10 冷たい校舎村9
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— 3階 —
[途中、1枚欠けた写真>>4:507には気づけたかな。 3階に上がると寒さが増した気がした。 制服姿のわたしは身を震わせる。
少し先、開いた窓>>4:520が原因のようだった。 雪が降り込んでいる。]
……こんな時まで仲良しなの。
[窓の下に何かがあるのは、この距離からでも分かった。 それに——わたしは階段を上がってすぐにある 教室>>4:496の中を見る。
こんな時まで、近い場所>>4:494にいるんだね。
わたしの腕は二本しかないし、身体は一つしかない。 炭蔵くんと同じ。だからわたしはまず教室に入った。]
(61) 2021/06/14(Mon) 15時半頃
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— 階段前の部屋 —
[衣装部屋だったらしいそこは、 ラックとハンガーが脇に並んでいただろうか。 中央にできた道の先には姿見があって、
——鳩羽くんが、倒れている。]
……。
[わたしは血溜まりの前まで近づいた。 裾が床につかないように気をつけながらしゃがみこむ。]
(62) 2021/06/14(Mon) 15時半頃
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また明日って言ったじゃん。
[わたしは鳩羽くんに話しかけた。返事はない。 下手くそな「笑顔」がマネキンに赤く刻まれていた。
抜け殻みたいだなって、思った。 それに、何にも似てなんかないのに、 向井くんの話をした、あの廊下を思い出した。 涙が水たまりになったみたいな、あの廊下を。
ほんのちょっとの間だけ、わたしはコートに顔を埋める。 感情を逃すように息を吐いた。]*
(63) 2021/06/14(Mon) 15時半頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/14(Mon) 15時半頃
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/* 毎回自由にしてねを書くのもあれなので、デフォルト仕様ということにします。増やしても減らしてもいい。炭蔵くんが楽しんでくれるのが世界で一番幸せです。
拾い漏れはない……かな……? 少人数最終日、自分たちが拾わなきゃ取りこぼしてしまう感がとても強い。 皆さんのロールが最高だからこそ全部抱きしめたい気持ちはしかたのないことだと思うんですよ……!
(-30) 2021/06/14(Mon) 15時半頃
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/* 割と近いところで死んでいるらしいよ、俺ら!
わたしのおぉぉおはかのぉぉまーえでー 泣かないでくださいぃー
(-31) 2021/06/14(Mon) 16時頃
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/* >>44 炭蔵くんの不貞腐れた声、男の”子”って感じであまりに可愛すぎましたね……かわいい……。 気恥ずかしさで目を逸らすのもかわいい……。
炭蔵くんの悩みに対して正しさより自分の意思を優先しがちな人間なので、その辺りはつい差し込みたくなっちゃう。 対比がすきです。炭蔵くんっていう人間もだいすきです。
>>48 お顔見てくれるのも嬉しかったのでにこにこしちゃいましたね。 お互いに場面進めながら相手の様子伺うの、書きやすいしとても楽しいです。 こちらからも同じだけのものをお返ししたいのでがんばります……!
(-32) 2021/06/14(Mon) 16時頃
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[ 同じ人間で良かった。>>52 一緒に頑張りたい。>>53 暮石のくれる言葉は、心の中に滲むように広がる。
今この瞬間に至るまでこの世界で誰かと過ごしてきて 沢山の言葉を交わして、何人もの姿を見送ってきた。 もうこの世界に残されたのは俺たちだけだとしても、 ココにあるのは、俺たちの気持ちだけじゃない。
真っ直ぐに同じ方向を向いている。 これも多分、俺たちだけじゃないと良いな。 ]
(64) 2021/06/14(Mon) 16時半頃
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[ 心当たりの件については、>>54>>55 詳細は語られなくとも時折聴こえていた ため息≠フ理由に繋がりそうだった。
あのはじまりの日のカッターナイフ。 まだたった2日前のことなのに、 何故だか遠い昔のように感じるよな。 俺たちは多分、あの時から気付いてたのかもな。
それから、手首のこと。 頬を抓られても然程痛くはなかっただろう。 ]
これは向井が悪い
[ と、罪を擦り付けてもおこう。 *]
(65) 2021/06/14(Mon) 16時半頃
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[ そうして、教室に入る時、 盗み見た暮石の顔は泣きそうで、>>56 帰った≠ニ信じていても、 悲惨な状態のマネキンがあるのは確かに なるべく見たくはないものだろうと思う。 ]
無理はしなくていいからな
[ それでもきっと、暮石は見ると言うだろうが。 あやすようにぽん、と小さな頭をひとつ叩いて 教室の中へ踏み込んでいた。 ]
(66) 2021/06/14(Mon) 16時半頃
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リハーサルにしても、 まだ少し早いよなあ
[ 正しく卒業アルバムのように並ぶ、 整列された写真たちと寄せ書きの黒板。
ヘアピンを受け取り、>>58 その黒板に文字が書き足されるのを見ていた。 ]
どのくらい頭の中、って…… さあな、それは俺にも分からない
[ 量の多い前髪を上に掻き上げて、 てっぺんに集めてヘアピンで固定しながら、 暮石の不思議な質問に答えて。 ]
(67) 2021/06/14(Mon) 17時頃
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[ 刻まれた文字に、眸を薄める。>>60 ]
伝わると思う、 いや思うじゃなくて、絶対伝えよう
[ チョークの粉が少し舞う。 精神世界なんだ、問いの答えはわからない。 分からないけど、まだ気持ちは伝えられると思う。
だから、俺は黒板に新たな書き込みはしなかった。 ちゃんと一緒に帰ってから、 卒業アルバムの裏表紙にサインしよう。 それまでは、お預けだ。 ]
(68) 2021/06/14(Mon) 17時頃
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どうだ、似合うか?
[ ヘアピンをつけ終えたなら、 検討した結果を見せつけるよう>>42 暮石にファッションチェックも依頼していた。* ]
(69) 2021/06/14(Mon) 17時頃
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[ そして、思い出を教室に残して向かった先。 三階に辿り着くと、寒さが増す。 暮石の視線の先を追えば、 ひとつだけ窓が空いているのが見えた。>>4:520
俺の腕も二本しかないし、身体も一つしかない。 暮石と同じで、手近な教室に足を伸ばす。>>61 ]
(70) 2021/06/14(Mon) 17時頃
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[ 後ろから、中に倒れている鳩羽を見た。>>4:496 顔をコートに埋める暮石の隣にしゃがみ込み、 背中を擦るように手のひらを添えた。
そして、もう一本の手はカッターナイフを拾う。 ]
まだ俺たちに明日≠ヘ来てない この校舎の中は、 永遠に同じ日付を繰り返してる 俺は鳩羽と約束したんだよ、
俺たちが目指すべき明日は、もう少し先にある
[ そう、俺も約束したんだ。 この校舎が動き出す明日へ。>>4:366 ]
(71) 2021/06/14(Mon) 17時頃
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だから、鳩羽はきっと、 一足先に明日≠ナ待ってるだろ こんな作り物の笑顔じゃない、 本当の笑顔を浮かべてな
[ 話しながら、 暮石が途中で顔を上げないことを願っていた。 だって、俺も泣きそうになってたから。 もし見てしまったのなら? ……他のみんなには内緒にしてくれ。
特に、綿見には言わないように。 ]
(72) 2021/06/14(Mon) 17時頃
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[ 衣装部屋の中にあるもので、 可能な限り文化祭の日に近くなるよう ごちゃごちゃとした装飾をつけてやろう。 どうだ、満足のいく出来栄えになっただろうか?
それから、暮石が落ち着いた頃に、 開けっ放しの窓の方へと向かうだろう。* ]
(73) 2021/06/14(Mon) 17時頃
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[ 近づけば、窓の外ではなく、 窓のすぐ近くに、 降り積もる雪に覆われたマネキンがひとつ。
吹き込む風が、雪が、冷たくて。 窓枠に、手をかける。
なあ、暮石覚えているか? はじまりのあの日、一緒になって覗いたこと。 あまりにも深い闇が広がっていて、 言葉を失っていたっけ?>>1:297 その気持ちを覚えているから、 下を見ないようにそっと窓を閉めた。 ]
(74) 2021/06/14(Mon) 17時頃
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[ そうして、マネキンの傍にしゃがみ込み 上に積もる雪を、素手で払い除けていた。
顔があるべき場所になくったって、 これは柊だと分かっていた。 ]
こんなところに一人で、寒かっただろうな ……暮石、鳩羽の傍に運んでやらないか?
[ そういえば、柊の下の名前はユキだったか。 誰かを下の名前で呼んだことはない俺は、 ふと頭の中で、連想ゲームをしていた。
それと、寂しがりな柊のことだ、 ひとりで廊下に残されるより良いだろ? *]
(75) 2021/06/14(Mon) 17時頃
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/* 炭蔵の前髪、ポンパドール風にしました(?)
(-33) 2021/06/14(Mon) 17時頃
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/* もうさーーー超泣いてしまうんだが…… ほんと泣く
ここ数日でめっちゃぼろぼろ泣いてんよ
(-34) 2021/06/14(Mon) 17時頃
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— 教室まで —
[死んだらそこで終わり>>1:527。 わたしは一昨日、炭蔵くんとそんな話をした。
どんなに思い出を大切にしたって、 そこに新しい何かは二度と生まれない。 声も、顔も、温度も、過ごした時間も、人の気持ちも、 全部、掠れていくばかりだ。
それは、嫌だった。怖かった。 帰ったって信じようとしても、 終わった姿を見るのはお母さんを思い出すから。]
……だいじょーぶ。
[頭を叩かれる感覚がして、 炭蔵くん>>66がわたしより先に教室へ入っていく。 その腕にはまだ絆創膏>>2:364があったかな。 向井くんが悪いと主張する炭蔵くん>>65だったけど、]
(76) 2021/06/14(Mon) 18時頃
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あって五分。
[と、わたしはその意見を却下した。 向井くんがこんなびっくりすること望む訳ないでしょ。 わたしの中の向井くんはそういう人だ。 でも炭蔵くんの前では違うのかなって思うから、五分。
本人>>0:707は仲の良さは否定してたけど、 長い付き合いであることは言葉の端々に見えてたから。]
向井くんはつねったらびっくりしちゃうよねぇ。
[そんな話も少し前のこと。 わたしたちが目にするのは卒業アルバムみたいな教室。 そこでわたしは文字を書く。
わたしが書いている間に炭蔵くん>>67も身支度を 整えたみたいで、ファッションチェックを仰せつかる。]
(77) 2021/06/14(Mon) 18時頃
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なんか、ちょっと幼く見えるね。
[留め方の問題かな。それとも眸がよく見えるから? 頭のてっぺんで固定された前髪は量が多くて、 ヘアピンだとちょっと力不足だったかなって思う。 わたしは表情を和らげながら、ヘアピンから逃れた 端の前髪に手を伸ばして、横へ流そうとした。]
よく見えるよ。わたしはこっちの方がすき。 だから……似合うんじゃない。
[わたしの返答はやっぱり自分基準で、 少し考えてから依頼主>>69に沿う回答も付け加える。
わたしたちは足跡を追った。 炭蔵くん>>68の伝えようって言葉が胸に残っている。]*
(78) 2021/06/14(Mon) 18時頃
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— 3F階段前の部屋 —
[さっきは頭、今度は背中。 炭蔵くん>>71の温度が冷えたわたしの身体に広がる。 カッターを拾う姿は見えなかったけれど、 続く言葉にわたしは息を吐くのをやめた。]
ここに、明日≠ヘない……。
[何度朝を迎えてもスマホの日付は変わらなかった。 わたしたちは、同じ一日を繰り返している。 止まった校舎に明日はないんだ。 黒板に書かれた文字>>4:497を思い出していた。 わたしは顔を上げて炭蔵くん>>72を見る。]
(79) 2021/06/14(Mon) 18時頃
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……うん。
[やっぱり、よく見えるよ。泣きそうな顔。 わたしは指摘することなく頷いた。 だって、きっとわたしも同じような顔をしている。
だからこのことは二人だけの秘密にしよう。 わたしは人差し指を自分の口元に押し当てて笑った。]
(80) 2021/06/14(Mon) 18時頃
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[それから炭蔵くん>>73は部屋を豪華に飾りつけている。 文化祭の時、鳩羽くん情報量過多だったよね。 ごちゃごちゃとした装飾にそんなことを思い出していた。
……うん、もう大丈夫。 わたしは自分の足で、もう一人の下へ向かう。]
(81) 2021/06/14(Mon) 18時頃
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[開いた窓の下を覗く勇気はわたしにもなくて、 炭蔵くんが窓枠に手をかけるのを見ていた。
そういえば、2階の窓を閉め忘れてた気がするけど、 廊下には雪が積もってなかった。 誰か>>1:649が気づいて閉めてくれたのかも。 わたしはそんなことを思う。
それから、柊くん>>4:520へ視線を落とした。 炭蔵くん>>75と一緒に雪を払い除けていく。]
うん、そうしよう。 一人は、寒いもんね。
[わたしは炭蔵くんの提案に賛成して、 二人で協力して柊くんを階段前の部屋まで運ぶ。 雪みたいな冷たさに、わたしの指先がじんと痛んだ。
なんとか運び切ると、 赤く彫られた笑顔とぽっかり抜け落ちた顔が並ぶ。]
(82) 2021/06/14(Mon) 18時頃
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……待っててね。
[ここに明日≠ェ来ないなら、 待ち合わせをした月曜の放課後だって二度と来ない。
わたしは柊くんの輪郭に手を伸ばした。 指先で触れるとひんやり冷たい。]
それじゃ、いってきます。
[わたし、柊くんの名前の由来なんて知らないから、 わたしの中の柊くんは今でも春色をしてる>>0:572。
春って、あたたかくてほっとするでしょ。
鳩羽くんの隣、 手足が折れ曲がってしまった柊くんの身体には、 丁度いいサイズのダッフルコートがかけられていた。]*
(83) 2021/06/14(Mon) 18時頃
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— 3階の果て —
[鳩羽くんの足跡に導かれて3階へ来たわたしたちは、 最初に二人を見つけた。
これでもう、迷いはない。 鳩羽くんと柊くんが先に明日へ進んで、 炭蔵くんとわたしは同じ道を歩いている。
わたしたちの心当たりは確信になった。]
……できることを、しよう。
[結局まともな作戦会議はできなかったけれど、 わたしの心はもう揺らがなかった。 隣には炭蔵くんがいて、未来にはみんながいる。 わたしたちは同じ方向>>64へ進んだ。]
(84) 2021/06/14(Mon) 18時頃
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[音楽室は校舎の端>>0:678にある。 夜にピアノを弾いた後、わたしは鍵をかけなかった。 わたし以外、誰かが来るって思わなかったから。
ひとつひとつ部屋を確かめた最後、その果てに。 わたしたちが探し求めた人>>9はいたかな。]*
(85) 2021/06/14(Mon) 18時頃
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