34 【ペアRP】花人形たちが紡ぐ夢【R18】
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[手を腹の前に組んだまま。 差し出された手を見てから、一度坊ちゃんの方を見て 貴族様が奴隷をエスコート、しかも娼館じみた所で。 おかしな話ねって、くすりと笑ってしまったけれど。 坊ちゃんがそうしたいのならそれに従ってあげる]
なら、お手をお借りします。 ……そちらで構いませんことよ。
[差し出された手を取って歩き出す。ヒール? 勿論履いてるから、あなたの方が小さく見えただろうけど けれど、きちんと私を導く坊ちゃんは それを気にさせないぐらい、男前だったでしょう。 手の冷たさの、前は容赦なく私の体温を奪うのだったのが 今日は少し違うみたい。冷たいのは同じだけど…… 奥の奥の方に、私へと返す温もりが あるような気がして。]
(66) 2024/02/23(Fri) 14時半頃
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私と会うのを、お心待ちにしていただけたのならば ドール冥利に尽きますわ、フェルゼ様……
[卓の前までやってきて。 引く椅子はないから、ソファに腰を下ろして。 お飲み物の書かれたメニューぐらいは私に差し出させて 元はと言えば貴方をおもてなすために、 この服を着てきたんだから]**
(67) 2024/02/23(Fri) 14時半頃
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/* 何かの映画でなかったっけ 「花が枯れる前に○○する」って約束するやつ…… 見たことは無くて伝聞なんだけれども
(-20) 2024/02/23(Fri) 15時頃
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ふふっ、やっぱり可笑しいですか? でも、こういうのも、たまにはいいじゃないですかね。>>66
[社交の場はならともかく、ここは艶やかな店の中。 周りから見たら、私たちは変わりものなんでしょう。 周囲の目を気にするなく、温かな君の手を優しく引いて、百合の花までご案内。
周りにどう見られていようと構いません。 ···今の私には、君の姿しか映ってませんから。]
(68) 2024/02/23(Fri) 15時半頃
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[君が座ったのを確認してから、隣に腰掛けました。 エスコートは終わりましたが。 その温もりを手離すことが名残惜しいので、緩く重ねたままにしておきましょう。
私の手はまだ冷たいままかもしれませんが。 時間をかければ、君の熱と混ざりあり、丁度いいくらいの温度になってゆくでしょう。]
こちらこそ玄関でお出迎えして頂き、ありがとうございます。>>67
··· 本当にお綺麗ですよ。 上品なドレスも似合うんですね、その服も好きです。
オーナー様のご趣味ですか、それともロイエさんが選んだのでしょうか?
[せっかくおもてなししてくださるなら、あなたのオススメを頼んでください。 なんて。最もな理由を口にしましたが。
······君から視線を逸らすのが、嫌だっただけです。]**
(69) 2024/02/23(Fri) 15時半頃
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[あれから一週間ほど経って、カコは再び パルテールを訪れ、煙を指名した。>>60 初めはジャーディンも手が空いていたが、 彼女が煙と話している間に 他の客が訪れ、指名されていた。 その日の客は女性だった。 特定のお気に入りドールはおらず、 幅広くいろんな相手と遊んでいく女性だ。 ドールの身体をいじり回すことより、自分に対し 愛撫を求めるタイプで、ジャーディンにとっては いくらか接しやすい相手である]
(70) 2024/02/23(Fri) 15時半頃
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[ジャーディンは複数の客に仕込まれたとはいえ、 客の好みは千差万別。 その上、こういう店ならと素人らしい下手さを 求めてくる客もいて、変に慣れていると かえって幻滅されることすらありえた。 が、このときの女性客にはウケがよかった。 あれこれリクエストが多く、楽しそうでもあった。
諸々済んだあとには頭を撫でられ、休憩がてらに 二人で飲み物を飲みながら寄り添うことになって、 彼女の退店まではリクエストに応じて 恋人同士のように抱き締めていた。 相手が満足しているのが伝わってきて、 店を訪れる客がこういう相手ばかりなら 幾分か気楽に過ごせそうだと考えもした]
(71) 2024/02/23(Fri) 15時半頃
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[その女性客が帰った後、カコからの言付けを聞いた。 カトレアの花を一輪手渡され、>>61 花が枯れる前に会いに来ると。>>62 まるで物語の一幕のような気取ったシーンである。 その上、初めて彼女と話した席に咲いていた花だ。 察しの悪いジャーディンも慣れない高揚を感じた。
その一方で、期待しすぎないようにと 念を押す声も彼の内にはあった。 オーナーには部屋に飾っておけばいいと 一輪挿しを貸してもらい、>>62 その赤いカトレアはその後数日間、 ジャーディンの自室の窓際に咲き続ける]
(72) 2024/02/23(Fri) 15時半頃
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[2日後、自室の赤いカトレアが少し元気を 無くしているのを見て寂しくなったその夜。 カコからの予約が入っていた。>>63 予約をされた経験は初めてではないが 彼女なら目的は話し相手だろう。 それはジャーディンにとっては新鮮な経験だった。 彼女が選んだ席へと向かい、ぺこりとお辞儀をして] お待ちしておりました、カコ様。 僕のことはお気遣い無く……、 カコ様のお望みのもので結構です。
[ドールにもと飲み物を頼んでもらえるだけでも 光栄なのだ。それ以上の希望はなかった]
(73) 2024/02/23(Fri) 15時半頃
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[ドールには足元に侍るよう求める客も少なくない。
彼女が許すならば隣に腰掛けるつもりはあったが どうすればいいか戸惑い、 手持ち無沙汰に彼女のそばへと佇んだ] あの、お花、ありがとうございました。 カトレアですよね。 本物を見るのは初めてでした……。 [ジャーディンは多くの花を店の意匠でしか知らない。 オーナーがバックヤードに生花を飾ることはあるが 店内と違って気まぐれに行われることだ。 全ての客席の花が網羅されるわけでもない。 だからカコの贈り物は、様々な意味で ジャーディンに貴重な経験をもたらしていた]**
(74) 2024/02/23(Fri) 15時半頃
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[座ってもまだ重ねられている手に (振り払わないのね)なんて 引っ込める様子も気まずげにする様子も…… 身を縮めて照れる様子もないのを、珍しく思って]
服?そうね、用意したのは店主だけど、 数ある中から選んだのは私でございます。 ふふ……似合いますでしょう?お客様は運がいいわ 私がこれを着るのなんか、特別な日ぐらいしかないから。
[品のあるパーティドレスはベーシックな形で。 すそのフリルもお気に入り。女性らしさが出るから。 おすすめと言われて、少しメニューとにらめっこして フルーツの盛り合わせと、あとは温かい飲み物……。 お紅茶でいいわよねって尋ねて、 坊ちゃんはいつもそれを飲んでいらっしゃるから。 見られているのに気づけば 「そんなに見られては顔に穴があきそう」って 冗談っぽく笑ってみせた。]**
(75) 2024/02/23(Fri) 17時半頃
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啓明結社 カコは、メモを貼った。
2024/02/23(Fri) 19時半頃
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そうでしたか。 ロイエさんは、きっと見る目があるんでしょうね。
···そうだ。>>75 もしあなたが私の元に来てくれるなら、一緒に服を買いに行きませんか?
用意されたものだけじゃない。 自分の足で店まで行って、自分で気に入ったものを探すんです。 ···きっと、あなたは綺麗だから、何でも似合ってしまうんでしょうね。
[今晩も、私が君に会いに来た目的は変わらず。 『あなたを自分の元に誘うこと。』
でも、その内容は主人と従者より、もっと近しい関係のものに変化していました。]
(76) 2024/02/23(Fri) 20時頃
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·······すみません、見惚れてしまいました。
[冗談には、真面目な言葉を返して、目を細めました。
···重ねた手が、布越しじゃない温もりが愛おしい ずっとこうしていたかったけれど。 ···紅茶が届いてしまっては手を離すしかありませんね。残念です。]
···それと、いつまで、その話し方なんですか? 物珍しくはありますが、少しだけ寂しく感じます。**
(77) 2024/02/23(Fri) 20時頃
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[·····好きな人の傍にいて、照れない男がいるわけないじゃないですか。 今晩も私の頬にも、赤みが差していますよ。]
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(-21) 2024/02/23(Fri) 20時頃
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──回想・はなむけの夜──
[煙の退店を祝し、改めて別れを告げに訪れた夜。 二人同じ飲み物を幾度か頼み、寛いだお喋りの一時は、 『おめでとう。元気で。どうか、お幸せにね。』と 別れ際に煙に告げて、締めくくった。 良い引き取り手だと既に聞いていたから、その願いを 言葉にして聞かせるのは、難しいことではなかった。
次いでジャーディンの空きを問えば、 接客中と聞かされた。 懐中時計で時間を確かめ、出直すと告げて席を立つ。 客席を区切るのは、透かし彫りの間仕切りであるから。 帰りしなに、女性と二人、睦み合う恋人同士のように 頬寄せ合って抱き締める彼の姿が垣間見えた。>>71
カコが初めてパルテールで予約をしたのは、 その直ぐ後のこと。]
(78) 2024/02/23(Fri) 20時半頃
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──新しい夜──
[今宵招いたのは、淡い佇まいの青年。 丁寧なお辞儀の後、 『お待ちしておりました』と ジャーディンは告げる。>>73]
……ああ。 私、このお店で予約をするのは 初めてだったのだけど。
“待たれている”というのは、悪い気がしないものね?
[思わず瞠った目をふっと和らげて、囁いた。 ぽんぽんとソファの隣を軽く叩き。 立ち尽くす彼に、隣に座るよう促す。>>74]
(79) 2024/02/23(Fri) 20時半頃
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[注文する飲み物を問えば、 『お気遣い無く』『カコ様のお望みのもので』 と殊勝げな言葉が返ってくる。>>73 ふと頭に過ぎったのは、過ぎた夜の煙の言葉>>0:241]
……そうね、では。 当分は、私の好きなものに付き合って頂戴?
こないだ貴方が教えてくれたダーラこだわりの ホットチョコレート。 一緒に飲んでみたいと思ってたの。
まずは此処で、と思って。 あのショコラティエには、まだ足を運んでいないから。
[ジャーディンにはカモミールティーをと思っていたが、 気が変わって。自分と同じものを、と。 ホットチョコレートを2つ、給仕のドールに頼んだ。]
(80) 2024/02/23(Fri) 20時半頃
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[先日、他のドールに言付けたカトレアは、 無事にジャーディンの手に渡っていたらしい。>>74 本物を見るのは初めてだったと、彼は言う。 あれはカトレアかと確かめるような口ぶりに、 小さく頷いて]
受け取ってもらえたのね、良かった。 ちょうど先夜居たのが、カトレアの席だったから。 出掛けに、庭先に咲いているのを思い出して。 あれは、私が摘んだものなの。
[何かを懐かしむよう、カコは目を細める。]
(81) 2024/02/23(Fri) 20時半頃
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[程なく運ばれてきた、2杯のホットチョコレート。 ひとつはジャーディンの前に。 もうひとつは、カコの前へと。 熱いより一歩手前、程好く温かなカップで掌を温める。]
うちの庭はね。花が好きだった母のために、 父が他所の国から持ち帰ったものまであって。 これからの季節、なかなか見事なものよ。
春先には牡丹、初夏には薔薇が咲いて、 次は百合。 温室には、手のかかる蘭もあるの。 カトレアも、蘭の一種ね。 『蘭の女王』とも呼ばれている。
[いずれも、パルテールの意匠にも使われている、 多くの人々に愛されてきた花々だ。]
(82) 2024/02/23(Fri) 20時半頃
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最近は、人に任せきりだけど。 小さい頃は、園丁の爺やに教わって、 木花の世話の手伝いをするのが好きだった。 あとは木苺を食べたり、 蔓苔桃のジュースをもらったり、ね。
[そちらの方が目的だったかも知れない、と笑って]
ジャーディンは、花はあまり見たことがないの?
──貴方の好きなものは? 食べ物でも、物事でも。同僚でも。…何でも。
[この店で働く彼に、如何ほどの自由時間があるかは 知れない。 ここに来る以前、過酷だったであろう外界での日々に、 好きなものを見つけるだけの時間があったかも知れない。 けれど。気づけば、そう問うていた。]*
(83) 2024/02/23(Fri) 20時半頃
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啓明結社 カコは、メモを貼った。
2024/02/23(Fri) 21時頃
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/* 蔓苔桃ってクランベリーなんだ……
(-22) 2024/02/23(Fri) 21時頃
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[わたしは、あなたのことをほとんど知らないように思う。 自分のことは、週に一度の来店でよく話したように思う。 相談だってかなり、した。
――パルテールでの、それ以前での彼の交友はどうだったのだろう。 友人でもいれば、或いは先輩、後輩でもいれば。 別離は寂しかったのではなかろうか。
ふと、思い出すのは。指名したことはないけれど 煙の席に案内される際に何度か目にした青年のドール>>59
会釈やらはしたことがあったと思う。 或いは、飲み物をテーブルに持ってきてもらったりとかも。 その際には多分こう思ったと思う。
多分、会話の盛り上がりは難しそう。 というか私が緊張しっぱなしで終わりそうだ。時間が。]
(84) 2024/02/23(Fri) 21時頃
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[彼以外にも、あのお店には多くのドールが働いている。 友人のように一目で即決することもあれば。 私のように時間をかけてゆっくり選ぶこともある。>>54 共通するのはきっと。どちらも。
選んだ、という、こと。]
(85) 2024/02/23(Fri) 21時頃
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ふぇん……。 な、なるべくびしっと、きめたかった。
[主人が大層ドジ娘で本当にすまない。 頼りがいのある主人になろう。という決意は屋敷に向かう途中ではがれ。 ちょっぴりぺそりながらおてて繋いで道を歩くのであった。
無論。距離感やら何やらも考える余裕はなかった。 指摘されたら顔を真っ赤にして 慌てたり謝罪したりのオンパレードになったろうけれど。
彼の内心思案していたことを私は、知らないのだ。>>64]
(86) 2024/02/23(Fri) 21時頃
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[今の家族構成や外観などは、相談事の際にでも ぽつぽつと彼に話していたように思う。 それから想定されるものとさほど外れぬ外観の屋敷ではあるはずだ。多分。]
私も、初めて足を踏み入れた時はどきどきしました。 ……主に飾ってある美術品を壊したら お金どれくらい弁償しなきゃいけないかなって。
案内。じゃあまず、蔵書室からかしら。 私も養父も、部屋に居なければ大体そこにいるし。
[などと話しながら。手をひき、家の中をひととおり。 案内すれば、一旦はわかれて。
その間に諸々の書類を用意し、 蔵書室の横にある小部屋にて、書類を取り出し 簡素なテーブルの上に置く。]
(*1) 2024/02/23(Fri) 21時頃
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ええと、雇用契約書なんだけ、ど。 毎月の給料と、休日なんかの福利厚生と 勤務内容とか、諸々書いてあって。
あと、制服とかも。来客の案内とかするときだけはね。 普段は自由なんだけど。
[諸々話を聞いた養父が用意してくれたんだけど これでいいかしら?とすすっと差し出す。
奴隷の買い取り、ではあるものの 従者として働いてもらうのであればきちんと 雇用契約書を用意しておきなさい。とは養父談。
週休二日は少ないのかしらと考える不安な私は まだまだ、雇う側としての自覚は足りない模様*]
(*2) 2024/02/23(Fri) 21時頃
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──回想・或る日の手紙──
[自室に籠もり、輿入れ前の品々を検めていた折。 可愛がっているメイドの娘が、捧げ持つように 美しい封筒を届けにきた。送り主は、以前可憐な花々の 食器を迎え入れてくれた貴人。 いかにも穏和な彼らしい、丁寧な文面。>>32]
フェルゼ様が、指輪を…?
[高貴な血筋のフェルゼの人となりは、一介の商人である カコには深く知る由もなかったが。 実のところ、パルテールに彼が通っている事は、 かねてより気づいていた。 生真面目そうな雰囲気を纏う彼のこと、 顔を合わせれば気まずかろうと、見かけた時には 極力遠い席に通してもらうよう頼んではいたが。 知り合いが来店の際は、そう取り計らってくれるよう、 日頃から店側にお願いもしている。]
(87) 2024/02/23(Fri) 21時半頃
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/* 難産してたら遅くなっちゃった……
(-23) 2024/02/23(Fri) 21時半頃
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[貴人のご婚約とご婚礼の噂は、 いち早く耳に届くよう、種々の伝手がある。
薄絹の天蓋付きの寝台、 熱帯の採石夫が掘り出した宝石、 貴婦人の花傘にも似たステンドグラスランプ。 華美で典雅な品々は、やんごとなきお家柄の 婚礼には付き物だ。 だが、リュミエル家の喜ばしい噂は、 これまでのところ耳に届いていなかった。
メイドに申し付け、用意してもらったのは、 柔らかく百合の香を焚きしめた、 透かし模様の真白い百合が浮かぶ便箋。]
(88) 2024/02/23(Fri) 21時半頃
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[時候の挨拶から始まり、まずは先日 食器を買い上げてくれたことへの御礼。 代筆は頼まず、流れる文字で綴っていく。
選りすぐった美麗な食器が、フェルゼの邸宅で 重用されていることを知れたのは、 心浮き立つことだった。
次いで、お問い合わせを心より歓迎すること。 舶来の宝石をあしらった装飾品も 一通りの取り扱いがあり、それで事足りなければ 宝石商もご紹介できること。 ご都合の良い日時にお伺いさせていただく旨を、 礼を尽くした文面でしたため、封蝋をする。
百合の香薫る封筒は、その日のうちには、 リュミエル家に届いたことだろう。]*
(89) 2024/02/23(Fri) 22時頃
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