23 あの春の廃校だけが僕らの学校だった。
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ヤマトは、まだ、知らない。まだーー
2023/04/26(Wed) 00時半頃
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[少年が自身を穢れと言った時に、彼女は否定してくれた。
それは嬉しい赦しであったが同時、こんなにも無垢、こんなにも真白な彼女を見せつけられると、不似合いや不釣り合いが過った。
あまりに、彼女は美しく。 あまりに、彼女は儚く。
あまりに彼女はーー脆かった。]
……うん、付けて。
[少しだけ眼を細めて。彼女が少年の引き締まった素肌に刻印の儀式をするのを受け入れよう。]
(=0) 2023/04/26(Wed) 00時半頃
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大丈夫、怖くない。 ほらーー俺は此処にいるでしょう?
[不安そうな彼女に、精一杯の笑みを。
少年は知らない。この後で彼女がどうなるか。
少年は、本当に知らない。]
(=1) 2023/04/26(Wed) 00時半頃
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…わかってた。こうなること。
途中で。お願い、ニジノを、と打って。 消した…
だから、…
でも、でも
逢いたい
(-5) 2023/04/26(Wed) 00時半頃
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[少年は怒張を彼女に侵入させた。
荒々しく貫いた。何度も、何度も抉り。
彼女を愛した。]
……ニジノ。ありがとうな。 俺……
[言葉にならず、少年は彼女を抱き締めた。
どこかこの時、予感していた。 そうなるのではないかと恐れていた。
彼が言ったから。「俺が嫉妬してないと思っているのか?」
だからそう、これは。
ーー少年の罪だ。]
(=2) 2023/04/26(Wed) 01時頃
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……じゃあ、その後でいい。
(-7) 2023/04/26(Wed) 01時頃
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[二人の時を過ごして、少年は彼女と保健室を後にした。
去り際に。不安を口にしそうになり。 でも。
考え直して飲み込んだ。
彼女と別れて暫し後に、鐘が鳴り響く。 それは死者を弔うように。
慌ててバーチャルスマホを見た少年は。
彼女の死を知った。]**
(=3) 2023/04/26(Wed) 01時頃
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いく…
屋上。
(-9) 2023/04/26(Wed) 01時頃
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ー屋上ー
[スマホを確認した少年は、青ざめて、唇を噛んだ。 それから近くの壁を拳で叩いた。
何度も、何度も。]
……ッ!……ッ、…く、
[それから虚ろな瞳でLINEを打ち、そして。 屋上に向かった。
茫然と立ち尽くす。ただ、そこに立ち尽くして。 脱け殻のように。]*
(7) 2023/04/26(Wed) 01時頃
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大丈夫。
(-12) 2023/04/26(Wed) 01時頃
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保健室は出たが…
出た、が。
俺が保健室に一緒にいたのは、ニジノ。 別れた後、少しして。
チャイムが…
(-20) 2023/04/26(Wed) 01時半頃
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知らなかったけど。 知らなかった、けど。どこか。
そうなるんじゃ、て。
だってアイツが。アイツは、いっといでと言ったが、 ごちゃごちゃ話してたら最後に
「俺が嫉妬しないと思っているのか」て
だから。
(-22) 2023/04/26(Wed) 01時半頃
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凄く怖いのに。震えてるのに、まだ
俺、アイツを。鮫島を…まだこんなに。
(-23) 2023/04/26(Wed) 01時半頃
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でも、優先じゃないだろ! だってばれてたはずだ、ニジノの役職は。 なんの脅威でもないんだよ?
(-28) 2023/04/26(Wed) 01時半頃
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…平気、だから。
平気…
(-29) 2023/04/26(Wed) 01時半頃
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[全身が小刻みに震える。見開いた大きな瞳から、涙がボロボロ乱雑に溢れる。
バーチャルスマホの着信に、おぼつかない指先で返して。ふら、と手摺に近づく。
少年が彼から聞いていなかった事実を。 少年は彼女から聞いていて。
高い高い、闇に。奈落に。 飛び込むことすらないがーー
涙が止まることは、ない。]*
(16) 2023/04/26(Wed) 01時半頃
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ヤマトは、キリノをブロックしようとした。
2023/04/26(Wed) 01時半頃
ヤマトは、キリノに返信が出来ない
2023/04/26(Wed) 01時半頃
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[身体から力が抜けて。ずるずると座り込んで。
真冬のようにガタガタ震え。]
…くる、ッ、…て、
[目の焦点が合わない。怖くて怖くて。
そんな最中、締め付けられる胸に去来するのは彼。]
やだ、こわい、早く来て、はやく、
研吾ーー
[座り込んで立てた膝に顔を埋めたまま、動かなくなった。]**
(17) 2023/04/26(Wed) 01時半頃
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/* 優秀すぎる潜狂大和
し、しかしここまで大和壊れるとは! キャンプまで頑張って戻さないと
(-36) 2023/04/26(Wed) 02時頃
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/* 大和「鮫島もキリノも狂っている。サラを連れて逃げなきゃ」
やめろおお‼️
(-38) 2023/04/26(Wed) 02時頃
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ー屋上ー
[少年がニジノの死を知り、激しい慟哭に晒されてからどのぐらいが経過したか。
立てた膝に顔を埋めた姿勢の少年は、まるで生気を放たず其処にいた。
屋上の扉が開く音。 少しでも早く駆け付けようとする乱暴な足音も聴こえたはずなのに。
待ち焦がれた太い腕が少年を包んだのに。
ぴくり、と僅かに肩を震わせ、ゆっくり顔を上げるのみ。]
(41) 2023/04/26(Wed) 05時半頃
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ーー…あ、…
[喉が焼けたかのようで。声にならない。少年の光を失った瞳が漸くなにかを映すのにすら数分。
それは愛しい彼ではなくーー虚空を支配する月だった。]
(42) 2023/04/26(Wed) 05時半頃
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[広がる漆黒は輝きを引き立てるための供物でしかない。
蒼白い月は容赦なく少年を責め立てて来た。
ーーお前が殺したも、同然。]
(43) 2023/04/26(Wed) 05時半頃
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ち、が……う。俺、は。 俺はニジノの、こと、…
[声はまだ続く。
ーーお前が殺したも同じ。 お前は救えたのに、救わなかった。 むしろ彼女を仄暗い闇に叩き落とした。
ーー可哀想なヴィオレッタはどうなった? どんな末路を、迎えた?]
(44) 2023/04/26(Wed) 05時半頃
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……赦し、てーー
どうしても俺には、選べなかった。 どうして、もーー
[漸く少年は、彼に気付く。
その息遣いが、鼓動が彼だ。 彼が来てくれたならーー
人殺し!!
奇しくも、少年がキリノを激怒させた言葉を月が叫んだ。
最後、意識が途切れるギリギリに少年は彼の名を微かに呼び。 震える手を伸ばし。そしてーー
意識を失った。]*
(45) 2023/04/26(Wed) 05時半頃
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[暗い暗い闇が心を、身体を包む。
ーー月が綺麗ですね? 嗤わせるな。
そんな台詞から愛など、感じられる訳がない。 愛を伝えたいのなら、ハッキリと伝えてほしい。
脆い存在が壊れてしまわぬように。
ーー少年は気絶し、堕ちた。彼の腕の中へ。]*
(46) 2023/04/26(Wed) 06時頃
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[ニジノと保健室入りする前のLINE]
俺はリスなの?(TДT)鮫島が虎で俺ハムスターイメージはあるけど
サラはさ…ずっと。ずっと俺の背中をそんな小さな手で支えてくれんだな。 その後ろにキリノがいて、サラを支えているなら、間接的に俺はキリノにも。
サラがそうしてくれんのは、誰にでも優しいからな気がするが、違うね。勿論俺に変な気持ちがあるからじゃなく。
俺、鮫島に話したことある。 「可愛いふわふわ女子だが、サラは鋭い」って。 ニジノや野々花より、ずっと。
大人しくて可愛いだけじゃなく。 脆さもあるけど強さもあって。
だから。俺の脆さを見抜いて…そうだろ?
(-61) 2023/04/26(Wed) 09時半頃
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鮫島とのこと。二人きりでも、俺がこんなだからごたごたしてるが…俺の冷静な部分は、俺達は両想いだけど不器用してる、とは感じる。
そろそろ向き合わないと。鮫島と。
サラはちゃんと、キリノに向き合って、アイツを受け入れたんだろ?
女の子が受け入れるのは、覚悟がいるもんな(俺も大和子だが、女子にはエロい話しはしないから安心して/キリノに殺されるし)
と言いながら説明必要だから話すが。 鮫島は「何度も好きと言っている」「こんなに傍にいる」「抱いて大和が安心するからいつでもいくらでも抱く」
だが「恋人はいない」「浮気とかわからない」
そして俺を何度も抉る。男が求めるのは、愛してるを身体に刻みたいから。相手の身体に。
俺は向き合うのが怖い。「愛してる?」が聞けない。 「わからない」が返ってきて壊れるのが怖い。
でも、やってみる。
(-65) 2023/04/26(Wed) 09時半頃
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実は俺と鮫島が向き合わなかったせいで、ある人を巻き込み傷つけてしまったんだ。
俺の罪だ。
鮫島はーー鮫島も傷ついたから、加害者は俺一人。 だから。
向き合いたい。
サラの方は、どうだろう。恋愛的には不安はないだろうが、キリノから何か聞いてないか。 もしキリノから何か聞いて、少しでも疑問不安があれば(キリノの気持ちは疑わなくていいが)俺も力になれるかもだから聞いてね。
(-67) 2023/04/26(Wed) 09時半頃
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ー屋上→用務員室ー
[意識なく運ばれる。彼の体格からしたらどさ袋を肩に担ぐように少年を運べたとも思うが、優しく優しく抱かれて。勿論少年にはわからないのだが。
用務員室は畳敷で、ちゃぶ台、壊れたテレビ、出しっぱの敷布団があった。彼はそこへ少年を横たえたのだろう。
少年が睫毛を揺らして目覚めるのは暫し後。]
ん……
[記憶が混濁し、ボンヤリして。でも漆黒の瞳に彼を捉えたら、先程よりは落ち着いて、弱々しく笑んだ。]
研吾……、ここは。
[用務員室と気付く。起きるのは難しく、手を伸ばして。きっと握ってくれるよね。]
ーーゴメン。俺、倒れたのか。 月が…月が嗤いながら俺を責め立てて。 頭がおかしくなりそうだった。
(51) 2023/04/26(Wed) 10時頃
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……話、聞いてほしい。本当は、話せば更にあんたを苦しめるんだけど。でも。
[彼が聞いてくれるのはわかっているから、話し始めよう。]
……あんたに話した俺の相手は、ニジノだ。 透けてた、かな。
ニジノは名前を出さないでと言ったんだが… こうなってしまったのなら。
[ニジノは帰還して、少年の話を聞いているだろう。 少年はまた不実を重ねるのか。]
(52) 2023/04/26(Wed) 10時頃
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ニジノがいつから俺に惹かれてたかはわからない。 可愛いって俺が言った時から、なのかな。
自分でチョロいと言ってた。
でもなんか…可愛いと言ったり筋肉があれば誰でもとかじゃなかった気がする。
ニジノさ、あんなに綺麗に滑って踊れるが、現実では怪我で……脚に。ニジノの願いは脚を治すこと、だった。
[彼は知っているかもだが。そして。]
俺はニジノに妹の話をした。脚が悪いと。 俺と妹が寝てるのは、あんたにだけにしたかったから言わなかったが、ニジノは気付いて。
ニジノは俺に願いを言わないと言った。 その理由は、脚の怪我から、俺がニジノと妹を重ねないようにと…
あんたに愛されてるか不安で、ニジノに助けを求めた。 その時俺はニジノの気持ちも、俺の中に眠るニジノへの気持ちも無自覚だったけど。
(53) 2023/04/26(Wed) 10時頃
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