14 冷たい校舎村10
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私は一人でも通学できるんだが。 相変わらず父は心配性だな。
[ 結局三年間。 そんな主張が聞き入れられることは無く。 校門に降り立つと、 仕事場に向かうべく走り去る父親の車を見送った。 ]
(16) 2021/11/04(Thu) 01時頃
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…… とはいえ、うん。 流石に今日のような日は…… 難しかったかもしれないな?
[ 予報にない雪。 一人になり、灰色にも似た空を見上げれば、 己の無力さを素直に認めた。
昇降口への道行き。 積もった雪を避けるように、屋根の下を選んで通る。
途中、小さく零した苦い笑みは 車椅子のモーターが、 車輪を滑らせる音に飲み込まれた。 ]*
(17) 2021/11/04(Thu) 01時頃
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[ 物心ついた頃から、母は既にいなかった。
だからその不在を憐れまれても、 どうにもピンとこないのが本音だった。
その代わりというべきか。 真梛には、歳の離れた兄が3人ほどいるが。
─── 君には、兄が3人いなくて可哀想だな。
…… そう憐まれれば、 おそらく大半の人が首を傾げるように。 ]
(18) 2021/11/04(Thu) 01時頃
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[ むしろ母との思い出がある分、 兄や父の方が可哀想だと思う。 そしてそれは、不自由な身体のことも同様だった。
歩けた頃の記憶が殆どないのだから、 感覚のない両脚を嘆く必要性を感じない。 しかし、そのフォローをしなければならないのは、
だから、可哀想なのはいつだって。 真梛ではない別の誰かだ。 ]
(19) 2021/11/04(Thu) 01時頃
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[ 慣れた動作で外履きを履き替え、 人気のない廊下を進む。
相棒の車椅子は、大変頼りになるのだが。 残念なことに、車輪は段差を滑らない。 従って教室が階段の上にあった頃は、 誰かの手助けが必要だったが。 三年生になって教室が一階に配置されてからは 自力で辿り着くことができた。 その事実は少しだけ気持ちを楽にさせる。
まだ朝は早い。 皆が登校してくるのはこれからだ。 そして三年生になった真梛は、 教師や心優しい生徒の手を借りずとも教室に着ける。
だから私が静まり返った校舎の異変に気付くのは、 もう少し後のことになる。 ]**
(20) 2021/11/04(Thu) 01時頃
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/* 設定は全て露出しました!(入村ロル) よろしくお願いします!!
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(-4) 2021/11/04(Thu) 01時頃
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[潔く、敗者であることを認められたのなら。]
(21) 2021/11/04(Thu) 01時半頃
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—— 自宅 ——
[窓の外を眺めて、しばらく眠い頭を起こしていた。 昨日までとはまるで景色が違っている。 白のグラデーション。
天気予報、なんか言ってたっけ? テレビから流れるニュースの声がなんだか騒がしい。
室内の空気が冷えていて、顎にピリッと痛みを感じた気がした。 指先で撫でながら鏡を見ると、どうやら小さな切り傷があるらしい。 そういやヒゲを剃る時に少しミスったことを思い出した。 空気の乾燥具合をなんとなく噛み締める。]
(22) 2021/11/04(Thu) 01時半頃
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[ほらほら遅刻しますよ、と家事手伝いのおばさんが声をかけてきたので、 重たい体をぶらつかせてダイニングで朝食を取る。
油断してまだ棚の奥にしまい込んでいた防寒着とブーツを、 手際良く準備してくれていたおばさんに感謝しつつ、朝の身支度を整えた。
>>3>>11 3-1のグループチャットに着信が踊っていたので、片手間で確認して、 うちのクラスの女子はいつも元気なのもいるよな、と改めて感心したりしなかったり。
『じゃあ学校あるかどうか確かめに行くぽよ』と返信を飛ばしておく。 (語尾が変なのは、最近ネットで見た芸人の真似事なだけで他の意味はない)]
(23) 2021/11/04(Thu) 01時半頃
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[父親はとっくに仕事に出ている。 こんな雪だからこそ早く車を飛ばして、自社の社員に指示を出すんだということだろう。 名が表す通り石頭の仕事人間。そういうところは文句なしにカリスマがあると息子は思っている。
母親が暖房を効かせた部屋から顔を出して、家事手伝いのおばさんと何かを話していた。 俺を学校まで送ろうか、ということらしいけど。]
いや、いいよ。 友達と待ち合わせしてるし。
[咄嗟にそんなことを言って玄関を出る。 気を遣われるのが少し嫌だっただけ。 待ち合わせというのは嘘だけど、誰かに会えるならそれでいい。]
(24) 2021/11/04(Thu) 01時半頃
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[玄関から数歩、踏み出して、上等な石畳に積もった雪を踏み固めていく。 道路に出るまでに少しの距離がある。
石頭の家は、他と比べるとちょっとした豪邸と言えるのだろう。 丸ごと雪の化粧を被った屋根を見上げれば、それがよくわかる。 幼い頃からこれが当たり前だったせいで、友人たちと感覚を合わせるのに苦労したのも昔の話。
父さんは、風邪薬や頭痛薬で有名な「イシズ製薬」の社長を務めている。 その息子の俺は、その恩恵をただただ享受していただけ。
金持ちだから、ってだけで被る変な目線や妬みも、まあ、よくある話ではあるけど。 俺は別に気にしてないよ。]
(25) 2021/11/04(Thu) 01時半頃
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[敷地の表の門は車が出入りするためのものなので、そこを抜けて脇の扉の鍵を開ける。 通過したら鍵をかけ直し、凍え始めてきた手で施錠確認を数回繰り返す。 こんな身の上なので防犯意識はたぶん人並み以上に高い。
道路に出る手前の木の枝から、雪がドサッと落ちた。 そこに人影はない。 誰かが出迎えてくれることも、今はない。
マフラーを口元まで覆うような気持ちで上げながら、 黙々と、うざったいくらい静かな雪まみれの通学路へ出た。**]
(26) 2021/11/04(Thu) 01時半頃
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/* 文章の書き方で透けると自覚してはいるけどいまさら矯正できないんだよなあ と思いつつ今回もお邪魔します。 校舎村で好き勝手に男子します。
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(-5) 2021/11/04(Thu) 01時半頃
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/* 人数も少ないのでしばらくぶりに残留組になるかもしれんね
(-6) 2021/11/04(Thu) 01時半頃
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――壊れないものなど、何一つとして存在しない。
(27) 2021/11/04(Thu) 06時頃
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―― 朝の自宅 ――
[カリカリに焼けたトーストの上に目玉焼きが乗っている。 それとサラダに、お代わり自由のスープ。 町が記録的な大雪に見舞われようと、朝食のラインナップに変化はないし、 食卓を囲む家族の顔ぶれに異常があったりはしない。 あえて言うなら十個下の妹が外の景色にはしゃいでることが非日常的ではある。 犬かってくらい。
あいにく想像力に乏しいため、 部屋着のズボンの後ろからめちゃくちゃ振られてる尻尾が伸びてる様を幻視することはなかったけど]
(28) 2021/11/04(Thu) 06時頃
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[小学校の方は休校すんのかな。 いいなあ、と思うのもむべなるかな。 こちら側には休校の連絡はない。 ないからには――潔く登校するしかない。 使命感に駆られていたわけではなく、 そうするのが…………うん、日常だから。
ややお行儀悪くもスープの最後の一杯が注がれたマグカップを左手に持ちつつ、 机の上に乗っけたスマホを右手で操作している。 お目当てはクラスのグループチャット。 流れていく文字列やらスタンプやらを目で追う。 見えているのは数人分>>3>>11>>23にすぎないけどみんな行くんじゃんという気分に勝手になった。 スープが美味しい]
(29) 2021/11/04(Thu) 06時頃
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『副委員長的にはサボりは反対かなあ。 せっかくの内申にキズをつけるわけにも行きますまい。 ともあれこの雪だ、みんな落ち着いて登校しような!』
(30) 2021/11/04(Thu) 06時頃
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[そんな真面目っぽいメッセージと、 ロケットでどこかへ向かう宇宙人のスタンプが立て続けにメッセージ欄に並ぶ。 すべらないように落ち着いて、と言いたいところだが受験生的にはそいつは禁句だ。
……準備にすこしだけ時間をかけて、家を出た。 (これは防寒具を引っ張り出してきた分だ) 父からは「送っていこうか?」と言われたがすんなり断った。 そんなに遠い距離じゃないからだいじょうぶだし。
かくして『河合』という表札の掲げられた一軒家から、 高校生と見てわかる少女がひとり、 傘を差しつつ学校に向かう。 制服の上から纏うコートも手袋も傘も黒一色。 黄色と青が多めのタータンチェックのマフラーがただ、 モノクロームの景色にも映える色合いをしている]
(31) 2021/11/04(Thu) 06時頃
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……この通学路、こんな静かだったっけ……。
気のせいかな?
[きっとそうだ、と己の中の都合のいいところだけ見たい面が囁く。 角を曲がること二回、大通りに出ればやっぱり気のせいじゃね? と思う。 車は通ってるし歩いてる人もいる。 学生らしき姿も見える。……コート着てるとぱっと見どこの学校の生徒か分からないが。 自然と見知った姿を探すように視線をうろつかせていた**]
(32) 2021/11/04(Thu) 06時頃
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/* よろしくお願いします。 遠足を前にはしゃぐ子どものように寝れないと困るので早寝してました
ふぉーちゅんは5(0..100)x1 7月生まれ 身長は150+3cm
(-7) 2021/11/04(Thu) 06時頃
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/* ……も、もうちょい身長が欲しい 41
(-8) 2021/11/04(Thu) 06時頃
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/* wikiを更新しました。まだ全員入村してないですし飛び入りさん募ってますし 書記どっち?? みたいにならないわかりやすい方がいいかと
ふぉーちゅんそのには88(0..100)x1
(-9) 2021/11/04(Thu) 16時半頃
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/* 背後的にはよくあることですが振れ幅が激しいですねえ
ところでこれはちょっとした懺悔なのですが 前回の校舎村9が生存者ふたりなのだけを見てまさか狼勝ちパターン!? と勝手に震えてたのですが どうも途中で一人抜けて最終日さんにん進行だったようですね……ちゃんと処刑襲撃状況を確認しろ
…………もしやどっかで飛び入り募集をしていた? とか考え出すと頭が痛くなるのでやめましょう どうあがいても過去には戻れませんしー
(-10) 2021/11/04(Thu) 16時半頃
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[ 賑わいはまだ遠い。
誰もいない教室を満たすのは ピンと張り詰めたような冬の空気。 静謐な空間に身を置けば、自然と背筋が伸びた。 ]
…… ふふ。 君達は可愛らしいな。
[ 朝の準備はあっという間に終わった。 点滅するスマートフォン。 手にとって画面を開けば、 クラスメイト達の会話が表示される。 高校生らしい和気藹々としたやり取り。 微笑ましいと、自然と眦が緩んだ。 ]
(33) 2021/11/04(Thu) 19時半頃
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[ 彼らのような気の利いた返しは不得手だが、 せっかくだ。自身も倣おうと。 特に面白みもない、大雪に対する留意喚起を示す文。 したためて、送信すれば、はてと首を傾げる。 ]
………… 圏外?
[ 積雪の影響だろうか。 生憎デジタル関係は浅学非才の身。
自身だけの問題か、ここら一帯の通信障害か。 判断がつかぬまま、どうすることもできぬまま。 迎えを呼ばなければならない為、 放課後には復旧すればいいと思うだけ。 ]**
(34) 2021/11/04(Thu) 19時半頃
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── 現在・通学路 ──
[ 交差点をすいすいと渡るわたしの足取りは、 案の定というべきか軽やかに、踊りだすように。
それはCMごっこの続きでもあったけれど、 チャットへの返信を見たからでもある。>>23>>30
みんな来ないかもだなんて、 わたしの思い違いだったらしい。
このぶんなら万が一休校の連絡漏れだとしても、 一緒に笑い飛ばしてくれる誰かがいるはずだ。
お気楽なわたしの言葉をやんわり制止するような、 副委員長たる彼女の声が簡単に脳内再生できる。>>30]
(35) 2021/11/04(Thu) 20時半頃
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[ ゴキゲンに歩みを進めていけば、 大きなお家のある通りを過ぎて。
目に入った人影におや、と思う。>>26 人通りが少ないから特に目を引いたけれど、 一度視界に入ればどうにも見覚えがある。
ほとんど駆け足みたいな速度で一度追い抜き、 振り返って、それがやはり見知った顔だと確信を得る。]
(36) 2021/11/04(Thu) 20時半頃
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