10 冷たい校舎村9
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[ 夜だった。慎一は教室にいる。 朝が来るまでまだ少しあるね。
なんにも書くようなことがない時間。 教室は暗くて、窓の外は白かった。
慎一にはこういう時間が苦じゃないけど、 穴埋めになにか話でもしてようか。]
(10) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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[ ……や、もう何も特別する話がないなあ。 購買のパン、一枚の10円玉、突然の大雪。 もうそれで全部なんだ。慎一の身の上話。
ただ、たぶん。何かの拍子に思ったんだ。 日常のほんのささくれに打ちひしがれて、 そんな自分に、慎一は付き合いきれない。]
(12) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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[ みんなといるのはすごく楽しかった。 けど、慎一はちっともラクじゃない。]
(13) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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[ ……ああ、やっと6時だ。朝食にしよう。*]
(14) 2021/06/10(Thu) 00時頃
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── 午前8時50分・購買 ──
…………あ?
[ その時間、慎一は朝食を済ませて、 自分の使った食器を片して──、
いつもどおり、購買に向かって、 今日は固定メンバーとミックスサンド。 レジのところでまたメモを書いていた。
必要ないのかも。と薄々思いながらも、 昨日そうしたから、今日も同じことをする。
ふと、買った食べ物の賞味期限を気にして、 スマホの日付を確認しようとしたとこだった。 違和感。その正体に気づく前にそのときは来る。]
(15) 2021/06/10(Thu) 00時半頃
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[ そうそう、朝にごはんが食べたい人は、 さすがに一膳分炊くわけにもいかなくて、 いくらか余っているから食べてもいいよ。
クレープだってまだ残ってるかもしれない。 昨日の慎一ははじめに取ったひとつを、 きれいに食べきっただけだからね!]
(16) 2021/06/10(Thu) 00時半頃
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[ ……まあ、そんな場合じゃなくなるか。
朝の8時50分。 始業に相応しい時間にまたチャイムが鳴って、 慎一は少し迷ったすえにゆっくり歩き始める。**]
(17) 2021/06/10(Thu) 00時半頃
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── 昨晩・3年9組 ── ……ヘーキ。 ひとりでいい。 [ ──って、慎一は言ったんじゃないかな。 これは夜の話。まだみんな起きてたころ。 数名の残ってた教室にとどまらず、 すぐ出ていこうとした慎一に、 かけられた声があったから。>>46 へらっと笑って慎一は出ていく。 ひとりで平気じゃないわけがなかった。*]
(75) 2021/06/10(Thu) 09時頃
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── 現在・1階廊下 ── [ 購買にいる間にチャイムが鳴って、 それで慎一は廊下に出たんだった。 米を炊いたなら教えろって?>>37 偶然会った人には言ったじゃんか。 自分のためにしたことなんだから、 黒板に書き残す道理もなかった。 ……とにかく、 今はもう朝で、お米は炊けてて、 慎一は冷蔵庫の卵をひとつ消費して、 財布の中身も昨日より減らして、 今日もパンを抱えて歩いている。]
(76) 2021/06/10(Thu) 09時頃
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[ 廊下に落ちているものの異変。 さすがの慎一もはじめ気づかなかった。 今度は正確に、「さすがの慎一も」でいい。 変化にめっぽう弱い慎一が、 そのとき気づかないでいられたのは、 きっとちゃんと上靴を履いてるおかげで、 そこまで足元を気にしなくてよくなったせい。 それで、廊下と渡り廊下の境目くらい。 奇妙なカッコをした人影を見る。>>66]
(77) 2021/06/10(Thu) 09時頃
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……暮石? なにしてんの? [ しゃがみこんでいる。というのは、 慎一にだって見ればわかるんだけど。 困惑って感じに見降ろして、 ちょっと近くまで距離を詰めたけど。 慎一は両手に大事にごはんを抱えてるので、 残念ながら、支えにどうぞと差し出せる腕がない。**]
(78) 2021/06/10(Thu) 09時頃
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── 現在・渡り廊下 ──
[ 暮石の首がだんだん上を向く。>>164 少しずつ傾いてって──、ぼきり。
……とはならなかったけど、 徐々に傾く様子を見てた慎一は、 九重みたいな人形を思い出して、 ……ちょっとだけドキドキした。
ごく近くまで来て、見下ろす。 ……大丈夫、ちゃんと人間だった。 口は開くし、声だって発する。]
(188) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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……落とし物?
[ そう言いながら何かを手繰るように、 暮石の手が硬貨を一枚握りこむ。>>164 それを慎一は立ったまま見てる。]
え? あーー、うん。 今日もあって、よかった。
[ 急に自分に話題が飛んできたから、>>169 慎一はちょっとびっくりしちゃって。 半ば反射的に答えはするんだけど、けどさ。]
(189) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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……立たねえの? まだ見つかんねえのあるなら、探す?
[ パンはそのへんに置けばいいしね。 しゃがんだままってのは、変だよ。>>169 慎一もさすがに怪訝に思うくらい。
いつも通りのへらっとした笑いを向けられて、 慎一は困惑したような顔をしちゃう。]
つか、こんな時間から、 なんでこんなとこ──、
[ そう言いながら顔を上げて、周囲を見て、 そのときやっと慎一はひとつ変化に気づいた。]
(190) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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[ 慎一が歩いてきたのと、反対側。 暮石がいるほう。渡り廊下の奥。
同じものがいくつも並んでる。 同じもの。3年9組の屋台。ちょっとホラーなお店。
昨日出口を探してさまよってたとき、 ここは、こんなふうじゃなかったはずだ。 ……おばけの学校じゃないんだから、 もっと彩り豊かな通り道になっていたはず。だった。
唖然。という感じに慎一はそれを見る。]
(191) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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……なんで? 昨日まで、こんなんじゃ……、
[ 本当に純粋に「増える」あるいは「代わる」、 そうなることの意味が理解できずつぶやく。、
ああこれは、ほぼ独り言しての「なんで」だから、 あんまり気にしてくれなくてもいい。
どちらかというとひとつ前、 どうしてここにいるのかってほうが、 疑問らしい疑問ではあったんだけれど。 果たして答えは得られるんだかどうか。
ぽかんとしたまま、もう一度暮石を見下ろす。 さっきちらりと見えた硬貨の意味にも気づかずに。*]
(192) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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/* そういえばメモ見たら、 炭蔵からめっちゃ無効票入ってて笑いました
(-29) 2021/06/10(Thu) 18時半頃
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── 現在・渡り廊下 ──
[ 今日も不思議なテンポで暮石は言う。>>225 「そうだねぇ」差し向けられた同意と、 そこからはじまる短い沈黙と。
示された右手が振られるけど、>>226 ただ拳がゆらゆら揺れてるだけ。]
見えねえけど……?
[ 「ほら」と言われましても。 そう続けてもよかったんだけれど、 慎一の意識がふいと逸れたからダメだった。]
(230) 2021/06/10(Thu) 21時頃
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[ 迷子みたい?>>226 実際ほとんど迷子みたいなものじゃない? 不思議な空間に迷い込んで、 行くところも帰るところもわかんない。
……視線がかちりと合って、 すうっとその目が細められてく。
「向井くん」名前を呼ばれて、 ……もう一度。目の前が翳る。>>227]
(232) 2021/06/10(Thu) 21時頃
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……はい。
[ 二度呼ばれた名前に、それしか浮かばず。 慎一の返事は点呼のときみたく簡素だけど、 ちゃんと目の焦点は合っているから平気。
手に持ったものを取りこぼすこともなく、 自力で立ち上がってた暮石を見てる。
それで。与えられた答えに数度まばたき。 帰ろうとその場を去ろうとするなら、 ヤダヤダって駄々をこねるような真似しないけど。]
(234) 2021/06/10(Thu) 21時頃
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……いいの? なんにも買わないで。
[ ……なんにもつったって、 もうここには一種類の屋台しかないのだった。
財布を持って小銭を取りこぼしてたこと。 それについての疑問でしかなかったけれど、 はて。ここで何を買うってんだろうな。 さっきの言葉じゃ「なんで」には、 少しばかり不足しているんじゃないだろか。
とはいえ、歩き出すならそれでいい。 あの日、ほとんど一日中立ってた場所。 オカルトちっくな屋台を少し振り返り、 懐かしいような、複雑な気分を抱えて。]
(236) 2021/06/10(Thu) 21時頃
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[ ──それにさ、]
……ホントに危ないのかなあ。 ここが誰かの頭ん中だとしても?
[ 根拠のない言葉がぷかぷかと、 ごく自然に慎一の口からこぼれてく。
ここが、誰かの頭の中なら。 もうだれかとそういう話した?
ここが、ここにいる誰かの精神世界なら。 いなくなった九重。散らばったカッターナイフ。 物騒な世界だけど、本当に危ないのかなあ。 不安がって迷子みたいな目ばかりするくせ、 考え出すとそこが引っかかって仕方ない。*]
(239) 2021/06/10(Thu) 21時半頃
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── 現在・渡り廊下 ──
[ 目の前で広げられた手が案外大きくて、 慎一の視界はすっかり暗かった。>>272
視界からの情報をなくしたまま、 変わらない調子の暮石の声を聞いてる。]
……変なの。
[ 再び光がさして、今度は慎一が目を細めた。 笑みをつくるんじゃなくって、ただ眩しくて。 明るさに慣れたら、またそこに暮石がいる。
両手をすりあわせるしぐさ。 慎一はなんとなく、そこに小さい爪を探しちゃう。]
(291) 2021/06/10(Thu) 23時頃
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[ 暮石は目が回りそうだったらしい。>>272
そんなこと知らない慎一は、 ただ気になって後方を振り返ってた。
なんとなく投げかけた疑問には、 少しの間と首をかしげるしぐさのあと、 肯定する言葉が返ってきた。>>273 だから慎一はただ同意を得た気分でいた。]
うん。だって、 ひどいことするようなやつ、 ここには────、
[ いないだろ。って、当たり前に言おうとしてた。 慎一はみんなことが好きだよ。当たり前に。]
(292) 2021/06/10(Thu) 23時頃
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…………。
[ さっきの掌を、慎一は親切だと受け取ったのに、 暮石は今度は動揺させるようなことを言う。>>274
せっかく立ち止まって、振り返って、 また歩き出そうとしてたとこだったのに、]
……なんで、
[ 慎一はまた立ち止まってた。驚いて。 泣き出すわけじゃないけど数秒固まって、 それで──、暮石が笑わないから、 仕方なくひとりでへらりと笑った。]
(293) 2021/06/10(Thu) 23時頃
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……あー、いや。そっか…… そんなにわかりやすいかなあ。 ユーガには褒められたのに。
暮石、よく見てるね。人のこと。
[ 「そうだね」って慎一は付け足した。 慎一にとってはやりづらい世界だった。
なんだか急にみんなの中にどうやって、 飛び込むんだかわかんなくなったみたい。
それ以上に言うことが出てこなくて、 きっとまた、少しだけ沈黙。 ゆっくりと歩きだしかけて、思いついた。]
(294) 2021/06/10(Thu) 23時頃
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……でも、嫌いじゃないよ。 ここ。悲しいけど、誰かの頭の中なら。 ただちょっと、息がしづらいだけ。
[ ぽつ、ぽつと言葉をこぼしながら、 この同じ景色から抜け出すべく歩こうか。
あんまり早い速度ではないけど、 慎一はゆっくりと歩き出そうとして、 しながら、過去を振り返ったりしている。]
(295) 2021/06/10(Thu) 23時頃
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暮石は──、ヘーキ? 息、しやすくなった?
[ 平坦じゃなかったときの会話。 慎一は自分から持ち出して、 ちらりと暮石のほうを見た。
さっきかざされた手。 大きな掌。傷のない手首。
今はふたつ合わさるそれを見下ろして。 笑いを引っ込めて、おずおずと尋ねる。]
(296) 2021/06/10(Thu) 23時頃
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……ここ、暮石の世界じゃ、ない?
[ 「いいなぁ」って、 自分に差し向けられた声。 慎一はどうにも忘れられないでいる。*]
(297) 2021/06/10(Thu) 23時頃
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/* うおー鳩羽のベリーベリーうれしいので返したいんだけど、 慎一の精神状態が暮石との会話によるのでちょっと待ってくださいを灰に埋めます。メモではもうちょっと簡素にあとで残します。
(-37) 2021/06/10(Thu) 23時半頃
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── 現在・渡り廊下 ──
[ 確かにそれならフツーだった。>>324 慎一もよくやること。フツーに。
そして、その目論見どおり。 うやむやになってしまった疑問を、 慎一はうまく投げ返せずに、 短い渡り廊下を歩いていく。まだ歩いてた。
ほんのすぐ先の建物が果てしなく遠いな。 慎一がやたらと立ち止まるせいだ。
少なくとも慎一にとってはそうだよ。 再開されるはずの歩みを止めたのは慎一だった。 ちゃんと歩き続けていれば着いただろうに。]
(351) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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[ そんな些細な認識のズレに気づかないのは、 相手の思考を読めないからであって──、 つまり、暮石の指摘は正しいんだろう。>>326
拾っては向けられる思い出の断片に、>>325 慎一もうまく笑えていないだろうから、 へらへら笑いの消えた会話。]
……うん、言った。
[ はじめに出てきたのは肯定。 下がった眉尻が笑顔を崩した。]
(352) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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自分にとってラクでもないこと、 続けられんのはえらいと思うし、
ラクかどうかが判断基準なのも、 俺にとって大事なのもそう、だけど──、
[ 言わなきゃわからない。>>326
知ってる。 言ってもらえなきゃわからないこと。 昨日だって実感したばっかりだった。
だけど、言ったって仕方ないから。 どうしようもないことだからって、笑っていた。 知らないところで差し伸べられていた手。>>327 そういうものに少しだって気づかないまま。]
(353) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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[ 暮石の言葉は慎一に語り掛けるようで、 どこか別にも向いているようで、>>326 結局返事に迷った慎一が生んだのは沈黙だった。
でもさあ、言わなきゃわからないなら、 慎一は言っておかなくちゃいけなかった。
慎一には不都合の多い世界。 だけど、嫌いなわけじゃないよ。本当に。
遺書みたいなメール。文化祭の様相。 死んじゃったかもしれない人探し。
そういうものにつられて、 一度だってよぎってしまった相手ならなおさら。]
(354) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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……うん、ヤだよ。 息がしづらいのはしんどい。 想定外のことばっかなのは疲れる。
頭ン中真っ白になって、 ひとつもちゃんと考えられなくなる。 俺がぐちゃぐちゃになっちゃう。
(355) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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[ 教室から駆け出しちゃうくらいにね! ……それは言わなくてもいいかな。 さすがに伝わるよね。恥ずかしいんだ。
真面目な顔して首をかしげる暮石を、 慎一はまっすぐに見つめている。>>327
さて、今言ったのも十分情けないけど、 慎一は大真面目だったんだ。 ここから先も大真面目に言うので、 もう少しだけ、そうやって聞いててほしい。]
(356) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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でも、それは俺の問題で──、
それより、この世界作ったやつも、 こんな世界作っちゃうくらい、 文化祭、楽しかったんだなあって。 それは、なんか……うれしいし、
それでも、もうダメなくらい、 疲れちゃったんだろうなあって。 そう思うと、悲しくなんない?
だから、嫌いにはなれない、みたいな。
(357) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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[ 「嫌いじゃない」の補足として、 これは果たして十分だっただろうか。
言葉にする気のなかったことを、 探り探り声に出しているものだから、 多少拙い部分はあったかもしれない。 ジャッジはそちらにお任せするね。
それから。先ほどのご指摘を受けて。 慎一の「大切」についてもひとつ付け加えよう。]
(358) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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……それに、 本当にラクなのが一番大事なら、 俺、クラス委員なんかやってない。 文化祭なんかたぶん、休んでるよ。 うるさいし、人多いし、疲れる。
でも、楽しそうだなーって。 やってみたくなっちゃって……、
……欲張るから疲れるんだろうけど。 でも、楽しかったなあ。……ほんとに。
[ ゆっくり。思い出を語るような口調で、 慎一は言いながら少し笑ってしまう。 だって、なかなか情けない話だろう。]
(359) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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……だから、ラクじゃないのは疲れるけど、 たぶん、ほんとは向いてないけど、 楽しいことも大事だったよ。俺には。
どんなに疲れるんでも、 みんなと一緒になって楽しかった。
当日だって。すぐパニクって。 必死で暮石のボタン′ゥたりさ、 いろいろあったけど──、
[ ごめんね、優柔不断で。 2つに1つをどうしたって選べない。 それでも楽しかったよ。 そういうニュアンスで語ろうとして、 慎一はふと言葉を詰まらせた。]
(360) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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[ 誰にもしてなかった話を思い出したのだ。 「いろいろあった」の大部分を占めるもの。
今まで誰にも言わず隠し持っていたものが、 そのとき、慎一の喉元までせりあがってくる。
慎一にとって、文化祭にたったひとつついた瑕。 ……いや、慎一自身の過ちでしかないそれを、
打ち明け話か、あるいは懺悔。 ……みたいな口調で静かに添える。]
(361) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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本当はあの日、合わなかったんだ。 記録上と、実際の残金。10円だけ。 何回数えても、10円多くて……、
そんとき、俺、テンパって──、 ……抜いたんだよね。帳尻合わせるために。
だから……ゴメン。 楽しいとか言ってちゃダメなんだけど。
[ なんでなんだろうなあ。 どこか他人事のように慎一は振り返ってしまう。
あとから振り返れば、なんで起きたのかわからない、 なんでしちゃったかわからないような失敗を、 自分自身の手で積み重ねてばっかりだった。]
(362) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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[ ──そんな話をしたから。 また少しの間、慎一は黙るしかなかった。
次に口を開いたときには別の話題。 ずるいやり方で暮石に話題を向けて、 また、息を詰めさせてしまっている。>>328]
……ずっとこのまま、かあ。 そういや、チャイム……、
[ 始業の時間にまた鳴ったチャイムのこと。 何もないとは思えなくて、だからこそ、 続く言葉に、うまい言葉が浮かばなくて、>>330]
(363) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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[ きっとこのままだよ。とは言えなかった。 きっとこの世界に終わりはある。 世界の持ち主の生と死、どちらかを区切りとして。
そんなことやっぱり言えるはずなくて、 黙っているうちに発せられた言葉は、>>332 先ほどまでと違って少し尖って聞こえた。
向けられた視線の色が変わって、>>332 ……慎一は少し驚いたんだけどね、 でも、ごまかすような話でもないから、 静かに、正直に答えるね。笑いもせずに。]
(364) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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……信じるよ。
暮石が「自分じゃない」って言えるなら、 それが一番いいことだと思うから。
[ あの遺書みたいなメール。 悲鳴の上がる校舎。散らばっている刃物。 それらを生み出す覚えがないっていうなら。
自分で自分を信じられるなら一番いいよ。 暮石がそう信じるなら、慎一もそうする。
気づけばまた立ち止まったままだった。 不安も敵意も、何を向けてくれてもいいよ。 ただじっと、その目を見つめていた。*]
(365) 2021/06/11(Fri) 03時半頃
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[ ──これは、それより後の話。]
(366) 2021/06/11(Fri) 04時頃
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── 午後 ──
[ そのときの慎一の顔色は──、どうだろう。
ただ、少なくとも何があったって、 慎一はきちんと食事をとるんだろうし、 それはすでに買ってあるパン類。 ……という2点においては揺るぎなく。
つまり、かけられた声に顔を上げて、>>310 一瞬、不思議そうな表情を見せただろう。]
(367) 2021/06/11(Fri) 04時頃
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[ 「不思議」というのは、 今この状況で? というニュアンスなんだけど、 ……いつもどおり昼食を取ろうとしてた、 慎一に言えることはなにひとつないわけで。 日常めいたことなら、慎一はいつでも歓迎する。]
ン、……レン、買ってきたわけ?
[ うなずいて同席する意思を見せるだろうけど、 食欲がないとやらで露骨に量が少ないなら、 怪訝そうな顔くらいはしたんじゃないかな。]
(368) 2021/06/11(Fri) 04時頃
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[ いつかあげたアイスのアタリ棒。
忘れたわけじゃないけれど、>>0:1178 慎一はとうに交換してると思ってた。
だってそうじゃない? 仮に件のアタリ棒が鳩羽の元じゃなく、 慎一の妹のところに渡ることになってたら。
……そもそも、棒のままだったら、 「汚い!」って受け取ってもらえないから、 慎一はオマケのアイスだけを持って帰っただろう。 いや、きょうだい仲は普通だと思うんだけど……。]
(369) 2021/06/11(Fri) 04時頃
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[ ……つい話が逸れちゃったね。 元に戻すと、夏はもうずいぶん前に過ぎて、 今は真冬。雪の吹きすさぶ冷たい校舎にいる。
ぎこちない慎一のこと。>>309 気づかれていただなんて慎一は知らない。
取り繕うのは上達した気でいて、 自己評価が変なところで高いもんだから、 なぁんにも察することはなく、
──さらにいうなら、友人の様子にも。 違和感のひとつも抱くことなく立ち上がる。]
(370) 2021/06/11(Fri) 04時頃
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……どっか行く? ここでいい?
[ 慎一はさ、この友人とはとりわけ、 いつもどおりでいたかった。
いつもどおり。 元気で明るい男の子がふたり。 そんなふうに笑っていたかった。
だから極力、いつもどおりみたいな声で。**]
(371) 2021/06/11(Fri) 04時頃
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── 現在・渡り廊下 ── [ なにも、今までだって、 ヤだったんじゃなくて──、 なにがって、こんなふうに、 きちんと向かい合って、 楽しいわけでもない話をするのが。>>380 ただ、へらへら笑って水面を掬って、 返事に困るような話をしないで、 そうするのがいいんだって、 うまいやり方なんだって慎一は信じてた。 だから、へらへら笑いの消えた廊下で、 ごまかしのきかない話をするとき、 自分がどんな顔してるかもわかんなかった。 そのぶん、そっちでよく見といてね。]
(452) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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[ 正面を取ることがなかったから、 お互いの顔もよく見たことないふたり。>>385 それに、いつも目を細めて笑ってたから、 思ったより目が大きいんだなあとか、 場合によっちゃ拳が飛んできそうなことを思う。 幅広の目のかたち。 焦茶色の瞳の奥をじっと見たって、 何かがわかりやすく浮かび上がるわけじゃないけど。
言わなくてもいいかな。いいよね。 心の中の声は伝わったらしい。>>383]
(453) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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言われてみれば。
[ 慎一の記憶に残ってるのは、 癖みたいに動き続ける両手。 目前にかざされた手のひら。深爪。
……どうやら手元を見て話してたらしいね。 素直に、新鮮で不思議な気持ちで同意を重ねる。]
……思ったよりちっちゃいね、暮石。
[ だから何ってわけでもないんだけどね。 怖いものを覆い隠すような手のひらの印象。 慎一は黙ってちょっとだけ、 自分の中の暮石像をアップデートする。 たぶん、チャートを作ったあの日以来に。]
(454) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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[ ……だから何というわけでもないから、 慎一は自分の「嫌いじゃない」を補足して、 途切れがちな言葉を吐く暮石を見てた。>>387
「そう思う」返ってきたのは同意なのに、 いったいそれってどういう顔なのさ。 閉じられた瞳を少し不思議に思ってる。
悲しい。かわいそう。 慎一はね、そこから先に進めずにいる。 だって、そこからどうすればいい?]
(455) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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でも、悲しいから──、 だからって、どうすればいいんだろうな。
[ これは、答えを求めない類の問い。 素直な慎一は同意を得られたと信じて、 呟きとして、声を吐き出したんだけど。]
(456) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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[ この世界の主の話は悲しい。 けど、慎一の話には少し笑ってくれてよかった。>>388
大丈夫、ヤじゃなかったから。 声に出された同意も、淡い笑みも。
それはただ、 慎一がそういうものなんだって話。 それを聞いてどんな反応をするかも、 そりゃあ個々人の自由なんだけれど。
やっぱり、馬鹿にされると悲しいからね。 安堵したように、眉尻がさっきより瞼の形に寄り添う。]
(457) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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[ それから。短い沈黙を経て。>>392
慎一は自分ばかり話してたなって、 そういうことになかなか気づけない。 暮石がそっと息を詰めていることも。
「信じて」と暮石は言って、>>394 慎一はちょっと驚いたような顔したあと、 それでもしっかりとそれにうなずく。]
(458) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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……わかった。いいよ。
ここは、暮石の世界じゃない。 ……し、俺の世界でも、ない。
[ 本当はね、気にならなかったわけじゃない。 暮石のことじゃなくて、後半の方。 なんで除外されたかわからない自分。 ──でも、 信じるって言ったから、ただうなずいて。
それに、慎一が「なんで」って言おうとしたとしても、 きっと、それより先に暮石が動いてた。>>395]
(459) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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[ 天井に向けられた手のひら。ひとつめ。 ピアノ。答え合わせをするみたいに、 短い爪がくるりと表に向けられる。>>395
暮石が一歩下がる。ふたつめ。 過去形をして語られる夢。 言葉を挟めないまま、暮石がまた下がる。
ポケットに手を差し込んで、みっつめ。 また顕になった手のひらの上に、 10円硬貨が一枚ぽっち乗っかっている。]
(460) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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[ 「10円足りなかったの」暮石が言う。>>396
あのね、その言葉を聞いて慎一の胸に広がるのは、 ただ、「そうだったのか」ってモヤモヤの溶けた気配。
慎一が何をしたかって事実は変わらないんだけどさ。 解けるはずのなかった謎がひとつ解けて、 慎一はそのときやっぱり安堵したのだ。
だから、びっくりしてたんだ。 あとずさっていく動きが不思議だった。 重ねられる言葉の意味も。 しばらくの間理解できないまま、 その様子を見るだけだった慎一が、 ようやく動き出したのは、 きっと暮石が身を翻す瞬間だった。]
(461) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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[ かけられていたのは賛辞なんだろう。 それから種明かし。謝罪。肯定の類。 慎一の頭はまだちっとも追い付いてないのに、 こんなところに置き去りにしないでほしい。 いつもみたいにゆっくり話してほしかった。 暮石がなんで笑ってるかもわからないまま、>>309 反転する体に咄嗟に手を伸ばしてた。>>400 買ってきたものは床に散らばるんだけど、 慎一はあとで意地でもそれを食べるはずだ。 その手が暮石の腕に届いたか届かないか、 それってほんの一瞬のタイミングによるけど、 そのとき真っ先に慎一の口をついて出たのは、 なんていうか──、なんでそれだったんだろう。]
(462) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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……じ、10円。こ、今度返すから。 まだ、持ってるから。 [ もっといろいろ言いたいことはあったのにな。 ピアノの話……は慎一は詳しくないけど、 それでもしたかった。文化祭の話ももっと。 夢の話だってちゃんと聞きたかったよ。 なんで過去形なの? 無理強いはしないけどさ。 それでも慎一の口をついて出たのはそれで、 ふざけてるんでもない、大真面目で──、 それでいてちょっとほっとしてるんだから、 今言ったカッコイイを3秒で撤回してもいいよ。]
(463) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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[ 乱したのが暮石だったとしても、 慎一も明らかに間違えていたよ。 どうせほかの誰も知らないんだから、 このふたりでもう清算しちゃダメかな。 なーんだそうだったんだって笑ってさ。 怒られるのはヤだから、今回だけ内緒で。 その無謀な10円玉作戦>>397は、 収拾がつくかどうか怪しいけれど……。]
(464) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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[ ピアノ、もう弾けないの? 弾かないの? ]
(465) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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[ ……とか、 それらは全部慎一の中から、 一番には飛び出してってくれなかったモノ。 誉め言葉へのありがとうも、 黙ってたことへのごめんねも。 暮石がそれでも走ってくってんなら、 きっとそれらは伝えられないまま。 慎一の頭の中をとうぶんの間、 ふわふわと漂うものになるんだろう。*]
(466) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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── それから ── ダメとは言ってねーし。 ……急だなあって思っただけ。 [ ちょっとひしゃげたパンとともに、 慎一はいつも昼を食べるときみたく、 椅子を鳩羽のほうへと寄せる。 ちらりと袋の中身に目をやれば、>>373 「……少ねーの」って一言つぶやいてやる。]
(467) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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……そういえばさ、 時間は進んで、日付変わんないなら、 賞味期限ってどうなんだろ。 ……いつまで食って大丈夫なんだ、コレ。 [ ふと思い出したように言って、 パンの袋を見つめたりもしたけど、 ……その事実は未発見だった? あら。 それならあとで黒板にでも書いておこうか。]
(472) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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[ ……チャイムが鳴って消えた二人。 現れたマネキンそのものを、 慎一はまだ見に行ってはいない。 ただ事実としてそれを知って、 それでもできるだけ普通に、普通に。 会話を重ねていただんろう。 そんな中、まるで世間話みたいな調子で、 鳩羽が差し出してきたソレは、>>376 忘れたわけじゃなかったけれど、 慎一の目を丸くさせるには充分だった。]
(477) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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[ ……どうでもいい話だけれど、 きっと譲渡する段階でそのへんで洗った。 そういうことにしておこうよ、ね。]
(479) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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……覚えてる。けど。 せっかくなんだから、 夏のうちに交換すればよかったのに。 [ ちょっとあきれた調子で慎一は言う。 だって、慎一にとってそれは、 ただのアタリの棒でしかなくて、 お店に持っていけばアイスがもらえる、 ちょっとうれしいアイテムに過ぎない。 だから──、 そんなふうに捉えられてると思わなくて。>>377]
(481) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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……お守り、って。 [ 鳩羽はいつもと変わらない、 明るい調子でいるように見えた。 少なくとも慎一には、見える。 お守り。願掛け。神頼み。 そういうものに縋ることくらい、 誰にだってあるのかもしれないけど、 少なくとも慎一には少し意外だった。 だから、なんていうか……、 何にどう縋るかは自由だけどさ、 少なくとも慎一は思うんだけど、]
(482) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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学校生活が楽しくて、 悪いこと起きねえのは、 その棒切れのせいじゃないだろ。 [ みなまで言わないけどさ。 何気ないを装いながら言って、 甘ったるいミルクティーを啜ってる。 いつもと同じパンをかじりながら、 鳩羽が言葉を重ねるのを聞いている。 この世界の主についての思考。>>379 それにはなんとなく共感できるものがある。]
(483) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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……文化祭の思い出。 だったのかなあって思ったけど、縋るもの。 [ メールを見ての感想だけどね。 ここは慎一もひとつ無責任に想像しよう。]
……縋るものがあってもさ、 もうダメだーーって。疲れちゃったんじゃないかな。
[ 慎一にはそんな感じに見えたよ。 それに、それなら想像の範疇だった。
だから、手に取りやすい仮説として、 正解なんてない問いに今日も挑んでみよう。]
(484) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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……でも、呼んでくれたんだよな、ここに。 ここにいた、10人くらいだけ。
……誰なんだろう。 誰でも、ヤだけど。 レンは──、どう思う?
[ やっぱり慎一の口調は、 そこまで元気いっぱいではないかもね。
「ここはお前の世界?」とも、 「そうじゃないよね?」とも聞かず、 慎一はなんだかずるい聞き方をしてる。
日常めいたことしてるくせ、 非日常的な会話をはじめながら。 パンの袋の縁をゆっくりとなぞっていた。*]
(485) 2021/06/11(Fri) 17時半頃
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── 昼・教室 ──
え。あ、うん。 朝、なんかおかしいなって思って。 今、これ見てて思い出した。 日付が変だったんだなあ。
……時計は動いてんのにな。 なのに日付は書き換えられないって、 食べ物、腐んのかな。季節はずっと冬? ……年も取らない、とか。
[ 慎一は日付、覚えてる。賞味期限も見る。 ゴミの日は知らない。それは父の役割だから。
食材の経過に意識が囚われそうだったから、 あれこれ並べ立ててみたんだけれど。>>493]
(526) 2021/06/11(Fri) 20時頃
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[ ここにずーっといたら。 それってつまり、死んじゃったらって、 そういう仮定をするのと同じなんだろうか。
頭をよぎった考えがあんまりで、 慎一はそれを頭の中から追い出そうとする。
チャイムが鳴って、これがはじまって、 ひとり消え、ふたり消え、…………。]
(527) 2021/06/11(Fri) 20時頃
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[ ……無事に合意が得られたようでよかった。>494 慎一もそのくらいの常識は持っていたいから。
とにかく、よくない方向に傾く思考を、 一本の棒切れが遮ってくれたんだから、 もう少し感謝してもいいんだろうけど。
目を細めるしぐさ。>>495 少なくとも同意と取れないその声が、 慎一にとっては思いがけなかった。
なんか、別にさ、悪い意味じゃないよ。 でもこのままってのも誤解がありそうだし、 パンに向けてた視線をチラリと鳩羽に向けて、 慎一は口の中のものを飲み込んでから言う。]
(528) 2021/06/11(Fri) 20時頃
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……そ。日頃の行いだろ。
[ それ、ジンクスっていうんだけどね。 慎一にはそれなりに馴染みがある言葉。 信じるも信じないも個人の自由──だけど、
天の神様に委ねる間もなく、 君が鳩羽憐だから、どっちみちそうなるかなって。 慎一は自分の感覚以外に裏切られたこともないし、 そんな甘っちょろいことを考えたりもする。
……あくまで慎一の見解。 疑問符にごく短い文章を返答として添えた。]
(529) 2021/06/11(Fri) 20時頃
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なるほど、って言われても、 わかんねえよ、考えただけだし……
[ 目の前でまばたきがひとつ。>>496 その拍子に鱗がこぼれることはなかったが、 だけどその素直な表情にさらされてると、 一応、予防線をはりたくなっちゃって。
まったくほんとに、 見てくれだけはいつもどおりだってのに、 会話の内容はこれっぽっちもそうじゃない。
鳩羽が慎一の考えと似たことを言って、>>497 慎一はこくりとひとつうなずいた。
……これは俺だって考えてたマウントじゃない。]
(530) 2021/06/11(Fri) 20時頃
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……だと、いいなって。
[ 最後に思い浮かべた。 だからここにいる。ある。という仮説。
慎一は言葉少なにそれを支持しよう。>>497 だから自分がここにいるんなら、 そうじゃないより、慎一はうれしい。
……それだけの理由だったけれど。]
(531) 2021/06/11(Fri) 20時頃
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[ 「どう思う?」漠然とした問いかけに、 返ってきたのが存外きっぱりしたもので、>>500 慎一にとっては思いがけなかった。
首を横に振る仕草を、 サンドイッチにかぶりつくのを中断して、 無言のままにちょっと見つめちゃったくらい。
……慎一から見た鳩羽の印象を言おうか。 元気で明るくてひょうきんで、 人の探し物にヤな顔ひとつせず付き合う、 なんていうか……清々しいくらい、良いやつ。
言わないけどね。声に出しては。 でも、だから、鳩羽なら、 無条件に世界の持ち主を探してると思ってた。]
(532) 2021/06/11(Fri) 20時頃
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[ そんな鳩羽が言葉を紡いでく。>>501
迷いや後悔、そういったふうの。 慎一からすると、これも意外なんだ。
どれだけ人を平面で見てるのって、 神様か誰かに叱られちゃいそうだけど、 ああ、そっかあ。って慎一は思う。
炭蔵の体に起動ボタンがなかったように、 暮石の瞳の形をさっきはじめて知ったように、 慎一には見えてないものがたくさんあるのだ。]
(533) 2021/06/11(Fri) 20時頃
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[ 食事をする手を止めたまま、 慎一は口の中のものちゃんと飲み込んで、 それからゆっくりと口を開いた。]
「してほしい」んじゃなくて、 「したかった」のかもしれないじゃん。
挨拶とか、お別れパーティーとか、 ……単純に最後に顔が見たかった、とか。
あのメールの送り主が、死のうとしてたなら、 どっちかっていうと、そうじゃないのかなあ。
[ 自信なさげに慎一の声はふわふわ浮かぶ。 もっと溌剌元気といけばいいんだけど、 話題からしてもふわふわさせてて問題ないよね。]
(534) 2021/06/11(Fri) 20時頃
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……人の思考なんて読めないから、 そりゃ、本人じゃなきゃわかんないし。
それに、もしそうだとして、 お別れパーティーとか、ヤだけどさあ……
[ ……視点漏れ?>>503 ごめんね、慎一は気がつかなかった。 でもそれって、人に手を差し伸べようとするのが、 あんまり板についてたせいで──、や。言い訳。*]
(535) 2021/06/11(Fri) 20時頃
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── 昼・教室 ──
[ 慎一の日ごろの行いがよかったらしい。 毎朝ひとりで起きれることかな。>>557
儚い日常の断片が、 非日常会話に紛れ込んでは消えて。 引いては寄せて、みたいなことを、 繰り返していたお昼時。
ふたり、心に抱いた願望が、 重なったなら慎一もうれしかったよ。>>558 もしもその願望が本当になるなら、 一緒に思い浮かべてもらえたことも、うれしい。]
(569) 2021/06/11(Fri) 21時半頃
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……うーん、それはどうだろ。 自覚ない説あるじゃん。ここの持ち主。
[ 持ち主というより地主なのかもしれないけど、 鳩羽が懸命にそいつの望みを叶えようとするの、 慎一は見て思う。やっぱり日頃の行いだよ。
答えの出ない問いにうんうん唸るから、 慎一もつられてうーんって唸ってる。
言ってくれよ。とストレートな言葉に、 ちょっと笑っちゃったりもするんだけどさ。>>560]
(570) 2021/06/11(Fri) 21時半頃
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言えてたら、きっと、 こんなことになってねえよ。
全部、やり直せたらいいのに。 文化祭でも、おとといでもいいから、 こんなことになる前にさ。
[ そしたら慎一は、泣いて縋ってでも……や、 引き留められるかなあ。やり直せても。 誰かに、辛くても生きろと言えるだろうか。
そんなこと考えてたら、 急に鳩羽が叫びだすから、>>561 しんみりしていた慎一はビクッとなる。]
(571) 2021/06/11(Fri) 21時半頃
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おま、おまえ…… 打ち上げンときも叫んでなかった? なんで? 急にでけえ声出すなよ……!
[ 不穏な黒板の寄せ書き。 ラピュタみたいな教室。いなくなった友達。
どれを取っても非日常に、 あとほんの一コマだけ日常を織り交ぜるね。*]
(572) 2021/06/11(Fri) 21時半頃
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── それから ──
[ どのくらいそうしていただろう。
慎一は会話の途切れ目に立ち上がる。 人形を見てくる。と言った。
それで、黒板を一通り確かめて、 廊下のほうへゆっくりと歩き出す。]
(573) 2021/06/11(Fri) 21時半頃
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[ 張り紙を見て深呼吸をして、 教材倉庫の中に入った。>>3:417 布団の場違いさにも笑えない。
一瞬、それをめくろうとして──、 なんとなく、気が引けてやめた。
人形なの、わかってるはずなのに。 女子だしなあ……って思っちゃって。
昇降口。ふたりで呆然としたこと。 そんなことを思い出して、 「帰れた?」って聞いてみたくなる。]
(574) 2021/06/11(Fri) 21時半頃
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[ それから、1階の喫茶店にも。 炭蔵のメモ、ひねくれてるよな。 わざわざ樫樹とマネキンと、 別件の扱いをして書くんだもん。
喫茶店のセットに寝かされた人形。 折れた首はそりゃそうなんだけど、 うっすらとほほ笑む木製のそれを見てた。
やっぱり慎一には友だちに見える。 チャイムが鳴るたびに現れる人形が、 消える友だちの代わりなんじゃないかな。
……会えなくなったら寂しいから、かなあ。 それにしてはグロやホラーが過ぎるよって、 考えながら、その教室をあとにした。*]
(575) 2021/06/11(Fri) 21時半頃
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── 昼・教室 ──
そしたら──、 こうやってみんなでどっか閉じこもって、 非日常っぽい会話でも、してみるか。
[ やり直せたら何ができるか。 わかんないのは慎一もそうだった。>>577
ほとんど冗談みたいなことを言った。 だけど、楽しい日常生活の中では、 きっとすることのなかった話。
これをもっと早くにしていたらどうだろう。 どうだったかなんて、今さら確かめられないけど。]
(621) 2021/06/11(Fri) 23時頃
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[ 鳩羽がはっきりとした口調で、 とんでもなく重荷に思える宣言をするから、>>578
慎一はさ、馬鹿にするんでもなく笑ってた。 すごいなあ。えらいなあ。って、 慎一にはまだそれはちょっとしんどいなあ。 誰かが疲れたとき、疲れたねって言うくらいが精々。
でも、よかったら一緒に休憩しようね。 どんなに些細な理由でも、理由なんてなくても、 慎一はなんにも言わないようにするから。]
(622) 2021/06/11(Fri) 23時頃
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[ それが、日常めいた昼の話。*]
(623) 2021/06/11(Fri) 23時頃
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[ これは、非日常めいた朝の話。]
(630) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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── 朝・渡り廊下 ──
[ 暮石が両手を目元にあてがっていた。 ぐりぐり。すると、腫れるよ。>>583 慎一はそういうのちょっと詳しい。 自分がそうしてるとき、 言われるのヤだから、言わないけど。]
……うん。
[ 「たぶんすき」の裏に隠されている、 確信とか、推測とか、慎一は知らない。
慎一がしたのは「誰か」のことで、 そこにもし個人名が入るなら、 この気持ちも何か変わったんだろうか。 短い返事をしながら、小さい暮石を見てる。]
(631) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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|
自分で招き入れた人に、 好きでいてもらえたら、 うれしいだろ、たぶん……
[ きっと、慎一が何を言ってもさ、 違うんだろうなって思っているけど、 慎一が何か言いたかったんだ。聞き流して。]
(632) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ 慎一のものさし。どんなにちっぽけだろう。 なにかできることなんてあるのかな。>>584]
やれること、かあ……
[ 慎一にできること。きっと少ない。 それでもなにかないだろうかって、 慎一はそのとき考えたんだった。
……難しい、けど。 そのとき思いつかなかったから、 お昼まで、ひっそりと考えてた。 きっと、これからも考え続ける。]
(633) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ 10円と、危機的状況の暮石の話。>>588
びっくりしたのは慎一も一緒だった。 そんなことになると思ってなくて、 わあっとずいぶん焦った顔をしたはず。
……だからだよ。 飛び出してきた言葉がへんちくりんだったの。
駄菓子でも買いに行こうという提案に、>>590 うん。と素直にうなずいている程度には、 慎一の心臓は早鐘を打っているし、
ここは暮石のでも、慎一の世界でもない。 そう、当たり前みたいに受け入れていて、]
(634) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ ……暮石は笑っていた。>>590
まだ慎一の頭の中は、 再起動がかかっていないような状態だけど、 つられたように、少しだけ笑おう。
それで──、ほかの言葉は「預かり」ってことで。 だって、「今度」があるんだろう。 それなら今は、ここでその背を見送ろう。
それも信じているから、 ほかの話はそのときでいいよ。*]
(635) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ その日の慎一の夕飯はパンケーキだった。>>525]
(645) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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── 夜 ──
[ 卵がなくなっちゃう前に、 どうにかならないと困るなあ。 毎日減ってるんだ。綿見だと思う。 毎日食べてる身でなんだけど、 少し節約してほしいです。……なんて。
チャイムが鳴る前、 慎一はそういうことを考えてた。
今日も夕飯代わりにパンケーキをつまんで、 明日もお米が炊けるようにして、 明日に備えて……備えたんだけどなあ。
文句ばっかり言ってごめんね。 そのときも慎一は自分の心の平穏を、 決まった手順で守るべく、忙しかった。]
(646) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ 食堂にほかの人がいたんだか。 慎一はチャイムの鳴る前に立ち寄って、 それで、自分の用事を済ませただけ。
それから、購買にも立ち寄った。 見慣れた陳列棚を見ながら考えてる。
いつまでここにいれるんだろう。 ……ふたつの意味で。
いつまでここにいることを許されるかと、 慎一がいつまで耐えられるんだろうってこと。]
(647) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ 嫌いじゃないこの世界で。 慎一はやっぱり息がしづらい。 もうずっと、いつもの自分でいる方法がわからない。]
(649) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ ……ああ、でも。
「21時少し前に集まろう」 ──って黒板のメモにあったから。 そう思って購買の扉に手をかけた。
……8時50分になる直前だった。 どうでもいい話だけど慎一は、 「少し前」って書き方、好きじゃない。]
(650) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ 開いた扉の隙間から、こぽりと泡が立つ。]
(651) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ 意味がわからない? わからないね。 慎一も。なにひとつわからなくって。
なんで。 って言おうとした口の端から、 声の代わりに泡が膨れてこぼれた。
なんだか体が重い。 床に足つけて立ってるだけなのに。
開いた扉の向こう。伸びる廊下。 その様子は文化祭の日のままなのに。]
(652) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ ああ、どうやらここは水の中みたい。]
(653) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ だからここは今から、うんと静かな水底。
全部、全部、たとえ話。 はじめから何か変だった。 その何かを手に入れたこともないから、 慎一にはうまく言語化できない。 慎一の世界を直接見せることもできない。
だからここはひとつ、 なんてことはない日常の話をしよう。 魚にでもなった気分で聞いてほしい。]
(654) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ さて。 慎一はこの不可解な状況に呆然として、 今ようやっと歩き出したとこだけど、 体が重たくってたまらない。
もたもたと不格好に歩いてる。 水の中では歩きづらいからね。
「なんで?」と「どうしよう」を、 交互に思い浮かべながら歩いてったら、 少し先に昇降口が見えた。出口だ。]
(655) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ ……実をいうと、少し迷ったんだ。
はじめは不可解な状況に、 茫然自失という感じだった慎一だけど、 このころには薄々理解しはじめてる。
単純に、慎一の番だった。帰る時間。
米なんて炊かなくてよかったんだな。 まっすぐ行ったら外に出れるのかも。 この息がまだ続いている間にも。
……そう、慎一は息苦しい。 水の中じゃうまく呼吸ができない。
でも、21時の少し前に集まろうって、 みんなで約束をしたはずだった。 21時の少し前って結局何分だよ。くそ。]
(656) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ みんなの中に自分も含まれているって、 慎一は信じているから、階段を上った。
こぽり、こぽり。 ときどき泡をこぼしながら、 3年9組の教室の近くまで。
それで──、少し離れた柱のとこ。 そこから先、なんとなく進めずに。 こぽり、こぽり、こぽり。泡が増える。
教室への入り方も忘れちゃったみたいに、 ただ、立ち尽くしていた。泡をこぼして。 もう息が続かないなあって思いながら。
みんなのところに行きたかったけど、 あの部屋の中も水でいっぱいなんだ。 慎一は知ってる。それが悲しい。]
(657) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ ……これでおしまい。
なんだろうなあ。 慎一にはなんにもなかった。 大きな不幸とか、別れとか、裏切りとか。 たとえばこの空間で邂逅できるようなもの。
だから、普通に歩いてきてみたんだ。 慎一にとって、日常の一部で大切な場所まで。
思ったよりも大変だったなあ。 でも、いつもそんな感じだった。 うまく表現できないけれど、 慎一は水の中で生きるのにあまり向いてない。]
(658) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ こぽり。ひときわ大きな泡がこぼれる。]
(659) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ 息ができないなぁ。 だんだんと苦しくなって、 慎一は無意識に首を掻きむしってる。
水の中なんだから当たり前だった。 当たり前なんだけど、悲しいなあ。 やっぱり慎一はうまく呼吸ができない。
でも、爪が短くってよかったなあ。 伸びてたりギザギザだったりしたら、 もっともっと痛かっただろうから。
いいことあったよ、深爪。 そうする理由を手放してしまったんでも、 別にやめなくてもいいと思うなあ。 案外いいこと、あるかもしんないよ。 案外、使う日が来るかもしれないし。]
(660) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ だんだんどこにも力が入らなくなって、 水中であるなら浮かぶべきなんだけど、 ここは学校だから、慎一は床に沈んだ。]
(661) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ 慎一は水中じゃうまく息ができない。 エラがなかったとは言わないけれど、 きっと形成が不全だった。
発達途上ならまだ救われたんだけど、 その一点においては、 いびつなのが慎一の生まれ持った形だ。
ほかがどんなに健全に育っても、 いつだって不完全な器官で息をしている。 一生のはじまりからおわりまで、ずっと。 それが、慎一のたったひとつの瑕だった。]
(662) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ きっと誰しも瑕のひとつくらいある。
それもわかってるよ。 どんなに慎一から見てかんぺきでも、 ふつうでも、息苦しかったりするんだろ。
だから……そう。 特別ぶりたいんじゃないんだ。 ただ、慎一はしんどくて疲れちゃった。 他人との比較なんかしなくたって、 自分で自分に疲れちゃった。]
(663) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ このまま生きていれば、 いつかはラクになるのかな。 みんなといることにもいつか慣れて、 この水の中でも息がしやすくなるのかな。
そんな夢を見ていたんだけど、 それってたぶん寝て見るほうの夢だったな。 目が覚めたら、もう疲れ果ててた。 それが悲しかった。泣いちゃうくらい。]
(664) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ つまり、やっぱり息がしづらいというだけの話。]
(665) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ 慎一は静かなのが落ち着くから、 最後までうるさくなんかしない。 その人形は、気づいたらそこにいる。 前だけ見て歩いてたら、通りすぎちゃうかも。]
(666) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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── 午後8時50分 ──
[ 遠く、遠く、遠く。 静かな水底にも微かに響く。 どこかでチャイムが鳴っている。
それは、購買からの帰り道。 ……あ、いやいや。昇降口じゃなく。 みんなのいるとこに帰るはずだった。 2階の廊下。教室の近くまできたくせ、 柱の陰に隠れるみたいに縮こまってる。
縮こまってるからわからないけれど、 首元にいくつも引っかき傷がある。、 どれもさほど大きな怪我ってわけじゃない。]
(667) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ 不自然なことといえばほかにひとつ。 血を流していない代わりに水浸し。
髪の端かどこかからぽた、ぽたと、 水滴をひたすらに滴らせている。
乾くまで放っておいてくれてもいいよ。 ひとりでいるのもラクで悪くないんだ。
でも、君たちといるのは楽しかったよ。 ……やっぱり、タオルだけ貸してくれるかな。]
(668) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ ……ただ、ほら。 顔も、手足も、胴体も、 上から下まで全部びしょ濡れだから、 泣いてたとしてもきっとわかんない。 それだけはよかったなあって慎一は思う。]
(669) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ たぶん、それが最後の思考。]
(670) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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[ お邪魔しました。 君の作った世界の中に、 慎一も入れてくれてありがとう。*]
(671) 2021/06/11(Fri) 23時半頃
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