10 冷たい校舎村9
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マナ! 今日がお前の命日だ!
2021/06/12(Sat) 00時頃
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マジメで自己チューでやくたたず仲間。 友達がいなさそうな私たち。 ……なんてね。嘘だよ。私、向井君のこと、 自己チューだとも役立たずだとも思ったことなかった。 私の目には、向井君はいつも一生懸命に見えてた。 私のことをよくえらいって言ってくれる向井君には、 私も一生懸命に見えていた? だったら私たち、一生懸命仲間だったのかもね。 向井君が一生懸命生きていく人生はこれからも続くから、 その世界が少しでも 向井君にとって息のしやすいものであることを願ってる。 カッターナイフで怪我をさせちゃってごめんなさい。
(*0) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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多分、現実世界での会話を全部足したよりも、 この校舎でたくさん言葉を交わした気がする。 私のことがきっと好きじゃなかったあなたまで、 こんなところに呼んでしまったこと、 申し訳ないと思っていたけど、 でもやっぱり来てもらってよかった。 私の大事な文化祭には、綿見さんは欠かせなかった。 綿見さんのお陰でたくさん増えたクレープのメニュー、 直接感謝が伝えられなかったから、精一杯絵に込めた つもりだったけど、伝わってたかなあ……? 最後に黒沢ちゃんって呼んでもらえて嬉しかった。 ありがとう、綿見ちゃん。
(*1) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[ 結局のところ、 計画的だったのか、 衝動的だったのか、 自分でもよくわからない ]
(0) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[ 多分、最初は、そんなつもりなかった。 いつものように、手首に当てた刃を滑らせて、 ……でも、今夜はそれじゃ足りなかった。 こんな痛みじゃ、全然足りない。 心の痛みを誤魔化せない。 もっと、もっと、もっと、もっと痛くしなくちゃ。 カッターナイフってすごく便利。 折ればすぐ新しい刃が使えて、切れ味が戻るから ]
(1) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[ 切って、切って、切って、気づいちゃった。 このまま続ければ、私死ねるんじゃない? 全部全部、終わりにできるんじゃない? 気づいちゃったら、もうその誘惑に抗えなかった。 それが一番いいって、もうそれしかないって思った。 止まれなかった ]
(2) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[ カッターを握ったまま、メールを打った。 伝えたいこと、伝えておかなきゃいけないこと、 なんだったっけ。早く。早くしなきゃ。 追い立てられるようにメールを作成して、送信して、 送信完了を確認したら、ベッドにスマホを放り出して、 心が痛くなくなるまで、無心に刺した。 手首だけじゃ足りなかった。どこもかしこも刺した。 刺してる瞬間だけ、心の痛みを忘れた気がした ]
……あ、ありがとうって入れるの、忘れちゃったな……。
[ 一番伝えなくちゃいけない言葉のはずだったのに。 これだから私は出来が良くない。 こういう詰めの甘さ、嫌になっちゃう。 だけどこれだけは、やり遂げてみせる。 きちんと自分で引導を渡してみせるから。 だから、だからどうか。 私のこと、見限らないで。 お願いです。■■■■■■■■■■■■■■■■■ ]
(3) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[ 私をみんなの仲間でいさせてください ]
(*2) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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[ 廊下中の壁に、写真が貼られている。 見るとそれは、文化祭準備期間から 終了後の打ち上げまでの3-9のみんなの写真だ。 宣伝に使ったもの、グループチャットで流されたもの、 きっとみんなが見たことのある写真ばかり。 剥がしても大丈夫。 いつの間にか元通りになっている* ]
(4) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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/* 更新後の準備に追われてて、今綿見ちゃんの読んだ。 現実ではちゃんとひとつになれたのかな…
(-3) 2021/06/12(Sat) 00時頃
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―― 廊下:鳩羽君 ――
[ 友達がすごいのを喜べるところ、>>15 鳩羽君のいいところだと思う。
他の人が機嫌よく過ごせるように気遣う柊君。 誰かが嫌な思いをしないように笑う鳩羽君。 表現の仕方はちょっと違うけど、 やっぱり2人は似てると思う。 柊君はそうは思ってないかもしれないけど。>>2:235 でも、嬉しいらしい鳩羽君の肩を私も持ちたい>>16 ]
(42) 2021/06/12(Sat) 01時半頃
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[ いたらいいなあ、って。>>18 人のためにあんなに一生懸命になれる鳩羽君に、 いないわけないでしょうに ]
鳩羽君には、いるでしょ。 でもね、別に無理に変わろうとしなくていいと思う。 だってそういうところ、長所でもあると思うから。
[ 長所と短所は紙一重だとか表と裏だとか言うじゃない。 他の人に嫌な思いをさせたくないって思うのも、>>19 鳩羽君のいいところだと私も思うもの ]
(43) 2021/06/12(Sat) 01時半頃
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でも、大事な友達にかけられる迷惑は、 きっと迷惑じゃないよ。 辛い思いをしてるのを無理やり隠して笑われる方が、 辛い気持ちを共有するよりも辛いって思う人もいるよ。 ……ってことを、知ってるのと知らないのとでは、 ちょっと違うかなと思って。
[ 覚えとくって鳩羽君は言ってくれた。>>20 だから、それでよかった ]
(44) 2021/06/12(Sat) 01時半頃
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そうそう、今度しんどくなった時は、 「柄じゃあないでしょ!おしまい!」は>>0:1043 ナシにしてね。
[ 泣いたりできたらいいなって、鳩羽君が思えるならさ。 その相手は、別に私じゃなくてもいいから。
そんなことを考えてたら、 乃絵は?って私のこと聞かれた。>>22 私?私は…… ]
(45) 2021/06/12(Sat) 01時半頃
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[ “大したことある”状態になったら、 すぐに報連相すること>>0:817 見えるものが違うなら、いつか教えてね。>>3:260 思い出される言葉があって。 思い浮かぶ顔もあって。 でも、いるよ、ってきっぱりいうのは やっぱり私には難しい ]
……いる、とは、思う……んだけど。 難しいね、鳩羽君に偉そうなこと言ったくせに。 私もね、「大丈夫じゃない」って言うの、苦手だから。
[ 鳩羽君みたいに優しい理由じゃないけど。 私は、助けての伝え方もわからない、>>1:267 愚かな見栄っ張りだ* ]
(46) 2021/06/12(Sat) 01時半頃
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―― 午後8時50分:3-9教室 ――
[ その時、私は教室にいた。 だって、黒板に集まらないかって書いてあったから。 場所は書いてなかったけど、 教室の黒板に書いてあったのに、 違う部屋に集合ってことはないでしょう。
鳩羽君がそわそわしているのを眺めながら、>>24 私は席に座っていた。
チャイムが鳴る。>>#0 我慢できなかったように鳩羽君が飛び出していく>>26 ]
(47) 2021/06/12(Sat) 02時頃
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[ 私は、綿見さん、来ないなって思っていた。 番代さん似のマネキンのことを書きに、 一緒に教室に来たんだから、 綿見さんも集合の提案はもちろん読んでいたはず。 読んだけど、あえて来なかった。 ……ありそう ]
(48) 2021/06/12(Sat) 02時頃
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[ それなら、よかった。その方が、よかった。 芽衣も来てない。黒板を読まなかったから? 私も椅子から立ち上がる ]
(49) 2021/06/12(Sat) 02時頃
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[ 廊下に出ようとして、息を飲んだ。 廊下の壁に、何か……写真が、 私のよく知ってる写真が、ここにも、そこにも ]
(50) 2021/06/12(Sat) 02時頃
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[ なんで、っていう気持ちを振り切って、 私は綿見さんの根城に向かう。>>3:676 教室に来なかった綿見さん。 あえて来なかっただけ。落ち着く根城にいるだけ。 そうだよね?って確かめたくて ]
(51) 2021/06/12(Sat) 02時頃
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―― 調理室 ――
[ 私の予想、半分だけ当たってた ]
どうして、そんな隅っこにいるの? ここ、綿見さんの縄張りでしょう。
[ 違う。これは、綿見さんによく似てるだけで、 綿見さんじゃない。 人間ですらないお人形だ。 それなのに、私は話しかける ] ……自殺の線は薄いって、綿見さん、言ったじゃない。
[ どうして自殺を図ったみたいな格好になってるの。 いや、これは似ているだけであって、 断じて綿見さんじゃないけど ]
(52) 2021/06/12(Sat) 02時頃
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綿見ちゃんって、呼べなかったじゃない……。**
(53) 2021/06/12(Sat) 02時頃
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―― 調理室 ――
[ ぽんと肩を叩かれて、我に返る。 柊君が来てたの、全然気づいてなかった。>>66 私は柊君の顔を見上げて、 平気って言おうとして ] 平気……では、ない、かな。
[ 平気なわけないよ。そんなの、当たり前じゃない。 いつも冷静で落ち着いているのが優等生? 平気だよって笑うのが正しい姿? だとしたら私、 そんな血も涙もない生き物になれなくていい ]
(76) 2021/06/12(Sat) 10時半頃
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今朝、元気だったのに。 番代さんみたいなマネキンに、一緒にお布団かけたのに。 どうして、こんな、
[ まるで自殺したみたいなマネキンと代わってるの。 そんなことは口に出して言えない。 だから、代わりの言葉を探した ]
……帰った、んだよね。 だって、私たちだって、 いつまでもここにいるわけじゃないでしょう? 先に帰っただけ。そうだよね。
[ 私はその答えを持ってない。 誰もそうだとも違うとも証明できない。 そんなことわかってる。わかってる、けど、 そうじゃないかもしれない可能性なんて、 考えたくもなかった* ]
(77) 2021/06/12(Sat) 10時半頃
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―― 調理室 ――
[ 柊君は、正直だった。安直な慰めの言葉なんか言わない。 かもしれないっていう正直すぎる返事に>>95 私、思わずちょっと笑っちゃった ]
そこは「きっとそうだと思う」くらいに しておいてくれてもいいのに。 ……ありがとう。もう、大丈夫。 [ 無理して笑わなくてもいい。 けど、ちょっとでも笑ったら、 後から元気が追い付いてくることって、あるよね。 平気とは、まだちょっと言えないけど ]
(105) 2021/06/12(Sat) 12時頃
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[ 九重さんにはカーテンをかけた。 あれはただのマネキンで、 九重さんはどこかにいると思ったから。 だけど、今はそうじゃないってもう知ってる。 これはただの綿見さんに似たマネキンだけど、 でも、この校舎のどこにも、もう綿見さんはいない ]
カーテンじゃなくて、お布団、かけてあげてもいいかな。 男子には毛布で我慢してもらってて、申し訳ないけど。
[ 柊君が包丁を片づけている間、>>96 お言葉に甘えて座らせてもらったけど、 カーテンを外そうとする柊君にそう言った。 大丈夫、立ち上がってもふらついたりしない。 一人でも取りに行けるけど、 柊君は保健室までついて来てくれたかも ]
(106) 2021/06/12(Sat) 12時頃
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綿見さん、自殺して、 うっかり死にぞこなったら悲惨だって言ってたの。 ……だからって、試してみなくてもいいのにね。
[ 掛け布団をかけたら 綿見さんによく似たマネキンは見えなくなった。 殺されたくなかったから、 自分で死んじゃったのかな。 そんなことを、ぼんやり思う ]
柊君、付き合ってくれてありがとう。
[ 調理室を出る時、 やっぱり柊君は面倒見がいいなって思いながら 私、そうお礼を言った** ]
(107) 2021/06/12(Sat) 12時頃
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―― 調理室 ――
[ 慰めて欲しい感じなら>>167 その言い回しも割とオブラート破れてませんか。 私、やっぱり笑っちゃう。 笑って首を横に振っちゃう ]
いらないいらない。 そういう気遣いは無用。
[ 心にもない慰めの言葉なんて 言われたくもなければ言わせたくもなかった。 背中をさすってくれる手に、 柊君の気遣いは十分感じてたから、それで十分です ]
(236) 2021/06/12(Sat) 23時頃
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[ カーテンをっていう柊君の気遣いが、 薄っぺらいとは思わない。 気遣いの対象が違うだけだと思う。 柊君は、マネキンを見るかもしれないみんなへの気遣い、 私は、マネキンと代わってしまった綿見さんへの気持ち、 だったら対応は変わって当然だと思う。 というか、気遣いの度合い?なんて、 比較するようなものでもないんじゃないかな。 カーテンでもいいって思ったのに、 お布団をかけたいっていう私の意思を尊重してくれる、 それも気遣いじゃないのかな。 ……なんてことはわざわざ言わないけど ]
(237) 2021/06/12(Sat) 23時頃
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[ やっぱり柊君は、保健室にも付き合ってくれた。>>168 ぽつりぽつりと綿見さんの話をする私に、 柊君は相槌を打ってくれる。 ぼんやり綿見さんのことを思い出していた私は、 柊君が手首を後ろに隠したこと、 この時は気づけなかった。
保健室で、綿見さんが使ってた掛け布団を回収する。 昨日の夜はここで4人でお菓子パーティーしたのに。 半分になっちゃった。
調理室に戻る道の途中、 柊君は、もう一体マネキンを見たことを教えてくれた。 多分それが、向井君に似ているであろうことも ]
(238) 2021/06/12(Sat) 23時頃
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