3 ディアス家の人々
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― 第四夜 ―
[ アリステアがあげる香料の名は、どれも知っていたけれど、 調合によって、こうも奥行きをもつものか。]
おまえのことがよくわからない。
[ 感嘆の色を乗せて言う。]
マッサージの腕前だって、それだけで開業できるくらいだ。
(-0) enju3 2021/01/14(Thu) 23時頃
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[ 甘やかなリラックスを誘うアロマと、解きほぐすような巧みなマッサージで、血の巡りがよくなるのが手にとるようにわかった。]
うん、 気持ちいい。
そこも、 とても。
[ 彼の手の下で、警戒することなく、満足の声を発する。*]
(-1) enju3 2021/01/14(Thu) 23時頃
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すぐにわかりますよ。
[満足を示す彼の首筋に、軽く唇で触れる。 漂う香りはどちらにも等しく作用するから、 ―――もう、忍耐など振り切れていた。]
ここ。 思い出して。
[尾の名残に掌を置き、掠れた声で囁く。 呼びかけられたものが、彼の内側で目を覚ました。 最初の夜からずっと彼の中を占めている闇が、柔らかく震える。*]
(-2) nekomichi 2021/01/15(Fri) 00時半頃
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[ うとうとと微睡みかけていた。 首筋にアリステアの吐息を感じ、ぞくりとする。 湯冷めしたのではない。]
…、 そろそろ終わりに──
[ 身体をずらそうとした時、硬い骨の下で何か目覚めた。 気になって、腰を捻る。*]
(-3) enju3 2021/01/15(Fri) 00時半頃
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ここからはもう、夜の時間。
[闇の目覚めと同時に、纏う気配を変えた。 横たわる背中へ、まるい尻へ、柔らかな内股へ、つま弾くように指先を走らせる。]
もっと良いことを、しよう。
[体を折って囁きかければ、彼の背に髪の先が触れる。 香油を纏った指を菫門に差し向ければ、抵抗もなくとぷりと沈んだ。*]
(-4) nekomichi 2021/01/15(Fri) 09時半頃
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[ 濃密な甘い香りと、艶めいた声、淫美な触感がウィリアムを惑わせる。]
…あっ
[ 従者の分を超えた──いっそう背徳的な行為をされたというのに、身体が拒絶しない。]
スペンサー、 いけない…
[ 呼びかけながらも、的外れなことを言っている気がしてならなかった。 頭部の下に重ねて枕にしていた手を背中に伸ばして、彼に触れようとする。*]
(-5) enju3 2021/01/15(Fri) 10時半頃
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全部、私に任せて。
[伸ばされた手を取り、腰の上に束ねてゆるく押さえ込む。 その間に、沈めた指を曲げ、感じる場所をまさぐりはじめた。]
良くしてあげるよ。 もっと―――ずっと、
… ここ、欲しい?
[彼の悦びの源泉に指先が届く。 幾度か撫でるように愛でて、誘った。*]
(-6) nekomichi 2021/01/15(Fri) 11時半頃
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[ 手首を拘束され、中を弄られてることもマッサージの一環であるかのように身体を蕩かす。]
んッ …は ぁ
[ 一線を越えている気がしているけれど、痺れるように気持ちよくて、制止したくないと思ってしまう。]
そう──、 そ こ、
[ ヒクリと中が締めつける。*]
(-7) enju3 2021/01/15(Fri) 12時半頃
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[香りに蕩かされて、彼の体も言葉も素直だった。 指を動かせば、肉襞が絡みついてくる。]
じゃあここ。
それと、ここ。
[二本目の指を入れ、同時に動かした。 強く、弱く、緩急をつけて擦る。]
まだ足りない、 だろう?
[囁いて握っていた手を放し、彼の腰を引き寄せた。]
(-8) nekomichi 2021/01/15(Fri) 13時半頃
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[膝立ちにさせた彼の後背に顔を寄せ、二本の指で広げた場所に舌を差し込む。 淫靡な水音をたてて舐め、中をまさぐった。 存分に舌先で堪能したあと、周囲を舐め上げて唇を離す。]
もっと欲しい? ここにぴったりのもの。
[指の動きを再開させながら、誘う。]
言って。
欲しい、 って。
[妖艶な声が甘い香りをかき回した。*]
(-9) nekomichi 2021/01/15(Fri) 13時半頃
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[ 擦られると悦楽が溢れてくる場所を刺激する質量が二倍になる。 動きはもっと妖しく複雑になって、狂おしい陶酔の段階を押し上げた。]
ふ あっ … く、 う──
[ 腰をもちげる姿勢に引き上げられて、震える息を吐く。 うつ伏せているよりも良かった。 だってもう、股間に血が集まって、硬くなっている。]
(-10) enju3 2021/01/15(Fri) 14時頃
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っひ、 あ… なン
[ もう充分に熟れて熱い場所を舌で舐られて、脈が跳ねる。 こんな奉仕は受けたことがなくて、そもそも奉仕してもらうべきことなのか 後ろめたいような、でも、止めるさせることなど論外で、 甘い香りも肉の官能も、もとより彼の存在自体が、もっと自由になっていいと唆すのだ。]
っは… あ、 い
欲しい… もっ と ──
[ 求める言葉を口にしながら、羞恥に手で口元を覆う。*]
(-11) enju3 2021/01/15(Fri) 14時頃
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[腰を引き上げた手に、硬いものが触れた。 彼の熱が集まる場所は、もう脈打ち、勃ちあがっている。]
ここは後で。 先にいってしまったら、もたないからね。
[そこも香油を纏った掌で優しく擦る。 先端も親指の腹で円描くように捏ねながら、中へ闇を送り込んだ。 出せぬよう漏らさぬよう、粘度のある闇が細い管を遡り、内側を満たす。 のみならず、闇は中で密やかにのたうち震えるのだ。]
(-12) nekomichi 2021/01/15(Fri) 15時頃
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おまえの望むままに。
[求める言葉を言わせて、愛おしさははち切れそうになる。 自身の滾る熱を彼の足に触れさせ、彼自身の陽根とも擦り合わせたのち、香油と唾液で光る媚洞へ収めた。
日々開発され、指と舌で広げられた内側は、少しの隙間もなく侵入者を包み込む。 動かせば柔らかく震え、絞りたてるように奥から窄まった。]
中はもうこんなに熱くなって、とろとろに溶けているよ。 もっと欲しい、と吸い付いてくる。
ほら、動いてごらん。 自分で、欲しいところに擦り付けてみて。
[浅く腰を使いながら、もっと深いところへおいでと誘いかける。*]
(-13) nekomichi 2021/01/15(Fri) 15時頃
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[ それまで情欲を昂めるように愛撫してきた彼が、ウィリアムの前を塞いで射精できないようにした。]
や…、 そん…な、
[ 自分勝手だと恨めしく思ったが、昂りは解消されないまま、内側で扱き上げられるかのような感覚に襲われて身悶えする。
一方で、合一を求める言葉は速やかに受理されて、待ち受ける場所に彼の灼熱が侵攻した。]
(-14) enju3 2021/01/15(Fri) 15時半頃
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…うう、 くぅ いい──
[ 自分とは信じられない艶めいた声が吐露する。 こんな無防備に曝け出しては、主人としての威厳は形なしだと、ブレーキをかけたがる理性はどこかに存在するのだけれど、もっと身を捧げて奪われたいという願望もまたあって、歯止めが効かない。
言葉だけでなく、行動で示すようにと教授されて、おずおずとぎこちなく腰を揺らす。*]
(-15) enju3 2021/01/15(Fri) 15時半頃
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[そそのかされた彼が、腰を揺らし、自らを捧げる。 初々しい仕草に微笑み、手を添えて動きを助けた。
今まで内側を埋めていた手は前に伸ばして胸乳を探る。 彼の恍惚をさらに深めるべく、あかい珠を指先に捉えた。]
いい――― たまらない 。
[悦びを紡ぐ声は彼の吐息と絡まりあう。 彼も己をもめくるめくような波に投げ込んで、もろともに蕩けた。]
(-16) nekomichi 2021/01/15(Fri) 16時半頃
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ああ……いくよ―― っ、
[今宵は自らの欲望に手綱を掛けず、感じるままに駆けた。 彼を高め彼に高められて、この夜最初の悦びを放つ。 なおも衰えない槍先でかき回せば、淫猥な水音が高く反響した。]
まだ、 もっと欲しい。
[濡れた声を彼の背に滴らせる。*]
(-17) nekomichi 2021/01/15(Fri) 16時半頃
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[ 彼の手がより大胆な動きを導く。]
あ、 あ…っ
[ 求められていることに喜びを覚えて、身体が弾んだ。]
い…い、 もっ と、 っああ、 中に 、
ひ… いく…──!
[ 彼の言葉をなぞって上り詰め、胸をいじられれば切なく喘いで、 射精できないままに、小さくオーガズムを迎える。 そこから立て続けに弾ける快楽に、あられもなく泣き咽んだ。]
(-18) enju3 2021/01/15(Fri) 17時半頃
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やだ… いい…っ イヤ、
感じすぎ て、 だめに── なっ、 ああぁ!
[ 自分の中にこんな淫らな部分が花開くなんて思ってもみなかったれど、 彼に最後まで連れていってもらうことしか、もう考えられない。]
頼む… 全部、 して
──おまえが、 欲しい
[ 見えない目で彼の姿を求め、汗ばむ肩越しに振り仰ぐ。*]
(-19) enju3 2021/01/15(Fri) 17時半頃
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[この身の下で咽び身悶える彼は、蜜に溺れた蝶のよう。 進めば戻れないと知ってか知らずか、さらなる蜜を求めて羽を震わせる。 花たる自分は彼に蜜を注ぎ、一緒に溺れてしまおうか。
壁を乱打した嬌声が反響を残して消え、なお求める声は強欲にも全てを望む。 溢れるほどに愛を注ごう。愛しきものよ。]
湯の中でしようか。
[一度結合を解き、彼を抱き上げて湯に運ぶ。 合間に、唇や額や首筋や胸元に、キスの雨を降らせた。]
(-20) nekomichi 2021/01/15(Fri) 18時頃
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[湯船に入れば腰を下ろし、彼を背中から抱き寄せる。 溢れた湯が小さな津波を起こし、浴室の香りがかき回されて新たになった。]
全部してほしい? 感じすぎて、もっとだめになるよ?
気持ちいいこと以外、なにも考えられなくなって、 頭の中が真っ白になってしまうよ?
[先ほどの彼の言葉を繰り返して、この先を示唆する。 足を開かせた彼の中へもう一度己を送り込み、再びの結合を果たす。 再開された営みは、先ほどより激しいものだった。]
(-21) nekomichi 2021/01/15(Fri) 18時頃
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[浮力を利用して彼の体を弾ませ、入り口から奥までを立て続けに突き上げる。 より深く、より密着させて、彼の快楽の道を往還した。
片手では彼の封じられた熱を握り、貫くのと同じリズムで擦り締め付ける。 時折先端をつまみ鈴口をつついて、中の闇を震わせた。
もう一方の手では胸の先を転がしひねり摘まんで刺激を加える。 腰奥で生まれた快感を全身へと響かせる経路が開かれていく。]
愛している。 おまえの、全てが欲しい。 もっと、深いところまで、全部みせて。
[甘く囁く言葉は絶え間なく、時折は首筋に唇を這わせてリップノイズを立てる。 戯れに噛みついた肩にはほんのりと赤が滲み、香りに背徳の官能を加えた。*]
(-22) nekomichi 2021/01/15(Fri) 18時頃
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んッ、 く…
[ 抜け落ちるのではなく、引き抜かれるという確かな質感をもって彼が出てゆく。
体からぐったりと力が抜けて、自分がどれだけ消耗を強いられていたかを目の当たりにしつつも、 また戻ってきてほしいとどこかで望んでしまうのだ。]
(-23) enju3 2021/01/15(Fri) 19時頃
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[ アリステアは軽々とウィリアムの身体を抱いて運ぶ。 彼が手を滑らせる心配はしていなかったが、彼の正体には不安を抱いた。 身分がどうこういう以前に、すべてが規格外のような。]
スペンサー、 おまえは──…
[ バスタブの中に下ろされて、湯の温度が冷めていないことに驚く。 アロマの香りは先ほどより強く甘く漂い──二人の淫蕩な行為もそれに一役買っている気がした。 熟れて堕ちる直前の果実のようだ。]
(-24) enju3 2021/01/15(Fri) 19時頃
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この香が自分をおかしくしているのではないか、あるいはワインの酩酊がガードが甘くしているのかと、そんな危機感も覚えたけれど、精油や酒のせいにするのは卑怯だと自分を戒める。 どんな理由があっても、自分の言動には責任を持つべきだ。 貴族というものは、そういうものだろう。]
つう…あ、あ
[ 自分を律する規範を確かめる最中にも、背後から抱き寄せられ、濡れた息で囁かれて、疼く。]
(-25) enju3 2021/01/15(Fri) 19時頃
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[ この先は何も考えられなくなると、そんな予告とともに再開された交わりは濃く深く、 湯を伝播して全身くまなく滾るようだった。]
あ、 っあ… これ 以上
なに を、 奪う っ
[ 愛してると言わせたいのだろうか。身体のように従順になれと。 愛と快楽はイコールではないはずだ──
激しく突き上げられ、溢れた嬌声はタイルに反響し、長く尾をひいた。*]
(-26) enju3 2021/01/15(Fri) 19時頃
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私の正体が気になる?
[不安の色を示す彼に囁きかける。 知ってはいけない秘密を、密やかに明かすように。 けれどもそれも、甘い香りの中に溶ける。]
いずれわかる時が来る。 今はただ、感じて。
[彼の快感の在処を全て捉えて刺激する。 魔性の与える愛撫は優しく、暴力的で、容赦がない。]
(-27) nekomichi 2021/01/15(Fri) 22時頃
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奪ってなどいない。 与えているだけだ。
感じているだろう? 気持ちいいだろう? 今はそれでいい。
[抗議のような言葉を紡ぐ口を、手で塞ぐ。 中指を押し込んで、彼の舌を愛でる。 言葉だって必要ないと。]
(-28) nekomichi 2021/01/15(Fri) 22時頃
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――― これやわが深みの炎
[不意に詩情を動かされたかのように吟じる。 日のある内、書き留めた彼の詩に添えるように]
また永久の秘密の徴、われと聴く 激しき恋の凱歌に沈みにし色。
[言葉の残りは、彼の肌に直接染み入らせた。]
(-29) nekomichi 2021/01/15(Fri) 22時頃
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おまえのような者との出会いは、 千年に一度の奇貨。
おまえが欲しい。 おまえを愛したい。
その思いで、私は焦げ付きそうだよ。
[湯よりも体温よりもなお熱い息を吐いて、彼のうなじに口付けた。*]
(-30) nekomichi 2021/01/15(Fri) 22時頃
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[ 奪いなどしていないと、彼は言った。
ならば、この先、同じく優雅で昏い日常を繰り返しながら、 夜毎、色欲の交歓を繰り返すつもりだろうか。
今はそれでいい、と嘯く蠱惑の主に口を塞がれて、 ウィリアムは肯う代わりに、背筋を戦慄かせる。]
(-31) enju3 2021/01/15(Fri) 22時半頃
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[ 対の吟じ手を得て、詩情は縺れたゆたい、 激しき恋の凱歌に沈みにし色を写すカンヴァスとなって、 盲目の肌を薄紅に染めた。]
──…う
[ 口の中の指を、甘噛みして、ちゅ、と吸う。 それから、言葉ならない意思を込めて、ゆっくりと歯列に圧をかけてゆく。
おまえの一部を証にしようと。*]
(-32) enju3 2021/01/15(Fri) 22時半頃
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[口を封じられて、彼の眦が色を刷く。 指に加わる圧力を、止めはしなかった。
望めば真珠の歯列は肌を破るだろう。 貴種の血が舌を伝い、喉奥を下るころ、彼の下肢を塞いでいた闇を溶かして開放した。]
これはおまえが望んだことだよ。 全部、してあげよう。
[囁きは声の形をした毒。あるいは媚薬。 あらゆる責め手が連動し、彼を快楽の頂へと押し上げていく。 幾度も繰り返し注がれるのは魔性の精。 彼が頂を極め、果ての果てへと押し流され、なおも開いた扉の前で意識を手放すまで、この夜の媾いは途切れることなく続いた。*]
(-33) nekomichi 2021/01/15(Fri) 23時半頃
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[ 彼の皮膚を食い破り、痕をつけた。
たおやかで器用な指は小癪なくらいに噛みごたえがあって、 これからは、彼に世話される度に、そこまで思い出すのだろうかと思う。
その後のことは、めくるめく奔流で、 快楽の頂きでバラバラに砕かれては、彼の手で捏ね上げられ、 新しく生まれ変わって、また手籠にされる。 そうして浴室をすっかり淫らな記憶で塗りつぶしてしまうまで、情交を重ねた。
再び朝が巡ってくることなど──あるのだろうか。
それすらすでに、ふたりの世界の外の出来事。*]
(-34) enju3 2021/01/16(Sat) 00時半頃
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[外の世界で太陽が地平線にキスしようかという時刻。 朦朧とした彼を、危ういところで魔力の眠りにつかせる。 気を失われては、記憶を飛ばせないところだった。
深く眠る彼の体を清め、ベッドに運んで寝具に収める。 浴室を片付けるころには陽光が窓を叩いていた。 夜の時間は終わりだ。]
早く、私の領域に連れ去ってしまいたいこと。
[そうすれば、不躾な陽光などに邪魔はさせないのに。]
(-35) nekomichi 2021/01/16(Sat) 12時頃
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[眠る彼の横に座り、額に手を置く。 少し、無理をさせすぎただろうか。 人間は脆いということを、つい失念してしまう。
私の血を少し呑んだようだから、あるいは治癒の力を発揮するだろうか。 あるいは、それも追いつかないほど体力を消耗させたかもれしれない。
早く目覚めて欲しい、とも思うが、魔法の眠りは自然に目覚めないと、記憶を覆い隠す効果は得られない。 ベッドに入ったのがあの時間だ。 昼まで起きてこないかもしれない。 そんなことを考えながら、飽かず彼の顔を眺めていた。*]
(-36) nekomichi 2021/01/16(Sat) 12時頃
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[ 目覚めて、もう日が高いと感じた。 布団を引き上げて頭を覆う。]
スペンサー…、 そこにいるか?
カーテンを閉めてくれ。
[ 目が見えるようになったわけでもないのに、 眩しくて痛いくらいに感じる。]
(-37) enju3 2021/01/16(Sat) 19時頃
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それと、喉が乾いた。
昨日、夕飯の後、どうしたのだっけ。
[ そんなことを言うと従者を心配させるかもしれないが、 どうも記憶が曖昧だ。*]
(-38) enju3 2021/01/16(Sat) 19時頃
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[寝具の中で彼が身じろぐ。 目覚めるかとも思えたが、そのまま潜ってしまった。]
私はここに。我が主。
[呼ぶ声に応えたが、指示にはいくらか戸惑った。 確かに日は高いけれども、彼の目は光を捉えないはず。
だか現実に、彼は陽光を避けるような仕草をしている。]
(-39) nekomichi 2021/01/16(Sat) 23時頃
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[あるいは、濃密に交わり、幾度か血を与えた結果、一時的に我が眷属に近い体質を得たのだろうか。 だとすれば面白い。 そんなことを思いながら、窓の外の雨戸を閉め、厚いカーテンを引いて、僅かな日光も部屋に入らぬようにした。]
今、紅茶をお持ちしましょう。
[喉の渇きを訴える彼の為、立ち上がる。 しかし、続く問いに上半身を振り向かせた。]
(-40) nekomichi 2021/01/16(Sat) 23時頃
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昨夜は入浴の途中で寝てしまわれたので、私がベッドに運びました。 きっとお疲れなのでしょう。 体調に、変わったところははございませんか?
[なにひとつ間違ったことは言っていない。 だが全てではない。 彼が入浴中に寝てしまったのは、情交を繰り返した為だというのは、私の記憶の中にのみ残ることだ。*]
(-41) nekomichi 2021/01/16(Sat) 23時頃
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[ 部屋が、嵐に備えるように外界の明るさから閉ざされば、布団から頭を出す。]
ああ、疲れているというより、刺激に飢えているのかも。 だが、過剰に身体が反応してしまうのは、困るな。
この上、外に出るのも辛くなったら、吸血鬼だ。
[ 夜ごとの"活動"の記憶は残っていないままに、そんな結論を導く。]
(-42) enju3 2021/01/16(Sat) 23時半頃
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紅茶より──んん、何かスープみたいなものが欲しい。
[ 滋養になるものを身体が求めている。 あるいは、禁忌の豊潤に近いものを。*]
(-43) enju3 2021/01/16(Sat) 23時半頃
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刺激に飢えている?
[顔を出した主の言葉を、おうむ返しに聞く。]
あまり外にお出にならないので、肌が弱っているのかもしれませんね。 このまま吸血鬼になってしまわれたなら、――私の血を吸っていただきましょうか。
[低い笑い声は柔らかい。 スープを求められれば、用意のために部屋を辞した。]
(-44) nekomichi 2021/01/17(Sun) 10時半頃
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[厨房でコンソメスープをもらってくる。 ほとんど具の入っていない、濃い黄金色のスープだ。 部屋の前までカートで運び、そこで仕上げを施した。
薬指をナイフの先で突き、ほんの一滴、スープに血を垂らす。 くるりとスプーンでかき回せば、濃い赤は金色に混ざって溶けた。]
(-45) nekomichi 2021/01/17(Sun) 10時半頃
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スープをお持ちしました。
[部屋に入り、枕元へスープを運ぶ。]
ちょうどコンソメスープがございました。 いかがですか。
[匂いが届くように彼の前にスープ皿を置く。 了承があれば、ひとさじ掬って彼の口に注いだ。*]
(-46) nekomichi 2021/01/17(Sun) 10時半頃
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[ アリステアが運んできたコンソメスープを、スプーンで一口ずつ給仕される。 懐かしいような味がした。]
…軍のレーションは化学調味料まみれで決して美味しいとは思わなかったけれど、 どこか癖になる味があったんだ。
不思議だな、これにもどこか──丁寧に味を濾しただけでない強さを感じる。
[ 少なくとも、喉の乾きは癒された。]
おまえの血をわけてもらうまでもなさそうだ。 心意気だけ、いただいておこう。*
(-47) enju3 2021/01/17(Sun) 20時半頃
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[コンソメスープを喜ぶ彼は、やはり吸血鬼に片足の指先を浸しているのだ。 あるいは、旧い血族の血に彼が魅了されてしまったか、だ。]
後で料理長に伝えておきましょう。 きっと、秘密の隠し味ですよ。
[今はまだ忠実な従者の仮面を被って答える。 もう血を分けているのだ、とは決して口にすることなく。]
本日はご静養なさいませ。 心身ともに休めれば、調子も戻りましょう。
[主の不調の原因がどこにあるかは熟知していたが、もちろん口に出したりはしない。 ただ、肉体の回復のみでは追いつかない疲労が溜まっていることを察して、休むことを勧めた。]
(-48) nekomichi 2021/01/18(Mon) 00時半頃
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― 第五夜、そして ―
[そうして彼を休ませた夜には、再び彼を求めた。 だかそれは、これまでのように激しく狂おしいものではなく、ただ愛を確かめるかのような、穏やかな営みだった。
彼の体は全て熟知している。 どこに触れれば喘ぎ、どこを愛でれば啼くのかを、全てを把握している。 今や、彼の体を蕩かすのは容易なことだった。 後は彼の心だけ。
真に手に入れたいのも、それだけなのだ。]
(-49) nekomichi 2021/01/18(Mon) 00時半頃
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[昼には忠実な使用人として仕え、夜には一夜限りの愛人として夢の時間を過ごす。
幾度も繰り返した昼と夜の先に、舞踏会の日が訪れた。*]
(-50) nekomichi 2021/01/18(Mon) 00時半頃
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こちらにおいで。
[周囲から切り取られた馬車の中は、小さな密室だ。 もはや不要となった仮初めの姿を脱ぎ捨て、彼へ手を伸ばす。]
到着までは暫く掛かるからね。 その間、いいことをしよう。
[どんな小さな時間も、おまえとの愛で埋めたいと囁く。*]
(-51) nekomichi 2021/01/20(Wed) 08時半頃
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[ 妹からもらった鉢植えは、荷物に潰されないよう、箱で囲っておいた。]
露地植えにして増やしたい。 これからゆく場所の気候はどうだろう。 状況によっては、ガラス温室も建てたいが。
[ 彼との生活を香りで彩るため、そんなことを思い描く。]
(-52) enju3 2021/01/20(Wed) 09時半頃
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[ いつしか馬車が船に変わったかのように滑らかに走っているのに気づいた。 彼から呼び掛けられて、軽く肩を竦めて見せる。]
温室はよく考えないといけないか。 密室になるとすぐ、おまえは従者の仮面を外したがるから。
[ 口元は微笑んでいた。]
──まだ外だろう。辛抱したまえ。
[ 馬車の中で戯れを始めようとする彼に説く。 日差しのぬくもりがないからカーテンは引いてあるのだろうが、いつ何時、呼び止められて覗かれるかもしれないし、声が漏れたら恥ずかしいこと限りない。*]
(-53) enju3 2021/01/20(Wed) 09時半頃
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[鉢植えの事を聞かれれば、冬は寒くなるよと答えただろう。 温室は良い。 彼の国の技師を招いて、建ててみようか。
彼と共にしたい楽しみが、またひとつ増える。]
(-54) nekomichi 2021/01/20(Wed) 15時頃
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[微笑む彼の口を、唇で塞ぐ。 たっぷり舌を絡めてから、指一本分だけ離した。]
おまえの従者でいるのは、これきりだよ。 気が向けば、またするかもしれないけれど。
[面白かったから、とは言わないけれど、多分口調に出てしまっている。]
(-55) nekomichi 2021/01/20(Wed) 15時頃
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心配いらない。 ここはもう、あの家の領内でも、あの国の中ですらない。 私たちふたりだけの空間だよ。
だから、おいで。
[彼の手を引いて、膝の上に誘う。*]
(-56) nekomichi 2021/01/20(Wed) 15時頃
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[ 従者でいるのはこれきりだと聞かされて、落胆の色を見せる。]
おれは、おまえに世話されることに生きがいを感じるのにな。 しばしばおまえの気が向くよう、工夫をこらしてみよう。
それから、身の回りの世話をさせるために、有能で、しかもおまえほど強引ではない使用人を見繕ってくれ。
[ 軍でひととおりのことは教わったとはいえ、盲目ではどうにもならないことも多いし、貴族としての生活スタイルを崩すつもりはない。 彼に対しても、偉そうな口調のままだろうが、それは許容してもらえると思っている。]
(-57) enju3 2021/01/20(Wed) 21時頃
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[ おいで、と手を引かれて、ステッキを座面に滑り落とす。]
…座ったままで? 難しいことを言う。 痛くしないで欲しいものだな。
[ 本当はそんな心配はしていないけれど、言葉でじゃれあうのも愛のうちだ。*]
(-58) enju3 2021/01/20(Wed) 21時頃
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そんなに私の従者が良かったかい? 褒められるのは嬉しいことだね。
[手に従ってやってきた彼を膝に跨がらせ、後ろから抱いた。]
ずっと付きっきりで世話をしてやりたいのだけれども、 私も仕事をしていないと怒られるのだよ。 うちには怖い従者がいるからね。 いや、あれは秘書というのかな。
[楽しげな笑い声と一緒に、向かう先の様子を語る。]
(-59) nekomichi 2021/01/20(Wed) 22時半頃
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しばらくは影をつけてあげよう。 けれども、あれらはさほど気が利かないからね。
いずれ、おまえ好みの従者を作り出す業を教えてあげよう。 本来は使い魔を作るものだけれども、望めばどんな形にでもできるよ。
[要望に応えて、そんな約束もする。 彼の耳朶に舌を這わせ、上着の裾から手を潜り込ませながら。]
(-60) nekomichi 2021/01/20(Wed) 22時半頃
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けれども――そうだね。 私の子になれば、目も見えるようになる、 ……とまでは言いきれないけれども、 周囲を知覚できるようになるのではないかな。
私たちは夜に生きるものだから。
[彼がこちらに手を伸ばせば気付くだろう。 今、私が身に纏っているのは絹の単衣だ。 これが本来の姿だった。*]
(-61) nekomichi 2021/01/20(Wed) 22時半頃
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おれを手に入れるために、自分の仕事の調整をするのは大変だったろうな。
[ 同情というよりは、感謝して言う。 なにしろ、すぐにでも拉致したいというのを、我慢してもらった。]
おれ好みの従者などといったら、おまえに似たタイプばかりになってしまうだろう。 それでも、やはり、たまにはおまえ自身の手で世話をされたい。
[ さっそく服を乱してもぐりこんでくる指に、くぐもった呻きを添えながら訴えた。]
(-62) enju3 2021/01/20(Wed) 23時半頃
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[ 後ろに手をやれば、ぬめるような絹の感触があって、なまめかしいと思ってしまう。 同じ絹でも、張りのあるシルクハット生地とは大違いだ。]
おまえのことを、もっと知覚したい──
[ 新しい感覚が得られるならば、まずはそこからと望む。*]
(-63) enju3 2021/01/20(Wed) 23時半頃
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おまえのための苦労なら、喜びだよ。
[彼を手に入れる為に時間を取るのも、 彼の望みを聞き入れて滞在を延ばすのも、 全ては彼との暮らしを実り豊かなものにするため。 そのための苦労は―― 半分くらいは他人がしている、というのは言わぬが花だ。]
おまえに私のような従者ができたら、 ……三人でするかい?
[きっと楽しい。 想像しながら、彼の肌をまさぐる。]
(-64) nekomichi 2021/01/21(Thu) 00時頃
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[彼の手が体に触れる。 求める言葉が愛おしい。]
ではまずは、もっとさわって。 触れて、舐めて、味わって、感じて、想像して。 私も、おまえに、もっと知って欲しい。
[彼の腰を持ち上げ、足を片側へ寄せて、横抱きに近い形で座らせ直す。 互いに触れあえる姿勢。 彼のベルトを外すにも、具合がいい。*]
(-65) nekomichi 2021/01/21(Thu) 00時頃
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三人…っ?!
[ そういう発想はなかった。 舐めたり、味わったりというのも。]
なんというか、世界は深淵だな。 果てしなく翻弄されそうだ。
(-66) enju3 2021/01/21(Thu) 00時半頃
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[ 子供のように持ち上げられて、横向きに直され、彼の膂力に驚くけれど、口には出さず、まずは、言われたとおりに、もっと触れてみる。
彼と同じように、滑らかに。 撫でているだけで気持ちが昂ってくるのがわかった。*]
(-67) enju3 2021/01/21(Thu) 00時半頃
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ああ。 だからこそ、飽きるということがない。 おまえもいずれ、翻弄する側に回ってみるといい。 きっと、驚くから。
[私にはおまえこそが驚嘆すべき相手なのだと告白する。 おまえこそが、私の生きる意味。]
もっと知りたい。おまえを。 もっと愛し合いたい。
[欲望に忠実に、襟を開いて彼の手を導く。 早く触れたいと、彼の腰から下の衣服は器用に剥いていた。 周囲の闇も動員しての技だ。*]
(-68) nekomichi 2021/01/21(Thu) 01時頃
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[ 翻弄される側に、という提案に軽く笑う。]
そうだな、おまえがこれほど楽しそうにしているから。
[ 告白を聞くもするも嬉しく恥ずかしく、彼の肩口に顔を埋める。 明らかに手よりも多いものに下肢を剥かれ、喘ぎを軽く押し殺した。]
もっと ── 愛し合うとも。
[ 彼の言葉を借りて重ねる。*]
(-69) enju3 2021/01/21(Thu) 01時頃
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[肩に乗ってきた彼の頭を抱いて、髪に接吻けを降らせる。]
熱くなってる。 おまえも、私も。
[重ねられた言葉に、胸が満ちて溢れそうだ。 愛しいと素直に伝えられるのは喜び。 それが返ってくるのは、なお大きな幸福だ。]
(-70) nekomichi 2021/01/21(Thu) 11時頃
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私も、脱がせて。
[想いのまま、彼の手を取って自分の胸に触れさせる。]
襟をこう、引き下ろして、 その帯を解いて。
そう。そこを引けばいい。 簡単だろう?
[手を重ねて帯を解く。 衣服の前を左右に払えば、あとは肌があるのみだ。*]
(-71) nekomichi 2021/01/21(Thu) 11時頃
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[ 想いと体温とを分かち合える喜びに微笑む。 短い髪に落とされる接吻けで、全身がゾクゾクするのは不思議な経験だ。
彼に導かれて、彼の胸をはだけさせる。 そのまま、掌を腿の内側まで滑らせた。]
ナイトガウンかな。 ああ、簡単で、しかもそそられる。
[ 彼の肌の匂いを吸い込み、記憶する。 これからどう変わってゆくのか、楽しみだ。*]
(-72) enju3 2021/01/21(Thu) 18時半頃
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おまえも同じものを着るかい?
[脱がせることにも喜びを感じているらしい彼に誘いを掛ける]
確かに、ナイトガウンと似ているね。 私は普段から、こういう服装をしている。 いつでも、すぐに触れあえるだろう?
[彼の手が足の内側に触れて、吐息が零れる。]
(-73) nekomichi 2021/01/21(Thu) 21時半頃
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そこ、 触って。
おまえの手で、 されたい。
[彼の手が欲望の源に至れば、腰を揺らして求めた。*]
(-74) nekomichi 2021/01/21(Thu) 21時半頃
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おねだりするなんて、可愛いな。
[ いまだ彼を従者として扱いたい気持ちは、愛撫の気持ちと通じる。 彼が今、求めているものならば、自分の知識で対応できるから、喜んで包み込んだ。]
いいよ、もっとおれに求めておいで。
[ 対等の恋人より、こうして立場の違いを感じる関係をこれからも大切にしよう。 愛があれば、きっとすべては二人の世界を彩る。*]
(-75) enju3 2021/01/21(Thu) 22時頃
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[ねだられて、彼は主人としての矜恃をくすぐられたらしい。 微笑んで、彼の首筋に鼻先を擦り付ける。]
私を感じさせてください、我が主。
[忍びやかな笑い混じりに求めて、彼の手に急所を委ねる。 感じれば素直に声を漏らし、喜びを言葉にする代わりに彼の首を甘噛みした。]
ああ…もうたまらない。 おまえが欲しい。
[昂ぶりの果てに彼の腰を持ち上げ、引き寄せる。 存分に愛でられ満ちた愛の形を彼の中に埋めれば、新たな歓喜の始まりだ。]
(-76) nekomichi 2021/01/21(Thu) 22時半頃
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[そうして睦み合ううちに、馬車は目的の地へと到達した。
深緑に抱かれた、石造りの城館。 彼の目にはそれが映らずとも、匂いは感じるだろう。 かの地とは違う木々の、湿り気を帯びた匂い。 厚く積もる苔の、土混じりの匂い。]
ようこそ、私の城へ。
ここが、おまえと私が暮らす場所、 おまえが新たに生まれる場所だよ。
[ごく自然に彼の手を取り馬車から降りるのを助ける。 そして彼を背後から抱いて、目に映るものを語って聞かせた。]
(-77) nekomichi 2021/01/21(Thu) 22時半頃
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ここから始めよう。 おまえと私の物語を。
その全ての頁に、愛が語られるように。
[全てをかけておまえを愛すると、約束した言葉と同じ強さで彼を抱きしめ、誓いの接吻けを求めた。***]
(-78) nekomichi 2021/01/21(Thu) 22時半頃
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[ 愛し合い、与え合ううちに馬車は二人を約束の地へ運ぶ。
彼の言葉で語られる光景。 これから、二人で分かち合う場所。]
これからは、ここがおれにとっても"Home"になるのだな。
[ 愛をもって彼の世界へと迎え入れてくれた感謝を抱擁で伝え、誓いの契りたる接吻けを深く交わした。***]
(-79) enju3 2021/01/21(Thu) 23時頃
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