17 【半突発身内村】前略、扉のこちら側から
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[ 頬を膨らませたお嬢様を見て、 ”それ”はスケッチブックの白の上に尾を滑らせ、 いくつかの形を描きました。
塔の窓から見える空、自由にはばたく鳥であったり、 バスケットの中に詰めた内緒のパンであったり、 眠れない夜に語られた、知らない景色であったり。
”それ”は文字を書くことしかできません。 お世辞にも上手いものではなかったでしょう。 お嬢様の描いたものと違いはありませんでした。]
(117) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ けれど、お嬢様は膨らませた頬の上、 鮮やかな赤を抱く瞳をきらきらと輝かせて ”それ”の尾が踊る様子を楽しんでくれました。
お嬢様が一番気に入った様子だったのは、 どこかの裏庭にあったような、大きな木でした。 ”それ”の内に流れる青々とした緑色が 景色によく似合うものだったからかもしれません。]
(118) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ お嬢様は”それ”以外を使うようになりました。 代わりに”それ”にも紙を与え、 お嬢様が絵を描く時はずっと隣にいました。
外に出られない白の檻の中、 お嬢様は絵を好んで描いていましたから、 ”それ”はずっと、お嬢様の隣にいました。]
(119) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ お嬢様は景色を描くことが多い人でした。 ”それ”にも好きなものを描くよう伝えました。 ”それ”にはお嬢様の言うことがよく分かりません。
ある時、隣にいるお嬢様を描くと、 どんなに歪でもとても喜んでくれました。 だから”それ”はよく、お嬢様のことを描きました。
白い骨組みの内には鮮やかな緑が流れていましたから ”それ”の描くお嬢様は、いつも緑色をしていました。]
(120) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ 雪が解けて大地が顔を出すと、 お嬢様は”それ”を連れて外へ飛び出しました。
周りの人間が慌てて追いかける姿を見ても、 ”それ”にはお嬢様を止める術はありません。 抱えられるがまま、お嬢様の冒険に付き従います。
木の根元に新芽が覗く様子を教えてくれたり、 動物たちを脅かさないように口を手で覆ったり。 お嬢様は数少ない白がほどける日々の間、 大地を駆け回りました。
そうして彼女の赤い瞳が捉えた景色は、 何枚ものキャンバスに描かれていきました。]
(121) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ 真っ白な家の真っ白なお嬢様。 今日は纏うドレスも真っ白です。 外も雪で白く染まっていましたが、 もうすぐお嬢様の望む鮮やかな日々がやってきます。
白い手袋をしたお嬢様が、”それ”を掬い上げました。 お嬢様の赤い瞳が”それ”を見つめています。 真っ白な肌をほんのり赤く染めたお嬢様が、 ”それ”を抱えてひとつの扉をくぐります。
お嬢様と”それ”がいつも絵を描いていた部屋。 白に覆われた日々も、多くの色で溢れていた場所。]
(122) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ 真っ白でした。]
(123) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ キャンバスが部屋の中にぽつんと置かれていました。 白い布がかけられています。 お嬢様は”それ”を椅子の上に乗せると、 布を引っ張って中身を露わにしました。
目のような窪みと鼻のような丸い尖り、 骨組みはとぐろを巻いて、 その先にペン先のような尾が横たわっています。
積もった白の下から目覚めた大地のような。 緑色を纏った”それ”が、そこにいました。]
(124) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ お嬢様には、将来を誓い合った人がいました。 閉ざされた日々が終わって道が開ける度、 彼女の下を訪れる人がいました。
雪が解けて大地が顔を出すと、 お嬢様は”それ”を連れて外へ飛び出しました。 その人が扉の前まで辿り着くことすら待ちきれず、 自らの足で会いに行くような、そんな方でした。
私、結婚するのよ。と、お嬢様が言いました。 日取りが決まって何度も教えてくれたことでした。 今までで一番幸せそうな音をしていました。]
(125) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ お嬢様は他にも多くの絵を残してくれました。 ”それ”のためなのか、 綴じられた紙の端に硬い金属のような物があり、 鼻を押し込むことで次の頁に移れるようでした。
あなたの絵は私が貰うから、とお嬢様は言いました。 時間を重ねるごとにお嬢様の絵は上達しましたが、 ”それ”が描くものは変わりませんでした。 しかし、お嬢様は一枚たりとも譲ってくれません。
”それ”はお嬢様の隣にずっといましたから、 お嬢様がくれた景色はすべて知っていました。 多くの景色を、お嬢様と一緒に見ました。]
(126) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ けれど、最後の頁を見て”それ”は動きを止めます。 初めて目にする、お嬢様とおじいさまの姿でした。 記憶にない彼女だけの思い出がそこにありました。
驚いた? と、お嬢様が”それ”に尋ねます。 おじいさま、昔はこうだったのよ。と。
”それ”に口はありません。 返事をすることなく、肖像画を見下ろします。]
(127) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ すっかり白くなってしまった髪は、 夜に負けないくらい、深く暗い色をしていました。 しかし、瞳は今も昔も変わらず、 真っ黒なのにどこか煌めいて見えます。
真っ白なお嬢様は今よりずっと幼くて、 その眼差しは、今と変わらず凛としたものでした。
二人はよく似ていると”それ”は思いましたが、 伝える術を持っていませんでした。]
(128) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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[ ”それ”は窓の外を見るように首を持ち上げました。 もうすぐ雪が解け、青々とした緑が顔を出します。]
(129) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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『あなたの目には、何が見えていましたか。』**
(130) 2022/03/06(Sun) 17時頃
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/* すべてその場の流れに身を任せているので道中齟齬があっても気のせいだということにしてください。たぶん知らないところでつじつまが合うんだと思います。ふわふわ。 名前をつけてくれた人がいることだけが決まっています。あと今の主もいます。落とし物です。
白インクはいよいよ修正液かなと思ったので(???)緑色です。次は何色にしましょうね。
(-30) 2022/03/06(Sun) 17時半頃
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/* 異文化交流最高ですねbotになりかけていますが、お二人にとってそれぞれが大切な人になるの、嬉しくて切ないですね。 >>109きゅうってなってしまう。
(-31) 2022/03/06(Sun) 17時半頃
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[それからタルトは、もくもくとグラスの中身を減らしつつ、 真っ白なねずみさん――アシモフの言った、>>32 ここはいろんな世界と繋がっているようだ――という言葉の意味を、 もくもくと考えていました。 大きなチーズをと格闘する彼(だと思う)を、邪魔してはならないと思った結果です。
世界、という言葉は、 スケールが大きいようにタルトには思えました。 電脳世界を介すれば地球の裏側の国とも繋がることができますが、 それ以上の“何か”と繋がっているように思えてならないのです]
(131) 2022/03/06(Sun) 18時頃
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[つまりは、地球の外だとか、 あるいは――――異世界だとか]
(132) 2022/03/06(Sun) 18時頃
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[異世界に行ってみたい。 あるいは、今の自分の命を終えたあかつきに、 異世界に生まれ変わりたい。
そういう願望ならタルトにもありますし、 そのような物語に親しみをもって触れたこともあります。 どうやら数十年前にはそのような物語がたくさん流行っていたそうです。
ですが今となっては、 いくつかのプロセスを経ることで、 電脳世界で“もうひとつの人生”を歩むこともできるわけで]
(133) 2022/03/06(Sun) 18時頃
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[タルトが生まれたのも、つまり、 “もうひとつの人生”を歩みたいという願望ゆえのことでした。
誰からも愛される、“おひめさま”になりたいなどと。 たいそうな欲望を抱いてはいませんでした。
ただ、今の見目のままでは、 どこにも行ける気がしない―― 本物のクリームソーダも堂々と味わえない、 そのような状況からひたすら逃げたかったのです]
(134) 2022/03/06(Sun) 18時頃
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[そんな感じで異世界に思いを馳せていたタルトですが。
声をかけてきたひと>>33が、果たしてその異世界のひとなのかどうか、 ぱっと見てわかるわけもありませんでした。
たとえば、獣の耳がついている――などのわかりやすい特徴があったとすれば、 さしものタルトも色々考えた末、 アシモフにそうしたように、中にひとがいるのか訊いたかもしれませんが。 しかし言葉を聞いてわかることはありました。 そのひとが竜のいない世界から来た、と予想できること。
タルトの飲んでいるクリームソーダを指して、 「わたしのところにはないもの」だと言ったこと。>>34]
(135) 2022/03/06(Sun) 18時頃
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竜の好物は、知らないよ……、 わたしも、ほんものには会ったことがないし。
[タルトが生まれ、身を置いている電脳の世界は、 竜の討伐などというものを最優先に置いている世界ではありません。 ですので、戸惑いを表す表情を浮かべました。
タルトは厳密には人間ではありません。 いくらそこにタルトの意思が介在するとしても、 いかなる仕草も、人間の動きを電子的に再現したものにすぎません。
人間的な挙動が希薄であるということなら、 確かにそうではあるのです。 とはいえ幽霊ではないのですから、きちんと触れることはできるでしょう]
(136) 2022/03/06(Sun) 18時半頃
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それと……、これ、飲んだことないの……?
[タルトにとっては竜の好物うんぬんより、 そちらの方が重要なことに思えたので、 思わず眉がへんにょりと下がりました。
そのうえ、飲みかけではないクリームソーダをなみなみとたたえたグラスが、 タルトが手をかけている、飲みかけのグラスの隣にあらわれました。 タルトはそれを、声をかけてきたひとの近くにそっと押し出します]
(137) 2022/03/06(Sun) 18時半頃
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[がおー!と威嚇したが人間は怯まない。 しかも、子供をあやすような口振りで白い布切れで体をくすぐられた。 これには邪竜もくすぐったくて笑ってしまう]
うわなにをするやめろやめんか! うわはははははは!! おのれ人間めこしゃくなマネを!
[これは新手の攻撃か、辱めかと思ったが。 よく見れば体に付いていた血が拭われて綺麗になっている。
今までこんな風に血を拭われたことはない。 緩んだ表情も、初めて見た。 よく分からなくて深緑の瞳をぱちくり開けて人間の顔を見つめていた]
(138) 2022/03/06(Sun) 19時頃
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[それから、初めて会った時の剣や矢が刺さった姿が趣味かと聞かれれば、ふるふると首をふる。 そうして、今までの経緯を話そう]
趣味にするなら花冠がよいな。 そんなことより、我と人間たちとの激闘について聞きたいのか。 ならば聞かせてやろう。
あれは七年前のことじゃった。 我は人間たちが編み出したという体の動きを封じる魔術で動きを止められ、さらに大量の鎖を幾重にも巻き付けては地面に縫い付け物理的にも動きを封じられたのじゃ。
そこから、人間たちはありとあらゆる方法で我に挑んできた。 武器や拳や魔術や兵器、人間たちの技術。 その猛攻は七年間続いた。
(139) 2022/03/06(Sun) 19時頃
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[七年間は色々あった。 再生能力の高さから、鱗を何度も剥がされ、爪や牙も何度も削がれ、深緑の瞳は抉られ抉られ空も見えず。
(ああ、それでもこの世界の均衡を守ろう。 向こうの村が日照りで困っているから雨を降らせてやろう。 遠くの国で疫病が流行っているから治癒の祝福を贈ろう。 守って、やらないと、この星の最後の竜として みんなみんな、人間たちを見捨てて遠くに行ってしまったから)
やがて、七年間の責め苦と魔術による再生能力を阻害する弱体化の呪いにより、ただの肉塊となった体は人間たちから「役立たず」と罵られ]
(140) 2022/03/06(Sun) 19時頃
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[七年の責め苦で衰弱し、最後の数年はほぼ眠り続けるだけだった体は世界の均衡を保つ努力を怠り、緩やかに世界は衰えていった。
人間たちは、それを邪竜がいるからだと責め立てた]
『役立たずの悪しき邪竜、殺しても死なないのなら、お前の体を世界の果てに追放し封印しよう。 そこで自らの悪を悔やむがいい』
[衰弱して夢うつつの世界で、そんな声が聞こえ、人間たちの幾重にも重なる呪いの力が体を包んで世界が白く染まった]
(141) 2022/03/06(Sun) 19時頃
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[ああ、これからはどこかの世界の果て。 生きることも死ぬこともできず。 守るべき世界も守れず……、]
と、思っていたら。ここにいた。 きっとこかが、我にとっての世界の果て。
ああ、とても眠い………。 今までずっと一人で戦い世界を守っておったから、とても、疲れた。 もう、守るものもないんじゃなぁ……。
[うとうとと、眠そうにカウンターに丸まって猫のようにまるまる]
(142) 2022/03/06(Sun) 19時頃
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[最後に、人間に向かって。]
我に優しくするな。我を憎め。 我は人間にとって不幸そのもの。 関わるだけで他の人間たちに反感を買おう。
だからお前はあの時、我を殺すべきだった。 殺して蔑みゴミとして捨て去って。
そうして、幸せになってほしい。 我はずっとみんなに幸せになってほしいと思っていた。
[深緑の瞳を細めて祝福を]
(143) 2022/03/06(Sun) 19時頃
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[そうして、人間の服に付いた赤が拭われるように願おう。 優しい緑の光が降り注ぎ、 服にこびりついた赤は新緑の若葉になってはらりはらりと床に落ちていった]
緑は優しい、緑は癒やし、緑は救い。 緑は何色にも染まらぬ永遠の色。
そう、幸福と永遠は「くりぃむそぉだ」の色をしておる。
[むにゃむにゃと、 カウンター横の誰かが飲んでいる緑の液体(クリームソーダと言うらしい)を眺めながら、体を丸めて眠りに落ちる。**]
(144) 2022/03/06(Sun) 19時頃
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