14 冷たい校舎村10
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[こどものような小さな指で首を絞められた痕をなぞる。 苦しめられながらも笑っている、>>2:429 その矛盾にまみれた顔を見つめる]
この世界をつくった誰かさん。 優しいのかそうでないのか、やっぱりわからない。
[自分の頭の中という卵にみんなを閉じ込めておきながら、 帰るための道を用意している……のかなあ]
(115) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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そうじゃない。 《孵る》ための道だよ。
(*2) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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/* 時間なかったから落ちロル全然確認してなかったんだけど説明不足ぅ〜〜!ってなったので補足入れました。 和歌奈ちゃんサンドしちゃうけどいいかな、ごめんね。
(-25) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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―― 帰還 ――
―――――っ!
[何かに弾かれるようにばちりと目が覚めた。
鼓動が早い。 呼吸が浅い。 嫌な汗だって流れている。 まるで悪夢を見た時のように。
息を落ち着かせながら沈んでいたベッドから身体を 起こした。
えぇと、私何してたんだっけ? ……そうだ。ママと電話して一方的に色々言われて、 しんどくなってベッドに身を投げたんだ。]
(+23) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[窓の外はとっぷりとした闇に染まっていて、 冬の空気が星の光をより綺麗に瞬かせている。 思わず窓を開けた。 窓はすんなりと開いた。 雪は積もってはいなかった。]
……夢、だったのかな?
[夜空を見上げれば綺麗だなぁと思ったけど、 身体が冷えればママに怒られる、とやっぱり すぐにからりと閉めた。]
(+24) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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── 体育館 ──
[舞台の上に並べられた、見覚えのある大道具。 そういやあの時、劇の宣伝もされたっけ。>>0:350 なんだかんだ着ぐるみで絡まれまくったせいで、 観に行くタイミングは逃してしまったけど。
運搬のお駄賃にもらった茶と菓子を食べながら、 どんな内容か聞いたりしたことを。 今更のように思い出しながら。
舞台の中央に吊るされた、黒髪の人形に眉を顰めた。 降ろしてほしいそれが平塚だと聞いていなかったら きっと俺はそれが誰だかすぐにわからなかっただろう。
舞台にあがって人形に手を伸ばす。>>2:451 ぽたり、と滴り落ちた錆くさい赤は、 それがまだ新しいことを示していた。]
(116) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[ああやっぱり。 そんな、どこか納得してる俺がいるのを自覚しながら。]
…………無事、帰れてるといいな。
[古香と夏見から仮説を聞いていなかったら、 実際血まみれの人形に出くわして こんな平静でいられなかっただろう。 糸を外していけば、がくん、と人形が傾いだ拍子に 黒髪だけが床に落ちて、いつもの髪色が現れて。
やっと見覚えのある平塚の面影を人形に見て 何故か少しホッとした。]
(117) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[やることやらなきゃと思って時間を確認しようと ベッドに投げ出されたままだったスマホを手に取る。 そこでいくつか通知が入っているのに気づいた。 それは日食君、それから飯尾先生、和歌奈さんの 順に表示されていて。 どうしたのかなって、一番上の日食君から目を 通した。>>+5]
病院? どこか怪我したのかな?
[もしかして送信先間違えた?なんて思ったけど、 次に飯尾先生のメールを開けば、その意味はすぐに 知れることとなる。]
(+25) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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……夢、じゃ、なかった? あの世界は。 ホストは、和歌奈さんだったってこと?
[あの世界で見た同じ文面>>1:1が、一言一句違わず 確かにここにある。 その画面を凝視していると、もう一件、通知が 入った。>>+13]
……行かなきゃ。
[七星さんも帰って来た?って思ったけど、 今はそんなこと気にしてる場合じゃない。]
(+26) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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『平塚莉希も帰還 病院、私も向かいます!』
[私もグルチャに返信を打って、部屋を飛び出した。]
(+27) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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— 回想:敗者の参列 —
[高校を卒業した後の、春に。 ユイと例の若社長が式を挙げるという報せが、我が家に届いた。
随分準備が早いなと思ったけど、 俺の知らない水面下で何もかもが進んでいたのだから、 何もおかしなことじゃない。
卒業後にすぐに結婚する予定だった、俺とユイの、 俺の部分が他人に入れ替わっただけ。]
(118) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[わざわざ俺の家に招待状を送ってくるとは、何の当て付けかと思った。 これも会社の付き合いの事情が全てであり、他の意味合いはないのだけど。
「ご出席」と「ご欠席」の欄があって、 欠席に印をつけたくてたまらなかったけど、 俺は個人として呼ばれたのではなく、会社の関係者なのだから、 面子のため、どう足掻いても出席せざるを得ないらしい。
俺は、この目でまざまざと見なくてはならない。 ユイが他の男と契りを交わす瞬間を。
こんなの、あまりにも残酷じゃないか。]
(119) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[泣き喚くこともできない。怒り狂うこともできない。 悔しさと情けなさに身を焦がしながら、 ただただ、俺は耐えるしかない。
でも。 それって、俺と婚約させられていたユイが、 長い長い間ずっとやってきたことだろう。
立場が逆になっただけだ。 甘えるなよ幣太郎。
彼女がずっと辛い気持ちを抱えていたことを、見向きもしなかったくせに。]
(120) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[俺はユイのことを何も知らなかった。 趣味も、特技も、好きなものも、嫌いなものも、 何も知らないまま、疑問に思うのをやめていた。
自分から「好きだ」と言ったのはいつだったか、覚えていない。 何も言わなくとも、向こうも同じ気持ちなのだと思い込んでいた。
幼い頃から勘違いを積み重ねていたことに気付かされ、 今となってはもう遅い。
惨めだな。惨めだ。 死にたくなるほど、惨めだよ。]
(121) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[失恋の傷と呼ぶには、あまりにも深く抉られていて、 今もなお血を溢し続けている気がする。
自分は、普通に人を好きになれる人間だと思っていた。 でもそうじゃなかったよ。 俺に人を好きになる資格などないと突きつけられた。
人を好きになっていたつもりが、 人を傷付けて、それに気付けない愚か者。
死ねよ、なあ、幣太郎。]
(122) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[——ああ、そうだ。]
(123) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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むむ……。
[和歌奈とそう身長の変わらないマネキンを、 脇の下に両手を通して立たせる。 和歌奈の力じゃどうしてもかかとが完全に床から浮かなくて、 ずるずると引きずり気味になってしまう。 その状態でエレベーターに向かって進んでいると、 軽快なチン、という音が到着を知らせる。>>106]
石頭くん! ちょうどいいところに! あのね、夏見ちゃんのマネキンを運ぶのを、 ちょーっと手伝ってほしいの。
[と、頼みながら視線をわざとらしくマネキンの足に向けた。 そっちを持ってほしいと言いたげだ**]
(124) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[ユイの結婚式、誓いの口付けの最中に。 首を掻っ切って死ねば、最高かもしれないな、って。*]
(125) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[さて、どうやって運ぼう。 ひとまず布でくるんだ方が床が汚れないだろうと、 適当に舞台に使われてた暗幕をひっぺがしていたら。
雄火も体育館にきたらしい。>>99 バスケ部だもんな、朝練が癖になってんのか。 ただし、もうチャイム鳴ったけど。]
ああ、これで包んで運ぼうと思ってたとこ。 二人で運んだ方が早そうだし、 じゃあ雄火は頭の方持ってくれ。
[暗幕を広げて、人形を包み。 運ぶ先で考えたのが同じだとわかれば、 少しだけ口元が緩んだ。]
(126) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[そうして、平塚の人形を3-2教室へ移動する間。]
……こうやってマネキンになると、 この校舎から外に出れるらしいって話だけど。 雄火は、ここから出て帰りたいか?
[身長差がある分、多少身を屈めながら。 そんなことを聞いてみようか。**]
(127) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[ 手術室に、人影が見えた。 手術中の赤いランプが灯ってるのも、見えた。 あたしはゆっくりと近づいて、頭を下げる ]
こんばんは。
[ 来たのか、と声を掛けてきたのは飯尾先生。 和歌奈ちゃんのお父さんは、 わざわざありがとうございます、って 子供のあたしに敬語で挨拶して、 頭まで下げられてしまって、あたしはちょっと慌てた。 和歌奈ちゃんのご家族には文化祭の日に会った。 覚えてる。
和歌奈ちゃんのご家族は他に誰か来てたかな。 皆さんお揃いだったかもしれないし、 もう夜も遅いから、お母さんと妹ちゃんは お留守番だったかも ]
(+28) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[ 和歌奈ちゃん、来たよ。って、 あたしは手術室の扉を見つめた。 この向こうに和歌奈ちゃんがいる ]
(+29) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[ しばらくそうしてたけど、 先生が、ちょっと一服してきます、って 席を外そうとするのに、 あたしはついていくことにした。 先生にはちょっと話したいことがあったから ]
あ、あたし夜食持ってきてて。 ちょっと食べてきます。
[ ご家族にそう言って、あたしは先生を追いかけた ]
(+30) 2021/11/12(Fri) 00時頃
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[ 病院って屋内には喫煙所作れないんだって。 あたしは煙草吸わないし吸う予定もないから どうでもいいけど。 病院の外の特定屋外喫煙場所とやらで そう言って嘆く先生の横で、 あたしはラップをめくっておにぎりを食べた ]
先生さー、教育者の端くれってやつでしょ、 だったらさあ、集団失踪事件の話、知ってる? 誰かの頭の中にいた、みたいな話。
[ レンチンの焼きおにぎりは冷めても美味しい。 もぐもぐしながら聞いたら、 端くれ言うな、って小突かれた。 一応知識としては知ってる、とも ]
(+31) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
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先生、あたしねー。 さっきまで、和歌奈ちゃんの世界にいた。 ……って言ったら、信じてくれるー?
[ あたしがそう言ったら、先生は怪訝そうな顔をした。 大人を揶揄うもんじゃない、ですとな? ]
先生、こんな状況でそんな冗談言うほど、 あたし不謹慎なやつじゃないよー。
[ そりゃ夏見七星、お調子者ですけどね? ハチャメチャガールズとか一部で言われてる らしいですけどね? 言っていいことと悪いことの区別くらいは ついてるつもりです! ]
(+32) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
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和歌奈ちゃんの世界って、望高文化祭だった。 それでさ、あたしとか日食君は帰ってきちゃったけど、 その世界にまだ残ってる人がいるはずなの。
[ 路子ちゃんに、真梛ちゃんに、荒木君に……って あたしは指を折って数える。 莉希ちゃんからのグルチャは>>+27 車の中で読んだ。 莉希ちゃんももうじき来る。 先生が信じてくれないなら、 莉希ちゃんからも言ってもらおう。 あたしたちは、和歌奈ちゃんの世界にいたって ]
だからさ、先生。 みんなが連れて帰ってくれるはずだからさ、 ……和歌奈ちゃん、助かるよね。
[ おにぎり包んでたラップを小さく丸めて握りしめる。 俯いたあたしの頭に、先生の手がポンって乗った ]**
(+33) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
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七星拳 ナツミは、メモを貼った。
2021/11/12(Fri) 00時半頃
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/* とりあえずこれだけ 祝 ☆ 校 舎 村 初 3 d 以 降 生 存
過去二回はどっちも2d落ちだったのです はじめてのことが今回多すぎる
(-26) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
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七星拳 ナツミは、メモを貼った。
2021/11/12(Fri) 00時半頃
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— 屋上・扉の前 —
[エレベーターの到着を告げる音がして、扉が開く。 その向こうは屋上へ通じる空間だった。 箱の外に出れば、またすぐに屋上に出るための扉に阻まれるのだけど、 そこには生きて動いている人と、ぐったりと倒れ伏した人形があった。>>124]
河合さん。 聞いたんだけど、夏見さんのマネキンがここに……。
[皆まで言わずとも、彼女が抱えているのが“それ”であると気付けた。
>>2:429目を背けたくなるほど痛々しい傷つき方をしていて、 見覚えのある制服と髪型の、泣いているのか笑っているのか分からない人形。]
(128) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
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[俺が死ぬことで、ユイの心に消えない傷を刻めるだろうか。 狂っていると非難されようと、ユイの心を縛り続けられるだろうか。
そうだったら少しは嬉しかったのに。
あいつは、俺のことをすぐに忘れて幸せに暮らすのかもしれなくて。 それが悔しくて、たまらない。]
(129) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
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[それでも。 少しでも俺のことを見て欲しいと、未だ自分勝手に燻る気持ちがある。]
(130) 2021/11/12(Fri) 00時半頃
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