10 冷たい校舎村9
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狼
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霊
全
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[脱皮したばかりの表皮は柔らかい。 これは、そういうお話。]
(5) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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— 朝、渡り廊下を離れてから —
[わたしはあの後、何をしていたんだっけ。 たぶんどこかをふらふらと彷徨い歩いていた気がする。 たとえば、探索してない3階も見にいったような。
運のいいことに、人とすれ違うこともなかったっけ。 少なくとも、わたしが認識する範囲では。
そんな風にぼーっと歩いていたから、 足元が無意識に歩きやすい道を選ぶのは、 そう不思議なことでもなかったはず。]
(6) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[時刻はお昼過ぎとかそれくらい。 スマホで確認したから間違いないと思う。 思うって曖昧なのは、 日付>>3:#1がわたしの思う数字とひとつ違ったから。 電波が届かないとこうなるのかなと思ったけど、 そもそも現実と違うここではどっちでもいいことだった。
このスマホは夜のひとみちゃんに役立ててもらうもの。 すぐに電源を落として、 わたしは目の前の扉に貼られた紙>>3:417を見た。]
・・・・・・。
[『注意! 番代さんに似たマネキンがあります』
わたしは黙ってドアノブへ手をかける。]
(7) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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— 昼、教材倉庫 —
[重い扉を開くと、僅かな埃っぽさが鼻をくすぐった。 図書館までとはいかないけれど、 紙の匂いやチョークの粉っぽい香りがする。
重い扉が閉まって外の光がなくなってしまう前に、 わたしは壁に設置されたスイッチを押した。]
・・・・・・。
[わたしが目にしたのは赤く広がる血だまりと、 ところどころ赤の滲んだ掛け布団>>3:416。 一部>>3:421、僅かに血が擦れた場所もあった。 血だまりだけでなく、棚まで血の飛び散った跡があり、 何かが破裂したような感覚を覚えた。]
(8) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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これ・・・・・・。
[奥の掛け布団が目立つけど、 その脇には小さな足跡があった>>2:646。 乃絵ちゃんも綿見さんもひとみちゃんも違うはず。 もちろんわたしのものでもない。
わたしは上履きと靴下を脱いで入り口近くに寄せた。 裸足になった足を跡と並べれば歴然だ。]
子どもの、足跡。
[わたしはその足跡を追いかけることはせず、 その傍ら、震える指で掛け布団を持ち上げた。]
(9) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[わたしの腕では一回で布団を全部捲ることはできない。 最初に見えたのは紺色>>2:647。 指に巻いていたはずのハンカチを強く握り締めたのか、 昨晩見た時より皺が目立つように感じられた。]
ひとみちゃん。
[これは、ひとみちゃんだ。 割れた腹も球体のついた腕も見えたから人形なのは 分かっているけど、これは、ひとみちゃんだ。
鳩羽くんの爪も結局つつくまでは至らなかった。 だから血や刃がわたしの手に触れたことは一度もない。
でもわたしはそんなことを気にするのも忘れて、 腹からの血が飛び散った輪郭に手を伸ばし、触れた。]
(10) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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ひとみちゃん。
[呼んでも当然返事はない。 わたしは指についた赤を眺める。 それからコートが汚れるのも構わずに隣へ腰掛けた。]
先に帰っただけだよね。 また一緒に帰るって言ったもんね。
・・・・・・わたし、ね。 本当にワルモノになっちゃった。
[もう少ししたら、硬くなった皮がわたしを守るから。 心臓がばくばく音を立てる。 今だけ堪えきれない罪悪感を膝に抱え、 わたしはそこに顔を埋めた。
眠ったのかもしれない。 わたしはそこで長い時間を過ごすことになる。]
(11) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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— 夜、チャイムが鳴る直前 —
[わたしはひとみちゃんの掛け布団を戻し、 教材倉庫を出る。窓の外はすっかり暗い。
コートにはべったり血がついてしまったから、 脱いで腕にかけた。制服だけだとさすがに少し寒い。 わたしは肩を震わせる。
足の裏も真っ赤だったから、誤魔化しの靴下を履いた。 ありがとう購買の靴下。おかげで上靴は守られたよ。 そんな上靴も裏にカッターの小さな刃が刺さっていて、 怪我をしないよう細心の注意を払って抜いておいた。]
(12) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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こっちだった、かな・・・・・・?
[わたしが探しているのはシャワー室だ。 主に部活生が利用するそこは、わたしには縁遠い。 何度か訪れた渡り廊下を過ぎて体育館へ。 ここにも屋台は並んでいたかな。 それならそこそこ雰囲気のある場所になっているかも。]
お腹空いた。
[わたしは1人なのをいいことに独り言を続ける。 朝も昼も何なら夜も食べ損ねそう。 せめてこの後何か食べておこうと決めて、 わたしはシャワー室の入り口を潜ろうとする。]
(13) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[もうすぐ、夜の8:50が訪れる。]*
(14) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/12(Sat) 00時頃
夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/12(Sat) 00時半頃
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/* いつから三点リーダーおかしくなってました……? 冷や汗 冷や汗がすごい。えっ……こっち……ですよ……!
(-8) 2021/06/12(Sat) 00時半頃
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/* まだログの流れを把握しきれていないのですが、先にお二人の落ちロール噛み締めてもいいですか? いいよ!
(-10) 2021/06/12(Sat) 00時半頃
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/* 向井くんは魚になるんだろうとは水族館の話から思っていたのでいいなあ。 血じゃなくて水なのも、泣いた顔隠せるのも素敵。
>>3:650>>3:656これ好きです。 向井くんらしいエピソードが自然と挿入されててすき。
>>3:660にこにこしちゃいました。いいことあるかなあ。
実際、生きているだけで苦しさを感じるのって疲れちゃうんだろうなあ。 本来考えなくていいことも全部考えながら行動しなきゃいけないんですよね。 癖になったら平気なのかもしれないけど、大家族ならなおさらイレギュラー多いよなあ。
向井くんの息がずっとラクになることは難しいかもしれないけど、たまに息の吸いやすい場所に顔を上げられるといいですね。エラも肺もありますように。
(-11) 2021/06/12(Sat) 00時半頃
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/* お日様鳩羽くん、笑えない時に休める感覚が掴めるといいなあとは思いつつ、それが本人の望む形なのかは分からない。 太陽は夜になったら反対側で朝とお昼してますからね。 休め……休め……ノリのいい会話にとても癒されている……ありがとう……!
(-12) 2021/06/12(Sat) 00時半頃
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/* お互いが刺しあったみたいな茉奈ちゃんのシーンは映像が浮かぶ感じが綺麗だなあ。 向井くんももちろんそうだったのですが、茉奈ちゃんは一枚絵みたいな構図がより際立っているというか。
双子かなって思ってたのですがきょうだいだったかー。 芽衣は今日、クレープ焼くって決めてるんです。 茉奈ちゃんのも食べたかった……!
(-13) 2021/06/12(Sat) 00時半頃
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/* 鳩羽くんと柊くんは誰とお話したいでしょうか。 様子を見つつ、まずは全体把握へ潜る。
(-14) 2021/06/12(Sat) 00時半頃
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/* >>29〜の鳩羽くんの流れ、すごいすきです。 鳩羽くんは表に出す感情の流れが綺麗で見やすい。
向井くんの立ち位置次第で茉奈ちゃん先発見もできるのですが、 そこを確かめて書いた方がいいかな。
(-15) 2021/06/12(Sat) 01時頃
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— 現在:シャワー室 —
[わたしは朝スマホを取りに行って以来、教室へ戻って いなかったから、黒板に書かれた内容を知らない。 だから当然約束の時間になっても、 わたしの姿>>24は席にない。]
……はぁ。
[排水溝に桃色に濁った水が流れていく。 シャワーを頭から浴びていると、 耳を水の壁で塞がれたみたいにならない? お母さんは聞こえが悪くなりそうって嫌がったけど、 わたしは結構この瞬間が嫌いじゃなかった。
四度目のチャイム>>#2、わたしは水音の中にいた。]*
(38) 2021/06/12(Sat) 01時頃
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— 2F廊下 —
[コートと靴下はお役御免。 ポイ捨てする訳にもいかないから、わたしはコートの できるだけ血の少ないところを表に丸く包んだ。
置き場所といったらやっぱり教室後ろの自分の棚。 わたしは保健室から拝借したタオルで髪を拭いながら 裸足に上靴の軽装で階段を昇る。]
——。
[そこ>>3:667はすごく隅っこだったから、わたし、 鳩羽くん>>28がいなききゃ気づけなかったかも。 わたしは立ち尽くしている様子の背中に近づく。
誰がいるかは分からなかったけど、 何が起きているかくらい、さすがにもう分かってるよ。]
(39) 2021/06/12(Sat) 01時頃
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[わたしよりよっぽどずぶ濡れで、 膝も腕も小さく畳んだ姿はどう見えるだろう。 赤ん坊かな。怯えているのかな。でもやっぱり、]
寒そう、だよ。
[わたしの髪ですら、冷気に当てられて冷え切っている。 全身ならなおさら。凍ってしまいそう。 わたしは鳩羽くん>>37を見上げ……見上げて。]
タオル、持ってこよう。
[小さな声で鳩羽くんに告げた。
数は多い方がいいね。 全身と、顔いっぱいを包めるくらい。]
(40) 2021/06/12(Sat) 01時頃
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[太陽は地球を回って休む暇がないけれど、 例えばとある文化祭で止まった校舎に限るなら、 月が出ている間は顔を出さなくてもいいんだから。
残念ながら、 雪に覆われた空じゃ、どちらも見えないだろうけど。
わたしは血を洗い流した手で、 鳩羽くんの背に触れようとした。]**
(41) 2021/06/12(Sat) 01時頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/12(Sat) 01時半頃
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/* 危ない。茉奈ちゃん教室じゃなくて調理室でした。 ご飯作りに行った時に見つけられたらいいなあ。 でも他の人たちが向かうでしょうか。わくわく。
・黒板で樫樹くんのことを知る ・ひとみちゃんを見たからやっぱり人形はその人(本人そのものではない)だと思っている
忘れちゃいけないメモ
・ガラスの靴レシピ作りたい こっちはやれたらいいなメモ
(-16) 2021/06/12(Sat) 01時半頃
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— 現在:3-9に近い廊下の片隅で —
[わたしが罪を告白した時、 真正面から見た向井くん>>3:457の眉は元に戻って、 どこか安心したような顔>>3:461をしていた。
今だけで言うなら、 わたしは向井くんをほんの少しだけラクにできたのかも。
でもその原因はわたしだ。 向井くんの喉に小石を詰めたのは、わたしだ。
これまでなら大して気にもしなかった……というか、 知る機会すらなかったんじゃないかな。 実際、今日まで疑いもしなかった。
わたしはあの日を、ちゃんと守れたと思ってた。]
(116) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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[言われたから気づけて、言ったから伝わる。 だからこれはわたしが望んでやったことで、 罪悪感だってわたしが勝手に抱えちゃっただけ。
わたしの残った心のスペースは少なくて、 他人の入る場所はあんまり残ってないと思ってた。
でも、わたしが思うよりずっと、 わたしはみんなのこと、すきだったのかなぁ。
文化祭、楽しかったもんね。 わたしは廊下に貼られた写真たち>>4を見る。]
(117) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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[わたしが自分で映ったのは集合写真の一枚だけ。 だからわたしが知らないものがない限り、 わたしの姿はそこにしかない。
みんながこっちを見ていた。 変顔も混じっていたけれどやっぱり笑顔が多くて、 顔がいっぱい並んでこっちを見ていても、 あんまり怖いと思わなかったのはそのせいかも。
楽しかったもんねぇ。 わたしは鳩羽くん>>78へ視線を戻す。]
(118) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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[濡れてない鳩羽くん>>79が泣いてるのはすぐ分かった。 わたしは背中に触れる。
あたたかかった。「生きている」温度がした。 深く息を吸った膨らみが、わたしの手のひらを押す。
眼鏡をかけた鳩羽くん>>80がこっちを見ても、 そこに「いつも笑ってる鳩羽くん」>>2:568はいない。 またもやっとしてる>>2:560かな。
そんな余裕もない気がするけど、 わたしは背中側から鳩羽くんの心臓を撫でる。]
(119) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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[鳩羽くんはタオルを持ってくることに反対しなかった。
九重さんの人形が見つかっても、 九重さんを探し続けていた鳩羽くん。 「人形」の血>>3:68って言ってた鳩羽くん。 でも黒板には、『殺されてる』>>3:79って書かれてた。
お互いの知らない非日常めいた朝>>3:630や 日常めいた昼>>3:623があって、 また明日>>3:177がやって来たね。
わたしたちの考え、経験したことや見える世界>>87は やっぱりいろいろ違うんだろうけど。 向井くんはもうここにいないってこと>>85は、 同じように分かってるんじゃないかなって思ってた。]
うん。
[だから返事は一言だけでいい。]
(120) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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……どっちもだよ。
[向井くんも、鳩羽くんも。それからわたしも。 どっちでもいいとか何かひとつだけじゃなくて 珍しく全部を選んでみたんだけど、 向井くん>>3:360みたいにかっこよく見えたかな。 わたしはあの言葉>>3:399、撤回してない>>3:589よ。]
(121) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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[ひとみちゃんの隣で零した心情>>11は あの時より少しわたしの身体に馴染んで、 わたしを最低限笑顔にしてくれたと思う。
だから気づかなくてもいいんだよ>>81。 このお月様、我が強いからさ。 お日様が休んでいる日でも、 1人の足元を照らすくらいはできるかもしれない。
一番好きなもの以外、どっちでもいいと思ってたから。 わたしはこんな気持ち知らない。 どうしたらいいか分からない。 だからわたしは、笑っている。]
(122) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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[鳩羽くん>>82はわたしの手荷物に気づいたみたいで、 わたしは使えなくなっちゃったってだけ伝えた。 畳んだところで血が少し見えているかもしれないけど、 そう目立つものでもない。 貼り紙があった以上、他のみんなも ひとみちゃんのことは知っていると思ったから、 わざわざ思い出させる必要はないかなって。
壁の向こうに進んだような小さな足跡を思い出していた。 友達、あんなに小さかったんだなって。 わたしはポケットに手を入れて、小さなぼたんに触れる。
同居していたもうひとつを指で探したけれど、 「今度」駄菓子を買うための10円玉はお財布の中だ。 見つからないものを、深爪の指で掻いた。]
(123) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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[コートを置いてくるねと伝えて、わたしは教室へ入る。 鳩羽くん>>84の炭蔵くん>>104への説明を聞きながら、 わたしは自分の棚にコートの塊を押し込んだ。
炭蔵くんはどんな顔をしているんだろう。 いつも通りなら、その眸は前髪に隠れていたかな。
この距離じゃ覗き込むこともできなくて、 わたしは炭蔵くんが何を考えているのか>>100>>103 分からなかった。]
(124) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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[炭蔵くんから目を逸らし黒板を見ると、 わたしが見た時より文字がいくつか増えていた。 やっぱり寄せ書きみたいだなって思う。
みんなが教室にいた理由を知ったり、 予想通りひとみちゃんのことが書いてあったり>>3:419。 ——それから、樫樹くんのこと>>3:341も。
薄情なわたしはようやく、クラスメイトとの別れを知る。
わたしと樫樹くん>>2:478はそんなものだったけれど、 あの穏やかな時間を、黒板の文字を覚えていた。]
……。
[ここにもお疲れ様>>1:317はあったかな。 もしなくても、きっと集合写真の後ろに写っている。 当然樫樹くん自身も、みんなの輪の中にいた。
わたしはその写真を探すように廊下へ戻る。]
(125) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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お待たせ。
[ダッフルコートを着たわたしが誕生するのはその後。 いくら手が大きいとはいえ、丈も袖も余りまくって まぁ、面白いことになってますね。 袖を捲ろうとしても戻って手が出せない……。
そもそも鳩羽くん>>83が寒いからと返そうとしたけど、 その意見は通らなかったんじゃないかな。]
ありがと。
[お礼はちゃんと伝えたよ。 お返しにマフラーでもと思ったけど、 端に血がついていたからコートと一緒に詰め込んだ。
柊くんと乃絵ちゃんはすでに移動したとか、 綿見さんも来てなかったとか、 ここにいない人の話、聞けるならその時知れたかも。]
(126) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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[まず保健室へで抱えられるだけのタオルを持って、 鳩羽くん>>85は更に別の場所から毛布を取ってきた。
それが向井くんのものであることは部屋の様子から 分かったかな。だからわたしは何も言わない。 雪みたいに白いタオルを向井くんに巻いてあげる 鳩羽くん>>87のことを見ていた。]
……。
[鳩羽くんがぽつりと言葉を零した。 その向こうには首元が見えて、何本もの浅い傷が見えた。 わたしの返事は少しだけ遅れる。]
(127) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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苦しかった……とは、思う。 でも嫌いじゃないって言ってたよ。
楽しかったって。 みんなと一緒なの、楽しかったって。
[苦しかったら楽しくなくて、楽しかったら苦しくない。 そんな単純なことなら良かったんだけど、 向井くんの世界はどっちもがいろいろあるみたいだから。
わたしはわたしが見た向井くんの話をしながら、 鳩羽くんの頭へ1枚のタオルを被せようとした。 向井くんの前にいるならしゃがんでいるでしょう。 それなら面白いシルエットのわたしにだって届くよ。
もう1枚は自分の頭へ。 こうすれば、髪が濡れてるのも泣くのも全部同じだよ。
わたしは鳩羽くんの隣へしゃがんだ。]
(128) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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だから……先に帰っただけだよ。 帰ったら、また会える。
一緒に帰ったり、いろんな話をしたり、 何ならはじめましてだって。 なんでも、できるよ。
[ひとみちゃんが握っていた紺色のハンカチを思う。 わたしと向井くんが半分ずつ持っている10円玉を思う。
樫樹くんにご趣味はって聞いたらびっくりするかな。 わたし、自分から話しかけるの慣れてないから、 最初はどんな風に話しかけたら上手くいくんだろう。
わたしは叶うかも分からない夢を見ている。
包帯みたいにぐるぐるになった向井くんに触れた。 雪のような白。 温かくはないけれど、凍るような冷たさもない。]*
(129) 2021/06/12(Sat) 14時頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/12(Sat) 14時頃
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/* 寝る前に乃絵ちゃんとお話したいのですが、自分の筆の速さと未来軸を投げることへの躊躇いと話したい気持ちの間で反復横跳びをしている。 話したいというか何なら一緒にクレープ作りたい。たぶん焦がす。
柊くんともせっかく音楽室のご縁をいただいたので喋りたいんですよ。音楽室の鍵一緒に開けたくない? 開けたい。 炭蔵くんのお顔も覗き込んでみたいんですよ。言わなきゃわかんないよって言いたくない? 言いたい。
欲張りがすぎる。 まずは何より落ちる2人がやりたいこと優先してほしいので、ちゃんと待てをしましょうね。わんわん。
(-29) 2021/06/12(Sat) 14時半頃
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/* 虚空にあったマフラーも回収できたし、書き漏れはない……はず……!
そういえば今日メモに柊くん投票確認を書く際、 前日の向井くんを流用しようとしたらピアノ投げつけかけたって話はおまけに残しておきます。もう狂気なんですよ。怪力なんですよ。 10円も投げるなという話なんですけれども。ちゃんと手放さなかったよ。
(-30) 2021/06/12(Sat) 14時半頃
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— 水たまりの廊下 —
[わたしのこと、知らないのってフツーのことなんだよね。 だってわたしが話さなかった。
知らなくていいと思ったから。 わたしのことはわたしだけが分かっていればいいって 思ってたから。
でもそれは間違いで、 わたしが1人で生きている訳じゃないってことを 忘れていただけだった。]
……いるよ。
[鳩羽くん>>132の顔はタオルに隠れて見えない。 でもいつもより弱々しく聞こえる声とか、 鼻を啜る音>>133とか、向井くんの傷を撫でる指とか。 わたしにも届くものはあって、 つい零れた返事はやっぱりへらへらと薄かった。]
(140) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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[タオルの向こうからまた声が聞こえる。 これまでのこと、みんなのこと。 今この瞬間のこと、向井くんのこと。]
知ってるよ。見てたもん。
[家にいたら心配をかけるからって理由もあったけど、 わたしだって皆勤賞組>>0:362だ。 2人を見慣れるくらい仲が良かったこととか、 教室をぐるぐる回る姿>>0:380とか、全部、見てた。]
わたしから見ても楽しそうだったよ。 楽しそうだから会計やったんだって、 文化祭楽しかったって向井くんも言ってた。
[向井くん、勝手に喋ってごめんね。 でも言ったら伝わる気がして、わたしは言葉を続ける。]
(141) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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向井くんの文化祭に、鳩羽くんがいない訳ないでしょ。 ずっと、一緒にいたんだから。
鳩羽くんは鳩羽くんとして、向井くんの中にいるよ。
……わたしが言っても説得力ないかもしれないけど。 わたしは、そう信じてる。ううん、そう思うよ。
[信じたいという鳩羽くん>>134に、わたしは頷いた。 それから信じたいけど信じきれないこと>>135も。]
(142) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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びっくりしてるかもねぇ。 向井くん、そういうの得意じゃないよね。
イレギュラーっていうのかな。 文化祭のレジでもそうだったよ。 お客さんがトッピングアレンジしてくれって 言った時とか……。
[わたしと鳩羽くんは少しだけ、向井くんの話をした。 わたしだってここにいないことは理解しても、 絶対帰った、無事だ、なんて言い切れない。
頭のどこかでもしかしたらを考えて、 心のどこかに可能性>>3:152を抱えている。
夢>>129は、現実じゃない。 だから鳩羽くんの不安を取り除くこともできない。]
(143) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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[雫みたいに、鳩羽くんの呟き>>138が聞こえる。]
いなくなる……帰る、んだよ。
[そう返すわたしの声は途中で詰まった。 そのためにわたしたちがどうなるのか、 九重さんやひとみちゃんを思い出し、向井くんを見る。 樫樹くんだってきっと、そうだったんだろう。
それとは別に、思うこともあった。
ここが誰かの頭の中の世界なら、 帰るっていなくなることなのかな。 文化祭の中、3-9の物ばかりが増えるこの場所で、 わたしたち、いなくなっちゃうのかな。]
(144) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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……嫌だねぇ。
[わたしは鳩羽くんに返事をしたけれど、 その意味はもしかしたら少し違ったのかも。
寂しいねぇ。って、わたしは呟いて、 向井くんに触れていた手を離す。また今度ね。 ダッフルコートの裾を踏まないように気をつけながら わたしはゆっくりと立ち上がった。]
(145) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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ん。
[わたしより低いところにある頭。 タオルじゃなくて、わたしの手のひらを押し当てる。 鳩羽くんが嫌がらない限り、 わたしは鳩羽くんの頭をこれでもかと撫でた。
タオルと袖でクッションは豊富だったから、 やや強めでも痛みはなかったと信じたい。]
頭冷たくなって来ちゃった。 わたし、そろそろ行くね。
……鳩羽くんは、どうする?
[タオルの向こうを覗き込むようなことはせず、 わたしは声だけで鳩羽くんに尋ねた。 鳩羽くんはどう答えただろう。 どの答えでも、わたしは向井くんの側を離れるつもり。]*
(146) 2021/06/12(Sat) 16時半頃
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/* ・浅い傷のこと 深爪 ・向井くんの移動 まだいるならこのまま? 寒そうだから連れて行く?
(-34) 2021/06/12(Sat) 17時半頃
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— 涙の落ちる廊下で —
[わたしと鳩羽くんの時間はいつもちょっぴり賑やかで、 けれど今日のわたしたちはちょっぴり静かだ。
途中会話が途切れたとしても、もう気まずく思わない。 あの朝>>0:665とは全然違うってわたしは笑った。 つい昨日のことなのに、ずっと遠くに来たみたい。]
(153) 2021/06/12(Sat) 18時頃
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[向井くんの話をして、いなくなることを想像して。 わたしが立ち上がっても鳩羽くん>>149は動かない。 力いっぱい撫でたってされるがまま、なのかな。
昨日はぐしゃぐしゃに撫でられた>>3:132。 わたしの言葉に意味があったみたいで、嬉しかったの。 今日はぐしゃぐしゃに撫でてやった。 嬉しかったこと、お返し。]
うん、分かった。 身体冷やさないようにね。風邪引いちゃう。
[鳩羽くんはまだ残るみたい。わたしは止めなかった。 コート借りちゃったからひとつだけ注意をして、 おあいこに満足したわたしはその場を離れようとした。]
(159) 2021/06/12(Sat) 18時半頃
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なぁに。
[鳩羽くん>>150に呼び止められて、わたしは振り返った。 鳩羽くんの頭からタオルがなくなって、 泣いてる顔、見えちゃった。
でもわたしは目を逸らすことなく、 鳩羽くんがいつもみたいに深呼吸するのを見ている。 一回、二回。癖なのかな。落ち着くのかも。 待つ間、向井くんみたいだなぁってわたしは思った。]
……。
[鳩羽くん>>151が笑ったからわたしはちょっぴり驚いて、 さっきまでの笑顔が一瞬なくなっちゃう。 細めがちな目を開いて、瞬きをひとつ、ふたつ。]
(163) 2021/06/12(Sat) 18時半頃
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うん。
[わたしはわたしがやりたいことやっただけだから、 お礼にどう返していいのか分からなくて、 明日の約束だけに返事をした。
鳩羽くんの足元を見る。 廊下は寒いから移動した方がいいかなとか考えたけど、 今はもう少し、鳩羽くんの側にいてあげてね。 タオルはたっぷりあるし、 鳩羽くんが毛布も持って来てくれたみたいだから。
わたしは心の中で向井くんにお願いした。]
(164) 2021/06/12(Sat) 18時半頃
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[歩き出す前にタオルの端と端をどうにか引っ張って、 わたしも顔を隠すタオルを取り払う。 お互いを覆いがなくなって、鳩羽くんがよく見えた。]
泣いてる顔も、悪くなかったよ。
[やっぱりわたし、寄り添うの得意じゃない。
鳩羽くんが悩んでること、何も力になれてないし、 笑わないと落ち着かないって言ってた人に 伝えることじゃないかも。
でも、わたしがそう思ったから。 善悪じゃない「悪くない」をわたしは鳩羽くんに贈る。]
(165) 2021/06/12(Sat) 18時半頃
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これ、ちょっとだけ借りるね。 ありがとう。すごくあったかい。
[驚きに外れた笑顔も戻して、これって袖を振って見せて。 今度こそわたしは歩き出す。]
また明日。
[この笑顔は嘘じゃないよ。 だってわたしは、鳩羽くんと会える明日を信じてる。 信じたいと、心から思っている。]*
(166) 2021/06/12(Sat) 18時半頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/12(Sat) 18時半頃
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— 校舎内 —
[炭蔵くん>>181が出てくるより先に離れたわたしは、 サイズの合わないダッフルコート姿で廊下を歩く。 やっぱり顔よく見えなかったな>>176、なんて 思いながら、歩いても歩いても途切れない写真を眺めた。
屋台やメニューの写真から 客引きたちのスイーツモチーフの衣装。 変顔している男子たちや、調理の様子も写ってたかな。 集合写真は打ち上げの時>>0:353。 屋台の前でも結構な人数が集まっていたみたい。
こうして並べてみると、わたしもだけど 乃絵ちゃんや炭蔵くん>>178の写真も 少ないんだなって気づけた。
当日参加ハプニングでほとんど参加できなかった 樫樹くんもその関係で多くないけど、 乃絵ちゃんと一緒の写真>>2:541は見つけられたかな。]
(191) 2021/06/12(Sat) 20時半頃
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並べてみない分からないこともあるんだなぁ……。
[広報アカウントやグループチャット>>1:168に掲載された 写真は全部見ていたと思ったんだけどな。 わたしは本当にただ、 既読を1増やしただけだったのかもしれない。]
(192) 2021/06/12(Sat) 20時半頃
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/* これは消去期間を過ぎて脱字に気づいた顔。 あちこち誤字脱字はあるのですけれども。 あとちょっとだった……!
(-39) 2021/06/12(Sat) 20時半頃
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[分からないことばかりのわたしの歩みに迷いはない。 奥の階段を上がって踊り場を三回通る。]
……。
[ひとみちゃんが追いかけてきてくれた時は わたし、手ぶらで何も持ってなかったから、 扉に縋りつくのが精一杯だった。
でも今のわたしには大切な薄青色のぼたんも たった1枚残された10円玉もある。 わたしは長い袖から手を出して、ある鍵を持ち上げた。]
……失礼します。
[柊くんと以前探索した時>>2:37に見つけたもの。 頭上には、『音楽室』の文字が掲げられている。]*
(193) 2021/06/12(Sat) 20時半頃
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— 音楽室 —
[ここを訪れるのは授業と月曜の放課後だけ。 夜の音楽室はまた違った雰囲気があった。 曜日はどうだっただろう。 日付が昨日と同じ以上、何の意味も持たないけれど。]
……。
[部屋の電気をつけると、外がより一層暗く見えた。 わたしは扉を閉めて、グランドピアノの椅子を引く。 悲鳴のような音の後、間に身体を滑り込ませた。 ダッフルコートは椅子の背に。 脱いだ途端冷気が肌を撫でて、わたしは身を震わせた。]
(197) 2021/06/12(Sat) 20時半頃
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ずっと、 もう弾かない方がいいって分かってるのにね。
[黒い蓋を持ち上げて、深紅の布を畳んでどかす。 椅子に浅く腰掛けてから、凍える手を擦り合わせた。
わたしの爪はいつまで経っても短くて、 あぁ、そういえば、向井くんの爪も短かったな、なんて。 首についた傷が浅かったのはきっとそのせいだろう。 わたしたちの手は、 噛むようにも傷つけるようにもできていない。]
(198) 2021/06/12(Sat) 20時半頃
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[指を一本立てて鍵盤に落とすと、聞き慣れた音がした。 それを何度か繰り返す。ぽん、ぽん、ぽーん。 押し続けた分だけ音が伸び、弦の余韻が空気を震わせる。 わたしは恍惚に似た吐息をこぼした。]
——。
[そこからはもう、わたしの声はいらない。 奏でるのは、習いたての子どもが引くような曲。 左手が決まったテンポの和音で右手がメロディー。 放課後に弾いていたものよりずっと簡単だ。
すぐに終わるもの、途中までしか思い出せないもの。 わたしの音楽は拙く、慌ただしく、 曲の途中で終わっては次々と表情を変えた。]
(199) 2021/06/12(Sat) 20時半頃
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[それから暫くの間、音楽室に近い場所では 微かなピアノの音が聞こえたかもしれない。]*
(200) 2021/06/12(Sat) 20時半頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/12(Sat) 21時頃
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/* 奇数人なので、1人タイムになっても大丈夫な場所に移動。 鳩羽くんと炭蔵くんが話すなら柊くんと乃絵ちゃんが空くのかなーでそれならここはありかなくらいの。
発見遭遇してもいいですが、そろそろ鍵解禁しておいた方がいいかな的な意図もあります。 使わないかなくらいでお借りしているだけなので、必要ならピアノ壊してもらっても全然問題ない気持ち。
柊くんは夜軸あるから手が空くのは乃絵ちゃんかなあ。 早く着席できるように頑張ろう。
(-42) 2021/06/12(Sat) 21時頃
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/* 鳩羽くんが蛇足って書いてたけど、シンプルに最高だったので感想書いちゃおう。
前も書いた気がしますが、鳩羽くんは描く感情が明瞭ですごく素敵だと思う。 分かりやすい性格っていう話ではなく、PLにすっと伝わるという感じ。文章の地力がある印象です。 男子高校生! 感がいいのも書いたかな。 印象ブレないのでここ好きポイントもずっとキープされてます。
>>173>>174がすごーーーく嬉しくてですね。言って良かったなあ。 返事の間が改行に反映されているのも見やすかったなあ。 空白を綺麗に使える方すごくいいなあって思います。
(-43) 2021/06/12(Sat) 21時頃
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/* >>172もね。 褒められるの慣れずに照れ隠しするシーン覚えてます。 今回は照れるって感じとは違いますけど、鳩羽くんのこと鳩羽くんとしていいねって芽衣は思っているので、すきじゃなくなくとくなクラスメイトなんじゃないかな。 いい加減素直に友達と言いなさい。オカマイナクもすき。
>>175も総まとめって感じで嬉しい。 また明日はないですけどね! 落ち楽しみにしてます!
時系列とか場面整理とかいろいろ気遣ってくださってて、それも本当に助かってます。 教室の茉奈ちゃんのところのフォローもとにかく助かりました……! あれ感謝しかなかった。
(-44) 2021/06/12(Sat) 21時頃
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/* 二発言に収まってえらい。 今回最初から覚悟していたのですが感想書く暇がないので封印の気持ちでいます。 だからたまには許して。クライマックスまで頑張るのでで。
(-45) 2021/06/12(Sat) 21時頃
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/* >>106 保健室の掛け布団
忘れないようにメモ。 タオル取りに来た鳩羽暮石組とどっちが早いかな。
(-46) 2021/06/12(Sat) 21時頃
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— 3F音楽室 —
[これは5歳の時に苦戦した曲。 左手の和音の形が独特で、まだ手が小さかったわたしは どうしても黒鍵から指を滑らせてしまっていた。 これは小学校にあがったばかりの時に弾いていた曲。 クラスメイトに放課後遊ぼうって誘われて断ったら、 その子がすごく怒って喧嘩になったんだっけ。 喧嘩というか一方的にいろいろ言われただけなんだけど。 レッスンに遅れちゃって、 わたしを叱るお母さんの方が怖かったなぁ。
これは10歳の時に挑戦したジャズ。 わたしが弾くのは基本クラシックだから リズムが上手くとれなくて、 このテンポのメトロノームの音が寝る時も聞こえてた。]
(262) 2021/06/12(Sat) 23時半頃
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[思い出を辿る演奏は、すべてがわたしの思うまま。 ずっと昔に弾いたきりの曲が多いから、 何度も小節を戻っては記憶に合う音を探したりする。
大きくなってから弾けるようになった楽譜を何ページも 捲るような曲もXXだけど、 わたし、こういうすっきり見やすい配置の曲もXX。
たぶん、10分くらいそういうことを繰り返していた。 すぐ思い出せる昔の曲が少なくなって、 わたしは疲労の溜まった両腕を鍵盤から離す。]
……。
[何気なく視線を向けた先、観客>>246がいた。 わたしは両腕を振ろうとした格好のまま、 まじまじと入り口の近くにいる柊くんを見る。 春から続く、見慣れてしまった光景。]
(263) 2021/06/12(Sat) 23時半頃
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…………やぁ。
[いつかもこんな挨拶をしたね。 今度はちょっとわざとだったから、 わたしは蛍光灯の下で困ったように首を傾げた。]
生徒は下校する時間ですよ。 ……放課後じゃないのに、珍しいね。
[普段ならこんなに話しかけたりしない。 わたしたちは春からずっとそうだったはずだ。 これくらいなら、日常の延長戦として許されるかな。
わたしは椅子に腰掛けたまま足をペダルから離して、 身体ごと柊くんの方を向いた。]*
(264) 2021/06/12(Sat) 23時半頃
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/* 柊くんが来てくれたやったー! >>246 >何だかこの空間だけが切り取られて >日常に戻ってきたみたいだった。
が事実そうだなってすっと入ってきてすごくよいと思いました。 柊くん、端的にその場のことを表すのとても上手。学ばせて欲しい。
(-54) 2021/06/13(Sun) 00時頃
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/* 炭蔵くんの真面目さがいい意味で面白くなるの、ずっと楽しくて好きだなあ。>>268とか。真顔ボケって感じ。
>>257の鳩羽くんちょう鳩羽くんーーーって思うし、 >>271はおばかーーー(ほめてる)(さいこう)(すき)ってなるし、鳩羽憐さんにファンとしてうちわを振らねばならない。 全員のファンですけれども。サインください。
鳩羽くんにとっての太陽が炭蔵くんなのもいいなぁ。 やっぱり自分と違うなりたい部分を持っている人を眩しく思うのかなあ。芽衣はそんな感じで鳩羽くんが太陽です。 向井くんはいいなぁっていう羨望(勘違い)でした。
(-55) 2021/06/13(Sun) 00時頃
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/* 乃絵ちゃんは世界も作りながら全体に目を配って、乃絵ちゃんの関わりをいっぱい増やしてるの素敵だなあと思います。 増やしているといっても乃絵ちゃんの世界も狭めなのかなと思いつつ。いっぱい広げるのに狭い表現ができるの、最高じゃないですか。すきです。
芽衣だけに悩み零してくれたのも好きしかなかったので、そこは全力で生かしたいなあと思って早めに気づいちゃうポジションに。 でもペラペラ喋ると展開が壊れるのでちゃんと黙りますよ。
保健室の人数が半分になるってところ、同じ考えなのでやっぱりにこにこしちゃいました。 今日も夜にワルイコトしたいな……を叶えられるよう筆を早くする……! 割とずっと乃絵ちゃん乃絵ちゃん言ってます。ノエチャン……(鳴き声)
(-56) 2021/06/13(Sun) 00時頃
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— 就寝前:保健室 —
[わたしが綿見さんのこと>>3:687を知ったのはいつかな。 柊くんの話している時? 教室の黒板>>282を見たから? それとも保健室のベッドが二つ、埋まらなかったから?]
……。
[わたしは泣かなかった。でも笑えもしなかったと思う。 向井くんの時は泣いている人がいたから笑えただけだ。
楽しいだけの場所だったなら、 綿見さん>>2:458はずっといたかったのかな。 わたしは現実じゃないを肯定した綿見さん>>2:583の、 一拍遅れた言葉の間の意味を知らないままだ。
今度は向井くんと綿見さん。 チャイムがなる度に二人いなくなる。 帰ったんだと、思ってる。]
(290) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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[保健室に乃絵ちゃんは戻ってきてたかな。 ひとつのベッドから掛け布団が消えて>>106、 昨晩綿見さんも参加してくれたお茶会>>522で食べた ドーナツとチョコの残りがテーブルに纏められている。
こんなに4人の形跡が残るのに、 もうここにはわたしと乃絵ちゃんしかいない。]
乃絵ちゃん。
[もう寝るという頃かな。 わたしは乃絵ちゃんの名前を呼んだ。]
……お腹空いた。
[わたし、結局今日一日何も食べてないんじゃないかな。 どんなに悲しくても、どんなに寂しくても、 他人事だと思ってた感情がわたしを呑み込んでもお腹は 空く。眠れないのはそのせいってことにしてほしい。]
(291) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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空いた、から……、
[わたしは制服のポケットを漁ってぼたんに触れた。 これはひとみちゃんが渡してくれたお守り。 手のひらの真ん中に入れてぎゅっと握りしめる。
反対の手はポケットから取り出して傍らに置いていた お財布に触れる。鈴みたいに振ると乱雑な金属音がする。 この中のひとつだけ、銅の音だ。……どれだろう。
樫樹くんにまつわる物はわたしの手にない。 言葉を躊躇う理由がなくなってしまった。]
(292) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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一緒にクレープ、作らない?
[わたし、昨日は聞いたのに、 今日は乃絵ちゃんのご飯聞いてなかった。
だから乃絵ちゃんが 朝から最後のクレープ>>3:33を食べたことも、 夜パンケーキ>>282を食べようとしたことも知らない。]
……綿見さん、からね。 教えてもらったレシピがあるの。
[クレープが残っているかも知らないわたしが 最初から作ろうと言ったのはそれが理由だ。 文化祭の時に綿見さん>>0:884が教えてくれたレシピ。 夢の形が壊れないようにって言い訳して、 結局は1人で料理することが怖くて眺めるだけだった わたしのガラスの靴>>1:270。]
(293) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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……どう、かな。 今日も一緒にワルイコト、してくれる?
[わたしは乃絵ちゃんの様子を伺った。 だって、いろいろあったもの。ありすぎたくらい。 乃絵ちゃんが辛そうならすぐに撤回するつもりで、 わたしは乃絵ちゃんをまっすぐ見ている。]**
(294) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/13(Sun) 01時半頃
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/* 柊くんも音楽室の後鳩羽くんといるので、時間拘束自体は齟齬起きないはず。 だから気にするのは心情とか話す内容とかですね。 どなたも動きにくくないようにがんばりましょう。
それでも乃絵ちゃんと話したかった……! ノエチャン!
(-58) 2021/06/13(Sun) 01時半頃
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/* 黒板忘れてた明日ね。
>>282綿見さん帰宅・代理マネキン調理室
元々自分用なので一番必要としているのは自分です。 永遠に迷子……。
(-59) 2021/06/13(Sun) 01時半頃
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— 3F音楽室 —
[なんでそこに居るんだろうって思ったよ。 だって今は月曜の放課後じゃない。
日が落ちるのが早くなってからは カーテンをしなくちゃ眩しくてしかたなかったのに、 空は未だ厚い雲に覆われて真っ暗で、 わたしたちを照らすのは蛍光灯の白い光だけだ。
わたしは柊くんを見る。 いつもの場所に、夕焼けみたいな髪を持つ人がいる。 そこだけはいつもと同じ色をしていた。]
(375) 2021/06/13(Sun) 15時半頃
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[わたしの出迎えへ柊くんがあの時>>2:87と同じ言葉を 返したこと>>348に、わたしの困り顔は驚きに変わる。 わたし>>2:174にとっては印象的な出来事だけど、 柊くんにとってはいつもと同じ日だと思ってたから。]
……言わないよ。ぜったい。
[お互い様はごもっとも。 わたしは柊くんの指摘>>349に肩を竦める。]
(376) 2021/06/13(Sun) 15時半頃
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[わたしたちが揃う条件は最初からずっと同じ。 わたしは月曜の放課後30分だけここにいて、 柊くんは聞きたい時に来て、 聞きたくなくなったら来なくなる>>0:728。
約束なんかじゃない>>2:86。 音楽室での時間は柊くんに委ねられていた。 ううん、わたし>>0:728が、委ねた。 わたしの夢は水底に沈んで、もう死んでいくだけだって 分かってたのに、柊くんのお願いを断れなかった。
だって聞き入った>>0:267って、嬉しかったから。 わたしの事情とか、理由とか、何にも知らない人に そう言ってもらえること、もうずっとなかったから。
良かったよ>>0:847って言われる度にほっとした。 わたしの頭には続けるか終わるかしかないのに もうちょっとだけ、もうちょっとだけって引き延ばして、 柊くんを延命装置みたいに利用している>>2:174。]
(377) 2021/06/13(Sun) 15時半頃
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そっか。
[わたしは柊くんが来た理由に一言だけ返した。 いつもと変わらない理由に、 本当にここだけ日常に戻ったんじゃないかって錯覚する。
でもわたしたちがいるのは文化祭で止まった校舎で、 扉を一歩でも出れば、壁一面の写真や 床に散らばるカッターが待っている。
わたしは身体を戻し、鍵盤に指を乗せた。 それならせめていつものような曲を弾こうとして、]
——。
[はじめて聞いた言葉>>350にわたしの指が鍵盤に沈む。 沈んだまま戻らないから、沈黙を不揃いな和音が繋いだ。 わたしは柊くんを見て、見つめて、]
(378) 2021/06/13(Sun) 15時半頃
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[——泣きそうな顔で、笑った。]
(379) 2021/06/13(Sun) 15時半頃
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[専門的な知識なんていらない。感想だってなくてもいい。 ただ、聞いてくれるだけでいい。
わたしは柊くんに、 人に聞いてもらう喜びを教えてもらったんだ。
そう、気づけたから。]
(380) 2021/06/13(Sun) 15時半頃
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一緒だね。
[わたしの声は震えていて、柊くんの場所まで届いたかな。 心臓がバクバクしてる。 ワルモノになったって思った時とちょっと似ていて、 少し違う音。息を吸うだけで喉が震えた。 肺の底に溜まった息を吐き出すみたいに口を開く。]
(381) 2021/06/13(Sun) 15時半頃
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[ここにはわたしたち以外誰もいないんだよね。
わたしに夢中になれるものを教えてくれたお母さんも、 自分よりわたしたちを優先してくれてたお父さんも、 わたしのことをただ助けようとしてくれた親戚も、 お母さんを庇いながら心配してくれた教え子さんたちも、 放課後遊べないわたしを不満に思う人も、諦める人も、 解放されて良かったねって言う人も、 新しいこと探そうって勧めてくれる人も、誰も彼も、
ここには、わたしと柊くんしか、いない。 それなら、今だけいいよね。言っても、いいよね。]
(382) 2021/06/13(Sun) 15時半頃
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わたしも…………すき、だよ。 わたしは、わたしの音楽が、 すき。
(383) 2021/06/13(Sun) 15時半頃
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[わたしは慌てて柊くんから目を逸らし、 改めてピアノに向き合った。
さっきまでの昔を懐かしむ音楽じゃなくて、 あの日>>90、いつもと同じように演奏した曲を、 今度は柊くんのために弾く。
穏やかな曲だった。 寄り添うのが苦手なわたしの分も 寄り添ってくれる>>2:178ような、 膝を抱えていた誰か>>2:90の隣に座ってくれるような、 そんな、曲だった。
やっぱりわたしの指はもう器用には動かなくて、 ところどころ引っかかっちゃう。 でもこれまでみたいに死んでいるとは思わなかった。
一曲終えて、わたしは柊くんの方を向く。]
(384) 2021/06/13(Sun) 15時半頃
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わたし。 柊くんが来てくれると、嬉しかったよ。 強いる訳じゃなく、て。 この時間が、すき。 だったんだと、思う。
[今の柊くんは膝を抱えてなんかいないんだけど、 わたしは柊くんが好きなものなんて知らないから。
わたしは少しでも柊くんに何かを返せていたかな。 言葉に迷いながら、わたしは少しずつ思いを零す。]
(385) 2021/06/13(Sun) 15時半頃
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ここに来てくれるの、柊くんでよかった。 柊くんが、よかった。
……また、聞きに来てくれる?
[最初は聞きたくなくなったら来ないでってお願いをした。 柊くんは受け入れてくれて、委ねたままで。 だからはじめて、わたしから求める。
クラスメイト? 友達? そういうのは分からないけど。 誰かじゃなくて、観客でもなくて、
わたしは柊くんを、求めた。]*
(386) 2021/06/13(Sun) 15時半頃
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— 夜:たったふたりの保健室 —
[昨日は4人いた保健室。今日は2人しかいない保健室。 数は半分なのに、賑やかさは半分以下。
綿見さんだって賑やかな方じゃないし、 ひとみちゃんも元気いっぱいではなかったろうけど、 それでも、わたしと乃絵ちゃんだけじゃ足りなかった。
いつもは気にならないお互い喋らない時間も、 今日は何だか落ち着かなくて。 時計の針の音がよく聞こえる。
わたしが乃絵ちゃんに声をかけたのは、 そんな沈黙が続いてベッドに入ろうかという時だった。]
(389) 2021/06/13(Sun) 16時頃
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[わたしは乃絵ちゃんの疑問>>308に黙って頷いた。
向井くんと話して、ひとみちゃんの隣で眠って、 血を洗い流して、鳩羽くんと一緒に向井くんを温めて、 樫樹くんのことを知って、炭蔵くんの眸を探して、 音楽室で柊くんと出会って、話して、 保健室で、乃絵ちゃん>>307に綿見さんのことを聞いた。
お腹が空いたと思う瞬間は何度かあったんだけど、 食べようとは考えても、食べる気にならなかった。 わたしの小さな心がぎゅうぎゅうで、いっぱいで、 たぶん、余裕がなかったんだと思う。
でもわたし、乃絵ちゃんにそういうこと言えなかった。 わたしは乃絵ちゃんの雨を受け止める側で、 昨晩、鳩羽くんと話してから>>3:11は特に、 何をしている時でもずっと、片隅に乃絵ちゃんがいる。]
(392) 2021/06/13(Sun) 16時頃
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[こんなに長く、誰か1人のことを考えた日があったかな。 こんなに長く、乃絵ちゃんのこと思う日があったかな。]
(394) 2021/06/13(Sun) 16時頃
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[余裕がなかったことを言えないわたしは 乃絵ちゃんへひとつ相談を持ちかける。 ワルイコトって言ったら、乃絵ちゃんは違うって。]
そうなの? 夜に学校の中出歩くの、ワルイコトじゃない?
[わたしはいつも早く寝て、朝早く起きて練習してた。 だからわたしは夜を知らない。 乃絵ちゃんとお母さんの思い出>>309も知らない。]
……うん。じゃあ、一緒に行こう。
[わたしとならいいって乃絵ちゃん>>310は言う。 いつも真面目で頑張っているいい子な乃絵ちゃんが そう言ってくれることに、わたしの心は弾んじゃう。]
(396) 2021/06/13(Sun) 16時半頃
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[友だちとそうじゃない境界線ってどこだろう。 わたしたちは名前で呼び合うからともだち。 そう言い聞かせないと、 わたしは大切な人ですら友達って呼べないから。
だってわたし、何よりも優先するものがあったの。 他のどんなことを置いてきぼりにしても、 譲れない夢があったの。
そんなわたしが誰かと仲良くなりたいって思う権利なんて ないと思わない?
どっちかしかなかった。どっちでもいいことも多かった。 どっちもって考えがなかった。
乃絵ちゃんは、 そんなわたしでも友達って思ってくれるのかな。]
(397) 2021/06/13(Sun) 16時半頃
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[食堂に行くことに賛成して、 わたしは乃絵ちゃんの後を追う。
乃絵ちゃんの背中へかける問いには音がない。]*
(398) 2021/06/13(Sun) 16時半頃
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— 食堂 —
[探索の時にちらっと見はしたと思うけど、 この2日、食事を取ることなかったな。 食堂の内側に入るのも初めてで、わたしは恐る恐る。]
あ、綿見さんのクレープ、売り切れだったんだ。
[冷蔵庫を覗いてわたしは言う。パンケーキはどうだろう。 黒板の文字を見た後、結局食べられないままだった。 もし綿見さんがここにいたら、また作ってくれたかな。 それは叶わない夢だけど。
わたしは調理台の片隅に持ってきたスマホを置く。 ひとみちゃんがいない夜、充電は十分残っていた。]
(399) 2021/06/13(Sun) 16時半頃
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えっとね……これ。
[綿見さんのレシピはメールかな。手書きかな。 前者ならそのまま、後者なら数少ない写真から開いて 乃絵ちゃんにも見えるようにする。]
……乃絵ちゃんさ、今更なんだけど。 料理の経験、ある?
[今更の質問。 ちなみにわたしは調理班のお手伝いだけです。
そんなことを聞きながら、わたしは制服の袖を捲って (だからダッフルコートはお留守番)、 手首の上までじゃぶじゃぶと石鹸で手を洗う。
わたしは乃絵ちゃんへ水道を譲りながら尋ねた。]*
(400) 2021/06/13(Sun) 16時半頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/13(Sun) 16時半頃
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/* 先に更新するのをまた忘れた顔。もうこっちに置いちゃいましょ。
乃絵ちゃん夕方までなのにお待たせしてすまない……! これ以上はまずいとアンカー拾いにいくの諦めました。 落ち的に柊くん優先しつつ、明日からは乃絵ちゃんと炭蔵くんと当日を生きたいからクレープ作りも丁寧に早くがんばりたい……!
(-73) 2021/06/13(Sun) 16時半頃
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/* そして鳩羽くんの発言に全力で絡まってしまいましたね。わかめです。今回途中でちょっと修正を入れてしまったのもあり。 最初確認した後振り返らないから気づけないんだなあ。お邪魔してます。
(-74) 2021/06/13(Sun) 16時半頃
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/* 乃絵ちゃんの>>306にはぁ〜〜〜ってしています。 ため息は聞こえるのかなって気にしてたりしたのですが、カッターナイフのお掃除は盲点でした。 窓開けてたの活用してくれるのも嬉しいしかない。
>>344ノエチャン……。
柊くんって相手の思考を掬うの上手いから、乃絵ちゃんがト書き多めになるのも分かるしました。 冒頭一行しかなかった音楽室を拾っていただいたの嬉しかったし、少しずつシーンを交わせたからこそ春からの縁みたいになって嬉しかったなあ。 人に興味が薄いのでなかなかこちらからお手伝いができなくてごめんね……柊くんだから嬉しかったよ!
>>351>>352ノエチャン……!
(-75) 2021/06/13(Sun) 17時頃
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/* >>365 (昔の車掌風スタイルでぴーす) ぴーすではない。お世話になってます。 また明日で返すからね……! これはフラグです。
>>388からの鳩羽くんと茉奈ちゃんの対話も良い……! 茉奈ちゃん立ち位置が確立されてて最高に好きでしたね。とてもいい。芽衣もちょっと嫌がられたかった(???) でも今の立ち位置も嬉しいのですきです。がんばってクレープ焦がすね!
>>390>>391>>393>>395 良い…………。言葉がいらなくなる……いやなくなる。
鳩羽くんは一人一人と丁寧に向き合ってて、本当に本当に素敵。場面もよく見て全体もしっかり考えてて、世界観も大切にしてて。尊敬がいっぱい。
(-76) 2021/06/13(Sun) 17時頃
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— 深夜:食堂 —
[乃絵ちゃん>>409の話はやっぱりごもっともで、 わたしたちは誰にも咎められないワルイコトのために 食堂へやって来た。]
うん。でも試食とかさせてもらってたから。
[それこそ、本番で採用されなかったような お試しメニュー>>0:883まで。 プリンに醤油は……プリンに醤油の味がしました。
だからいいのってわたしは言った。 未来の話はまだできなくて、 わたしは綿見さんとの過去の話をする。]
(424) 2021/06/13(Sun) 19時頃
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……うん。
[乃絵ちゃん>>415が話したのも綿見さんとの過去の話。 本人たちが何も言わない以上>>0:361、 わたしが口出しするべきじゃないと思っていたこと。 乃絵ちゃんは確信しているような物言いだったから、 わたしも無理に隠すことはせず、素直に頷いた。]
そっか。それは、良かったねぇ。
[わたしの知らないところで、 乃絵ちゃんと綿見さんは話ができたみたい。 その報告>>416が嬉しくて、わたしは考え事>>407で 黙りがちだった表情をやっと緩めた。]
(425) 2021/06/13(Sun) 19時頃
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うーん、天然、かぁ。 わたし、そんな風に思ったことないけどなぁ。
[ごめん、綿見さん。わたしも割とこっち側です。 天然って言われて浮かぶのは、 昨日の冬季限定チョコに対する反応くらい。 でもあれは天然っていうより、]
初めてのことに対する反応はかわいいと思うよ。
[世界が狭いのかなって思うことがある。 わたしもちょっとそうだから。 だから、乃絵ちゃんの隣は心地いいのかな。 ほんの少し似たもの同士なのかも。わたしたち。
ま、わたしの反応は面白いだけなんだけど。 それは今関係ないから置いといて。]
(426) 2021/06/13(Sun) 19時頃
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だよねぇ。
[料理経験値も似たり寄ったりだった。 わたしは乃絵ちゃんの濡れた袖>>417を一瞬見るけど、 わざわざ指摘したりはしない。]
わたしでも作れるようにって教えてくれたから、 たぶん大丈夫だと思うんだけど……。
[目を逸らすように、わたしは綿見さんが教えてくれた レシピに視線を戻した。]
(427) 2021/06/13(Sun) 19時頃
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[ボウルに薄力粉、砂糖を入れて擦り合わせた後、 溶き卵を入れ、泡立て器で混ぜる。 この時はまだもったりした状態で大丈夫。
ここから牛乳を少しずつ入れて伸ばしていく。 規定の量を基準に、緩さを見つつ。 ダマができないように混ぜると焼き上がりが綺麗だって。
最後にサラダ油を入れて混ぜた後、 ラップをした生地をしっかり休ませる。 業務用冷蔵庫ってすごいね。冷えがいい気がする。
あとは焼くだけ。 フライパンにサラダ油を広げ、お玉ですくった分を投下。 フライパンを回すように傾けて、全体に広げる。
生地の縁が焼けて浮いたら、竹串でめくって裏返す。 フライ返しや菜箸を使うと安全だよ。
裏面は弱火で1分程。お皿から下ろしたら生地の完成。]
(428) 2021/06/13(Sun) 19時頃
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[さて、わたしたちの料理の出来はどうだったかな。
わたしの方は、……ちょっと黒いですね。 綿見さんと一緒に作った時の綺麗な黄金色と違って、 あちこち焦げちゃった。 乃絵ちゃんの方はどうだったかな。
あとは生地を休ませている間に準備した いろんなトッピングを乗せて包むだけだ。 ラインナップが甘いものばかりなのはご愛嬌。]
(429) 2021/06/13(Sun) 19時頃
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乃絵ちゃんは何が好き? 果物。
[本当は、こんなことしている場合じゃないの分かってる。
明日も誰かがいなくなって、 この中に自殺しようとした誰かがいるかもしれなくて、 わたしはそれに気づいているのかもしれなくて。
でも、わたしは抗うみたいに、 乃絵ちゃんの好きなものについて尋ねた。 それは綿見さん>>0:471と初めて二人で話した時、 わたしに聞いてくれたことと同じ。]
(430) 2021/06/13(Sun) 19時頃
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[もう友達になって随分経つのにね。 バレー部だったこととかお姉さんがいることとか、 ほうじ茶が好きなこととか>>0:849、 お菓子あんまり食べないこととか。
わたしが知っている乃絵ちゃんはいっぱいいるけど、 案外こういうこと、聞いたことなかったな。 わたし、自分から聞くタイプじゃないから>>0:850。]
生クリームたっぷりってどこまで大丈夫かな? 綿見さん、好きなんだって。
[せっかく自分で作るんだし、って。 わたしは焦げた生地で綿見さんが好きだって言ってた、 生クリームたっぷりのチョコバナナの限界に挑む。]*
(431) 2021/06/13(Sun) 19時頃
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/* ざくざく進めた方がいいと思ってクレープ完成間近まで進めてたので、間に合わないのは分かっていました。筆ー!
句読点のバランスが悪いですね……? 読点さんがシフト休みでも取られたかな。
(-79) 2021/06/13(Sun) 19時頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/13(Sun) 19時頃
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/* 沁みる……。
(-81) 2021/06/13(Sun) 20時半頃
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/* 炭蔵くんの>>434〜綿見さん宛もじんわりきちゃいますね。 綿見さん、相手の伏せた部分に踏み込むのやっぱり上手だったなあ。 >>437誰も聞いてないところで謝るのもいい……。
明日炭蔵くんに突撃しようと思って文章を仕込んでいるのですが、プライドの高い相手に対して大変失礼な行動な気がしてて悩んでいます。どうしようかなあ。 鳩羽くん柊くんの落ちロール次第で動きはもちろん変えるので、たたき台というかベースではあるのですが。
先に書いとかないと1時間かかっちゃうんですよ……! 今回のト書き癖強めにしてみたんですが、心情もりもりにしすぎてしまうのでスピードが圧倒的に足りない。 初動……初動をどうにか……!
(-82) 2021/06/13(Sun) 21時頃
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/* >>441〜の鳩羽くんソロルもじんわりよいお味。 全員と丁寧に向き合ってこられた鳩羽くんだからこそこんなに響くのかなあと思います。
芽衣にも触れてくれてありがとう。 ひどい単語間違いや時系列関連、本編でもたくさんご迷惑やご負担をおかけしたと思っているのでそこは反省しつつも、たくさんたくさんありがとうをお贈りしたい。
落ちロルもいっぱい楽しみにしてます。
(-83) 2021/06/13(Sun) 21時頃
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/* >>447 締めの文章がまたいいんですよね……。 こんなに綺麗な景色あります? 大好きしかないです。
(-84) 2021/06/13(Sun) 21時頃
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— 音楽室 —
[春、わたしは柊くん>>0:272が口にしたわたしの禁句。 周りを省みないわたしの愛は、 二度と口にしちゃいけないと思ってた。
だからダメなの。それは、言えない>>0:323。
それ以来、柊くん>>448はわたしに質問しない。 そういう意味でも、わたしは柊くんに甘えてた。]
……。
[不揃いな音が余韻になる頃、わたしが零した本音。 震える声は柊くん>>452まで届いたみたいで、 ピアノに向き直ったわたしの耳に一言が届く。 わたしはとうとう泣きそうで、瞬きの回数を増やした。 返事をすることなく指を鍵盤に落とすけど、 わたしの口元は胸を突く感情にふにゃふにゃだった。]
(459) 2021/06/13(Sun) 22時頃
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[演奏を終え視線を上げると 柊くん>>453は座っていたみたいで、 立ち上がりながらわたしに拍手をくれる。 たった一人、雨みたいな音が嬉しくて、 わたしからも柊くんに「すき」を渡した。
やっぱり薄くてへらへらだけど、これは間違いなく、 柊くんだから伝えたいって思ったこと。 柊くんの「すき」に返したい、わたしの「すき」。
泣きそうな顔をする柊くん>>455に、 わたしはちゃんと届いたんだって思った。 だからわたしはへらへらじゃない笑顔を浮かべる。]
(460) 2021/06/13(Sun) 22時頃
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うん、もちろん。
月曜日、放課後。 ——ここで、待ってるね。
[今じゃない、この先のどこかへ。 わたしもまたひとつ、約束を乗せる。
待ち合わせをしよう。 わたしに新しい喜びを教えてくれた恩人へ わたしがわたしの愛した音楽を奏られるように。]
(461) 2021/06/13(Sun) 22時頃
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[いつかの夜、暫く。音楽室からはピアノの音がした。]*
(462) 2021/06/13(Sun) 22時頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/13(Sun) 22時頃
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/* はっ。炭蔵くんが向井くんのご飯食べに行くならそれは阻めません。 いいぞいいぞー! 突撃は速やかにボツ。流用して使えるとこ使いましょ。
(-94) 2021/06/13(Sun) 22時頃
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/* 謎の「わたしは」が混入していることにようやく気づきました。 切り貼りするから……ぐぬぬ。ト書きの我が強すぎる。
(-99) 2021/06/13(Sun) 22時半頃
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— 深夜:食堂 —
[わたしたちは綿見さんの話をした。 鳩羽くんと話した向井くんのことを思い出す。 ここからいなくなった人たちのことを話すのは、 寂しさを埋めるような行為だったのかもしれない。
さっきと違うのは、わたし以外の二人の関係性。 ここに来る前まで、わたしは乃絵ちゃんと こんな話ができるなんて思ってなかったよ。
乃絵ちゃん>>465が何を考えているかは分からないけど、 素直な頷きが返ってきたから>>466、 わたしはそれだけでいいと思った。 決して捲られることのない袖>>467だって、いいよ。]
(499) 2021/06/13(Sun) 23時頃
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[わたし、きっとラクな方に逃げてる。]
(500) 2021/06/13(Sun) 23時頃
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[結局誰にも打ち明けられなかった疑念>>3:151は わたしの中だけでぐるぐる回るから、 同じ答えばかりを吐き出す。
もうちょっと、あとちょっと。 わたしの勘違いかも。間違ってたら傷つける。
いろんな言い訳を考えて、わたしは結論から逃げた。 弱くなったなぁと思う。 わたし、前の方がきっと強かった。 もっと割り切って、はっきり言えたかもしれない。
でもそんなわたしは幻想で、もうどこにもいない。 乃絵ちゃんが居心地の悪さを感じているなんて 知らないまま、わたしたちは作業に取り掛かる。]
(501) 2021/06/13(Sun) 23時頃
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[お互い可愛い>>466にピンとこなかったわたしたちの クレープ作りは、それはそれは愉快なものだった。
粉が飛び、生地が緩くなりすぎて粉を足し、飛び。 当初の予定から2倍程に膨れ上がった生地を焼くの、 ちょっと大変だったね。 成功率はまぁ……おなかに入れば一緒だよね!
わたしは乃絵ちゃん>>468と同じ結論に達した。
乃絵ちゃんの好きな苺はあったかな。 もし和菓子>>469の話を聞けたなら、 わたし「いいお母さんだね」って言ったと思う。
乃絵ちゃんからお姉さん以外の家族の話を聞くの、 初めてだったんじゃないかな。 だからわたし、素直にそう伝えた。]
(502) 2021/06/13(Sun) 23時頃
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[生クリーム限界チャレンジの結果がどうなったかって? 保健室に戻った時間で察して欲しい。 おかげで明日の朝>>458には、 ちゃんと綺麗な食堂に戻ってるはず。
わたしは洗い物、乃絵ちゃんには台周辺を頼んだっけ。 最後まで、袖を捲ったのはわたしだけだった。]
寒くない?
[わたしは片づけの途中、一度だけそう伝えた。 気をつけても捲らない袖はちょっと濡れちゃうでしょ。 昔、暑くない? って聞いたのと同じトーンだった。 乃絵ちゃんはどう答えたかな。]
(503) 2021/06/13(Sun) 23時頃
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[余ったクレープ生地は冷蔵庫の中。 出来栄えが出来栄えなので『食べてね』とは書けず、 わたしは少し悩んでから『黒沢・くれいし』って ラップの上に書き残すことにした。]
じこせきにん。
[うん。わたしは頷く。]
一蓮托生ね。
[わたしは乃絵ちゃんの方を振り向いて、笑った。 ちゃんと、笑えたと思う。]
(504) 2021/06/13(Sun) 23時頃
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[夜に慣れないわたしは、 保健室に帰ったらすぐに寝てしまうと思う。
ポケットにお守りと、お財布の中に10円玉と、 借りたダッフルコートと、お腹に入ったクレープと、 いくつかの約束と、二夜の秘密と、私の弱さと。 いつの間にか多くのもの抱えて、わたしは眠りにつく。
何もなければきっと、次のチャイムまで目覚めずに。]*
(505) 2021/06/13(Sun) 23時頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/13(Sun) 23時半頃
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/* 鳩羽くんの落ちロル前にと思って書いてしまったので全力で寝る子してしまったのだけど……! 全員の動き次第で早く起きましょうね。炭蔵くんがいるかなとは思いつつ。
泣き顔悪くないよの件ですが、泣き顔すきだよって言ったらなんかご趣味がご趣味しているように見えるかなって思ったのと、すきって言ったらダメっぽいから……(拗ね)みたいな理由です。前者がPLで後者がPC。
すごいぐっと来ちゃった。 悲しくて切ないのに前向きで眩しくて。泣いちゃう。 乃絵ちゃんへのメッセージもいいなあ。 教室のシーンも映像的で素敵。
ここは教室で全然違うんだけど、教会のステンドグラスから光が降ってくるみたいな印象を受けました。 どうしてか? それは自分でもわからない……。
(-104) 2021/06/13(Sun) 23時半頃
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/* 柊くんの落ちロルにメモと独り言を挟みましたの顔。
上は落とさなければいい話なのですが、表に関しても落ちロル時間には無言の方がいいのは分かりつつ、落とさないと間に合わなくて……すみません……! 時間配分難しいな。勉強しよう。
(-107) 2021/06/14(Mon) 00時頃
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/* ノエチャン……。
(-110) 2021/06/14(Mon) 00時頃
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