10 冷たい校舎村9
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[そうして、去り際。 問うてみれば暮石が 考え込むような素振りを見せる。>>727
「聞かせたくないから」じゃなくて 「聞きたくなくなったら」なのが 変な念押しをするなって思った。
すげなく断られこそしなかったけれど、 来ないで。にはちょっとだけ強く 力が籠ってるように思えて>>728
俺はそれをどう受け取るべきか、 少しだけ考えて、頷いた。]
(840) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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── 職員室:ユーガ ──
シンは居た。 あとメイとてっぺーも見たし ノエもいるっぽい。
うちのクラスばっかじゃんな 逆に?他のクラスのやつは見てねー。
[ユーガの話だと、リツも居るっぽい>>826 結局、休校連絡がなかったのは うちのクラスだけだったってことだ いやまじヨーコちゃんの怠慢じゃねーか!
俺は悪くない、っていうユーガの笑顔を見て よし、お前は悪くないぞ、と俺も笑って見せた]
(841) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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固定電話! その考えはなかった。 といっても誰だ… ヨーコちゃんの番号とかわかんのか??
[職員名簿でもあればワンチャン繋がるだろうが なければお手上げだ。
俺はスマホのアドレス帳から 他のクラスのやつのケータイ番号を探してみたけど ユーガが掛けたのは結局誰だったのだろう]
(842) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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[……ま。誰であれ、それは不発だったようで。]
はーー?まじかよー そんなことあるー? 電話とか詳しくねーわかんねー
[スマホが死ねば固定電話も死ぬのか 固定電話もなんか電波とかでやってんの?知らんけど
なんにせよ、俺らの退路は絶たれた。 外は大雪。今帰るつもりにもなれねー。]
(843) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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[連絡がない息子のことをわざわざ気にかけて 迎えに行くほど出来た親じゃあねえし、 そもそも迎えすら頼みたくもねえのが本音。
んで。俺はユーガの親の話は全く知らないわけで]
や、俺ンとこは迎えにはこねーな 雪、落ち着くまで待つしかねーか…
ユーガんとこは? 来てくれそうな親なわけ?
[別になんの意図もない。 ただ、親が迎えに来るっていう発想があるあたり そーゆー親なのかな、って俺は思っただけだ。]*
(844) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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うん。分かった。約束する。
でも、メーワクだったら遠慮なく言ってね。 俺、女子の嫌がることはしない主義だから。
[念を押されなくても、聞きたくないものを聞きに赴くほどの物好きではないけど。
ただ元々人目を忍ぶようにして引いていたピアノだ。 あんまり歓迎されてなのかなって―――
少なくとも人に聞かせるつもりは なかったんだろうなって そんな風に感じたもので。
軽いノリでおねだりする柊由樹だが、 反応が芳しくない時は深入りしないことにしている。]
(845) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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架空惑星 レンは、メモを貼った。
2021/06/05(Sat) 12時頃
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[ともあれ、暮石がこちらに選択権を委ねてくれる以上は 月曜日の放課後、気紛れに音楽室に足を運ぶことになる。
隔週続けて来たり、月に1度しか来ない時もあったり 気分や都合で間隔はまちまちだったが、 それでも完全に途切れてしまうことは無かった。
聞く人が聞けば、 暮石の腕の衰えを感じ取れたのかもしれないが 生憎自分には音の善し悪しがよく分からなかった。
明らかなミスをしたり詰まったりすれば 流石に気付いたんだろうけど、 それでも別に聞きたくない、と思うまでには至らず。
奇妙な時間は、ゆるゆると続いて行くことになる]
(846) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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[何をするでもなくぼんやりと聞いて、 演奏が終わったら帰っていく。
多少会話をすることもしないこともあったけど、 一言「今日も良かったよ、ありがと」 と暮石に告げるのは忘れなかった。
それが彼女にとって 幸いだったのか不幸だったのか、 そこまではよく分からない。**]
(847) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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/* きょうだいのチップイメージを埋めます。 妹はナツミ。奈津美ちゃん。 慎一の漢字変換が割と面倒なので、 きょうだいも普通そうでちょっと変換が面倒な漢字がいい。
弟たちはあんまり考えてなかったけど、 双子ってなるとエニシヨスガかなあ。 細かいこと考えずに頭の中ではユージコージって呼んでた。 語感だけで仮名を決めているのが透けて見える。
(-131) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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/* それはそれでちょっとたのしそうやったけどなwwww >毎日こづきあいが絶えない
(-132) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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―― 回想:お昼休みの弱音 ――
[ 私は毎日母がお弁当を持たせてくれている。 完璧な主婦であろうとしている母は、 体調を崩した時以外、お弁当を欠かしたことはなかった。 たまにはジャンクなものも食べてみたい。 そんな風に考えてしまう私はきっと贅沢なんだろう。
購買に行くという芽衣にもちろんと頷いて、>>771 買い物のない私は邪魔にならないところで待ってた。 購買はいつも混んでいて、隙間を縫うようにして 目当てのものを手に入れる芽衣は大変そう。 毎日母がお弁当を持たせてくれる私は、 きっと恵まれているんだろう。 それを少し窮屈だなんて思うのは、 やっぱり贅沢なんだろう ]
(848) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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[ 私も芽衣も、そんなにおしゃべりな方でもないし、 にぎやかとは言えないけれど、 それでも程よくかわされる会話は私には心地よかった。 だから、いつもの私なら話さないようなことも、 時折芽衣には漏らすことがあったと思う。
ある時には、中学ではバレー部だったこと。 別の日には、年の離れた姉がいること。 ふとした時に、ほうじ茶が好きなこと。 一つ一つは全然大したことがないようで、 繋ぎ合わせれば私という人間が出来上がる。 そういう、私を構成する要素を、 にわか雨みたいに芽衣に降らせた ]
(849) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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[ もしも芽衣が、 私から何かを聞き出そうとするタイプだったら、 きっと私は何も言わなかった。 でも芽衣は、何も聞かずにいてくれたから、>>772 きっと私は安心していたのだと思う。
「暑くない?」って言われたことはあったっけ。 でも、「焼けたくないんだー」って言ったら、 芽衣はそれ以上追及してこなかった。 私よりずっと身長は低いのに、 芽衣の手は意外と大きくて、 手のひらのあわせっこしたっけ。 それでもさすがに左手は差し出せなかったけど。 ピアノの話を聞いたのはそんな時。 中学の時、コンクールに入賞したけど、 高校になって捨てさせられた、 美術って分野のことが頭をよぎったりした ]
(850) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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[ 芽衣と過ごす時間は居心地が良かった。 だから私は気が緩んで……緩みすぎちゃったんだ。 脈絡のない弱音を吐いちゃうくらいに。 ああほら、クリームパンを食べてた芽衣が固まった。 ごめんね、なんでもないって話を戻そうとして、 でも、その前に芽衣が口を開いた ]
私にとっては失望のかたまり……かな。
[ ため息には感情がいっぱい溶けている。 芽衣はそう言った。 私にとって、ため息は失望でできたものだった。 期待に応えられなかった時、 どうしてこれくらいできないんだって吐かれるため息。 自分が無価値なんだと突きつけられる。 今度こそ見限られるかと足が竦んでしまう ]
(851) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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[ 芽衣は、わざわざパンを袋に戻して、私に向き合った。 芽衣は、そういう誠実な人だった。 パンくずを払った手は、私の方に伸ばされる。>>773 意図が分からなくて、私はちょっときょとんとした。 だって、今まで私の頭を撫でようなんて人 いたことなかったんだもの。 両親に撫でられた記憶なんて私にはない。 芽衣が、自分の手を大切にしていることは知ってた。 言われなくたって仕草の一つ一つに表れてた。 その大事な手で、芽衣は私の頭を撫でる ]
……ありがと。
[ 私らしくもない舌足らずな声で、お礼を言った。 声が震えないようにするだけで、精一杯だった* ]
(852) 2021/06/05(Sat) 12時頃
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/* 黒沢ちゃんの期待とか信用を 「残機」って表す感覚いいなあ すき〜〜
(-133) 2021/06/05(Sat) 12時半頃
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── 現在:職員室 ──
[ うちのクラスのメンバーの名前ばかりが、 鳩羽の口から連ねられてゆく。>>841
後日、ヨーコ先生に教育的な指導が必要そうだ。 なあ、これ立場が逆じゃないか? 社会勉強にもほどがあるぞ、先生。
珍しく浮かべた笑顔ではあったが、 今後のことを考えるとこめかみが痛む。 今は一緒に笑ってくれる鳩羽に免じて、 ヨーコ先生のことは忘れよう。 ]
(853) 2021/06/05(Sat) 13時頃
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ヨーコ先生にはかけない。 学年主任のトヨタ先生に。
[ ヨーコ先生からの連絡網が来るのもあり、 彼女の連絡先も知ってはいるが、 もう期待はしていない。
トヨタ先生なら頼りになるし、 進路相談で話を聞いてもらっていたので、 連絡先は覚えている。
しかし結局繋がらないんだから意味がない。 ]
(854) 2021/06/05(Sat) 13時頃
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[ その後は部活の顧問にもかけたし、 なんなら教頭先生にもかけてみた。 でもどのボタンを押してみても、 ……一緒だったのだ。 ]
はあ…外部との連絡は途絶えた訳だ。
[ 固定電話なら、電話線で繋がっていた筈だが。 雪で電柱が倒れでもしたのだろうか?
衛星電話なんかが置いてあれば、 外との連絡は取れるだろうが、 そこまでの緊急事態ではない。 ]
(855) 2021/06/05(Sat) 13時頃
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/* 夏生まれっぽいけど何月生まれだろ 5月23日
ためしに。
(-134) 2021/06/05(Sat) 13時頃
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/* 春だった。まいっか。
(-135) 2021/06/05(Sat) 13時頃
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ん?ああ、うちは迎えには来ないよ
[ 小学校の避難訓練で、 親が迎えに来る段階で一番最後まで 選ばれずに残っているような家庭だ。 ]
むしろ、鳩羽の家の両親は 迎えに来そうなものだと思っていたが 両親とも働きに出ているのか?
[ 親のことを互いに話すことなどなかった。 だから、鳩羽家がどうなっているかなんて 炭蔵には想定していないことで、 彼の性格を見れば、両親に愛されて育ってきた。 そんなふうにしか思っていなかった。 ]
(856) 2021/06/05(Sat) 13時頃
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まあ、迎えが来なくとも いつかは雪も落ち着くだろう お互い最後まで残されていたら 一緒に帰ろうな
[ 親が迎えに来てくれない者同士。 仲良くおてて繋いで、は、無理だがな。 *]
(857) 2021/06/05(Sat) 13時頃
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― 現在・向井と ―
[大きく頷く向井に、うえーって顔でため息をつく。>>829]
でしょ。いーね、美味い肉食いて―。 ガチで休校だったら署名集めて先生とこ抗議しにいこ。
[だって反省文書かれた所で 俺は特に興味ないけど、焼肉は美味しい。 我ながらナイスアイデアだと思う。 それだったらこの寒い中登校させられたのも許せそう。
他にいるらしい(不憫な)面子の名前を聞きながら そういえば、と向井の言葉にふと違和感。]
(858) 2021/06/05(Sat) 13時頃
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……そーいや、電気とか暖房はついてるんだよねえ。 フツー休校の時でもついてるもんなん?
[いや今までこんなことなかったから知らないけどさ。
暖房切れてたら洒落にならなかったので 有り難いと言えば有り難いのだが 無人のクラスの灯りまで着いてるのは 向井じゃなくても無駄だと思わざるを得ない。
っていうか、いっそ不気味。]
(859) 2021/06/05(Sat) 13時頃
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おっけー。暴動隊は任せろ。 向井は引き続き捜索頼むよ。
[ていうか今何時だったっけ。 ちらりと時計を見れば始業時間の少し前。 やっぱり普通に授業があるのなら、 こんなに誰もいないってのはおかしい。
焼肉の刑が濃厚になるのを感じながら手を振って別れようとし、その前に気になっていたことを向井に尋ねる。]
え。眼鏡無し副会長?俺それ見てなーい、 ……じゃなくてマジでマジで。
登校中は普通だったのに、 なんか今見たら繋がんないの。
[ということは、向井のスマホは普通に繋がるのだろうか。 なんて一縷の望みはあっさりと砕かれた。>>833 唸る向井を眺め、だめかーって溜息。]
(860) 2021/06/05(Sat) 13時頃
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向井の方も死んでるかー。 校舎入った途端繋がんなくなるとか、マジ困るし。
[屋上かー。寒いとこあんま出たくないな。 そもそもこの雪だし封鎖されてそうな気もする。
連絡ツールの死滅は 高校生にとって切実な問題ではあるが、 取りあえずは人を探すことにしよう。
んじゃまたー、と手を振って向井と別れ。 そのまま9組の教室へと向かう。 さて、その場には誰か居ただろうか**]
(861) 2021/06/05(Sat) 13時頃
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── 現在:ユーガ ──
[トヨタ先生も、教頭先生も。駄目だったらしい。>>855 電話口の向こうからはきっと何も聞こえてこない。 雪で電話線が切れる?とかまじかよー なんかそーゆー漫画とかありそーって 俺はユーガの近くで騒ぐだけ騒ぐ。
お手上げ、かあ。 職員室、いくら待とうと人が来る気配はない。 そもそも誰かが出勤している雰囲気もないな。 鞄とかコートとか。そういうのが見当たらないだろ。]
(862) 2021/06/05(Sat) 13時半頃
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………俺んち? あー……両親、っていうか。 俺、母親いねーから。 父親も今日は仕事出てるはずだし、 ねーちゃんは免許ねーし ま、無理だろうな。
[さらりと迎えの話を流したユーガに対して 俺もさらりと親の話を流そうとするけど 両親、って言われたら、そこは訂正したかった
俺には、母親なんて、いない。]
(863) 2021/06/05(Sat) 13時半頃
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[ユーガの見立ては間違っちゃいなくて 俺は確かに親父に愛されて育ってきたんだろうし 母親代わりのアイちゃんにも叱られて生きてきた
そう、それでバランスが取れてたはずなんだ。 間違いなく、それでバランスを取っていた俺らは、 幸せな3人家族、のはずだった。
余計なモンなんて、必要なかったんだ。
戸籍上は四人家族だって? そんなの知らねーし。 俺は物心ついたときからずっと三人家族だ。]
(864) 2021/06/05(Sat) 13時半頃
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