34 【ペアRP】花人形たちが紡ぐ夢【R18】
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本……ねえ。 売り込んだら幾らになるかしらね。
[『師』の教えを綴った書物の編纂を手伝った事はあれど、自身の半生について何かに記そうと思った事は無い。
数奇といえばそうかもしれないが、己の様に真っ当とは言い難い世界を歩んできた者達にとっては、それほど物珍しいとも思えずにいたから。]
ま、機会があったら……ね。 ところでカコちゃん。もうけっこう遅い時間だけど、お家に帰らなくても大丈夫?
[まず己が書物を出版してくれるような物好きがどこにいるだろうか。適当に反応しつつ時計の方を見やる。 元々やや遅い時間の来店であり、長話もしてしまったので時間の方は大丈夫かと、彼女に尋ねた。]*
(5) 2024/02/26(Mon) 08時頃
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─ 回想・初めてリッキィと出会った日 ─
出会ったのは2年ほど前だった、だろうか。
リッキィの接客に行く前。 その日は非常に珍しい事に、『性風俗目的』の客の相手をしていた。責めるのも責められるのも好む女性で、彼女は本当にごく少数いた『正しい利用を求める常連』である。
……ぶっちゃけてしまうと、己は自身の身体を弄ばれる方は、あまり好きではない。身体中あちこち触れられても感じるような事は無いし、只々弄られる不快感が勝ってしまう。「そちら」の才能には乏しいのだろう。
それでも、こちらは接客のプロであるので。態とらしく感じているフリをしながら、相手が満足するように振る舞っていた。
暫く弄られた後は、攻守交代。自身の持てる技術を駆使して、女を高みへと導く。挿入を伴わなくとも、指や口で絶頂させる事は十分可能だから。
……一通りお愉しみ頂いて、早々にお帰り願った。
席を離れて小休止し、次の客が来たのはこの後である。]
(6) 2024/02/26(Mon) 08時半頃
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[次に来た客達は。非常に珍しい、少女と言っても差し支えのない年齢の者たちである。服装からして、学生であろうか。>>0:40
うち1人は以前にもここを利用した事があるらしく、慣れた様子でドールを指名する。 ……そしてもう1人。この様な店では、おおよそ場違いな程に垢抜けていない、切り揃えられた髪と赤縁眼鏡が特徴的な少女。
『パルテール』では、一見さんは手隙のドールが接客する事になる。そして、その時手隙だったのが己であったという訳だ。
……明らかに場慣れしてないだろう少女に、最初にあてがわれるドールとしては不適切ではないだろうか。そう思いつつ、不慣れそうなら「あたし」で接客した方が無難かなと思いながら、彼女の所へ向かう。]
(7) 2024/02/26(Mon) 08時半頃
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[>>0:36>0:41姿を見せた途端、向けられたのは、素敵なモノを見つけた時の様な熱視線で。 おや?と思いながら、お決まりの挨拶で席まで案内する。]
初めまして、かしら? あたし、煙って言うの。
今日はよろしくね、お嬢さん。
[それが出会いであった。 自身にとっても、とても幸運な。]*
(8) 2024/02/26(Mon) 08時半頃
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灰占道士 煙は、メモを貼った。
2024/02/26(Mon) 08時半頃
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[去り際に、問うともなく差し向けた言葉。>>221 ジャーディンは、微かに声を漏らしたきり 黙り込んでしまった。>>225
何故だっただろうか、朱を差した唇に、 ふと微笑が浮かんだのは。
自邸へと戻る馬車の中で、膝上に抱えた 空いたバッグは、随分と軽く感じた。 顧客や友人以外に花束を贈るなど、 慣れてはいなかったから。>>228]
(9) 2024/02/26(Mon) 11時半頃
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[カコが再びパルテールに現れたのは、 あれから丁度、一週間を経た夜。>>226 ジャーディンに贈ったマーガレットのブーケは、 未だ生気を保ち、見るものの目に訴える 清白の花弁を広げていたことだろう。>>227
今宵も、カコは予約を入れていた。]
今晩は、ジャーディン。
[出迎えてくれたジャーディンに、 ゆると片手を差し伸べ、席までの案内を請う。]
(10) 2024/02/26(Mon) 11時半頃
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[この店を訪れるカコはいつも、華美ではない、 けれど淑女然としたドレス姿だった。 初めてエスコートを請うた今宵は、 化粧気の薄い顔に、常より飾り気のない服。
席に通されれば、ジャーディンにはカモミールティーを、 自身には葡萄ジュースを頼み]
今日は、庭先に牡丹が咲いていたの。
向こうの席の意匠にもあったでしょう、 花びらが少しぎざぎざとして、 ドレスの裾みたいな───
[徐ろに語り始めるのは、どれも他愛のない、 身の回りで起きた最近の話。 この春、庭で初めて咲いた花のこと。]
(11) 2024/02/26(Mon) 12時頃
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[舶来の絵巻が、船の浸水でどうも、 途上で駄目になってしまったらしいこと。 昨日は、使用人同士のささやかな諍いを 宥めるのに骨が折れたこと。]
マリアンヌは、意外とお転婆のようでね──……
[例のメイドの娘は、存外に男泣かせで、 最近は馬丁と付き合っているらしいこと。 また、別の使用人同士が婚約間近らしいこと。
不在の一週間を埋めるかのように、 悲喜こもごもを、和やかな語り口で共有する。]
(12) 2024/02/26(Mon) 12時頃
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[ゆったりと語るうち、夜は更けていく。 グラスに満たされた葡萄ジュースも、 残り少しとなった。]
ねぇ、ジャーディン。
こないだの話、考えてみてくれた? …特に返事を、急がせるつもりはないけど。
[何気ない口調で、不意に切り出した。 一度目を断られても、二度目の誘いをかけて まずいこともないだろう。 気負うことはないのだと、努めて平静に。]**
(13) 2024/02/26(Mon) 12時頃
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啓明結社 カコは、メモを貼った。
2024/02/26(Mon) 12時頃
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/* うーーーーん
(-9) 2024/02/26(Mon) 14時頃
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/* あれ? もう2日目? おかしいな……
(-10) 2024/02/26(Mon) 14時頃
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>>*12 [ビスケット屋や、占術の店を見て回った日以降も。己は新しい主人と共に、充実した日々を過ごしていた。
薬草摘みに入った森では珍しい草花を知り、 市街へ繰り出せば見たこともないような物……主に魔術道具を……知る事ができた。
そうして休日になれば、蔵書室の本を読んで過ごし──ときおり養父に捕まって、長い長い魔術講義に付き合わされもした……興味深い話は沢山聞けるので楽しくはあるが、とにかく長くて下手したら深夜まで付き合わされる時もあった為、時期は慎重に選ぶようになった── 外ではかつての常連と、今度は本当に『知人』として接するようになり。
あっという間に、ひと月が過ぎた。]
(*13) 2024/02/26(Mon) 14時頃
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はい、確かに賜りました。
[手にあるのは、初任給。 今日まで働いて稼いだお金。
……何に使うかは、もう決めてある。]
リッキィちゃん、ちょっといいかしらあ? 一緒に行きたい場所があるの。
[今日は学校の休日と、あたしの休日が重なる日で。それなら丁度いいと己が主人へ声を掛ける。
承諾が取れ次第、彼女と共に街へと繰り出すのであった。]*
(*14) 2024/02/26(Mon) 14時頃
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[「今度」は、まだ先延ばしにし続けている。]**
(-11) 2024/02/26(Mon) 14時頃
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ふふっ、何でもありません。>>*9
[つんとしたお返事。 こういう反応をする時は照れているのだと、学んできました。 ······君にまた一歩、近付いた気がします。]
はい、お任せください。
屋敷の案内は、本来は女中に頼む仕事なんですが。 今回は特別に、当主自ら案内することにします。
···ロイエさんは、私の恋人ですからね。
(*15) 2024/02/26(Mon) 14時頃
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さ、さ、誘ってませんよ!?!?!?
[動揺した声が自室の中で響く。 先ほど静かに移動していたことが、無駄になりそうなくらいの音量です。
誰もそんなことは言っていないというのに。 きっと君の『口説く』という言葉を、そういう意味に捉えてしまったのでしょうね。]
·······ただ、こう。 もっと、いっしょに、···いたいな。と思っただけ、です。
(*16) 2024/02/26(Mon) 14時頃
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[本音が、ぽろ、ぽろ、と零れていく。 顔が熱くなってしまう前に、話題を変えることにしましょう。]
でしたら、ここでゆっくり休んでください。 ···あ、寒い、ですよね?
そこまで気が利かずにすみません、今の暖炉の火を···。
[そうして、立ち上がろうとした時に君に引き留められました。]
(*17) 2024/02/26(Mon) 14時頃
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[私の腕に絡んだ、君の細い腕。 ···これでは、色んな意味で動けそうにありませんね。
君の鼓動が聞こえそうなくらい密着して、恥ずかしいと思うのに。 嬉しさや幸福感が勝ってしまうのは、どうしてでしょう。
·······ずっと、こうしていたいです。]
·······。···お疲れ様、でした。 色々と、大変だったでしょう?
···それでも、私のことを待って。 私のことを選んでくれて、ありがとうございます。
[不器用に手を伸ばして。 いつかの君が慰めてくれたみたいに、頭を軽く撫でようとしたでしょう。]
(-12) 2024/02/26(Mon) 14時半頃
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······。
······そう、ですね。 私は暖炉の炎がいらないくらい、温かいのですが。
···ロイエさんは、まだ寒いですか?**
(*18) 2024/02/26(Mon) 14時半頃
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−回想・パルテールにて−
[声を掛けられて顔をあげますと。 そこには背の高い男性店員の姿がありました。]>>3
あぁ、もう空になってましたか。
[もう中身のないコップに視線をやって。 再びに彼に視線を戻すと、苦笑いを返します。
長いこと通っていますが。 実際卓について貰った方は、たった1人しかおらず。 その他の方たちは、名前はおろか、顔もよく覚えてないのが本音です。]
(14) 2024/02/26(Mon) 14時半頃
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[その中では珍しく顔を覚えている店員が、彼でした。 背が高く、いい意味で目を引く見目をしているからでしょう。
···名前は。 聞き慣れない、異国の響きが気がします。···確か。]
ありがとうございます、···エンさん。**
[仕事を終え、去る背中に礼を言いました。
果たして、名前は合っていたのでしょうか。 答え合わせは、また会う日までお楽しみ、ということにしましょう。]**
(15) 2024/02/26(Mon) 14時半頃
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[その後、ジャーディンは普段通りの 接客の日々を送っていた。 時には奉仕に徹し、時には身体を弄ばれ。 初見の客もいれば顔馴染みの客もいた。 中にはあの男性客もいて>>0:10 いつものことながらジャーディンは気を滅入らせた。 カコの元で雇ってもらえば、 もうこのような目に遭うことはなくなるだろう。 代わりに別の仕事をさせられることになる。 それは――彼女の庭の花の手入れは>>1:190 自分に上手くできるかどうかも見通せないことだ]
(16) 2024/02/26(Mon) 15時頃
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[再び彼女が訪れるまでの1週間、 ジャーディンは度々彼女の言動を思い返していた。 そしてあるとき、気がついた。 彼女の言葉の何がそんなに受け入れ難いかに。 彼女は奴隷を差別しない人だ。 だが世間一般の人物はそうではない。 だから彼女の理想と、ジャーディンが思う現実には 埋め難い齟齬がある。 例えばそれは、彼女が自分の屋敷から 出て行きたければ出て行けばいいと思っている点だ]
(17) 2024/02/26(Mon) 15時頃
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[彼女は奴隷が主人から離れて次の主人を 自力で見つけられると思っているらしい。 その過程を過ごす場、つまりキャリアを積む場として 彼女の家はどうか、という誘いなのだ。>>1:209 だがジャーディンの感覚はそうではない。
奴隷は主人に見つけてもらって買ってもらう以外なく 自分から売り込むなどもっての外。 誰かに運良く気に入ってもらうのを待つしかなく 良い主人でなくともそれが運命と諦めるしかない、 自分で道を開くことなどできはしない。 強引に連れ去っていって「ここで一生働け」と 言いつけるような主人のほうが、 己にとっては佳い主人であろうと ジャーディンは思った]
(18) 2024/02/26(Mon) 15時頃
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[自由や選択権を与えられても、 どうしたらいいのかなどわかりはしない。 頼れるものが何もない場所へ 放り出されるだけだ。 それよりは制限された世界のほうがいい。 できることはこれだけだと決められ それに従っていれば害されない、 そういう場所のほうが。 ジャーディンは幼い頃から奴隷として過ごした者。 奴隷として生きること以外はできないのだと 改めて実感するに至った]
(19) 2024/02/26(Mon) 15時頃
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[自由とは、放任であり 籠の中の鳥を野に放つに等しい。 ずっと守られてきた生き物が 突然籠から解き放たれて 生きていけるわけがないのだ。 飼い犬は飼い犬のまま 家畜は家畜のまま生きていくのが 一番平穏で、幸福なのだ]
(20) 2024/02/26(Mon) 15時頃
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[一週間後、ジャーディンは再びカコに予約され、 彼女の来訪を待っていた。 カトレアはさすがに萎れてしまい 花瓶をオーナーに返すことができて安堵したが マーガレットは未だに生き生きとしていた>>10] お待ちしておりました、カコ様。 本日のお席はこちらでございます。 [彼女の手を取り案内した先はいつものカトレアの席。 彼女はいつもは淑女らしくドレス姿であるが 今日はいつもより質素な出で立ちに思えた]
(21) 2024/02/26(Mon) 15時頃
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[牡丹の話を聞くと、近くの席へと視線が向く。>>11 牡丹の席のラグはピンク色だが、 カップは白や赤の牡丹が描かれていたように思う。 彼女に指名されるようになってから、 カモミールティーはすっかり ジャーディンの馴染みの飲み物になった。 彼女が頼んだ葡萄ジュースは、 赤ワインを思わせるような芳醇なものだ。 アルコールはもちろん入っていない]
(22) 2024/02/26(Mon) 15時頃
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[彼女が語る身の回りのことに相槌をつきながら 耳を傾けていると、不意打ちのように 彼女は誘いの返事を問いかけた。>>13 ジャーディンはびくりと肩を震わせたが 思うことは伝えなければなるまいと 彼女をじっと見つめる] ……カコ様はきっと、 僕を奴隷扱いしないでしょう。
奴隷でない使用人と 同じように扱ってくださるんでしょうね。 [それは奇矯な振る舞いではあるが 彼女のそういった部分を好む者はいるだろう]
(23) 2024/02/26(Mon) 15時頃
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でも、それでは僕は どう過ごしたらいいかわかりません。 僕は奴隷としての生き方しかわかりません。 それ以外の生き方はできません。 カコ様は僕に選ばせようとします。 でも僕は、選べません。 どうしたらいいか、わからないんです。
[彼女と接していて感じる重圧、気後れは そういったところから生じるものだろう。 ジャーディンは従として生きてきた経験しかない。 奪われる立場ではあるが、与えられる立場でもある。 自分から動く方法がわからないのだ]**
(24) 2024/02/26(Mon) 15時頃
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