来てもエフ離れが出来ない自分には おとなしく待ち続けてしまうんだろう。
問題は、それを素直に言えない自分の性格だ。]
(20) 2024/04/07(Sun) 01時頃
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あ゛ー ゴホッゴホッ ん゛っ、
よし。 ん? あ、スイッチはいってたか。 まぁいい、よぅ、久しぶりだな。 俺だ、エフだ。
元気にしてるか? ……いや、そーじゃなくてだな……、
(-13) 2024/04/07(Sun) 01時半頃
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[何光年も先の未知の惑星への旅。 果てしない旅路の末は万全でもない。 確実な安全の保障もない。
出発前にも、出発してからも、 いつ帰るか、どれぐらいで帰れるか、 なんて話はひとつもできなかった。 必ず帰るという約束も、どうしてもできなかった。
縛るようなことを言うのもよくないと思ってたんだ。 けれど。 あんな弱々しい声音を聞いたのは、 それこそいつ以来だったか。 ずっと妹みたいなもんだと思っていたから。 近くにいて、頭を撫でてやれないことを こんなにももどかしく感じる日が来るとは思わなかった。]
(21) 2024/04/07(Sun) 01時半頃
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俺たちのチームは、 もう候補の惑星に降りて調査に入ってる。
調査は順調で、自転は少し地球より遅いが 重力地場も安定していて、 大気も水もある。 あとは地質調査と、有機生命体の…… いや、これもそーじゃなくてだな……
[考えあぐねるような間が少し空く。]
(-14) 2024/04/07(Sun) 01時半頃
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調査はもうすぐ終わる。 帰るのにまだ時間はかかるだろーが、
……なるべく、早く帰るよ。 だから、……
……待っててくれ。 もう少しだけ。
……以上だ。
[最後の方は少し気恥ずかしくなって、ブツリと乱暴にスイッチを切った。]
(-15) 2024/04/07(Sun) 02時頃
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……ふぅー、
…………、 慣れないことは、やるもんじゃないな。
[眼鏡をはずして、手で両目を覆った。 急に気恥ずかしくなってしまった。 新しいスティックキャンディーの包みを開いて ガリリとかみ砕く。
音声メッセージは通常の電子メールよりは早く届く。 とはいえ、何光年も離れた距離にいるのだ。 きっとすぐには届かないだろうけど、 それでも何か送らずにはいられなかったから。**]
(22) 2024/04/07(Sun) 02時頃
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/* あぶねー寝貸し付けと一緒に寝るとこだった
あともう一通送るか
(-16) 2024/04/07(Sun) 02時頃
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/* そういやアレクサに 『アレクサ、起きてるか?』 って聞いたら 『はい、今起きたところです!』って言われた。
俺の想像より今どきのAIはずっと柔軟だったぜ。
(-17) 2024/04/07(Sun) 02時頃
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TO:ヨーコ
よぅ、さっき音声メッセージを飛ばしたから、 ちょっと遅れてこれも届くだろうか。
近況報告、いつもありがとな。 返事、すぐにできずに悪かったよ。
今調査中の惑星の写真だ。 こっちは電気も何もないのと、 少しばかり地球より大気が薄いから、 光が鮮明に届くよーだ。 キレイだろ? 実物を見れる日をお楽しみに。
バカで悪かったなーと思ってるエフ
(反省しているようなイルカのエフェクト)
(-18) 2024/04/07(Sun) 02時頃
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[探索チームから送られてきた画像を添えて、 電子メールも追加で出しておいた。
水面に満点の星空が反射している画像が添付されている。 地球でいうところのウユニ塩湖のような画像だが、 空にも水面にも、二つの月が浮かんでいた。
合計四つの月は見事に淡く輝いて、 それはそれは幻想的だったから。 傍にはいられずとも、 少しでも何かの癒しになればいいのだが。
便箋の下の方には跳ねたあと土下座するような 動きをしているイルカがいる。 これも俺の柄じゃないが、昔、 ヨーコが好きな動物だったはずだと思って添えてみた。**]
(23) 2024/04/07(Sun) 02時頃
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/* そうかーーーー何年も待たせちゃってんのか俺ーーー
罪作りだなぁ 寂しいよな、悪かった
(-19) 2024/04/07(Sun) 02時頃
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/* アシモフメモ チュー!(C狂です!) かわいいなオイ
(-20) 2024/04/07(Sun) 02時半頃
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/* 忙しい人のための村だけど俺しゃべりすぎて ヨーコのログ読みの負担になってない? 大丈夫???
(-21) 2024/04/07(Sun) 02時半頃
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/* よし、ねよう!
(-22) 2024/04/07(Sun) 02時半頃
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