16 魔界のミッドウィンター祭【R18】
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[ 体を洗った後は、乾かしがてら周囲を偵察する。
身の丈ほどの真っ直ぐな枝が落ちているのを拾い上げ、小枝を取り除く。 それを槍代わりに、架空の戦場をシミュレーションした。
貫き、両断するのは魔性の手にかかった同朋たちの幻影だ。 もはや、自分にその役目が巡ってくることはないとわかっているだけに、天使の表情は無だった。
群れの全員を消滅させかけたところで、ふと、花の香りが流れてくるのに気づく。]
(-62) enju2 2021/12/27(Mon) 16時頃
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[ 花の気配を辿っていくと、大岩の上から陽光が差しているのが見えた。
否、あれは獣の光だ。
花は、その彩りを彼の方に向けて、咲いている。 大岩の周囲全体が、そうだった。
まるで、彼を崇める素朴な信徒たちのようだ。]
(-63) enju2 2021/12/27(Mon) 16時頃
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[ 天使は、おのれの翼のささやかな光には反応しない花を見下ろしていたが、指を伸ばしてそっと摘み取る。 その隣で、彼の方を向いて咲く花もまた。
いくつもの花を集めて、リースを編んでゆく。
たくさんの花が咲いている方へと進んでいけば、気付かぬうちに随分と大岩の付近まで来ていた。*]
(-64) enju2 2021/12/27(Mon) 16時頃
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[ リースを完成させて、その出来栄えに、ふっと微笑む。 集中を邪魔するものはなかったし、体も温まって軽い。 よい行いだったと思う。
と、何かの動く気配に、天使は、ハッと身構える。 ここは魔界の一角だということを思い出した。
見上げればすぐ側の大岩から獣の尾が垂れている。 それが動いたのだろうか。
うかつだった。]
(-66) enju2 2021/12/27(Mon) 17時半頃
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[ 天使は木槍と花輪を持って、その場を離れる。 気配を消すことはしなかった。
ほんの少し遠ざかるだけで、陽光の温もりが弱まるのを感じる。 惜しむべきか苛立つべきか。
自分の現在位置もよくわからなかったが、先ほどと同じようにして泉を目指そうと考えた。*]
(-67) enju2 2021/12/27(Mon) 17時半頃
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[ 後を尾けられているのに気づいた。 振り返って木槍を振り、追い払うような仕草を一度したけれど、後は無視することに決めて泉を探す。
背中がほんのりと温かくて、翼が自然と伸びる。 滑空を交えれば、跳ねるよりもう少し早く移動できるだろうか。
けれど、獣にそんな姿を見られるのも何だか悔しい気がして、翼は開いただけにしておく。]
(-70) enju2 2021/12/27(Mon) 19時頃
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[ 泉に到着すれば、花輪を水面に浮かべて膝をつき、祈りを捧げた。
主の御技を讃える歌もそれに供える。
さて、後は獣の領域の果てを探しにでも行こうか。 逃すつもりはないと言っていたから、どこかで邪魔しに入ってくるだろうが、だからと言って取りやめる気もない。*]
(-71) enju2 2021/12/27(Mon) 19時頃
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[ 壁も川もなかったが、そこが境界だとはっきりわかる場所につく。 光る獣の恩恵の終焉。その先に美しい花はない。
天使はそこで足を止め、振り返って、距離を置いて獣がついてきているのを目にする。 そこにいるだろうと予測はしていたから、驚きはなかったが、複雑な曲線を描くその角に、天に捧げた花輪がひっかかっているのを見て、目を細めた。
贄の獣のようだ。
目を合わせたまま後退り、境界をこえる。 自ら彼の元へ帰るなど、選べぬ話だ。*]
(-74) enju2 2021/12/27(Mon) 21時頃
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[ 境界の外は、空気の匂いからして違う。 たちまち目眩がしてくる。 これは、飛ぶどころではない。
それでも、よろめいたりするわけにはいかなかった。 木槍をついて体を支える。
見る間に周囲の澱みが蠢いて、異形の影が滲む。
さっそくお出ましか。]
(-78) enju2 2021/12/27(Mon) 22時頃
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[ 獣の威光を恐れて、領域侵犯もできない連中だ。 たいした実力はないだろう。
それでも、切り抜ける望みは抱いていない。 自分は動けなくなるまでに、たくさんの穢れた傷を負うだろう。
ここには執行天使はいないのだから。
── 救いはない。]
(-79) enju2 2021/12/27(Mon) 22時頃
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[ その時、獣の深い声が背中越しに届く。 闇を払い、花の香を纏って。]
── …、
[ 執行──せざる者。
主が顧みぬ者を迎えに来た獣の陽光色のたてがみを、天使は指で掴んだ。*]
(-80) enju2 2021/12/27(Mon) 22時頃
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[ 体が軽々と乗せ上げられる。 伸びてきた金の体毛は、縛るのではなく、包み込むようだった。
彼の体温が伝わってくる。
ずっと埋もれていたいような安心感があったが、そうしていられたのはほとんど一瞬に思えた。
ねぐらに辿り着き、獣は器用に扉を開ける。 舌で天使を舐めた理由はわからない。]
(-83) enju2 2021/12/27(Mon) 23時頃
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[ 優しげな声で呼ばれ、簡単な指示をされる。
今なら従うと思っているのか。 無視しても、彼は困りはしないのだろう。
あれは魔性だから──いけない。
天使は外から扉を閉めると、その扉に寄りかかって目を閉じた。*]
(-84) enju2 2021/12/27(Mon) 23時頃
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