24 研究棟の共存試験 【R18ペア】
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後でお返しだ。 それと続きも。
[ひと睨みは、笑みに崩れる。 柔らかな視線ひとつ投げて、彼のものだった足を宙に浮かべた。 そこへ彼の血を数滴吹きかける。]
仮初めの血と肉を得てひとときの眷属たれ。
[囁きかければ、足を核にして彼の写し身ができあがる。 存在も希薄なそれが触手をすり抜けて駆け出せば、つられたように触手が後を追った。]
(-63) nekomichi 2023/05/05(Fri) 02時頃
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待っていて。
[囁いて、自身も身体を霧へと崩す。 触手の中に彼を置いたまま、白く渦を巻くように移動した。*]
(-64) nekomichi 2023/05/05(Fri) 02時頃
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[期待しているという声と眼差しに、霧が細やかに漣立つ。 この姿であっても、感情が肉体に及ぼす反応はあるのだ。
生ける霧は音無く流れゆく。 囮が駆けだしたのとは反対側の、触手塊のすぐ側にわだかまった。 ひとの形に凝集した霧が、手足の先から色づいていく。
霧化するときより遅い変化で隙も大きいが、触手はまだ反応しない。 反応の条件は温度か加速度かという予測は、外れていないようだ。]
(-68) nekomichi 2023/05/05(Fri) 12時頃
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[元の姿を取り戻してから、触手塊を観察する。 その眼差しは、獲物の急所を見極める狩人のそれだった。
見つめる目が笑みに変わる。 ゆっくりとした動きで両手を持ち上げ、左の袖に右手を入れる。 左手の中指で親指の腹を突き、血の雫を指先へ伝わらせる。
雫が指先から離れ、床へ落ちた瞬間から、全ては刹那で変化した。]
(-69) nekomichi 2023/05/05(Fri) 12時頃
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[血が床につくや否や、足元から闇が噴き上がった。 無数に分かれた漆黒は、あたかも鏡写しのごとき形で触手塊へと雪崩掛かる。 その時には、自身も床を蹴って距離を詰めていた。
動きに反応した触手を闇が押さえ込んでいる間に、触手の根元へと肉薄する。 袖から引き抜いた右手には、全ての光を吸い込むような刃が握られていた。 抜き打ちに切りつけて数本の触手を落とし、すぐに手元へ引き戻して、斬った箇所へと刃を突き立てる。
刃が脈打ち、赤熱した色に輝いたが、それも僅かな間だった。 触手の群れがびくりと震えた時には、刃も元の闇色に戻っていた。]
(-70) nekomichi 2023/05/05(Fri) 12時頃
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無事かい?
[ぱたぱたと落ちていく触手の代わりに、闇の触手がカガを受け止める。 抜いた剣を袖へ戻して、彼に笑みを向けた。*]
(-71) nekomichi 2023/05/05(Fri) 12時頃
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[さわさわ撫でられた闇の触手は、ふるり震えて手に巻き付く。 うねっていた他の部分も次々と巻き付きだした。]
それが気に入ったのかい?
[残骸を踏み越えて彼の元まで歩み寄り、闇に触れる。 たちまち影の中へと縮んでいく闇から彼を受け取って、そのまま再び抱き上げた。]
君も縛られるのが好きになるかな。 この触手を持って帰ったら増やせるだろうか。
[もう動かない触手を一本つまみ上げて、くるりと丸める。]
(-74) nekomichi 2023/05/05(Fri) 14時頃
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問題ないようなら、先へ行こうか。 君と研究の続きを早くしたくてたまらないよ。
[縛られて触れられて、力を行使して、 滾っているのだと告白して、彼に接吻ける。 ちろりと舌を入れて唇の内側に遊ばせた。 先ほどの触手の動きも取り入れてみる。*]
(-75) nekomichi 2023/05/05(Fri) 14時頃
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[丸めた触手は懐に入れて、手を投げかけてくる彼の背を抱き寄せる。]
君がそう言ってくれるなら、ますます急がないと。
[楽しみだと言われるだけで、身体が疼いた。 もう、何者にも邪魔はさせない。
彼を抱き上げたまま、先ほどにも増して素早くルートを辿っていく。]
(-78) nekomichi 2023/05/05(Fri) 18時半頃
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[たどり着いたのは巨大な換気口だった。 広大な地下空間に空気を送り込む換気施設は巨大な塔のようになっており、人間が通るのに十分なほど大きい。 ただし、いくつもの羽根が常時回っていて、普通ならば通り抜けることなど不可能だろう。]
施設の中と外は空間が断絶しているけれど、中から中へなら転移出来る手応えがある。 短い転移を繰り返して換気塔を昇り、頂上から外へ出る。 あとは、闇の道を通れば私の城まですぐだ。
[手順を確認して、換気口を見上げる。]
(-79) nekomichi 2023/05/05(Fri) 18時半頃
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うまくいくように、おまじないをして。
[失敗すれば最悪の結末となる。 そんな重圧など感じさせない顔で、キスを求めた。*]
(-80) nekomichi 2023/05/05(Fri) 18時半頃
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[彼の信頼が温かい。 祝福の接吻けに心が奮い立つ。]
私が誰であれ、君の研究対象であることに変わりは無いよ。 私は、もっと君に曝かれたい。
行こうか。
[唇を吸い交わして甘く囁く。 身分がどうあれ、彼の態度が変わらないと知っていた。 だからこそ、愛しい。]
(-83) nekomichi 2023/05/05(Fri) 23時半頃
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[もはや恐れるものなど何も無かった。 彼を抱いたまま、垂直に跳び上がる。
頂点で片手を振り、空間を裂いて中へ飛び込む。 飛び出したのは、回転する羽の上空だった。
同じように足元の空間を裂き、頭上の羽を転移で越えていく。 幾度かそれを繰り返せば、換気塔の最上部へとたどり着いた。]
おっ…と。
[塔の開口部は鉄の格子で塞がれていた。 最後の転移で危うく衝突しかけ、片手で格子を掴んでぶら下がる。]
(-84) nekomichi 2023/05/05(Fri) 23時半頃
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[それなりに頑丈な格子に、もちろん扉など無い。 両手は塞がっているし、おそらくは格子を越えての転移は出来ない。]
どうしたものかな。
[思わぬ障害に、暫し対処の道を模索した。*]
(-85) nekomichi 2023/05/05(Fri) 23時半頃
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[彼が記す書物のため、書庫に棚をひとつふたつ増やすべきだろう。 未来の楽しみを実現するためには、今を切り抜ける必要がある。 応援を受ければ、困難も些細なイベントに変わった。]
なるほど。試してみる価値はあるね。
[提案を受けて、まずは闇を伸ばす。 格子の上に出そうとすると消滅したので、周囲の壁に蜘蛛の巣のように張り巡らせてふたり分の体重を支えた。]
高速振動というと、君が使ったあのナイフの原理だね。 闇では強度が足りないから、私の剣を使おう。
持っていて。
[先ほどと同じように袖口から引き抜いた細身の剣を、彼に握らせる。 刀身に指を滑らせ、血を与えて命じれば、刃は微かな唸りを立てた。]
(-89) nekomichi 2023/05/06(Sat) 02時頃
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[剣は闇とは違って実体があるから、消滅することはないはずだ。 金属を押し切る強度も十分にある。]
私は術の維持で手一杯だから、君が斬ってくれるかい? 共同作業といこう。
[闇の網の維持と、剣の振動の双方をこなすのに、かなりの集中を要している。 実際に刃を振るう方は彼に任せ、自分はそこに手を添えて術の継続に意識を注いだ。*]
(-90) nekomichi 2023/05/06(Sat) 02時頃
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そうだね。 私たちの本質だから。
[血は万物の源という彼の観察に同意する。]
血を介して力を使い、絆を結ぶ。 人間に注げば、同じ時を刻むようになる。 私たちの力そのものだよ。
(-93) nekomichi 2023/05/06(Sat) 12時半頃
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[剣を携えて立つ彼の姿に目を細める。 やはり、刃物を扱う姿が美しい。 あの刃が自分に向けて振り下ろされる瞬間を想像して、唇を舐めた。]
私が格子になれれば良いのに。
[端的な願望を口にする。
振り下ろされる三回の軌跡に、金属が断ち切られる。 落ちないよう残された角を折り曲げればふたりがくぐれる穴ができあがった。]
ではあらためて、行こうか。
[細身の剣を受け取って元に戻し、正面から彼を抱きしめて闇の網を蹴る。 格子があった場所を抜けた瞬間に、空気が変わった。]
(-94) nekomichi 2023/05/06(Sat) 12時半頃
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ああ―― ようやく抜けた。
[外から切り離されていた感覚が解放される。 知覚が世界の隅々まで広がっていく感じ。 清々しいまでの開放感が心に吹き抜ける。]
これで君を連れて行けるよ。 私の世界へ、ようこそ。
[彼を腕の中に抱いたまま、後ろへ体重を傾ける。 換気口の端から落ちる失墜感は、地面に着く前に闇に飲まれて途切れた。*]
(-95) nekomichi 2023/05/06(Sat) 12時半頃
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[楽しい気持ちは共鳴するものだ。 笑い声をあげる彼を抱きしめて、闇の道をくぐり抜ける。 体感では水に飛び込んで浮き上がった程度のもの。それだけで海も陸も越えて己が居城に帰還していた。
現れたのは、石壁に囲まれた部屋だった。 窓は鎧戸が閉められていて光が差さず、明かりと言えば壁に掛かっている蝋燭だけだ。 床も石材のままで、棚なども多くが石の作り付けとなっている。 中でも存在感を放っているのが、御影石で作られた寝台だった。]
着いたよ。ここが私の城だ。 良く来てくれたね。
[抱擁の形のまま、接吻けを交わす。]
(-98) nekomichi 2023/05/06(Sat) 16時頃
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ここはあまり使っていない部屋でね。 しばらくはここを研究に使っておくれ。
いずれ新しく部屋を用意するから、後で要望を聞かせてもらうよ。
[身体をずらし、彼に部屋の中がよく見えるようにする。*]
(-99) nekomichi 2023/05/06(Sat) 16時頃
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[昼も夜も日が当たらない部屋だったが、今は間違いなく夜だった。 陽光の領域から月光の支配下へと移り変わるほどの距離を越えてきたと、彼もいずれ気付くだろう。
部屋の中心たる石の台は、実のところ獲物を乗せる台なのだが、彼は気にしないと思う。 もちろん自分も気にしないし、これから新たな使い道を見いだされるだろう。
気に入った様子の彼が、寛いだ様子で誘う。 その首へ、両腕を投げかけた。]
もう待てない。
[情熱的に接吻ける。]
(-103) nekomichi 2023/05/06(Sat) 19時頃
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後で他の場所も案内するし、風呂も一緒に入ろう。 けれども、私がどれだけ熱くなっているか、分かるだろう?
[すり寄せた身体は、今は熱を帯びていた。 いくつも試練を乗り越えてきたのも、この時のため。]
押し倒して。
[声は既に潤んでいた。*]
(-104) nekomichi 2023/05/06(Sat) 19時頃
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[闇の衣に拘束されて、石の台に追い上げられる。 足を蹴り上げて抵抗するのは興奮を誘うちょっとした手管だったし、むしろ自ら台に上がる動きでもあった。]
ん、…ンッ …
[冷たい石の上で背をくねらせる。 腰の下で手を束ねているせいで、胸の先端が突き上げられていた。 触ってと主張しているかのよう。]
(-106) nekomichi 2023/05/06(Sat) 22時頃
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[容赦なくひらかれるのを望み、彼の前に全てをさらけ出す。 被虐の悦びに、身体の全てが蕩けそうだ。]
して。
[求め願う言葉に視線が濡れる。 期待だけで欲望の塔は天を指し、雫を零していた。*]
(-107) nekomichi 2023/05/06(Sat) 22時頃
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ッ あ …
[剥き出しの欲に触れられて、腰が短く跳ねる。 荒くなった息で胸を濡らし、羞恥のまねごとに顔を背ける。 それも胸の尖りを啄まれるまでのこと。]
あぁ、うっ …… す き ……
[上と下の双方に触れられて、身体が揺らめく。 抱きしめたいのに腕は封じられているのがもどかしい。 もどかしいのがまた気持ちいい。*]
(-109) nekomichi 2023/05/06(Sat) 22時半頃
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[辛いかなの一言で身体が追い上げられる。 この手の経験に疎いわけでは無いのに、身体が制御できない。 主導権を渡すだけで、こんなにも狂おしく気持ちいい。 これもきっと、そこに愛があるからだ。]
いい、すき…、あァっ、
そ こ、 好き ィぁ、 あ っ…
[足の間に彼の体が収まる。 閉じられない。見られている。 認識の一つ一つが快感になる。]
(-111) nekomichi 2023/05/06(Sat) 22時半頃
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見て、 もっと…… ぜんぶ、 ンあ、 たまらな、い ッ …、
[腰の震えも、肌の紅潮も、全て彼に見られていると思うと身体はなお滾った。 導く指の動きに素直に欲が満ち、膨らんで、弾けだす。]
んうッ、くあぁ、ぁ ぁ …
[他愛もなく昇り詰めて、証の白を吐き出した。]
(-112) nekomichi 2023/05/06(Sat) 22時半頃
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[だが、それで萎えるということが無いのが魔物の性である。 頂点を極めてなお、硬く勃ちあがったものを彼の手に擦り付ける。]
まだまだ、できるよ?
[艶を増した表情で微笑んで、彼に続きをねだる。 彼が新たな研究課題を見いだすまで、ずっと続けていられるだろう。*]
(-113) nekomichi 2023/05/06(Sat) 22時半頃
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[今度はもう耐えられなかった。 手を戒める服を闇に溶かして消し去り、彼に両腕を回す。]
愛している。 どのような形であれ、永久に君を愛するよ。
[人間と魔の間に育まれる愛の稀なる事よ。 彼には是非、そちらも研究してもらいたい。 愛撫に身悶えながら、唇に誓いを交わした。*]
(-115) nekomichi 2023/05/06(Sat) 23時頃
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