10 冷たい校舎村9
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…………。 ああ、そっか。
[ ゆっくりと自分の身体を抱きしめながら、 あれら全てがただの夢じゃなかったんだな、と。]
(+55) 2021/06/13(Sun) 00時半頃
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[ 変化はもう一つ。 …………ひどく、静かだった。]
(+56) 2021/06/13(Sun) 00時半頃
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[ そこまでして、携帯の通知に気付く、 利美からのメッセージ>>3:+4。 黒沢ちゃんの現状を示される文には、 ああ、成る程ねと。一応の納得をして。]
……やっぱり、図太い人の仕業だったね。
[ 彼女の言っていた形容を思い出しつつ、 小さくため息を吐いた。 両親はもう仕事に行っていた。 綿見家がこんなに静かであることを、初めて知った。 身支度を済ませれば、ゆっくりと病院へ向かおう。]
(+57) 2021/06/13(Sun) 00時半頃
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―― 病院/待合室 ――
[ 集中治療室付近とか、初めて行くんだけど。 そもそも滅多に病院にも罹らないし。
若干まごつきながら、病院の待合室に なんとなく座っていることにした。
いや、だって、こう。 もしかしたら彼女の悩みの一端に 私がなってたりもするかも知れないじゃん? 流石にちょっと気まずさはある。]**
(+58) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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── 現在・病院 ──
[ バラエティ番組の反省部屋と比べれば、>>+44 このはずいぶんと静かだった。病院だもの。
それ以上聞いてこなかった番代に、 慎一がマネキンの話をすることはないし、
──あ、でも。 あまり口を挟まず話を聞いてた九重に、 「あのお札、なに……?」って、 怖々聞いてみたりして。
……専門的で難解な呪文みたいな、 オカルトトークが返ってくるんだとしても、 聞かなきゃよかったとは思わないよ。]
(+59) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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[ 意味のわかんない動作をする慎一と、 それに首を傾げる番代。>>+44 その視線を感じたなら少し笑って、]
……手の届く範囲って、 意外と限られてるんだなあ、って。
[ やっぱり意味がわかんないかもしれないけど、 一応、そんな説明だけは加えておこう。]
(+60) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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……そーだよ。
ちょっとだけ落ち着くから、 パニクったときとか、オススメ。
[ とりあえず気分を落ち着かせたいとき。 あるいは今みたいに、 無意識にしたって気分の落ち着かないとき。
慎一はそういうの、ちょっと詳しいんだ。 日常にそういうタイミングがちょっと多いからね。
だから、知ったような口をきく。 何も自慢できることではないけれど、 ふふん、という感じに笑っていた。]
(+61) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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[ それから間もなくのこと、 綿見もその場所にやってきたかな。>>+58]
……おかえり。 綿見も反省部屋の仲間入りかあ。
[ 今度は「おかえり」を慎一が言おう。 さっきまでの冗談を引用しつつ、 なんか、女子ばっかだな……って思ってた。**]
(+62) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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— 就寝前:保健室 —
[わたしが綿見さんのこと>>3:687を知ったのはいつかな。 柊くんの話している時? 教室の黒板>>282を見たから? それとも保健室のベッドが二つ、埋まらなかったから?]
……。
[わたしは泣かなかった。でも笑えもしなかったと思う。 向井くんの時は泣いている人がいたから笑えただけだ。
楽しいだけの場所だったなら、 綿見さん>>2:458はずっといたかったのかな。 わたしは現実じゃないを肯定した綿見さん>>2:583の、 一拍遅れた言葉の間の意味を知らないままだ。
今度は向井くんと綿見さん。 チャイムがなる度に二人いなくなる。 帰ったんだと、思ってる。]
(290) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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[保健室に乃絵ちゃんは戻ってきてたかな。 ひとつのベッドから掛け布団が消えて>>106、 昨晩綿見さんも参加してくれたお茶会>>522で食べた ドーナツとチョコの残りがテーブルに纏められている。
こんなに4人の形跡が残るのに、 もうここにはわたしと乃絵ちゃんしかいない。]
乃絵ちゃん。
[もう寝るという頃かな。 わたしは乃絵ちゃんの名前を呼んだ。]
……お腹空いた。
[わたし、結局今日一日何も食べてないんじゃないかな。 どんなに悲しくても、どんなに寂しくても、 他人事だと思ってた感情がわたしを呑み込んでもお腹は 空く。眠れないのはそのせいってことにしてほしい。]
(291) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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空いた、から……、
[わたしは制服のポケットを漁ってぼたんに触れた。 これはひとみちゃんが渡してくれたお守り。 手のひらの真ん中に入れてぎゅっと握りしめる。
反対の手はポケットから取り出して傍らに置いていた お財布に触れる。鈴みたいに振ると乱雑な金属音がする。 この中のひとつだけ、銅の音だ。……どれだろう。
樫樹くんにまつわる物はわたしの手にない。 言葉を躊躇う理由がなくなってしまった。]
(292) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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一緒にクレープ、作らない?
[わたし、昨日は聞いたのに、 今日は乃絵ちゃんのご飯聞いてなかった。
だから乃絵ちゃんが 朝から最後のクレープ>>3:33を食べたことも、 夜パンケーキ>>282を食べようとしたことも知らない。]
……綿見さん、からね。 教えてもらったレシピがあるの。
[クレープが残っているかも知らないわたしが 最初から作ろうと言ったのはそれが理由だ。 文化祭の時に綿見さん>>0:884が教えてくれたレシピ。 夢の形が壊れないようにって言い訳して、 結局は1人で料理することが怖くて眺めるだけだった わたしのガラスの靴>>1:270。]
(293) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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……どう、かな。 今日も一緒にワルイコト、してくれる?
[わたしは乃絵ちゃんの様子を伺った。 だって、いろいろあったもの。ありすぎたくらい。 乃絵ちゃんが辛そうならすぐに撤回するつもりで、 わたしは乃絵ちゃんをまっすぐ見ている。]**
(294) 2021/06/13(Sun) 01時頃
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夜笑国 メイは、メモを貼った。
2021/06/13(Sun) 01時半頃
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/* 柊くんも音楽室の後鳩羽くんといるので、時間拘束自体は齟齬起きないはず。 だから気にするのは心情とか話す内容とかですね。 どなたも動きにくくないようにがんばりましょう。
それでも乃絵ちゃんと話したかった……! ノエチャン!
(-58) 2021/06/13(Sun) 01時半頃
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/* 黒板忘れてた明日ね。
>>282綿見さん帰宅・代理マネキン調理室
元々自分用なので一番必要としているのは自分です。 永遠に迷子……。
(-59) 2021/06/13(Sun) 01時半頃
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―― 調理室へ:柊君 ――
死に損なったら悲惨って言ってたから、 試し始めたら、もう止まる気はなかった気がする。 ワンチャンかけて、かあ。 綿見さんならないとは言い切れない……気もする。
[ 歯止めがきかなかったっていうのは なんだか違う気がした。>>284 綿見さんはやり始めたら やり遂げようとする人の気がした。 わかったようなことを言ったけど、 全部推測だし、真相は闇の中。 ……ううん、帰れば、聞けるかもしれない、よね。 忘れてた。そういう未来の可能性、忘れてた ]
(295) 2021/06/13(Sun) 01時半頃
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うん、見たことのある写真ばっかりだもの。 こうやって見ると、いっぱい撮ったよね。
[ 文化祭での出し物が屋台に決まって、 広報係が始動してから、文化祭打ち上げまでの写真。 夏休み中の準備の写真。当日の写真。 カメラ目線の写真、 クレープに目を落としてデコレーションしてる様子、 目玉(物理)商品の写真もあるし、 準備が一段落して休憩中の写真もあったりする。 カメラを向けられてるのに気づいてない、 お仕事中の写真もあったよ。 我ながらいい仕事をしたって 私、胸を張って言えると思う ]
(296) 2021/06/13(Sun) 01時半頃
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[ これは過去のことなのに、 今、私たちは文化祭の校舎を歩いてる。 なんだかとっても不思議な感じ。 柊君が、もの悲しいって思ってること、>>285 私は気づかない。気づけない だって私には、そんな発想がまるでないから ]
(297) 2021/06/13(Sun) 01時半頃
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[ 私は、やさしくなんかないと思う。 マネキンと代わることが帰る方法なのだとしたら、 そのために死ななくちゃならないのだとしたら、 そんな帰還方法ってどうなのって システムに理不尽を感じてるだけ ]
(298) 2021/06/13(Sun) 01時半頃
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[ だってみんな、痛い思いなんてしたくないでしょ? 私と違って。 私?私だって、死ぬほどの目に遭うつもりはないけど。 だから手首以外の場所は切れずにいるんだし ]
(299) 2021/06/13(Sun) 01時半頃
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……そうなんだ。
[ ちょっと意外だった。>>286 だって次のチャイムの後は 3人になっちゃうかもしれないのに。 そんな世界に、ずっといてもいいかななんて。
見限られたくない。 そんな、私の持ってる気持ちと同じものを、 柊君も持ってるらしい。 だから? 柊君も疲れちゃった? ……って、思ったけど ]
(300) 2021/06/13(Sun) 01時半頃
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そっか。苦しくても、帰る、か。
[ 柊君は、帰りたい、帰るって言いきった。>>288 帰るためには、 この校舎で死ななくちゃいけないとしても。 痛かったり、苦しかったりするかもしれなくても、 それでも ]
きっと、大丈夫だよ。
[ ヤなことも多い現実。 見限られないように、捨てられないように、 必死で生きなきゃいけない現実 ]
(301) 2021/06/13(Sun) 01時半頃
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痛い思いして死んででも、帰りたいって思うんでしょ。 文字通り死ぬ思いをしてわざわざ帰るんだもん、 そんな柊君が、現実でやっていけないわけがない。
[ 現実に、そこまでの価値を見出したってことでしょ。 それなら、きっと大丈夫。 我ながら、何目線?って感じだけど ]
(302) 2021/06/13(Sun) 01時半頃
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……わたし?
[ そう問い返されて、>>289 私、初めて気づいた。 帰るってことについて、 今すごく他人事みたいに考えてたことに。 だって、全然ぴんと来ない。 この校舎で死んでしまう自分が思い描けない ]
(303) 2021/06/13(Sun) 01時半頃
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帰るためには、この世界で死ななきゃいけないとしたら、 やっぱり、ちょっと怖いな。
[ それは嘘じゃない。私、死ぬのが怖い。 殺されるのも、自殺も、どっちも怖い。 だけどそれって、 厳密には帰りたいかどうかの答えにはなってないよね。 柊君に気づかれちゃうかな。 気づかれそう。だって柊君は聡い。 だから、私は先手を打った ] ……ところで、 さっきからちょっと気になってたんだけど、 柊君、手、どうしたの?*
(304) 2021/06/13(Sun) 01時半頃
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[ 食堂のパンケーキには、 綿見さんの字で食べてねってメモが添えてあった。 私、それを食べながら、 クレープと違ってお礼が言えないなって思った。 帰ってから伝えればいい。 そんな発想は、やっぱり私から出てこない ]
(305) 2021/06/13(Sun) 02時頃
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[ 認知のゆがみ。 窓から降りこんでた雪は、すぐに掃除したのに、 私は一度だって、廊下に散らばるカッターナイフを 掃除しようとは思わなかった。 こっそり使ったカッターナイフを、 紛れ込ませるように捨てることさえ、した。 物を踏んで歩くなんて行儀が悪い。 それなのに、上履きの底を信じ続けた ]
(306) 2021/06/13(Sun) 02時頃
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―― 夜:保健室 ――
[ 昨日は4人いた保健室に、今日は芽衣と2人。 芽衣は黒板を見た?>>290 まだ見てなかったら、私が伝えた。 いくら待っても、綿見さんは来ないってこと。 保健室には、まだ番代さんや、 綿見さんが確かにいた痕跡が残ってるのに、>>291 もう2人はこの校舎のどこにもいない。 私も芽衣も、そんなに賑やかなタイプじゃない。 昨日は賑やかなパーティーをしたのが嘘みたいに、 今日は静かだった ]
どうしたの?
[ 私も芽衣も、明日の話をしない。明日の朝の話をしない。 名前を呼ばれて顔を向けたら、 思わぬことを言われて、私は目を丸くした ]
(307) 2021/06/13(Sun) 02時頃
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え、芽衣、ごはん食べてないの?
[ それとも、食べたけど小腹が空いた? わからないけど、おなかが空いたっていう芽衣に、 我慢しよ?なんて私は言わない。 今日は夜抜け出すつもりはないよ。 そんな下心なしに、私、いいよって頷こうとして ]
(308) 2021/06/13(Sun) 02時頃
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……ワルイコトじゃ、ないでしょ。
[ 夜のもう遅い時間に、 母が夜食を持ってきてくれることがあった。 受験勉強の合間にそれを食べるの、 私、少し楽しみだった。 夜食を食べるのは私だけだったから。 母が私のためだけに作ってくれたものだったから ]
(309) 2021/06/13(Sun) 02時頃
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