10 冷たい校舎村9
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シンイチに6人が投票した。
クロエに1人が投票した。
シンイチは村人の手により処刑された。
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マナ! 今日がお前の命日だ!
2021/06/12(Sat) 00時頃
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時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
マナが無残な姿で発見された。
現在の生存者は、ユンカー、クロエ、メイ、レン、ヒイラギの5名。
キーンコーンカーンコーン…………
(#0) 2021/06/12(Sat) 00時頃
──午後8時50分
時間はいつだって、誰にだって平等だ。
白い嵐に霞んでいてよく見えないが、
今日も日は昇り、落ちて、夜が訪れる。
今なお終わらない文化祭を、
君たちは楽しんでいる頃だろうか。
忍び寄る夜は今日も凍てつくように厳しい寒さだ。
(#1) 2021/06/12(Sat) 00時頃
そして四度目のチャイムが鳴り響く。
向井慎一と綿見茉奈が見当たらない。
(#2) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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/* ままままにあってよかった…………。
(-0) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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マジメで自己チューでやくたたず仲間。 友達がいなさそうな私たち。 ……なんてね。嘘だよ。私、向井君のこと、 自己チューだとも役立たずだとも思ったことなかった。 私の目には、向井君はいつも一生懸命に見えてた。 私のことをよくえらいって言ってくれる向井君には、 私も一生懸命に見えていた? だったら私たち、一生懸命仲間だったのかもね。 向井君が一生懸命生きていく人生はこれからも続くから、 その世界が少しでも 向井君にとって息のしやすいものであることを願ってる。 カッターナイフで怪我をさせちゃってごめんなさい。
(*0) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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多分、現実世界での会話を全部足したよりも、 この校舎でたくさん言葉を交わした気がする。 私のことがきっと好きじゃなかったあなたまで、 こんなところに呼んでしまったこと、 申し訳ないと思っていたけど、 でもやっぱり来てもらってよかった。 私の大事な文化祭には、綿見さんは欠かせなかった。 綿見さんのお陰でたくさん増えたクレープのメニュー、 直接感謝が伝えられなかったから、精一杯絵に込めた つもりだったけど、伝わってたかなあ……? 最後に黒沢ちゃんって呼んでもらえて嬉しかった。 ありがとう、綿見ちゃん。
(*1) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[ 結局のところ、 計画的だったのか、 衝動的だったのか、 自分でもよくわからない ]
(0) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[ 多分、最初は、そんなつもりなかった。 いつものように、手首に当てた刃を滑らせて、 ……でも、今夜はそれじゃ足りなかった。 こんな痛みじゃ、全然足りない。 心の痛みを誤魔化せない。 もっと、もっと、もっと、もっと痛くしなくちゃ。 カッターナイフってすごく便利。 折ればすぐ新しい刃が使えて、切れ味が戻るから ]
(1) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[ 切って、切って、切って、気づいちゃった。 このまま続ければ、私死ねるんじゃない? 全部全部、終わりにできるんじゃない? 気づいちゃったら、もうその誘惑に抗えなかった。 それが一番いいって、もうそれしかないって思った。 止まれなかった ]
(2) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[ カッターを握ったまま、メールを打った。 伝えたいこと、伝えておかなきゃいけないこと、 なんだったっけ。早く。早くしなきゃ。 追い立てられるようにメールを作成して、送信して、 送信完了を確認したら、ベッドにスマホを放り出して、 心が痛くなくなるまで、無心に刺した。 手首だけじゃ足りなかった。どこもかしこも刺した。 刺してる瞬間だけ、心の痛みを忘れた気がした ]
……あ、ありがとうって入れるの、忘れちゃったな……。
[ 一番伝えなくちゃいけない言葉のはずだったのに。 これだから私は出来が良くない。 こういう詰めの甘さ、嫌になっちゃう。 だけどこれだけは、やり遂げてみせる。 きちんと自分で引導を渡してみせるから。 だから、だからどうか。 私のこと、見限らないで。 お願いです。■■■■■■■■■■■■■■■■■ ]
(3) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[ 私をみんなの仲間でいさせてください ]
(*2) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[ 廊下中の壁に、写真が貼られている。 見るとそれは、文化祭準備期間から 終了後の打ち上げまでの3-9のみんなの写真だ。 宣伝に使ったもの、グループチャットで流されたもの、 きっとみんなが見たことのある写真ばかり。 剥がしても大丈夫。 いつの間にか元通りになっている* ]
(4) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[脱皮したばかりの表皮は柔らかい。 これは、そういうお話。]
(5) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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— 朝、渡り廊下を離れてから —
[わたしはあの後、何をしていたんだっけ。 たぶんどこかをふらふらと彷徨い歩いていた気がする。 たとえば、探索してない3階も見にいったような。
運のいいことに、人とすれ違うこともなかったっけ。 少なくとも、わたしが認識する範囲では。
そんな風にぼーっと歩いていたから、 足元が無意識に歩きやすい道を選ぶのは、 そう不思議なことでもなかったはず。]
(6) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[時刻はお昼過ぎとかそれくらい。 スマホで確認したから間違いないと思う。 思うって曖昧なのは、 日付>>3:#1がわたしの思う数字とひとつ違ったから。 電波が届かないとこうなるのかなと思ったけど、 そもそも現実と違うここではどっちでもいいことだった。
このスマホは夜のひとみちゃんに役立ててもらうもの。 すぐに電源を落として、 わたしは目の前の扉に貼られた紙>>3:417を見た。]
・・・・・・。
[『注意! 番代さんに似たマネキンがあります』
わたしは黙ってドアノブへ手をかける。]
(7) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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— 昼、教材倉庫 —
[重い扉を開くと、僅かな埃っぽさが鼻をくすぐった。 図書館までとはいかないけれど、 紙の匂いやチョークの粉っぽい香りがする。
重い扉が閉まって外の光がなくなってしまう前に、 わたしは壁に設置されたスイッチを押した。]
・・・・・・。
[わたしが目にしたのは赤く広がる血だまりと、 ところどころ赤の滲んだ掛け布団>>3:416。 一部>>3:421、僅かに血が擦れた場所もあった。 血だまりだけでなく、棚まで血の飛び散った跡があり、 何かが破裂したような感覚を覚えた。]
(8) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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/* あ、病院に乃絵ちゃんの母親が付き添ってるって点を忘れてることに今気付いた!!
抜けがね、多い
(-1) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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これ・・・・・・。
[奥の掛け布団が目立つけど、 その脇には小さな足跡があった>>2:646。 乃絵ちゃんも綿見さんもひとみちゃんも違うはず。 もちろんわたしのものでもない。
わたしは上履きと靴下を脱いで入り口近くに寄せた。 裸足になった足を跡と並べれば歴然だ。]
子どもの、足跡。
[わたしはその足跡を追いかけることはせず、 その傍ら、震える指で掛け布団を持ち上げた。]
(9) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[わたしの腕では一回で布団を全部捲ることはできない。 最初に見えたのは紺色>>2:647。 指に巻いていたはずのハンカチを強く握り締めたのか、 昨晩見た時より皺が目立つように感じられた。]
ひとみちゃん。
[これは、ひとみちゃんだ。 割れた腹も球体のついた腕も見えたから人形なのは 分かっているけど、これは、ひとみちゃんだ。
鳩羽くんの爪も結局つつくまでは至らなかった。 だから血や刃がわたしの手に触れたことは一度もない。
でもわたしはそんなことを気にするのも忘れて、 腹からの血が飛び散った輪郭に手を伸ばし、触れた。]
(10) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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