28 僕等(ぼくら)の
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狼
墓
少
霊
全
エニシに1人が投票した。
ヤマトに5人が投票した。
ヤマトは村人の手により処刑された。
時は来た。村人達は集まり、互いの姿を確認する。
犠牲者はいないようだ。殺戮の手は及ばなかったのだろうか?
現在の生存者は、ハロ、エニシ、ケイイチ、ヒイラギ、マユミの5名。
地上に輝く、獅子座と蟹座。
2戦目が終了して、
『アストロ』から、外へ転送された僕等は。きっと。
その後を追う様に、すぐに、
3人目に、『声』が届いてしまうなんて、思わなかった。
(#0) 2023/08/19(Sat) 00時頃
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[大和命の戦闘が終わり、地上に転送させられた>>3:355その直後の事だった。]
[────名を、呼ばれたのは。]
[康生は、胸元に手を置いた。いつもの仕草だ。そのままの姿勢で、残るパイロット一人一人の顔を見回した。天道縁、本郷真弓、乾恵一……そうして、口を開く。]
……なぁ。誰か、呼ばれた?
[恐らく……いや、確実に肯定の返事は返って来ないだろう。ドクンドクンと強く、五月蠅い程の鼓動が手の平に伝わる。常とは明らかに異なる、焦りと緊張と絶望に割り込まれた様な、違和感を覚えさせる程に脈を打ってしまっているのが、自分でも解ってしまった。]
や、俺も呼ばれてないよ。 呼ばれてはないんだけど…さ。
────次は、俺だって思っといて。
[それは、ある意味では正解で、ある意味では不正解だ。]
(0) 2023/08/19(Sat) 00時頃
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[名を呼ばれたのは、“私”なのだから。]
(1) 2023/08/19(Sat) 00時頃
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─契約者の名は─
[康生が入力した氏名は、自分の物ではなかった。]
氏名:柊木達見 ID:Hiiragi PW:twinheart ・・・・ [柊木達見。 ──康生の父である、“私”の名前だ。]
[なぜこんな事をしたのか。理由は単純だ。康生は、今も私と共に生きていると信じている。そして、私自身がレヴァンゲリオンの直撃世代でありファンなのを、康生は知っていたからだ。家に在るBlu-rayBOXも、嘗て私が購入したものだ。]
[私は、レヴァの最終作の映画を見ずして一度目の死を迎えた。康生は映画の話を知ると、態々Blu-rayを全て視聴してから映画館に赴いたのだ。共に生きる私が喜ぶかも知れない、ただそれだけの理由で。自分が興味を惹かれた訳でもない映画を、体調が回復しきっていない時期だったにも拘らず観に行った。この子は、そういう子だ。そういう子なのだ。憧れのレヴァに似たロボットを操縦出来たら、私がどんなに喜ぶだろうと。そう考えていたのだろう。]
(2) 2023/08/19(Sat) 00時頃
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[この氏名やID、PWの入力自体には、何の意味も無かった>>1:@23。だが、契約の際に板へと触れた身体──康生の中で脈打つ心臓──“私”は、命として認識されたのだろう。康生の五感を借りているだけの存在でも、意思や言葉を何一つ伝えられずとも、私は康生の胸の中でまだ生きているのだと。]
(3) 2023/08/19(Sat) 00時頃
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[通常、臓器を提供するドナーと、移植を受けるレシピエントが知り合う事は無い。手紙での連絡こそ可能だが、匿名性は互いに保たれる。]
[だが、例外が一つだけ存在する。それが、親族優先提供の意思表示だ。特定の個人を指名する事は出来ないが、移植を待つ親族が居た場合に、親族への提供を優先して欲しいという意思を事前に示す。その“親族”の範囲は、非常に狭い。親子か配偶者のみに限られており、兄弟姉妹さえ不可能だ。私の両親は早くに他界していたから、妻の明日香か息子の康生だけが対象だった。身体的な事情を考えれば、ほぼ康生に限られていたも同然だ。表明しない理由など無かった。妻も、他の親族に移植される可能性もある事を承知の上で、表明自体はしていた。息子が移植を待っている状態なのに、意思表示をしない親なんて居ない。仮に居たとしても、私達夫婦はそうではなかった。康生を支える為には生き続けなければならないが、もし万が一死ぬ様な事があるなら。そして、それでも心臓が無事であるなら、あの子にあげたいと願っていた。]
(4) 2023/08/19(Sat) 00時頃
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[その願いは、叶った。ある冬の日、康生の容態が危ういと連絡を受け、私は病院へと車を走らせていた。勿論気は逸っていたが、そういう時こそ慎重に運転する様に心掛けていた。康生の容態が悪くなるのは、初めての事ではない。あの子なら、きっと今回も乗り越えてくれると信じていた。信号は青。前の車と充分な車間距離を保ったまま交差点に進入し────其処からの記憶は無い。]
[意識を取り戻した時、瞳には病院の天井が映っていた。見知らぬ天井というフレーズが一瞬過り、それから事故を起こしてしまったのかと焦った。康生の容態も悪いのに、私まで入院なんて事になれば、明日香の心労──現実には、そんなものでは済まなかった訳だが──はどれ程のものになるのかと。まず、身体がどれだけ動くか確かめようとして、何一つ動かせない事に気付いた。まるで全ての神経が切り離されてしまったかの様に。]
(5) 2023/08/19(Sat) 00時頃
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[だが、感覚はある。感覚はあるのに、動かせない。いや、違う。私以外の意思で動いている。妻の、息子を呼ぶ声がする。視界が其方へとひとりでに動き、泣きはらした眼の明日香が映る。「母さん」と喉から出た声は、記憶に在る康生の物とは随分違って聞こえたが。それが却って事実の認識を早めた。]
[私は、康生の身体の中に居る。明日香から康生へと向けられた説明が、それを裏付けた。私はやはり事故に遭っており、その際に脳死状態に陥ったのだと。助からない私と、助かるかも知れない息子──妻は、移植に同意した。その選択を恨んではいない。寧ろ感謝している。私だって、逆の立場であればそうしただろう。明日香がそれを望んでくれると信じて。「お父さんは、康生の中で生きてるの。これからは、ずっと一緒よ」と言う明日香の言葉を聞き、康生は胸元へ手を伸ばした。手の平から、私の鼓動が伝わって来る。麻酔の切れ掛かっていた其処は酷く痛んだけれど、康生は手を離さなかった。酸素マスクの中で呟いた「父さん」という言葉は、私に──私にだけは、はっきりと伝わった。次から次へと涙が溢れた。それは紛れもなく康生の涙だったが、私も共に泣いていた。]
(6) 2023/08/19(Sat) 00時頃
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[明日香には本当に申し訳ない事をしてしまった。やり残した仕事も、心残りもある。けれど、これから康生に広い世界を見せてやる事が出来るかも知れない。何より、その成長を誰より近くで見守る事が出来る。明日香の傍に居る事も出来る。そう考えれば、これで良かったのだと思えた。]
[紛れもなくこれは、私に起きた“奇跡”だった。]
(7) 2023/08/19(Sat) 00時頃
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[あの日から約四年────声を聞いたこの日から、私達親子の最期の一週間が幕を開けた。*]
(8) 2023/08/19(Sat) 00時頃
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[ワタナベウェディングは、リゾートホテルで披露宴や挙式が行われる際に、準備を手伝うプロである。
今回は教会の確保等をお願いした。費用は格安で済んだ。牧師やカメラマンを手配したら高いが、僕ら二人だけが30分ぐらい教会を貸切、ごっこをするだけだから。 参列者は誰もいない。
そんな説明は控え室に向かいながら佐藤さんが主に話し、僕がごっこだよと補足した。
控え室はこじんまりした部屋だ。そこに用意してあるのは白のタキシードと、ウェディングドレス。]
(9) 2023/08/19(Sat) 00時半頃
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[ウェディングドレスはパニエでふっくらするプリンセスライン。ノースリーブで肩が出る。 恵一の趣味が思い切り出ている。可愛いのが好きだ。
ティアラ、ブーケなども用意されていた。]
『恵一くんのリクエストで用意したけど…うん、康生くんならきっと似合うわね。写真は本当にいいの?
じゃあゆっくり準備してね。
ご・ゆっ・く・り!』
[佐藤さんに僕は頷いた。 彼女が出ていくと二人きりだ。
思い付いてから予約や手配、貯めたお小遣いをはたいて僕はすべて内密に進めたが、彼は果たしてどう感じているのだろうか…。]*
(10) 2023/08/19(Sat) 00時半頃
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─退院直後 海辺から教会へ─
成程なー……? じゃあ俺も、その内照れんのかな。
[彼の照れに関する説明>>3:298>>3:299を聞きながら、康生は首を傾げた。彼の回答と、自分が独りの身体ではない事実とが上手く繋がらなかったからだろう。こう答える時点で、康生は彼を好きだとと思っているし、一緒に過ごすのも楽しいと思っている筈ではある。後は自覚だけか、と考えているのかも知れない。彼にとって、その“好き”がどれ程重いか、全然解っていないのだろう。だから、貝殻を受け取って彼が泣いた時も、大いに慌てた。]
えっ、ケイ!? ど、どしたんだよ。泣くなって〜! あ、ティッシュ使うか?
[涙を拭ってやる事は出来ないから、康生はポケットティッシュを差し出した。それから、彼が落ち着くまで宥めた。]
(11) 2023/08/19(Sat) 01時頃
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─退院直後 結婚式 教会─
あ、はい。初めまして、柊木康生です。 佐藤さん……ワタナベウェディング……結婚式?
[パンツスーツの女性に確認を取られ、康生は素直に名乗る。だが、何が何だか解らないと言った様子で首を傾げていた。彼が何をするつもりなのかを朧気乍ら察していた>>3:297のは私であり、康生ではないのだから。共に教会へと通されながら、彼からも正式に結婚式をしたい旨>>3:304>>3:305が伝えられた。康生はそれを聞くと胸に手を当て、少し考え込んだ。内容は解らないが、康生としては私に何事か相談していたつもりなのだろう。そして口を開く。]
二人きりってか……俺としたいってことなら、いいよ。 やろ。服も用意してあるってんなら、ちゃんと着替えてさ。 あ、ただちょっと流れとか確認したいから、待って。
[私が常に一緒に居るのだから、康生の感覚では二人きりでも何でもない。父親同伴の結婚式だ。なら、先程私に訊ねていたのは参列の意思か。断ったらどうする気だったんだ。……いや、断れる訳が無いのだが。主に身体的な意味で。康生はスマホを取り出し、一般的な結婚式の流れを検索する。その中で、ある項目に目を留めた。]
(12) 2023/08/19(Sat) 01時頃
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んっと、キスは…………どうしてもしたいなら、触れるだけのにしてもらってすぐアルコールで拭くとかすればイケるか……?
[要は感染しなければいい、という考えらしい。事情を知らない相手に対してすると失礼極まりない行為だが、事前に断りを入れればそうはならない。康生なりの妥協点が其処だった。そしてもう一つ、意外な事を口にした。]
俺、あれやりたい! 一緒に入って来るんじゃなくて、中でケイが待ってて、俺が歩いて入って来んの。 他は、ケイのしたいようにしてくれていいからさ。
[説明が下手なので、解り難かったかも知れない。要するに、康生はバージンロードを歩きたい──私と共に、彼の元まで歩みたい──のだと、そういう事だった。勿論、彼は私の存在等知る由も無いが。]
(13) 2023/08/19(Sat) 01時頃
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って、え……? これ、俺着んのこっち……? マジで言ってる? や、ケイがしたいっつーんならいいけどさぁ……。 ヘンな風になっても文句言うなよー? こんなの着たことねぇんだから。
[本当に知る由も無い筈で、康生がバージンロードを歩きたいと要望する等、予知能力でもない限り分からない筈…なのだが。彼が康生に用意していたのは、何故かウェディングドレスだった>>9>>10。しかも、康生は特に抵抗が無いのか普通に着ようとしている。私には息子しか居ない筈なのに、今から花嫁の父になるらしい。せめて順序を守って欲しい。嫁に出すとも婿に出すとも言った覚えは無い。口が無いので当然なのだが。]
[兎に角、康生は花嫁衣裳を一揃い身に付ける事となった。母親似なので当たり前なのだが、在りし日の妻の姿と重なってしまい、私は何とも言えない気持ちになった。*]
(14) 2023/08/19(Sat) 01時頃
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─大和命戦のあった日 縁士へのLINE─
[私が声を聞いた日。解散してから、康生は天道縁士へとメッセージを送った。死ぬ前に、彼とは一度話をすべきだと考えたのだろう。]
『なぁ縁士、なるべく早い内にちょい会えたりしねぇ?』 『無理なら、このままLINEでもいいんだけどさ。やっぱ顔見て話したいよな〜って』 『できれば、二人だけがいいんだけど』
[康生の指が、スマホの上を滑っていく。手短かに、それだけを送って反応を待った。*]
(15) 2023/08/19(Sat) 01時頃
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―大和君の戦闘後―
[大和君とハロを見送っての感慨に浸る間もなく、柊木君から告げられた>>0のは、事情を何も知らない私にとってはどうにも不可解だった。]
呼ばれてない…けど、呼ばれたって。 柊木君が?
[柊木君は何か色々な事を胸の内に考えていそうで>>15、きっとやりたい事があるのかなと思って、その日私からは声をかけずに解散した*]
(16) 2023/08/19(Sat) 01時半頃
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[私はもう少し生きる時間が増えたらしい。 だからといって、先か後かの違いでしかない。 どうせ死ぬとわかっていくなら後に残っていくほど辛いのだろうか。 天道君はどんな気持ちだろう。大和君がいなくなって後、部室には来ているだろうか。
乾君は… 多分私から彼に逢いに行くことはない。 というより、彼はもう今それどころじゃないだろうし。]
(17) 2023/08/19(Sat) 01時半頃
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[校舎の被害はまたも大きくて、学校はまたしばらく休講になりがちで、私は、加賀先生にはなかなか会えなかったかもしれないけれど。 ネクタイと校章をつけたままでなら、機会を見つけて会う事もしばしばあったと思う。
ただ、学生ではない私として会うのは、本当に限界になった時。 そうとだけは決めていた。 だから、学校ではあくまでも今まで通りという感じで。 学校以外の場で顔を合わせる事があればいいな、なんて思う事がないでもなかったけれどね。
見知った人達が少しずついなくなり、残った生徒も次の被害を恐れて、次々と転校…というより疎開し始めていたかもしれない。 私はと言えば、少し違う事をしていた。]
(18) 2023/08/19(Sat) 01時半頃
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―幕間―
ねえ、ハロ。もし暇なら、 相談したい事があるんだけれど。
[大和君がいなくなったら、ハロは少しは手が空いたりするのだろうか。そんな風に、時間がありそうな時を縫って尋ねてみる。]
今回は戦いの仕組みとかじゃなくて…もっと簡単な話。 たとえば、アストロの全長とか、 腕、肘から先、手のひらの長さ… そのぐらいで十分だけど、把握しておきたいの。 戦闘が終わるとすぐに消えちゃうし、 試しに動かすわけにもいかないから、 何かいい方法ないかなって。 最悪、ただ出してさえくれたら私の方で 凡その値だけでも出せるとは思うんだけど… どうかな?それともハロが把握してたりする?
[最後のは難しいと思いつつも、とにかく聞いてみた*]
(19) 2023/08/19(Sat) 01時半頃
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― 幕間>>19 ―
んっ? 大丈夫だよ。 何も……頼まれてないしね。
[少し前まで、色々な頼み事をしてきた人の事を思うと、 少し言葉が詰まってしまったけれど。]
全長は、500m位、って言ってた人が居たかな? 腕の長さも、同じ位? 多分。 でも大き過ぎて、私は、具体的な長さは分からない。
見たかったら、出してあげるよ。 でも、出したらみんな驚くよね。 軍の人には連絡しておいて、 海に出す、とかがいいのかな?
[どう思う?って、本郷さんに意見を聞いてみた。*]
(20) 2023/08/19(Sat) 02時半頃
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心の中って、普通は見えないしわからない。 俺は割と単純だし、言ってることが大体全部答えだし本当だし正解だけど。 ちょっとだけ補足しとく。
自慢にもならないけど、死に掛けた回数ならこの中の誰より多い自信があるんだ。俺。 両親から貰ったものだし、あんまりこういう言い方したくないけど……生まれ持った俺の心臓は、わかりやすく言えば欠陥品だった。 止まり掛けた回数は、記憶にあるものだけを数えても両手両足を超える。実際止まったのは片手くらい。 今はもうずっと止まってるから、“回数”って表現するのも変な話だけどな。
死に掛けた回数がバカみたいに多いから、死にたくないとは思わなかった。 ……って言うか、人が死ぬ条件が“心臓が止まること”なら、俺は四年前にもう死んでる。 そして、生きてるのは父さんだ。そう考えてた。 父さんの心臓は、父さんの身体が無くなった今も、ずっと休まずに動き続けてるから。
俺の中で。
だから、俺は絶対に死ぬわけにいかなかったんだ。 死にたくないだとか、死ぬのが怖いだとかは思えなくても。 この身体が死ぬってことは、俺に今の人生をくれた父さんを死なせてしまうということだから。
(21) 2023/08/19(Sat) 02時半頃
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俺の人生は、何もかも全部父さんから貰ったものだ。 父さんが居なければ、俺は病院から出る事無く一生を終えるはずだった。 友達の誰とも、出会うことさえなく終わってた。 だから俺は、父さんと共に生きて、父さんを少しでも喜ばせたい。 母さんはもちろん、それ以外の人を一人でも多く幸せにしたい。笑顔で居てもらいたい。 父さんが後悔しないような、父さんが誇れるような生き方をしたい。
……そう思ってたのに俺、契約>>1:24>>1:25しちゃったんだ。 俺が先頭に立って契約なんてしなければ、誰も死なずに済んだのに。 ごめん、みんな。ごめん、父さん。 どれだけ謝ったって>>1:477>>1:478、きっと足りない。
とっくに死んでた俺が、みんなのこと殺しちまった。 カガセンに言われる>>3:@10まで、俺はずっとそうやって自分のこと責めてたんだ。
(22) 2023/08/19(Sat) 02時半頃
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まあ、俺の椅子(てかベッド)もあったの確認してからは、俺も生きてたのか〜ってなったけどな。 まだうちに在る父さんの椅子を、俺が見間違えるはずない。あれ特注らしいし。 ベッドの方が一般的な物だったから、最初に聞いて>>2:348誰か名乗り出ないか待った>>2:365んだ。 でも誰も名乗り出なくて、ベッドは間違いなく俺の椅子>>2:436だった。
俺も生きてたってなると、パイロットの数が合わない>>2:#2>>2:437。 だから、父さんの椅子に今座ってるやつは契約してないってこと、俺は知ってる>>3:28。 俺が死んだら、多分バレるってこともわかってる>>3:29。 それでも、文字通り棺桶まで秘密持ってこうとしてるのは────多分、俺のエゴだ。
(23) 2023/08/19(Sat) 02時半頃
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そのこと自体は悩みの種だけど、俺と父さんが二人とも生きてるんだって知れたのは、よかったって思ってる>>3:133 ずっと父さんと生きて来たってのは、俺の妄想でも何でもなかった。 時々父さんに話し掛けてた>>1:253>>3:118のも、多分全部聞いてくれてる。
カガセンの言ってた通り>>@39、俺はいつも父さんが力を貸してくれてる気がしてて。 だから、ちょいなんかあったりしても、割とすぐ立ち直れるんだ。 多分、すごいファザコンってやつ。
しょうがないよな。父さんが全部を俺にくれたんだから。 父さんが居なかったら、ケイやみんなに会うことも、世界がこんなに綺麗だって知ることも、なかったんだから。*
(24) 2023/08/19(Sat) 02時半頃
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─大和命戦のあった日・柊木からのLINE─
💬>>15 ん。 僕もちょっと柊木に聞きたいことあったから、丁度いい。 そうだな……。内容的に会って話したい。
部活のない日の天文部とかでもいいけど、人に聞かれるリスクあるし他のとこでもいいよ。誰もいないから僕の家でも。
[大和戦の直後、>>0柊木は妙なことを言っていた。
──『呼ばれてないけど、次は俺。』
普通なら首を捻る内容だけど、僕は何となく、柊木の番が来たら、そんな言い回しをしてくるかもしれない、とある程度の予測を立てていた。]**
(25) 2023/08/19(Sat) 02時半頃
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公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/19(Sat) 03時頃
公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/19(Sat) 03時頃
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― 元の地球での回想 ―
まぁ、それは、 神の采配? ってやつだからな。
[なんて、冗談めかして笑ったけど。]
相楽を殺した俺が、責任を取るのは必然だよ。 選択の結果の、責任は取らないと。 俺も、こうなるつもりでやった事だし。
……縁士は助かるんだから、喜べよ。
[助かるというのに、憤っている様子に、ふっと笑って。]
(*0) 2023/08/19(Sat) 03時頃
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[引き継ぎ戦に連れて行け、と言われると。]
そうだな。 俺は、絶対に戦闘放棄もしないし、勝つけど。 不慮の事故とか、戦闘前に殺される様な事でもあったら、 パイロットが不在になるし。
[そう言って、頷く。]
[そうして、次の地球へ行く時に、プレゼントの眼鏡をそっと持ち込んだ。**]
(*1) 2023/08/19(Sat) 03時頃
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─大和命戦のあった日 縁士へのLINE─
[返信を確認すると、康生はすぐにスマホへと指を走らせた。]
『んじゃ、縁士んち行っていいか?』 『うちもダメってくらい、人に聞かれたくない話だからさ』 『最寄り駅、どこ? そこで待ち合わせようぜ。明日でいいか?』 『時間はそっちに合わせる』
[康生の母親は、絶対にこの話を聞かれてはいけない人物の一人だろう。彼女にとっては、息子と夫を同時に喪うという事に他ならないのだから。]
[スタンプも何も無い簡素な文面は、随分と康生らしくはなかったが。これから彼と話す内容を考えれば、無理も無い話ではあった。]
(26) 2023/08/19(Sat) 03時頃
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─大和命戦翌日 縁士の家─
[その翌日、康生は天道縁士と待ち合わせをし、彼の家を訪れていた。個包装の菓子が入った袋を手土産代わりにして。康生は、彼の家庭の事情をよく知らない。彼もまた、そうだろうが。「お邪魔します」等のお決まりのやり取りの後、康生は口を開いた。]
……縁士んちって、今誰も居ねーの? や、話に入る前に確認はしとこうと思って。 俺は、母さんに聞かれたくなかったりするからさ。この話。
[確認が取れれば、康生はまずLINEの内容>>25について尋ねた。]
先に、縁士が俺に聞きたいことって何か、聞いていいか?*
(27) 2023/08/19(Sat) 03時頃
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ーーコックピットーー
[それは、とても奇妙だった。 それは、とても遠く響いた。
そして、愉しかった恋人ごっこの終わりを告げていた。]>>0
(28) 2023/08/19(Sat) 07時頃
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ー幕間>>20ー
そっか。今は空いてるんだね。
[ハロがそう言うから、大和君はどれだけハロを酷使してたんだろうってちらっと思ってしまった。]
腕がほとんど地面につきかけだから 体と大体同じくらいなんだろうとは思ってたけど、 そっか。500メートルくらい…
その2つは影でも使わないと、測るにはちょっと大変すぎるからね。 あとは手のひらだけど、海に出すって、その辺に浮かべるの? というか浮かぶの?
[浜に寝そべらせるなら…座礁したクジラみたいになるな。]
(29) 2023/08/19(Sat) 07時半頃
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もし海に浮かべられるなら、 そうしてもらって私を上に転送してくれれば なんとかできると思う。
……っていうかハロ、軍にコネとかあったんだね。 それでお願い。
[何のためにと聞かれたら、距離を測るんだよ、と私からは答えたはず*]
(30) 2023/08/19(Sat) 07時半頃
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─大和命戦翌日・縁士の家─
[柊木に返事をすると、僕の家で話すということに決まり、翌日。 彼は手土産っぽいものを手にしていて。家に上がる時も"お邪魔します"なんて律儀に言う。誰もいない、ちゃぶ台と和箪笥、座布団だけが置いてある1階の和室を横目に、2階へ上がり、僕の部屋に通した。
僕の部屋と言っても。机も何もなく、ただ隅っこに布団が畳んでおいてあるだけの、生活感皆無の部屋だ。]
>>27 うん、誰もいない。 少し前まで祖父母がいたけど、大和に言われてから色々考えて。九州の遠縁の家に避難してもらうことにしたんだ。 だから何も気にせず話せる。
[銘仙判の座布団を柊木に差し出して、彼から手土産を受け取った。お菓子なのであれば、その場で開けて一緒に食べようと言うかもしれない。
ここまでで、既に色々と僕の状況はおかしいと気付かれるかもだけど。]
(31) 2023/08/19(Sat) 08時頃
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ーー海辺デート/結婚式ーー
[話は遡る。
暫し、夢のように幸せだった恋人ごっこの続きを綴ろう。
ーー僕と、彼だけの為に。]
(32) 2023/08/19(Sat) 08時頃
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[僕は知っていた。彼に僕への恋心がないことを。
それはむしろ当たり前でしかない。
僕らは高校入学から部活仲間としての仲良し、親友だった。 二年間友達としてふざけあい、傍にいて、笑い合った。
親友にまで昇華した素晴らしい友情だった。
僕の中でそれが恋愛に変化した方がイレギュラーだ。 そして、普通の人間は受け入れない。
つまり、彼がとても広い心で僕を受け入れてくれたから今日のデートが実現しただけで。
彼は僕に好意以上などない。 恐らくだが、他の友人だって彼は等しく大切なのだ。
ただその中で僕が強く彼にアプローチした結果が今に過ぎない。]
(33) 2023/08/19(Sat) 08時頃
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[>>27 先に聞いていいか?と聞かれ、頷く。 どうせ話したい事は似たような内容ではないかと考えていたので、さほど順番は問題ない筈。 しかし何から切り出そうか。少し間を置いてから、口を開いた。]
……そうだな。 まず、僕が柊木に対して思ってる、……というか 予想していることがいくつかあって。
ちょっとセンシティブな話になるけど……。
、、、 [あの話をしに来たのであれば、彼は正直に答えてくれる筈だ。]
(34) 2023/08/19(Sat) 08時頃
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|
[僕は彼の特別ではない。
だから、彼は照れることはないのだ。恋をせずにそれをする人間はいない。
答えを知っている僕は少し寂しそうに笑うしかない。]
そうだね。いつか君も。
[でもそんな風に言い、僕は微笑む。 それでいいはずだ。]
(35) 2023/08/19(Sat) 08時頃
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[貝殻を握り締める。その感触が僕にどれだけ尊いか、彼は知らない。
それでも僕は幸せだ。
僕はティッシュを借りて涙を拭っただろう。
僕は幸せだ。]
(36) 2023/08/19(Sat) 08時頃
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[佐藤さんとの面会や、なんちゃってとはいえ結婚式と聞けばいくら彼でももう少し動揺するかと思ったが、そうでもない。
勿論僕は彼の内面にいるお父さんの複雑な心中は知らないのだが。
彼の拒否の基準は恐らくだが、自分の身体を著しく損なう行為ぐらいなんだろう。
僕が喜ぶなら。 自分が困らないなら。
僕は手順を確認する彼にちょっと笑う。]
牧師さんは呼んでないから、そんな厳密でなくていいよ。
雰囲気、雰囲気!
[なんて明るく言う。 それにしても、着替えをこの段階、彼はどんな衣裳と想定していたのか。
まさか、僕が用意したのがあんなにもお姫様チックな可愛らしいウェディングドレスとは夢にも思わないはずで。]
(37) 2023/08/19(Sat) 08時頃
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|
[意外だったのは、彼が式の内容に興味を示し、とても積極的に意見を出したこと。
驚いて目をパチパチする。
いや、キスに関しては前回あんなに体調を崩したから心配は当然かもなのだが、バージンロードを独りで歩きたい、と言ったのが不思議で。
バージンロードは、娘と父親が歩く道だ。
そして父親が娘を、娘の生涯のパートナーに渡す、最後の道。
そんな意味を彼が知っていて言ってるのかわからないけど、ただ僕がやりたいだけを押し付けるだけじゃないのが嬉しくて。
またちょっと涙ぐんで。]
(38) 2023/08/19(Sat) 08時頃
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うん。僕が待ってるから歩いて来てね。 君を待ってるから。
ーーキスは寸止めするよ。 僕を信じてほしい。
[わたわたアルコール消毒は流石に大変だから、エアキスを希望した。
触れ合わなくても、こんなにも僕の胸は温かい。
佐藤さんは僕らの会話を優しい笑顔で見守っている。]
(39) 2023/08/19(Sat) 08時頃
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|
[佐藤さんに相談した時はとても勇気を要した。
なにしろ僕は高校生、男の子同士で結婚式がしたい、なんて。
笑われるか気持ち悪いと思われるか。
しかし、佐藤さんは営業スマイルではない笑みを僕に向け。]
『恵一くんのお話を聞いて、私、とても温かな気持ちになりました。
私ね、何十組もお世話して来たんです。みんな幸せそうで、そのお手伝いを出来るのが私は幸せで。
恵一くんの顔は、そういう人たちと同じでした。
好きな人と素敵なお式をして、夢を叶えたいって。 なーんもおかしくないッ
大丈夫。私は恵一くんの想いを叶えます。いいお式にしましょうね。』
[そんな佐藤さんに支えられて今日があるのだ。]
(40) 2023/08/19(Sat) 08時頃
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ダブルタキシードも考えたんだけど、コウは顔立ち綺麗じゃん?絶対似合うと思うんだ。
[お母さん似の彼は女装が似合うタイプと、写真を見た佐藤さんも太鼓判を押してくれた。
嫌がったら諦めようと考えたが、文化祭なんかで男子が女装するようなノリか、はたまたなんでも楽しむ彼だからか、了承を得る。
ただ、着替えは大変だった。
胸がないからコルセットはいらないにしろ、広げたパニエを崩さないように着たり、背中のファスナーを上げるのに四苦八苦したり。
手袋をし、髪にティアラを飾り、短めのヴェールをつけて白い花のブーケを手にすればーー艶やかな花嫁の出来上がりだ。
鏡に映る姿に僕は息を呑んだ。]
(41) 2023/08/19(Sat) 08時頃
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……めちゃくちゃ、可愛い。
[これは女子に勝るのでは…美形男優が女装するとうっかり本家女優より綺麗になったりするが、そんな感じ。
ちなみに僕はまあ、イケメンじゃないからタキシードなんか似合わない。子供が背伸びした感じになった。]
よし、じゃあ結婚式だ! コウ、ロウヒールだから大丈夫だと思うけど転ばないようにね。
[礼拝堂の入り口までは一緒に。僕は奥の祭壇前まで進み、彼を待つ。
席に参列者は誰もいないけどーー二人、いや彼のお父さんに見守られての。
僕らの結婚式が始まった。]
(42) 2023/08/19(Sat) 08時頃
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[しずしず歩く彼が近づいてくる。真紅の絨毯を白いヒールで踏み締めて。
不思議だ。彼は誰かと腕を組んで歩いているみたい。
僕は手を伸ばして彼を受け止める。 彼は手袋だから、安心して触れる事が出来る。]
コウ。綺麗だよ。
[そんな台詞を言い僕は赤くなる。普通泣くのは花嫁なのに、また涙ぐむ。]
讃美歌を歌い牧師の聖書朗読があるんだけど、ここは割愛ね。
(43) 2023/08/19(Sat) 08時頃
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[なんちゃってですしおすし。
僕はこほんと咳払いし、牧師の役をする。彼とは向かい合い、手を取り合う。 必死に暗記した台詞を、たどたどしくもーー]
柊木康生、あなたは乾恵一を、 病める時も健やかなる時も、 富める時も貧しき時も、 パートナーとして愛し敬い、 慈しむ事を誓いますか?*
(44) 2023/08/19(Sat) 08時頃
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ーー転送後ーー
[僕は自宅に転送された。独りになると、壊れたカメラを棄てて音声を消去した。
後はただ、彼からの連絡を待つ。
もしそれがないなら、再びコックピットに転送されるまで特に動きはないだろう。]**
(45) 2023/08/19(Sat) 08時半頃
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まず…… 君は今から言ういずれかのケースに該当するんじゃないかと、僕は考えてる。
一つ目。実は君は女性で、身ごもっている。
二つ目。男だが、体内に別の人間がいる。
三つ目。君は二重人格者、あるいは多重人格者である。
[もし、この話題をしに来たのでないならばあまりにも突拍子のない内容なのだが。予想通りであれば僕が何を言いたいのか伝わっている筈。]
……二つ目のケースは、まとめるには強引なのだけど。例えば、ブラックジャックのピノコの話みたいに、体内に双子の片割れが残されているとか。 或いは臓器移植の経験があるとか。
[双子の片割れ、というのは、僕自身が双子だから出て来た発想だったかもしれない。]
(46) 2023/08/19(Sat) 08時半頃
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………まあ、もし言いづらい話なのであれば 無理して話してくれなくてもいい。
どのケースであっても君自身に自覚が無い場合もあるかもしれないし……
[彼の返事はどうであろうか。
短い付き合いではあるけれど、僕は柊木は信用に足る人物だと考えている。 もし、上記のいずれも身に覚えがない場合は、本人に過酷な事実を突きつける事になってしまうのだが。ハロの話を聞く限りでは自覚はある筈。
僕は僕で、リスクのある話でもある。 でも、彼なら。柊木なら悪い解釈はしない筈だと信じられたから、話すことに決めた。]*
(47) 2023/08/19(Sat) 08時半頃
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─大和命戦翌日 縁士の家─
[ひたすらに生活感の無い部屋を、康生はきょろきょろと見回していた。大和命の提案で、康生とその母親も仮住まいに越してはいたのだが。越したばかりの仮住まいよりも、彼──天道縁士の部屋は生活感が無かった>>31。康生も、その違和感には気付いたに違いない。]
そっか……。 命、縁士にも言ってたんだな。大事な人を逃がすように、って。 じゃあ、聞かれないって意味では大丈夫だな。
[内容的には、大丈夫ではないだろう。持参したのは菓子だから、食べようと提案されれば康生は笑顔で了承した。飲み物については一応買って来た物も無くはないが、沸かしたお湯で淹れるお茶やコーヒーは飲んでも問題無いので、其方を頂いたかも知れない。]
[康生が彼に先に質問内容を尋ねた>>27のは、説明下手の自覚があるからだろう。突然言い出して、理解してもらえる可能性は低いと考えている筈だ。なら、質問してもらう形式の方が良い。そして彼の質問>>46は、ほぼ満点に近い物だった。]
(48) 2023/08/19(Sat) 09時半頃
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や、大丈夫。 俺、「これ言っちゃダメなやつじゃね?」って思うことはあっても、俺自身が嫌だから言いづらいってこと基本ねーし。
[基本的に、康生は訊かれれば大抵の事は正直に話す。だから、今回もさらりと答えた。]
一つ目は流石にない……ってか、自覚なくてそうとかだったら俺がめっちゃビビる。 三つ目も、多分ない。明らかにおかしい時あったなら、逆に教えて欲しいくらい。
──二つ目が正解。臓器移植の経験がある。 俺の心臓、とっくの昔に止まってるんだ。
[そう言って、康生は胸元へと手を当てた。恐らくは幾度か目にしたことがあるだろう、いつもの仕草だ。今ならもう、その意味合いは自ずと解るだろう。康生は、自分以外の命をそうして感じているのだと。]
(49) 2023/08/19(Sat) 09時半頃
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……俺、縁士に「なんであの椅子が自分のだと思ったんだ?」って聞こうと思ってたんだけどさ。 俺にそう聞くってことは、縁士はあの椅子が自分の物じゃないってのわかってて、しかも俺の…って言うとちょい違うけど。 あの椅子に心当たりがあるのが俺だ、ってのにも気付いてるってことだよな? だから“一人の人間が二人分契約できる可能性”を片っ端から挙げて、俺がどれなのか聞いてみた。 ……って考えてるんだけど。違うか?
縁士は、自分が契約してないって気付いてる。 ────その前提で、間違いないか?
[康生は、落ち着いた声色でそう確認した。「もし縁士に未契約者の自覚がなかったらどう伝えよう」とあれこれ悩んでいた様なので、話が早くて寧ろ助かった。これはこれで、康生としては考えないといけない事柄が増えたのかも知れないが。*]
(50) 2023/08/19(Sat) 09時半頃
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公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/19(Sat) 10時頃
公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/19(Sat) 10時頃
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― 幕間>>29>>30 ―
海に浮かんでる所は、見た事ないけど。 私は、海の上の、 空中に出そうかと思ってたから。
手のひらだけでいいなら、その辺だけ出そうか? その方が、みんな驚かないでしょ。
[そう提案してみたけれど、海の上に浮かべた方が良ければそうするし。 場所も出し方も、本郷さんの希望通りにするつもり。]
(51) 2023/08/19(Sat) 10時頃
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[お湯が沸いた音が1階から聞こえたら、小さな湯呑みに緑茶を入れてきて柊木の傍にお盆とともに置いた。高校生男子に熱いお茶を出すのも年寄りじみているが、祖父母と暮らしていた僕にはデフォルトの飲み物であった。
柊木の返答は、意外にもあっさりしたものだった。実家が青森で、くらいの調子で、彼はその事実を明かして来る。>>49]
………! そうか。 成る程。 いや、驚いた。臓器移植で2人分の契約になるんだな…。
[この理不尽な戦闘に関して何でも知っているわけではない僕は普通に驚き、そして少し感嘆した。]
……的外れかもしれないけど、昔読んだノンフィクションの本を思い出しちゃった。 筆者は事故で記憶喪失になったんだけど、実の母親に『思い出して、お母さんよ!』って言われた時、脳では思い出せなかったんだけど、胸のあたりが熱くなって、『あ、これは僕のお母さんだ』って解かったんだって。
……人間って、肉体すべて一括りじゃないんだな。
(52) 2023/08/19(Sat) 10時頃
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[軍に話が通っている事は、加賀先生>>3:@60から何か聞いてるかなと思ってたけど、まだ言ってない様だ。 先生にも考えやタイミングがあると思うから、余計な事は言わない事にする。]
コネ、ってわけじゃないけどね。 連絡はできるよ。 私は、どこにでも転移できるしね。
[お願い、と言うのに、小さく頷いた。*]
(53) 2023/08/19(Sat) 10時頃
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[少し脱線してしまったが。続く柊木の話には、やや間を置いてから答える。まず、"その前提で間違いないか?"に、眼鏡を上げながら頷いて。]
……椅子の件は、実はハロに聞いたんだ。『この椅子は誰の?』って。そしたら、柊木だって答えてくれた。 ただ、柊木の椅子が2つ出ている理由は分からなかったので。聞きたいと考えていた。
直接聞こうと思ったのは、柊木が僕を告発しなかったから。 あの椅子にわが物顔で座る僕を見て、"縁士は契約してないのでは?"と怪しく思っただろうに。………君は僕を見逃してくれていた。
[柊木を信頼してはいるが、"1人だけ裏切っているのではないか"と誤解されても仕方ない話だった。
次に何を説明するか迷って、僕は、柊木の座っている座布団を指差した。]
(54) 2023/08/19(Sat) 10時頃
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──その、柊木が座っている座布団。 見覚えない?
[僕も同じ座布団に乗っているが。
柊木は、これと同じものを、以前見たことがあるはずだ。]
(55) 2023/08/19(Sat) 10時半頃
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公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/19(Sat) 10時半頃
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[柊木は覚えているだろうか、 七星永の引継ぎ戦>>1:#3を。
彼の周囲に立ち並ぶ、さまざまな椅子。
あの中に、ひとつだけ。 今、彼が使っているのと全く同じ銘仙判の座布団が混じっていた。]
───僕は、Aと同じグループで契約してたんだ。
………もう分かっただろうけど、 僕は別の地球から、Aとハロと一緒に来た。
未契約なのは。そもそも僕はあの時点で、前の地球の契約者で。二重契約が出来なかったから、だよ。*
(56) 2023/08/19(Sat) 10時半頃
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雲水 ハロは、メモを貼った。
2023/08/19(Sat) 10時半頃
公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/19(Sat) 10時半頃
雲水 ハロは、メモを貼った。
2023/08/19(Sat) 11時頃
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― 幕間>>51>>53―
あー…空中にも出せるのか。
[それは考えてなかったな、と思って手をぽんと叩いた。]
なるほどね。 軍の人も、下手に事情を知ってる人間が出ていくより、 最初からハロみたいな子が出ていく方が かえって話を聞いてくれるふうになるかもしれないし。
[私は加賀先生と会っているけれど、先生が水面下で色々便宜を図ってくれていることは聞いていても、その詳細までは聞いていなかったから。 もちろん、乾君が彼の元恋人と、その父親と会って話したことも。 知っていたら…止めたかな。それは無駄なんだよって。 どちらにせよ今は知らないけれど]
(57) 2023/08/19(Sat) 11時頃
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体調は大体500mで合ってるのよね。
それなら、人の少ない浜辺か… ハロが私を遠くに飛ばせるなら どこかの砂丘か、砂漠とかでもいいけど。 そこで手のひら周り…いややっぱり右腕全部出して。
それでレーザー計で直接3回測って平均するだけだから、 時間はかからないわ。
[腕全部は結構長いけれど、念のため。 役に立つ機会も、いつかあるはずだ、と*]
(58) 2023/08/19(Sat) 11時頃
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─大和命戦翌日 縁士の家─
[天道縁士が出した飲み物は、意外と渋い物だった。「サンキュ」と軽く礼を言い、康生は口を湿した。]
[彼は、康生の話に驚いてみせた>>52。その様子に嘘偽りは無い様に思えたから、予測した彼自身も実際にこんな事が可能だとは知らなかったのだろう。]
臓器だったら何でもかは、正直わかんねーけど。 心臓って生死の判定に使うくらい重要な部分だし、それでってのはありそう。
あー、多分それ。そういう感じかも。 縁士はもう気付いてるかもしんないけど、次のパイロットは俺じゃないんだ。心臓の方。 俺は呼ばれてねーけど変な感じしたから、多分間違いない。 一般的な話じゃないから、普通は肉体一括りかもしんねーけど、俺に関しては確実にそう。
(59) 2023/08/19(Sat) 11時半頃
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……縁士は、記憶転移って聞いたことある? 移植受けた後、ドナーの記憶をレシピエントが思い出す事があるってやつなんだけど。 俺は、はっきりとそういう体験があるわけじゃねーんだけどさ。 命も記憶も、心臓の中に残ってるんだと思う。
[通常のドナーとレシピエントと異なり、私達は親子だ。だから仮に記憶転移があったとしても、康生自身のそれと混ざって紛れた可能性はある。私には割とはっきり自我があるので、康生の方へ流れ出していないという線もあるが。]
ハロに? ハロって、んなこともわかるんだなー。 え、告発? するわけないじゃん。 逆に、どうやったら隠し続けられっかなーって考えてた。
ん、縁士が契約してないってのはすぐ気付いたよ。 二つ出てたけど、この身体が座るべき椅子だろうって思ったのは、今縁士が座ってる方だったし。 あれ一応特注だし、うちに同じのあるからさ。 病院のベッドのが、大分一般的じゃん? だから、縁士がベッドの方使うってしてたら、俺はおかしいと思えなかったと思う。 代わりに、他のみんながおかしがりそうだけどな。その場合。
(60) 2023/08/19(Sat) 11時半頃
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でも、見逃すって言うか……縁士が生きられるってのは嬉しかったからさ。 みんながそれ知ったらマズいよな〜ってのはあったけど、俺自身が死にたくないって必死になってないのもあって。 縁士自身が気付いてるかもわかんなかったし、最後に俺と縁が残る可能性も6%くらいはあったからさ。 俺が黙ってれば済むなら、黙ってようって考えてんだ。
[六席の中の特定の二席(私と康生だ)が、最後に残る確率がそれだった。実際は今回──20%を切り抜ける段階で、もう駄目だったのだが。それでも40%の所までは抜けたのだから、運がいい方ではあったのだろう。八割駄目なら諦めも付く。]
(61) 2023/08/19(Sat) 11時半頃
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[彼は、徐に座布団を指した>>55。確かに見覚えがある>>56。他が曲がりなりにも“椅子”だった中で、これだけが椅子の形をしていなかったから印象的だった。]
見覚えあんなって思ってたけど……そっか。 二重契約はできなくて、別の地球から、な……。 よくハロ抱いてんな〜とは思ってたけど、そういうことか。
……ん? じゃあ、なんで縁士はまだ生きてるんだ? 敵の数より、契約したパイロットの方が多かったってことか?
[はた、と気付いて康生は問い掛ける。それ以外であるなら、今の契約者が生き延びる方法もある事になる訳だが。*]
(62) 2023/08/19(Sat) 12時頃
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─退院直後 教会 結婚式─
[例えばの話、幼稚園児に結婚式ごっこを提案したとする。その場合、動揺する子の方が少ないのではないだろうか。康生は対人経験が極端に少なかった上、性的な接触が著しく制限されてるのもあり、恋愛的な情緒は幼稚園児のそれと大差無い状況だ。面白そうだからやってみたいだとか、検索結果に「花嫁と父親が歩く道」だとあったから花嫁役がやりたいだとか、そういった無邪気さしか無い。]
もー、なんで泣くんだよ〜。やろ、って言ってんじゃん。 それとも、始まる前から感動してんのかよ?
……ん。ちゃんと行くから、ケイこそ待ってろよな。 寸止めな、わかった。よし、んじゃそれで!
[康生は快活に笑い、話を纏めた。この後、控室に通されてドレスを目にし、驚く事になった>>14のだが。]
(63) 2023/08/19(Sat) 12時頃
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[もし、彼が康生の着替えを手伝うのなら。下腹部までは見なかったにしろ(其処にも生命維持装置を通した痕等が複数在る)、胸元の正中線に沿った縦10cm程の手術痕は目にしたかも知れない。康生が水泳の授業に出ないのは、うっかり水でも飲んでしまうと大変な事になるからなのだが。結果的に、傷痕を晒す機会も減らしていた。もし訊ねられれば、「昔手術した痕」と、さらりと答えた筈だ。]
サンキュ。ま、着せといて「似合わない」とか言い出したら、しばいてたけどな! ケイの方こそ、似合ってんじゃん。
[からからと康生は笑う。照れも無ければ、湿っぽさも無い。黙っていれば可愛らしい花嫁なのだが、ある意味康生らしいと言えば康生らしかった。]
(64) 2023/08/19(Sat) 12時頃
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[──そうして。康生は花嫁姿で教会へと足を踏み入れる。左手にブーケを持ち、右手を胸元に当てて。自然と肘が横に張るから、誰かと腕を組んでいる様に見えたのも無理は無い。手袋とドレス越しの手の平に、鼓動が伝わる。絨毯を踏みしめる感覚。私は今、確かにバージンロードを歩いている。康生と一緒に。こんな未来は、想像もしていなかった。息子が連れて来るのは花嫁だと思っていたから、当然なのだが。嘆かわしくもあり、康生の節目に立ち会えて嬉しくもあり、何とも複雑な気持ちだった。康生との思い出が胸中を巡り、非常に感慨深くはあった。]
[康生はただ、前を────自分を待つ恵一くんの方だけを見て歩いていく。通常のバージンロードとは異なり、私は隣ではなく中に居るのだから、視線を交わす事も無い。彼の元までの道のりは、長い様でいて短かった。彼は康生を受け止める。通常、父親の役目は此処で終わるのだが。私は物理的に離れられないし、離れてやる気も無いので、彼に康生を渡した気は無い。渡して欲しくば、せめて挨拶くらいはしろと思う。私に対しては兎も角、妻にくらいは。]
(65) 2023/08/19(Sat) 12時頃
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ケイってば、褒めてばっかだな。さっきから。
[そう言いながら、康生は彼を見つめてくすくすと笑う。此処には姿見が無いので直接は見えないが、確かに綺麗ではあるのだろう。彼と私の贔屓目を抜いても。それから、誓いの言葉>>44に答えた。]
────はい。誓います。
[……果たして、その意味を康生はどれだけ理解しているのだろうか。判らないが、ただ彼を真っ直ぐに見つめてそう答えた。*]
(66) 2023/08/19(Sat) 12時頃
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ーー現在/恵一の家ーー
[大和戦の後、アメリカにいる父さんから電話があった。
息子が電話に出たのに漏れた安堵の息が聴こえる。]
『気が気ではなかったよ。お前がパイロットに選ばれたのか、そうでなくともあんな危険なロボットの中にいるのかと思うと。』
[外の甚大な被害を考えたら、アストロのコックピットは随分安全な場所なのだが。
そんな説明は必要ないから僕は言わない。]
(67) 2023/08/19(Sat) 12時頃
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『母さんが心配しているぞ。ちゃんと食べているか?』
……うん。食べてる。
[嘘だ。最近たまにカロリーメイトを齧り、水を飲むぐらいしかしていない。
余計なゴミが出ると面倒臭いからだ。]
『匡には事情は話していない。お前を案じている。電話で話したいと言っているが、代わるか?』
(68) 2023/08/19(Sat) 12時頃
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今日はいいや。 元気だよって伝えて。
じゃあそろそろ寝るよ。 大丈夫、元気だから。
[電話を切ると真っ暗な部屋に静寂が戻る。
僕はベッドサイドに手を伸ばし、そこに置いてあるオルゴールを開く。
ガラスで出来たオルゴールは、僕が小学生の時の誕生日に買って貰ったものだ。
中に入っている小さなビニール袋を取り出す。そこに保存しているのは、康生から貰った巻き貝。
そっと胸に抱き締める。]
(69) 2023/08/19(Sat) 12時頃
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……ごめん、コウ。
[僕はこの事態を回避する様々な努力をした。しかし、ただの高校生が出来ることなんてたかがしれている。
結局、何も止められないなかった。高次元だかなんだか知らない存在に弄ばれ、死ぬ運命を変えられなかった。
そして彼がパイロットに選ばれた。
もう、すべての努力の意味が失われた。 間に合わなかった。 僕は間に合わなかったんだ。
(70) 2023/08/19(Sat) 12時頃
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彼は死ぬ。 彼が死んでしまう。
せめて僕が先に選ばれたら、少しでも彼を生かしてあげたのに。
海辺であんなにも愉しそうだった彼の日常が終わってしまう。
何も出来ない僕に、なんの価値もない。 僕は役立たずの屑だ。
あんなに努力したのに。 あんなに頑張ったのに。
ごろりと湿った布団に寝転がる。
僕は静かに枕を濡らした。]**
(71) 2023/08/19(Sat) 12時頃
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─柊木家の事情─
[康生は、特に軍部等と連絡を取ろうとはしなかった。母親に知られるのを、何より避けたいと考えたからだ。他のパイロット達にも親は居るし、子を喪えば悲しみに暮れるのは想像に難くない。だが、私達の場合は二人分だ。彼女は、夫と息子を一度に喪う事になる。私が直接対話出来る状態であれば、或いは説得を考えたかも知れない。だが、一度目の死を既に迎えている私にとって、それは最早叶わぬ事であった。そして康生には、自分が人一倍……私の分も入れれば更に倍くらいは、大切にされているという自覚があっただろう。]
…………。
[だから、家に居て一人になっても、康生がひとりごと──私も返事をするが、康生には届かないので“ふたりごと”だ──を口にする機会は、随分と減ってしまった。康生的には、以前と変わらず私に話し掛けているつもりなのだろうが、生憎とテレパシーが出来る訳ではないので、口にしてもらえないと伝わらない。四六時中一緒に居る訳だし、康生は素直な子だから、ある程度の推測は出来るのだが。それでも、状況が状況だ。今の康生の考えが聞けない事に、歯がゆい思いはしている。]
(72) 2023/08/19(Sat) 12時半頃
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────極端な話だけど。
もし俺がどうしても生き延びたいって思うなら、この時点で方法は一応ゼロじゃなかった。 選ばれたのは俺じゃなくて父さんだから、取り出して別の心臓を移植すれば、次に選ばれるまでの時間は稼げる。
ただそれは、すごく非現実な話だった。 まず、移植自体の条件が整って実行できる可能性が低いし、二度の移植に俺の身体が耐えられるかもわからない。 そして何より、俺には父さんと離れるなんて考えられなかったから。
やっぱりこれは、“なかった話”だ。*
(73) 2023/08/19(Sat) 12時半頃
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ーー僕が一番幸せだった刻/結婚式ーー
[彼の着替えを手伝ったのに下心はない、断じてない。
ただ着慣れないものは大変であろうから(特にパニエは広げている人が必要だ)と。
裸が見たかった訳ではーー。]
……それ。
[驚いた。彼のすらりとした胸元の手術痕に目を見開いて。 彼からの説明を受けると沈痛な面持ちに。でも彼がさらっとしているのだからそれ以上訊ねたりはしなかった。
彼がタキシードを褒めてくれた時はまたしどろもどろになり照れて、舌を何度噛んだかわからない。]
(74) 2023/08/19(Sat) 13時頃
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[礼拝堂は荘厳な雰囲気が漂い、二人が祭壇の前に立つとまさに神前、身が引き締まる。
誓いの言葉にはこうある。
『病める時も健やかなる時も、 富める時も貧しき時も』
つまり、どんな時も。 そういう意味だ。
もしも僕らが死ぬ運命にあるのなら、それはとても短いだろうけど。
『愛し敬い、慈しむ』
嗚呼、僕は彼を愛し尊敬しているし、その身体を労り慈しみたい。
限りある命の全てで。]
(75) 2023/08/19(Sat) 13時頃
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[『誓います』という言葉に、 僕の全身全霊が戦慄いた。
天を仰ぎ、祈るように眼を閉じた。 魂が、鼓動が、震えた。
ーー全てが、僕の全てが喜びに溢れて泪する。]
(76) 2023/08/19(Sat) 13時頃
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ありがとう、コウ。 僕も誓うよ。
ーー君を愛している。
[彼の顔にかかるヴェールをそっと上げて。
眼を閉じてくれるだろうか。
僕はゆっくり顔を近付け、唇が触れる寸前、止めた。
長くて綺麗な彼の睫毛を眺めてから離れる。]
最後はこれ。僕からのプレゼント。 指輪の交換だよ。
[ポケットから指輪ケースを取り出す。宝石などついていないシンプルなシルバーのペアリングだ。裏にはkei&kouと刻んである。
彼は手袋をしているから、もしシルバーが駄目とかでも嵌められるはず。]
(77) 2023/08/19(Sat) 13時頃
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左手を出して。
[僕は彼の薬指に指輪を嵌める。銀色の輪がキラリと光る。彼も同じようにしてくれるか。]
これで、おしまい。 ーーありがとね、コウ。
[目尻を赤く染めて僕は微笑む。
何があっても忘れない。 この刻を。
こうして僕の人生最良の日は幕を閉じたーー。]**
(78) 2023/08/19(Sat) 13時頃
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― 幕間>>29>>30 ―
うん。でもね。
何も起きてない時に、私が軍の施設に行って、 これから謎のロボットが攻めてくるよ! それは地球の武器では敵わなくて、 負けたら宇宙も消滅して……! とか説明しても、信じてもらうのは難しいと思った。
[だから、今までの契約者達も、 軍人などではなく一般の人間が多いのだろうか。]
実際に敵が来て、全力で攻撃してみて、ダメで、 その後に、謎の生物と、解明できないロボットを見る。 それでやっと信じて貰えたり、 協力してもらえるんじゃないかって、私は思ってたんだ。
(79) 2023/08/19(Sat) 13時半頃
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[体長については。]
永のチームに居た人は、そう言ってた。
砂丘か、砂漠か……。 海外だと、伝染病や害虫を直輸入してくるかもって、 柊木君が言ってたから、この国のどこかがいいよね。
[そう言って一度姿を消すと、地図を出しながら再び姿を現して、地図を見ながら。]
……鳥取砂丘、とかどうかな。 軍の人に、日時を連絡しておいて、 その時は誰も立ち入らない様にしてもらって。
[了承してくれたなら、その通りに転送をした。*]
(80) 2023/08/19(Sat) 13時半頃
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[次に選ばれたのは"柊木自身"ではなく、心臓の方だと言う。 彼の言っていた"呼ばれてないけど、次は俺だと思う"はここに繋がるわけだ。心臓の主が先に呼ばれたから、声は聴いていない。………この場合、出撃するのは当然柊木だろうけど………パイロットを2人消費する事になるのだろうか………?]
>>60 成る程……、じゃあ最初から気付いてたんだな。 見ての通り、和室しか無い僕の家は椅子なんてひとつもないんだよ。
[縁士の家に天文部の誰かが来れば、戦闘時に自分のものとして座っているあの立派な書斎椅子は一体?と首を傾げたかもしれない。 もっとも、自転車のサドルなんてものもあったくらいだから、みんな椅子については深く考えていなかったかもしれないが。柊木と僕を覗いて──。]
特注、ね……確かに座り心地良かった。
[そして"うちに同じのがある"という事は、あれは柊木の家族の椅子ということだ。大きくて立派な書斎椅子。母親のものではないだろう。とすれば、兄?もしくは。]
………お父さん、か? いや……、話さなくてもいいけど。
(81) 2023/08/19(Sat) 13時半頃
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雲水 ハロは、メモを貼った。
2023/08/19(Sat) 13時半頃
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[椅子が父親のものだとしたら、それはそのまま。心臓の提供者であるということだ。 僕には親子間の愛情というものが分からないが………随分と過酷な話なのではないか……?
柊木はそんなものを背負いながら、いつも明るく過ごしていたのか。 彼は何の悩みもなさそうに見えるほど、誰にでも優しく朗らかだった。僕もいつの間にか下の名前で呼ばれているし。いや、名前で呼んでいいか聞かれてたな。返事しなかったけど、なんか名前呼びになっていた。
こういう奴は、大体において、親に充分愛されて育っている。
………しかし彼は。]
心臓の件、秘密にしているわけではないのかもだけど、誰にも言わないよ。 ──あ、いや…。ハロにだけ、話してもいい?
[そういえばハロに、"柊木君と話したら教えて"といわれていたのを思い出した。
そんな話をしていた後だったか。 >>62 流れで柊木がハロのことを話題に出して来て──、]
(82) 2023/08/19(Sat) 13時半頃
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─────はぁッ!!?
別に抱いてない!!!
[思わず背筋を伸ばしながら大声で否定してしまった。]
っていうか、あいつは永の妹だから………!中身は、僕等と同学年の女子、なんだよ。 別によく抱いたりはしてない……あいつが僕のところに来るから仕方なく。男に触られるの苦手で、いやそんな話は、いい。
[ていうかその辺にハロが居て聴いてたりしないだろうな……? 僕は思わず辺りを見回した。上下左右確認したがちゃんと居ないようだ。よし。 僕は咳払いをして、話を続ける。]
……そう、僕等の地球では、敵の数よりも契約したパイロットの方が多かった。前の"ハロ"は結構いい加減な奴だったからね…… 要するに僕は出撃機会が無く、余ったんだ。
(83) 2023/08/19(Sat) 13時半頃
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[さっき柊木は、僕が生きられるのは嬉しい、と言った。 僕は、本当は戦いたかった。戦闘にも自信がある。人が死ぬことに躊躇もない。祖父母を避難させる発想が最初なかったのも、そのせいだ。 永よりも弟の縁牙よりも、僕が出撃したかったのに。 よりによって僕だけが生き残ってしまったのだ───。]
………だから契約人数が敵機よりも多ければ、誰かは助かる。 ただ、この地球は、ギリギリの人数しか契約できていないんだ……。補充はできるけど、上限もある。
[身近な仲間を救うために他の誰かを新しく契約させるなんて、柊木には出来ない発想だろう。彼の顔は落胆の色を見せただろうか。 僕は重要なことを付け足した。]
──でも、もし、この地球のパイロットが足りなくなったら。 僕が契約するつもりだから心配しなくていい。
[それは最初から決めていたことだ。ハロに聞いたら怒られる、いや永にも怒られる……。約束を破るつもりはない、けれど。永と同じ顔をした女の子の泣き顔が浮かぶ………。]*
(84) 2023/08/19(Sat) 13時半頃
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― 幕間>>79>>80―
そりゃまあ、ね。 敵が攻めてこないうちにそんな風に出ていったって、 多分誰も信じないよね。
七星君がやったみたいに、本当のことを隠すか、 敵が来て、暴れ出して被害が出てから 近くの人間に契約を迫るか… でもそれは難しいのかな。 そんな事してるうちにこっちのロボットが倒されちゃったり、 時間切れになっちゃうかもしれないし。
48時間経っちゃうと自動的に負けなんだったよね。
[あの時ハロが言ったこと>>2:99を思い出しながら、七星君の事を今更思い出す。本当にあの方法しかなかったのか。]
(85) 2023/08/19(Sat) 13時半頃
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[ハロの出してくれた地図は、鳥取砂丘を指し示していた。]
鳥取砂丘ね。なるほど。 …行ったことないな。 中学の修学旅行で関西には行ったんだけど。 京都と法隆寺と、あと…公園で両手広げた謎の像見たっけ。 金色の仮面つけた皇帝ペンギンみたいなあれ。 ハロは詳しい?あのあたり。
[でも、ハロは他の地球の出だし、知らないかも。]
(86) 2023/08/19(Sat) 14時頃
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そうね、柊木君に何かあったらいけないし、 そこにしよっか。
次の週末までに私も準備しておくから。 …終わったら帰る前に少し観光とかする? 鳥取って何があるのか知らないけど。
[そんな事も言いつつ、当日までには私もレーザー距離計を用意して、ハロを迎えたと思う。多分私が遠出らしきものをできるのはこれが最後だろうなって、そうふと思った*]
(87) 2023/08/19(Sat) 14時頃
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─大和命戦翌日 縁士の家─
[最初から気付いてたかという問い>>81に、康生は頷いた。]
ああ。あの座布団が縁士の、ってとこまでは気付けなかったけどな。
[家に誰かが訪ねてくれば不審に思われるのは、此方も同じだった。判っていて康生が書斎にまで人を通す可能性は低いが、“天道縁士が座っている椅子”が其処には在るのだから。ちなみに、康生の自室にだって康生の椅子はあるのだが、この子の中では人生の大半を過ごしたベッドの方が“自分の座っている場所”のイメージが強いのだろう。]
そ。俺の中に在るのは、父さんの心臓。 だから俺、ずっと父さんと一緒に生きてるんだ。 父さんは文字通り、俺に全部をくれたんだよ。 話せないし、撫でてくれることもなくなったけど、ずっと俺のこと支えてくれてるんだ。 書類の上では死んでるって扱いでも、ずっと心臓が動いてるし、生きてる。 母さんも俺も、そう思ってるから葬式はしてないんだ。 骨壺はあるけど、父さんが居るのはそこじゃなくてこっち。
(88) 2023/08/19(Sat) 14時半頃
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[胸に手を当てたまま答える康生は、笑みさえ浮かべていた。その様子は、何処か誇らしげですらあった。康生本人は、それを過酷だとは捉えていないのだろう。私と共に居られる事を、心の底から喜んでくれているのだ。]
秘密にしてるわけじゃねーけど、その方がいいかもな。 知ったらさ、俺が二重契約してるかもって気付かれるかもだし。 そしたら、縁士が────ケイ辺りに詰められそうだよなって。 ハロに言う分には、大丈夫だぜ。 あとカガセンも、二重契約のこと知ってるから言って大丈夫。
[話してもいいかと問う>>82彼に、康生はそう答えた。]
うおッ!? きゅ、急に大声出すなよ〜。びっくりするじゃん。 え、ココペリの妹? 女だってのは、目の前で着替えようとした時に言われたから知ってたけど……。 そっか、妹かぁ。似てねぇ…………や、ほんとは似てんのか? 俺が謎の生き物触っちゃいけないから、ハロが男に触られんの苦手ってのはわかんなかったなぁ。
(89) 2023/08/19(Sat) 14時半頃
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[移植前なら兎も角、移植後の康生はずっと免疫抑制剤を服用している。地面に落ちている物、未知の物には触れてはいけないと、康生の母親は口を酸っぱくしながら言い聞かせていた。それでも中学生の頃は、幾度か好奇心に負けて寝込む羽目になっていたのだが。成長したものである。]
余ったパイロット……。 じゃあやっぱり、俺らが生き残る方法って無いんだな。 ギリギリどころか────俺のせいで足りなくなるんだからさ。 二つ枠取ってんのに、一回しか戦えねぇんだから。
[確かに、落胆の表情は見せた。ただ、追加の契約自体はずっと考えていた事ではあった。勿論、身近な誰かを救う為にではない。康生に、そんな発想は出来ない。追加の契約は、この世界を守る為に必要だと考えたのだ。]
[現状、康生も私も、敵は全部で“六体”だと思っている。私達が二人で一つの命である時点で、パイロットが足りなくなる計算だ。だからこそ、康生は「僕が契約するつもりだ」という彼の言葉>>84を聞き、目に涙を浮かべた。]
ッ、な……なんで、んなこと言うんだよ……。 俺、縁士は助かるんだ。助けられるんだって、思ってたのに。
(90) 2023/08/19(Sat) 14時半頃
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……でも、誰もパイロットにならないなら、七尾の願い>>2:602、叶えらんなくなっちまう。 命が証にした世界>>3:325、なくなっちまう。 どんなことしてでも絶対に>>2:616、俺は世界を守らなきゃいけなくて。守りたくて。 だから、…………「頼む」って言うしかない。 カガセンも、似たようなこと言ってたけど、俺────
────本当に最悪の場合は、二人分足りなくなるから。
父さんには、頭がない。 “頭で考えた通りに動かせる”アストロを、動かせないかもしれないんだ。
[これが、私達親子が直面する、目下最大の問題だった。練習も出来ないぶっつけ本番で、もしアストロを動かなかった場合は────]
(91) 2023/08/19(Sat) 14時半頃
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その時は俺、死んで……交代してもらうしか、ないんだ。 何も、できないまま。*
(92) 2023/08/19(Sat) 14時半頃
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― 幕間>>85>>86 ―
うん。敵が暴れて被害が出てから、 っていうのは難しいと思う。
永の戦いの勝敗は、 この地球には関係なかったって言ったよね? あの時負けたら、永の宇宙が消滅する。 それなのに、敵が来てるのに、 コックピットを降りて、契約者は探せないよ。 それをしたとしても、混乱してる場で、 契約させるのは無理だよね。
この地球の契約者が居ない状態で、永が戦った後、 この地球の敵が現れた初戦で、 パイロット不在で48時間経過して、消滅。 それか、初戦までに誰か契約したとしても、 チュートリアルを受けて無ければ、負けると思う。
(93) 2023/08/19(Sat) 15時頃
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[それから、修学旅行の話には。]
私は、この地球の人じゃないから。 似た様な場所があっても、少しづつ違うと思う。 でも、京都っていう地名は、私の地球にもあって、 私も修学旅行で行ったよ。
金色の仮面の皇帝ペンギン?? それは、知らないな……。 私が知らないだけかもしれないけど。 [そう言いながら、紙とペンを出すと、どんなのか描いてみてって言ってみる。 果たして、本郷さんは絵が上手だろうか。
――……もしくは、『画伯』、だったりするだろうか。]
(94) 2023/08/19(Sat) 15時頃
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[場所や日時が決まると、小さく頷いて。]
うん。しよっか。観光。
[そう言うと、何もない空間から、本を一冊出す。 表紙には、『るるぶー 鳥取』と書かれていた。*]
(95) 2023/08/19(Sat) 15時頃
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─退院直後 教会 結婚式─
[誓いの言葉を口にした瞬間泪した彼>>76に、康生は苦笑した。]
もー……、また泣いてんじゃん。 ケイのこと、泣かしたくてやってんじゃねーんだから。
[誓いの言葉を言い終え、ヴェールが上げられると、視界が閉ざされた。ドレスは肩の出るデザイン>>10だったが、幸いにも、依然掴み掛かられた>>1:152>>1:154時に出来た痣は薄れて消えている。あんな経験があったと言うのに素直に目を閉じるのだから、我が子ながら心配だ。だが、彼はきちんと約束>>39を守り、寸止め>>77してくれた。気配が離れて康生が目を開けるまで、唇には何の感触も無かった。]
え、指輪!? すげー……これ、高かったんじゃ? ってか、プレゼント>>3:196ってこれのこと?
[金属を含め康生にアレルギーは無いから、指輪はすんなりと嵌められた。]
(96) 2023/08/19(Sat) 15時半頃
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こっちは、俺がケイに嵌めたらいい?
[そう言って、彼の指に指輪を通した。式の終わりを告げる>>78彼に、康生は満面の笑顔で答えた。]
どういたしまして! 俺も、ドキドキしてめっちゃ楽しかった!
[それが、普段と異なる場や衣装に因る緊張感なのか、好奇心や興味を掻き立てられた結果なのか、それとも──彼への恋心の芽生えだったのかは、判らない。けれど確かに、普段よりはほんの少し早く脈を打っていたのだった。*]
(97) 2023/08/19(Sat) 15時半頃
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─大和命戦のあった日 恵一へのLINE─
[天道縁士へとLINEを送った後、康生は乾恵一にもLINEを送る事にしたらしかった。ただ、なんと送ればいいか迷ったのだろう。幾つかの言葉が、入力されては消されて行った。]
『ケイ、調子どう?』 『(「心配ですにゃ……」と書かれた猫のスタンプ)』
[結局、康生が送ったのはそれだけだった。それは恐らく、涙で枕を濡らす>>70>>71彼の元へと届いただろう。*]
(98) 2023/08/19(Sat) 15時半頃
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ーー電話/康生ーー
[康生との結婚式を終え、珊瑚が亡くなるまでは、僕はまともな生活をしていたと思う。
父さん母さんたちが帰った時に困らないよう掃除をしていたし、食事も不慣れながら自炊に挑戦したり。
あの頃にはまだ希望があった。 新聞記者に連絡を取るなど、僕なりの精一杯をしていたから。
不安が過れば康生にLINEをしたり、薬指の指輪を眺めたりして頑張れたのだ。
(99) 2023/08/19(Sat) 16時半頃
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[でも、今の僕は埃まみれの換気すらしない部屋で、ベッドに身を横たえるだけ。
そんな時ーーLINEの着信が鳴る。 暗い部屋でスマホだけが光を放つ。
僕は震える手を伸ばして画面を確認した。]
あ、ーー…
[彼が心配している。この場合、パイロットに選ばれた彼を僕が心配するのが普通だろうに。
僕は揺れる指先で画面をタップしようとしたが、上手くいかない。
諦めて電話を掛けることにした。喉は焼けるようにヒリヒリしているが。]
……コ、ウ。
ごめ…ん。 心配かけて。
(100) 2023/08/19(Sat) 16時半頃
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[僕は憔悴し、やや栄養不足、水分不足なだけだ。 掠れた声でそう伝える。]
ゴホッ、待って、水飲む。
[起き上がるとペットボトルのゆるい水を流し込んだ。
それにより、僕の身体は無駄に生き返る。]
君は……君は。 パイロットになるんだよね。
コウ。
あれはーーあの時の言葉は、どういう意味。>>0
(101) 2023/08/19(Sat) 16時半頃
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[それは勿論、声が聴こえた事をさす。彼は
『俺も呼ばれてないよ。 呼ばれてはないんだけど…さ。 ────次は、俺だって思っといて』と言った。
ハロから僕はパイロット志願は出来ないと聞いているが。]*
(102) 2023/08/19(Sat) 16時半頃
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―― 第二戦終了から数日後 ――
[大和の戦いが終わって幾日か。 相変わらず西へ東へ忙殺される日々の合間、 校庭のグラウンドから校舎を見上げていた。 学校は出来る限りで授業再開を目指し 日常を維持しようと努めていたようだったが 一度ならず二度も破壊された校舎を再再度復旧しよう という方向にはすぐにはならないのは道理だった。 いつ三度目が起きてもおかしくはないのだから。]
(@0) 2023/08/19(Sat) 16時半頃
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[不意に、ポケットに入れていたスマホから 呼び出しを示すバイブレーション。]
はい、加賀―― ……ああ、うん。 例の件だよな。親御さんとの相談、どうなった?
……… そうか、わかった。 残念だけど、今は身の安全最優先がいい。 こっちから手続き書類送るよ。 じゃ、またな。
[受け持ちクラスの生徒や保護者たちからは LINE連絡や電話が結構な頻度で届く。 受験を間近にした三年生は特に不安だろう。 進路変更の相談や、避難先での学校探し、 転居に転校の手続きなども少なくはない。 今連絡をしてきた生徒も、転校の報告だった。]
(@1) 2023/08/19(Sat) 16時半頃
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[尤も――― 己もまた遠からず学校を去ることになるだろう。 現時点では処分保留となっているが 注意義務・監督義務の面で負うべき責任もある。
この戦いがいつ終結するのかは分からないし その時に生きていればの話になるけれど。]
(@2) 2023/08/19(Sat) 16時半頃
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[瓦礫だらけの校庭の一角で、 周囲を憚るように見回し煙草に火を付ける。 学校は休校となり会議も別所で行われている。 半壊した壁の裏は死角で、外からは見えやしないだろう。 受動喫煙防止、だったか、今はいろいろと世論が許さず 敢えて喫煙所を置く学校は減少している。]
……煙草臭いって言われたな。
[先日の本郷の言葉を思い出して、可笑しそうに。>>3:348 服に移るほどならば自宅はもう少し換気が必要か。 そもそもの話、長い禁煙期間もあり、本来は学校でまで そうしたくなるほどの喫煙者ではない筈だった。 色々と気持ちの切替が必要で再開してしまったのも 2年前にこの学校に異動赴任してきてからだ。
七尾と瑠璃川の死から本数が増えてしまったのは事実で。 今回の大和の件でも、また一本増えるのだろう。]
(@3) 2023/08/19(Sat) 16時半頃
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[そうしてまた、部室の外へ送る間際に 言い残された言葉を思い出す。 今の己には返答がすぐには浮かばずに 浅く頷くに留めてしまったのだが。
あの時あの場所での対応が正しかったかは分からない。 教師としては失格だが、個としては――― なぜだか、娘に会いたくなった。]
(@4) 2023/08/19(Sat) 16時半頃
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[―― 何本かの連絡の間に、 少し……いや、かなり気持ちが塞ぐ出来事も起きたのだが それは今は思考の横に置いておいて。
吸い殻を携帯灰皿に突っ込んで 誰にも聞かれないような場所へと移動する。 連絡先の一覧をスクロールして一点で指を止め 暫く思考を巡らせたのちに、その名前をタップした。]
(@5) 2023/08/19(Sat) 16時半頃
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[通話の相手は三千院。 唯一の三年生参加者として合宿に来ていたが 初日に体調を崩し帰宅を余儀なくされた天文部の部長だ。 >>0:@57>>0:@58
合宿の途中や終わった後に、体調の心配と 帰還していることは勿論伝えてあったのだが “契約” や “戦闘”に絡む内容は秘匿してきた。 しかし、もし彼が天文部の関わりに行き付いた場合。 瑠璃川の時のような悲劇を引き起こさないために、 予め伝えておいた方が良い。
時間をかけて状況と現状を三千院へ説明する。 後輩たちの運命に、責任感の強い彼は何を思うだろう。 事態が変わるときは連絡を入れることを約束し 早まった行動はしないでほしいと諭して通話を終了した。**]
(@6) 2023/08/19(Sat) 16時半頃
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― 幕間>>93>>94>>95 ―
やっぱり。そういう事なんだよね。 …七星君の事は、今でも複雑な気分だけど。 やっぱりあれしかなかったのかなって 思う気持ちにもなったりして。 …もし私が同じ立場だったら、どうしたかな。 やっぱり同じようにするしかなかったのかもなって。
ハロを責めてるんじゃないよ。気持ちの問題だから。
[この話は一度脇に置いておいた。 ハロの地球の話は素直に興味もある。 今どうなっているのか、聞くのは憚られたけれど。]
(103) 2023/08/19(Sat) 17時頃
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そうだよね。 並行世界っていうのは、何かの拍子で枝分かれして、 それぞれ違う可能性があるみたいな事、聞いたことある。 全部同じってわけじゃないよね。
でも京都はあるんだ。 なら、ハロの地球は私達のところと 枝分かれしたとしてもそんなに昔じゃ なかったのかもね。
[と言いながら、私の方で、差し出された紙とペンで件の像について思い出しながら絵を描いてみた。スマホなら一発で説明できるんだけど、せっかくだから。
紙の上に、過去の記憶を掘り起こした姿が描かれていく。 巨大な牛乳瓶に広げた両腕をくっつけ、頭の部分に、金色のボウルみたいな円形の凹んだ仮面。 仮面には丸く小さな二つの目がついていて、中央に開いた嘴が張り付いたアルカイック・スマイルを作っている。
腹部にももう一つ顔のようなものが描かれていた。]
(104) 2023/08/19(Sat) 17時半頃
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うん、結構うまくできた。 [出来上がったものをハロに見せてあげる。私としては結構自信作なのだが。]
昔大きなフェスティバルがあった時に作られたんだって。 人類の未来と調和へのアンチテーゼだって説明された。
あと…そう、こういうのも。
[数珠つなぎになった丸い球体に眼球がいっぱい描かれた、アメーバみたいな絵も描いてみせた。こっちは自信作だ。]
(105) 2023/08/19(Sat) 17時半頃
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ごめん、話それちゃったね。 じゃあ、鳥取で観光で。 行きたい所あったら、考えておいて? 私も考えてみるから。
[同年代の女の子だというのは知っている。 こんなところに行くなんて思わなかったな、と思わずふふ、と笑った。当日まで、色々と本を見返したりしてたと思う。 その時間は、加賀先生と言葉を交わすときのように私のなんとか絶望せずに目の前を生きる意味みたいなもので、
だからその間の、他の男子たちのことを、葛藤や苦悩みたいなものを、私は少なくともその時点では多分あまりよく知らなかった*]
(106) 2023/08/19(Sat) 17時半頃
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公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/19(Sat) 17時半頃
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― 幕間>>103>>104>>105>>106 ―
ううん。責めていい。 嫌っていい、憎んでいい。 許してもらえるなんて思ってない。 永も、私も。
[この地球と私の地球の分岐はそう昔の事ではないかも、というのには、小さく頷く。 本当のところは、私にも分からないけれど。]
[そして、スマホの検索というのをすっかり失念していた私は、真っ白な紙に描かれていく絵を見つめる。]
――……あっ! これ、『タイヨウノトウ』!? あと、ミャグミャグサマ? 本郷さん、絵、上手だね。
[本郷さんは絵が上手くて、私の記憶の中に、近いものを見つける事ができた。 私も、本郷さんの絵の横に、タイヨウノトウとミャグミャグサマが手を取って両手をバンザイしているイラスト(顔が全部笑っている)を描いてみる。 多分、59(0..100)x1点位のでき。]
(107) 2023/08/19(Sat) 18時頃
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[絵は、特段上手くも下手でもなかった。]
[鳥取観光には。]
行きたい所かぁ。うん。分かった。
[そう言って、小さく頷いて。 今はもう主の居ない、大和君の秘密基地で、 謎生物は、観光情報誌のページを捲るのでした。*]
(108) 2023/08/19(Sat) 18時頃
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雲水 ハロは、メモを貼った。
2023/08/19(Sat) 18時頃
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─大和命戦のあった日 恵一との電話─
[あの日貰ったシルバーの指輪を、康生はずっと左手の薬指に嵌めている。大和命戦の時に、気付いた者も居たかも知れない。康生は、聞かれれば「ケイに貰ったんだ」と正直に語っただろう。乾恵一の指にも同じ物が光っているから、何も聞かずとも察せる者は察せたかも知れない。必要以上に目立たせるつもりは無いらしく、康生が私に触れるのは右手でやる割合が増えた。]
[LINEの返信を待っていたが、掛かって来たのは電話だった>>100。病院ではなく自宅だったから、康生は即座に出た。]
もしもし? って、ひでー声してんなぁ。 謝んなって。おう、飲め飲め。
[彼は、憔悴しきった声をしていた。今でこの調子なのだ。私の巻き添えで康生が命を落とした後、この子は一体どうなってしまうのだろうか。]
(109) 2023/08/19(Sat) 18時半頃
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[そう。康生はパイロットになる訳ではない。これから巻き添えで死ぬ事になってしまっただけだ。だから「パイロットになるんだよね」という言葉>>101への返答は、歯切れが悪い物だった。]
ん……ま、そんな感じ。
どういう意味、って…………そのまんまかな。 なんかめっちゃ胸騒ぎがした、みたいな? だから、他に呼ばれたーって奴が居ないなら、そういうことなんだろうなって。
ほら、大和だって名前が呼ばれたとは言ってなかったし。 もしかしたら、こういうパターンもあんのかも。
[康生自身は、名を呼ばれるものなのだろうと考えてはいる。ただ、現時点でそれは確定の情報ではないから、『次は、僕だ!』とだけ書いた>>3:43大和命の例を挙げて誤魔化した。なるべく嘘は吐きたくないのだろう、ふんわりと曖昧にする言葉。それは、事実を隠す為でもあり、彼に残酷な現実を突き付けない様にという気遣いもあったに違いない。]
(110) 2023/08/19(Sat) 18時半頃
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[だが、これから告げなければならない事実は、そうは言ってられない程に深刻な物だった。]
……それよりも、さ。一つ気にしてることがあって。 大丈夫だと思うんだけど、大丈夫だと思ってるんだけどさ。 俺、アストロを動かせる自信、あんまなくて。 ハロに、動かせなかったらどうなるのかって聞いたんだ。
動かせなくても、即負け確定にはならないらしいんだけど、決着は48時間以内に付けなきゃいけないらしくて。 敵や、敵に属する人から受けた攻撃でパイロットが死ぬってのが、敗北条件で。 負けない為には────それ以外の方法で死んで、次のパイロットに席を譲らなきゃなんないんだ。
命がアストロを動かせないっつった時、俺がめっちゃ動揺しちまったのは、それで。 あん時は、心配掛けてごめんな。
(111) 2023/08/19(Sat) 18時半頃
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だから、えっと……言いにくいんだけどさ。 俺は、絶対にこの世界を守りたくて。 守りたいから、動かせなかったら最悪いきなり自殺始めるかもしんないってこと、伝えときたくて。 そんで、俺がうまく死ねなかった時は────ちゃんと、殺して。
[語り口は、あくまで穏やかだ。けれど、康生が本心からそれを望んでいるということははっきりと伝わるだろう。]
や、まずねーとは思うんだけど! ねーとは思うんだけどな!? 言わずにいきなり驚かせるよりは、杞憂でもちゃんと言っとかないとな〜って。 凹んでるとこなのに、ごめんな。逆に凹ますようなこと言っちまって。
[態と冗談めかし、明るい口調で康生は語った。彼は一体、何を思うのだろうか。*]
(112) 2023/08/19(Sat) 18時半頃
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ー幕間>>107>>108ー
ううん。今は恨んでるってのとは少し違うかな。 許せるかはまた別だけど… 今は他に方法がなかったのかなって、 これからもずっとこんな形の契約が 続くのかなって考えてるだけ。 乾君もね、今ハロがあくまで私達のために 頑張ってくれてるって事、ちゃんと分かってるから。
[彼は今どうしてるんだろうな、とふと思う。 残り僅かの時間、柊木君と一刻を惜しんでいるんだろうなって、私は疑いもしていない。]
絵、うまいかな?ありがとう。 そう、そういうの。 …ふふ、ハロも結構うまく描けてる。 なんていうか、味があるって思うな。
[そんな風に言って、ハロが普段どこで過ごしているか知らない私は私で、準備の上当日を迎えた。]
(113) 2023/08/19(Sat) 19時半頃
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ー鳥取砂丘ー
[学校は安定して授業を受けられる学びの場としてどこまで機能しているかも怪しくなっていたけれど、私がハロと合流して約束の場に送ってもらったのはとにかく休みの日だった。 学校に顔を出した時、加賀先生の責任の話>>@4が職員室を通りかかった時聞こえてきて、歯噛みした。
それは私にはどうしようもないから、私は私のできることをする。]
ありがとうハロ。 早速だけど、アストロの右腕だけ呼び出して。
[私はジャージ姿でハロに告げる。学校が特定できないよう、指定のものではない市販のジャージ。呼び出されたアストロの掌の上に乗り、掌と腕の境のあたりまで歩いて行って、屈んだ位置から先端に向けてホームセンターで買ったレーザー計を当てる。]
(114) 2023/08/19(Sat) 19時半頃
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ハロ、ちゃんと指先に当たってる?
[確認が取れたら、数字をメモ。今度は腕の付け根の側に向けてレーザーを照射し、計器で測定可能な距離ギリギリまで遠い所をレーザーで探って照射し、そこにハロに移動してもらう。その後私がハロのところまで移動して、また先の方を照射する。この繰り返しで腕の付け根まで移動し、合計したものがそれぞれアストロの掌と腕の長さ。]
うん、きちんと測れたね。 じゃ、後もう2回測って、それを平均しよっか。
[ハロに告げて、同じことを今度は逆から繰り返す。 たっぷり昼までかけて、測定はようやく終わった。 私の方も結構汗をかいて、首に巻いたタオルが濡れてしまった。]
お疲れ様。 それにしても、腕だけでも本当に大きいんだね、アストロ。 …これで戦うんだから、被害なんて出て当たり前だよね。
[私達は乗るのではない、乗せられているだけ。 改めてそう感じずにいられなかった。]
(115) 2023/08/19(Sat) 19時半頃
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ともかく、お疲れ様。ハロ。
それじゃ約束どおり、後は観光にしよっか。 どこか行きたい所ある?
[私はハロにそう尋ねた。半日とはいえ移動時間が必要ないなら、きっと行きたい所はしっかり行けるはず*]
(116) 2023/08/19(Sat) 19時半頃
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ーー電話/康生ーー
[そう、僕らはあれから互いにペアリングをつけている。
佐藤さんは説明してくれた。 『婚約指輪は普段はつけないから宝石とかがついてるのがいいんだけど、結婚指輪は常に嵌めるものだから、引っ掛ったりしないようにシンプルなのがいいのよ。』
ちなみに値段は高くはない。 式場確保、レンタル衣裳、指輪、佐藤さんのサポートあわせても五万を越えなかった。
貯金を残す意味はない。 僕は躊躇いなくコアラの貯金箱を割ったのだ。
コックピットで僕は彼の指に光る指輪に気付いて。 幸せを噛み締めた。
ーーあのカガセンベッド事件が起きるまでは。()
(117) 2023/08/19(Sat) 19時半頃
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彼の返事は奥歯に物が詰まったようである。
確かに僕は何かに呼ばれた感はなかった。 そも"呼ばれた"と表現したのは千映だし、彼が言うようにそれがどんな感じなのかはわからない。
彼女はミーティング中にコックピットに召喚されてしまったし。
そう、確かコーラ…コウ大好きラブラブ号(僕専用)の名付けをしている際だったか。]
……そう、だね。 間違いであって欲しかったけど。僕が呼ばれたら良かったんだけど……。
[言葉に詰まる。彼が呼ばれる前になんとかしたかったのに。
巻き貝を強く握り締める。]
(118) 2023/08/19(Sat) 20時頃
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動かせない、時。
[確かに大和は最初苦戦し、ペダルを漕ぐという正解にたどり着いた。
椅子の形状は皆異なる。 全く操縦席ぽくないし、念で動かすと言われても大和みたいに何処かに触れる必要もあるみたいで。
僕などyogiboなんだが… 寄り掛かる以外ないんだけど。
何故、命を掛ける闘いを練習もなく一発勝負にやらされるのか。
また僕は理不尽を感じた。
そして……。]
動かなかったら、死んで、交代? そんなーー。
[絶句する。]
(119) 2023/08/19(Sat) 20時頃
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なん、で。 なんでーーおかしいよ…
パイロットが交代するだけなら、次の人が呼ばれるでいいじゃないかッ
なんで、席をどくのに死ぬ必要が?!訳がわからない。
まるでーーまるでショーだ。 僕らの命をなんだと思って、こんな風に扱うんだッ
勝っても死ぬ、交代したいなら死ね?
ふざけてるッ!!
[僕は憤った。勿論、彼にぶつけても仕方ないことだ。
が、余りに納得いかないことばかりで。]
(120) 2023/08/19(Sat) 20時頃
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はあッ…ごめん。 君に愚痴っても仕方ないよね。ただ余りに酷いと思ったから。
[まるで動物かなにかへの扱いだ。そう言えば、競馬の競走馬は活躍できる期間はたった四年ほど。その後は殺処分される。
馬の本来の寿命は20年であるが、人間がゲームを楽しむために殺されるのだ。
馬たちはこんな気持ちなんだろうか。]
待って、待ってコウッ ーー待って。
[彼はどんどん先まで話す。 もし動かないならいきなり自殺する。そのショッキングな言葉に僕は震える。]
(121) 2023/08/19(Sat) 20時頃
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君が言っている意味は理解する。……理解はするよ。
凄く機械的に述べるなら。 君は闘って勝利しても死ぬんだ。
そして、動かない場合そのままなら負けるーーつまり、みんなで死ぬよりは自分だけが死に、席を譲ろうと言うんだろう?
[どのルートにしろ彼は死ぬ。 それでも、彼がそこまでの覚悟を決めているのに僕は驚く。]
(122) 2023/08/19(Sat) 20時頃
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……君は。君は。
コウ。聞くけど。 それは僕でーー僕がいいんだな。
もしそうなるなら。 そうなる、ならーー
その役目は他の誰にもさせない。僕がーー
(123) 2023/08/19(Sat) 20時頃
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君を殺すよ。
(124) 2023/08/19(Sat) 20時頃
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[僕の声が余りにも冷えきっていたからか、彼はすぐフォロに回った。
僕はその明るい声を聴きながら天井を仰ぐ。]
そうだね。去年の花火もそうだけど、君は聡明なのに案外うっかりもあるから、ちゃんと確認はしないと。
ーーコウ。
[言葉を切る。僕は父さんから教わった大切な価値観をずっと持ち続けている。
何人にも犯せない、尤も大切な。]
(125) 2023/08/19(Sat) 20時頃
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君が決めることが、君の意思だ。君は、君のやりたいよう精一杯して欲しい。
[彼の信じるように、して欲しいと。その判断が自殺の場合でもだ。]
コウ。
僕もーー僕の主である僕に従い、そうして生きているから。 最後までそうするから。
[そこまで話して、ふと。]
あ、あのッーーあの。
しつこくてもう飽きたかもだけど。 耳にタコ出来たかもだけど。
生きているうちに聴いて。 僕の声を。僕の言葉を。
(126) 2023/08/19(Sat) 20時頃
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[す、と大きく息を吸い。背筋を伸ばして。]
ーー君が好きだ。 コウ…好きだ、好きだーー
僕は君が好きだッ
愛しーー… 君が、僕の全てだ。*
(127) 2023/08/19(Sat) 20時頃
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─大和命戦から数日後 手紙─
……こんな感じか? あと書き残してること、ないよな?
[書き上げた手紙に、康生は目を通し直す。暫くして、大丈夫だと判断したのだろう。コピーを取り、それぞれを封筒に収めた。まずは原本を携え、加賀先生の元へと向かう。]
カガセン、ちょっといい? 俺が死んだ後、みんなが混乱してそうだったら、この手紙を読ませてあげてほしいんだ。 二重契約のこととかいろいろ、俺の言葉で書いてるから。 念のため、三千院部長にも同じの預けるつもりだけど。 できれば、カガセンからのがいいかなって。
……あ、俺が死んでもみんな平気そうだったら、適当に処分しといて。 俺の言葉がなくても大丈夫ってことだから、ほんとはそれが一番いいんだ。
[そう言って、手紙を入れた封筒を差し出した。]
[その後、三千院透にも同様にコピーを託し、彼には次期部長を務められないことも同時に詫びて、康生は場を後にしたのだった。*]
(128) 2023/08/19(Sat) 20時頃
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― 幕間>>113 ―
そうだね。 世界が分岐して増え続けているなら、 もしかしたら、永遠に終わらない戦いなのかも。 [だから、今回、地球を守れたとしても、再び順番が回ってくる可能性もある。 とは、言えなかった。]
……乾君? そうなんだ?
[乾君も、と聞くと、小さく首を傾げる。 転送する時に姿を見る位で、心境の変化があった事は知らないので。]
[私の絵を、味があると言ってくれるのには。]
そっか。ありがと。
[そう言って、笑った。]
(129) 2023/08/19(Sat) 21時頃
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─大和命戦のあった日 恵一との電話─
バーカ。「僕が呼ばれたら」とか言うなって。 どの道、全員呼ばれるんだとしてもさ。 俺は、俺の守る世界にケイが居てくれる方が嬉しい…って、それはケイもか。ごめん。
[康生は、素直過ぎるきらいがある。口から常に本音を垂れ流している様なものだ。失言に気付き、詫びを入れた。そうして眉を下げながら、彼が激昂する>>120のを聞いていた。]
…………うん。ふざけてるし、理不尽だよな。 そういう風に怒れるの、恵一のいいところだと思う。 俺、そういう意味じゃ心がないみたいな感じだからさ。 ほんとはもっと……抗うとか怒るとか、あるはずなのに。 愚痴とか気にすんなって。俺でいいなら全然聞くから。
[無邪気な子供の様で居て、康生の透徹した目は何処までも先の真実まで見通す。その早さに、彼は付いて来るのも難しいのだろう。制止の声>>121が痛々しい。康生の説明下手の本質は此処で、相手が理解する前に数手先の単語を置いてしまうからだった。途中経過の説明が抜けがちなのだ。自分の生死に関する事柄に関しては、相手の感情さえも置き去りにするので特に顕著だった。]
(130) 2023/08/19(Sat) 21時頃
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──縁士自宅・柊木と──
[特に隠す様子もなく、柊木は自分の父親の心臓、と言い切った。>>88 全部をくれた。一緒に生きてる。撫でてくれることはなくなったが── ひとつひとつの言葉から、ああ、やはり随分愛されて育ったのだな、としみじみ感じ取れて。羨ましいとかではなく、親に愛されるとはどんな感じなのだろうと思う。]
………そうか。話してくれてありがとう。
僕が未契約なことは、いずれはバレる前提ではあったから、誰かに責められるところまでは想定内だよ。でも、さっき話した通り僕は予備パイロットだ。別に裏切っているわけでもないから、大丈夫だよ………。
[ケイ辺りに詰め寄られそう、と言うのにはそう答えた。 大丈夫じゃなかったら?ハロを泣かせない程度の喧嘩で済めば、と思う。]
(131) 2023/08/19(Sat) 21時頃
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うん、そう。ケイの理解したので、合ってる。 ちゃんと説明できてよかった。
……ケイがいいな。 「死ぬまでケイの傍に居る」って約束した>>3:47だろ。 自殺ならあれだけど。他の人にってなったら、その人の傍になっちゃうかなって気がして。 俺、守れる約束は守りたいんだ。 だから、俺が死ぬ番になったのも伝えただろ?
[伝えると約束していた>>3:87から、康生は正直に話した。其処に関しては、隠さなかった。黙っていた方が、彼が心穏やかに過ごせる時間は長かっただろうに。その代わりに、明るく振舞い元気付ける。この点に於いて、康生の右に出るものは多くないだろう。死が常に身近にあり、心配ばかりしてしまう私達を常に笑って励まし続けてきた子なのだから。無理に明るく振舞っている訳ではない。本当に心配の要らない子なのだ。産まれた時から置かれていた理不尽な環境が、この子をそうしてしまったのだった。]
(132) 2023/08/19(Sat) 21時頃
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そうそう! 確認って大事だよな〜って。 ……、……うん。サンキュ、ケイ。 俺は、俺のやりたいように精一杯やるよ。 だから…………それを叶えるのにケイを頼ることがあったら、協力して。
[彼はきっと、自殺の幇助についてだと捉えただろう。実は、それだけではなかったのだが。明かされるのは、まだ先の話だ。]
そんで、ケイも好きなように生きてくれ。 俺は手伝ってやれなくなるから、ちょい不公平だけどさ。
[彼の真摯な言葉>>127が、康生の鼓膜を震わせる。それがどれ程康生の心に響いたのかは、私には判断が付かなかったが。]
何度も聞いたし、知ってるけどさ。 でも、やっぱすげー嬉しい。俺も、ケイのこと好きだよ。 ケイと出会えたこの世界全部が大好きだから、ケイだけで全てって風には言えねーけど。 好きだし、同じだけ返したいし、できたら笑っててほしいんだ。 ケイがしてほしいことで俺にできることは、なんでもするからさ。 ……できること、多くねーけど。
[胸元に手を当てたまま、康生は困った様に笑っていた。困ったような表情をしていたけれど────幸せそうだ、と私は感じたのだった。*]
(133) 2023/08/19(Sat) 21時頃
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― 鳥取砂丘>>114>>115>>116 ―
[本郷さんが指定した、休日。 一時的に誰も来ない様に規制をしてもらうと、鳥取砂丘へ本郷さんを転送した。]
おっけー!
[ジャージ姿の本郷さんから指示を受けて、砂丘にアストロの右腕だけを呼び出すと、本郷さんが測定を開始する。]
当たってるよー!
[アストロの右腕、手から腕の付け根の方向へ、測定可能な限界の距離をレーザーで照射して、少しづつ。 私が旗印の様になって、移動しながら、計測をする。 やがて、腕の付け根に到着すると、もう2回、と言うので小さく頷いた。 そうして、お昼までたっぷり時間をかけて、計測が終わり。] 本郷さんこそ、お疲れ様。 うん。被害を出さない様に戦うのは、難しいね。
(134) 2023/08/19(Sat) 21時頃
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[計測の後は、観光をする約束で。 どこか行きたい所、と問われると。]
その前に、休憩しなくて大丈夫? [計測の結果はどうだっただろう。 やはり500m位あったなら、3回の往復で、移動距離は1.5km。 暑さもあって、消耗しているのではないかと心配になる。*]
私は、白兎海岸と、白兎神社かな……。 でも、本郷さんが行きたい所に先に行こうよ。
(135) 2023/08/19(Sat) 21時頃
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雲水 ハロは、メモを貼った。
2023/08/19(Sat) 21時頃
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―― 第二戦から数日後 ――
[柊木と顔を合わせたのは>>128 大和の戦闘の後から数日が経過したある日のことだ。 柊木が次のパイロットに選出されたことは 大和の戦闘の直後に彼の口から聞いている。>>0
大和を喪ったすぐ後だというのに、 もう、もう一人の生徒が襲来予告を受ける非情。 せめてもう少し間を開けてほしい。 彼らに時間をやってほしい…… そう祈っても願い届かず。
この日は、学校は休校になっていたが 最低限の保全のための出勤はしていたので 誰もいない教室に移動してからの密談になっただろうか。]
(@7) 2023/08/19(Sat) 21時頃
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……それで、どうした? ……手紙? そっか、あの件な……… わかった。
[あの日、 二重契約によって二つ分の契約を消費すること、 未契約者の存在が亀裂に繋がること…… を 柊木は病院で危惧していた。>>3:29>>3:30 彼の戦闘の後に、光点の違和感に気付き 空席が出来ることに思い至る者はきっといるだろう。]
(@8) 2023/08/19(Sat) 21時頃
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………ばぁか。 あのなあ。 お前が死ん―― 居なくなって、 みんな平気そう、なんてことがある筈ないだろ? ……むしろ、柊木の方こそ大丈夫か?
[全員に一通ずつの手紙。三千院にまで残したらしい。 封筒を丁重にファイルに挟んで鞄に仕舞いながら、 ありがたいことだが律儀な奴だな、と笑みのような 悲しみのような、複雑な表情で眉を下げる。 柊木の心境を慮るが、あの病院での表情とは違い 決意したかのような眼差しの前ではそれ以上を問えず。]
(@9) 2023/08/19(Sat) 21時頃
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……… どんな形であれ、 お前の想いはちゃんと次に繋げるよ。 ありがとう、柊木。
[何かあれば必ず届けると約して、柊木を見送る。 その背が廊下の向こうに消えて行くまで見詰め 次に会うのはコックピットの中だろうか……と、 遣る瀬無い気持ちを抱えて佇んでいた。 **]
(@10) 2023/08/19(Sat) 21時頃
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[合宿1日目で体調を崩して、帰宅した後。 学校の近くで2度の戦闘があって、校舎が破壊されて。 体調が回復した後も、三年生の僕は、自宅で勉強をしていた。]
[そんな時、天文部副顧問の加賀先生>>@6から電話あって。 これまでの事の顛末と、行方不明と耳に入っていた、天文部員の七緒と大和の戦いの事を聞く。 やがて、通話を終えると。]
――……僕のせいだ。
[ぽつりと呟いて、項垂れた。**]
(@11) 2023/08/19(Sat) 21時半頃
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─大和命戦から数日後 手紙─
[加賀先生は、康生の手紙を受け取ってくれた>>@9。誰に見せる、見せないの判断も、任せてしまって大丈夫だろう。康生は、そう考えている様だった。]
マメったってコピーだけどな! 一人一人に書いてて、間に合わなくなる方が困るし。
[「ばぁか」と笑う教師に、康生もまた笑い返した。]
そっかな〜? 俺、知ってるんだ。俺が居なくても、世界は回ってくんだって。 俺が居なくても世界は回ってたんだから、元に戻るだけ。 ────それでも俺、この世界が大好きなんだ。
[康生が療養している長い間、世界は康生の存在抜きで回って来た。この辺りは、長期で世間から隔絶された事のない人間には理解し難い感覚だろう。私とて、解ってやれているとは言い難い。康生は、胸元へと手を当て微笑んだ。]
俺は平気。一人じゃねーから。 ケイだって力になってくれるし、カガセンに後も任せられる。 ……母さんのことは、気掛かりだけどさ。 全く心残りがない人生が無理だってのも、知ってるから。
(136) 2023/08/19(Sat) 21時半頃
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カガセンがそう言ってくれる>>@10なら、安心だな! そんじゃ、また!
[明るく笑って、康生は教室を出て行った。その様子は本当に、ただ雑談しに来た生徒の帰り際と言った雰囲気で。とても、避け得ぬ死期の迫る高校生の態度には見えなかっただろう。]
[康生にとっての死は、それだけ有り触れた、当たり前で、身近な物だったのだ。*]
(137) 2023/08/19(Sat) 21時半頃
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[もしもの場合は僕が契約する、という話には、柊木が涙を浮かべてしまったので僕は慌てた。目の前の人が泣いているのは苦手だ。どうしたらいいか分からなくなる。 ちょっと固まってしまっていたけど、柊木は怒涛のように話を続けてきて。その内容には少し口を挟んだ。>>91]
んっと。 僕が怪しまれずにここのメンバーに紛れるために、ハロと示し合わせて敵機の数はフェイク入れてたんだ……。だから、6戦ではなく本当は5戦。つまり僕が未契約で尚且つ、柊木が2人分カウントしていたとしても人数は足りるよ。 ………ごめん、重要事項なのに最後になってしまった。
[──……あくまで今後パイロットが減らなければ、の話だが。 そして、柊木のお父さんに"頭がない"、という問題について。僕は腕組して考え込んだ。]
……確かに、柊木みたいなケースは僕等のグループにも無かったから、あまり迂闊な事は言えないが……。
(138) 2023/08/19(Sat) 21時半頃
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………心臓にいる君の父さんが、ちゃんとアストロを動かしてくれるんじゃない? 契約だって出来たんだし。
[もしかしたら呑気な考えだろうか?でも僕は、柊木の心臓はただものではない、と大真面目に思っていた。契約できて、椅子が出て、『呼ばれる』んだから───。]
そうだ。 柊木戦──お父さん戦だけど──、ベッドではなく書斎椅子を使ってみたら? 僕が勝手に座っていたけど、あれが本来の君のお父さんの椅子なのだから。
「ベッドは不安定だし」とかなんとか言って、 しれっと僕と変わればいいさ。
(139) 2023/08/19(Sat) 21時半頃
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― 鳥取砂丘 >>134>>135>>136 ―
[選ばれるのは当然、真近に迫る死んでしまう恐怖との闘いだけれど、まだ選ばれていないのは、先の見えない不安との闘い。 私はまだ前者と向き合う段階ではないけれど、今感じているのはどちらがマシとも言えないくらいのもので、だからこの一時は確かに気の慰めになっていた。 とにかく、準備自体は先に続けるためのものなわけだから]
(140) 2023/08/19(Sat) 21時半頃
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うん、お疲れさま。 ハロも準備ありがとうね。 おかげで随分助かった。
[測った腕の長さから考えると、やっぱりアストロの体高は500mでいいだろう。 腕と掌のサイズがわかれば、実戦では必ず役に立つ。結果に満足して私は道具をしまって、ハロにもアストロを再度格納してもらった。 そのまま観光…というには、確かにハロが言うのはもっとも。]
…確かにタオル巻いて、 ジャージと運動スニーカーのままだしね。 少し休んでからにしよっか。 欲を言えばシャワーを浴びれたらいいけど、 それで家に一度帰るのもなんかね。 着替えは持ってきてるから、うん、休憩。
(141) 2023/08/19(Sat) 21時半頃
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[着替え自体は、人に見えないようにハロに手伝ってもらった。 1.5kmの移動。砂浜を直に歩いたのだったら、確かに思いのほか疲れたかもしれない。]
白兎海岸…あ、因幡の白兎ね。確かにいいな。 私は…実は、一回燕趙園に行ってみたかった。 中国庭園を完全再現ってやつ。 さすがにお腹も空いたしね。 お昼もついでに。どうかな?
[ハロに問いかけて、多分そこにまずは向かう事になっただろう。 お昼を食べて、園内を見て回って… そういう過ごし方になったはず*]
(142) 2023/08/19(Sat) 21時半頃
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それでもダメそうだったら、僕がどうにかするよ。心配しなくていい。
[それは"ダメそうなら僕がその場で柊木を殺す"という意味だったのだが………、彼が誰か……例えば乾と交わす約束があるならば、僕はそのとき手を出さないだろう。]
大丈夫、何とかなる。
[僕は柊木を励ました。彼と話しているうちに、ポジティブな性格が伝染でもしたのか。らしくなく眉を下げた彼に、真っ直ぐそう言った。 もっとも僕の言っていることは大層物騒なのだが、いつもの如く自覚なく………]
(143) 2023/08/19(Sat) 21時半頃
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[余談。]
>>89 男女差があるくらいで、七星たちはよく似てるよ。 永の顔、可愛かったろ? ああ、そりゃハロとは似てないけど………
[目の前で着替えようとした話には、口を開きかけて、結局何も言わずその話題は流れて行った。]*
(144) 2023/08/19(Sat) 22時頃
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ーー電話/康生ーー
[そう。だから僕も同じように考えて、ハロに『パイロット志願は出来るのか』と聴いたのだ。
結果がyesであったら、僕は彼が呼ばれるより先に名乗りを上げただろう。
たとえ順番の問題でも。
そういう意味では、彼にとって僕がーー僕を護り死ぬことが、彼に少しでも幸せをもたらすなら。]
(145) 2023/08/19(Sat) 22時頃
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怒ってるの僕だけだよ?
そのせいで、同じように犠牲者であるハロやAにも冷たくしてしまった。
僕が本当に怒るべき対象は違ったのにね。
こんな理不尽極まりない、非人道的なゲームをやらせている存在なんだ。
……抗ったよ。でも、何もかも間に合わなかった。
僕は蟻んこみたいな大きさしかなくて。なんの力もなく。
地球を一瞬で握りつぶせるお釈迦様の手の上でただ踊っていただけだ。
ーーそれでも。 なんとか君をこの運命から護りたかった…
護りた、かった。
(146) 2023/08/19(Sat) 22時頃
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[愚痴なのか、弱音なのか。 僕は震える声で吐露する。]
ーー…。
[彼の博愛を僕は理解している。それこそが、僕がずっと彼の耀きであると称したものだ。
だから。彼を愛しながら、僕は同じものを求めてはいない。
人はともすれば、関係性に対等を求める。それは限りなく正しい。
だがそれを不均衡にしても場合がある。
深い、深い愛が存在する場合だ。
愛は、見返りを求めず惜しみ無く与えるものだから。]
(147) 2023/08/19(Sat) 22時頃
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うん。約束…君が僕との約束を破った事は一度もない。
わかった。もしもの事態の時は、この僕が必ず果たすよ。
[父さんはアメリカに避難する前に言った。
『お前の主はお前なんだ。この状況がお前の意思に反して押し付けられたのだとして。
それでもお前が闘うと決めたなら、私の息子として最期まで毅然と臨みなさい。
私はお前の父であることを誇りに思うよ。』
僕は父さんが言うような立派な息子ではない。兄の恋人を寝取るような男だ。 勿論父さんは知らないことだが。
父さんの言葉は僕の胸に満ちている。
彼の叶えたい事はわからなかったが、僕は頷く。]
(148) 2023/08/19(Sat) 22時頃
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わかった。
ーー考えたくないけど、君がこの世界から居なくなった後、やりたいと思うことはある。
やりたいことを思い切りやって、悔いが残らないようにする。
君は三人目だ。残り戦闘は三回。いつ僕が呼ばれるかわからないけど…ね。
[彼はそれをなんだと想像したろうか?大した事じゃないんだけどね。
隠し事と些細な秘密は違うのだ。]
(149) 2023/08/19(Sat) 22時頃
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[想いは形がない。
どんなに大きくとも見えない。
だからそれを一生懸命伝えようと、身体を触れ合わせたり、言葉にしたりする。
想いを尽くして。 胸が枯れてしまうほど、最後の一滴まで尽くしきって。
彼に捧げた。]
(150) 2023/08/19(Sat) 22時頃
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ーー…嗚呼。
[あんなにも乾いていた僕は潤う。彼で潤う。]
うん、…うん。 して欲しいことはもう、あの日に貰った。 いつ僕らがこうなろうと困らないように。
君の残り時間はご家族に使って欲しい。
次に逢うのはコックピットだ。 一番傍にいるからね。ーーじゃあ。
[また。彼と挨拶を交わして通話を終える。
僕はベッドから起きて、また巻き貝をオルゴールに大切にしまうと部屋を片付け始めた。
それからコックピット転送までどれだけあったろうかーー
彼との再会が、彼の最期となるのだろう。]**
(151) 2023/08/19(Sat) 22時頃
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― 鳥取砂丘>>141>>142 ―
家まで転送しようか?
[シャワー、と聞くと、そう言ったけれど。 着替えだけでいいというので、頷いて、人には見えない様に手伝った。]
燕趙園か。うん。行こ! ご飯は、この身体だと食べられないから、 見てるだけになっちゃうんだけど。
[ごめんね!って小さな手を合わせた。]
(152) 2023/08/19(Sat) 22時頃
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─大和命戦翌日 縁士の家─
大丈夫なことを、俺も願ってんだけどさ……。 最近のケイ、俺のことになると周り見えなくなっちまってる気がして。 縁士にひでーこと言わねぇか、割とマジで心配。
[大丈夫だと言う>>131天道縁士に、康生は何とも言えない顔をした。それは話が進むにつれ、真剣に考え込むものへと変わっていく。だが、敵の数がフェイクだと知ると素っ頓狂な声を上げた。]
へぁッ!? マ、マジ? それマジ? え〜、もうちょい早く知りたかったんだけどーーー。 ……や、いろいろ「黙ってよ〜」ってしてる俺が言えたセリフじゃねーんだけどな?
あ、縁士が悪いわけでもないから、気にしなくていいぜ。 確かに、紛れようとするなら、入れねーと不自然なフェイクだもんな。 俺みたいな存在、多分縁士たちにとっても想定外のイレギュラーだったんだろーし。 お互いに「まさか」ってやつだよなぁ。
[「君の父さんがアストロを動かしてくれるんじゃない?」という言葉>>139を聞いて、康生は“私”の方へと視線を向けた。尤も視界に映るのは、胸元に康生の右手が置かれているという光景だったのだが。]
(153) 2023/08/19(Sat) 22時半頃
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父さんが……、…………だよな。 ずっと一緒に生きてて、俺のこと見てくれてるなら、ちゃんと操縦してくれるよな!
[いや、そのつもりはあるが……問題が一気に解決した、みたいな顔をするんじゃない。私に頭が無いのは事実なんだぞ。聞いて……聞こえる訳が無いのは知っているが。]
え……? いいのか? あ、でもそっか……。 命の時みたいに、ちゃんと席に座ってねーと動かない可能性もあるか。 じゃあ、悪いけど変わってもらっていいか? 縁士。 なんかテキトー言って代わるから。
[急な席替えを他の生徒がどう思うかは判らないが、少しでも起動の確率を上げられる可能性があるのなら、試すに越した事は無い。私にとっても、良い提案だった。]
……ん、サンキュ。 でも、多分今縁士が考えてること、もうケイに頼んである>>132からさ。 それに、縁士が俺を殺っちまったら、ケイもう手が付けらんなくなっちまうよ。
(154) 2023/08/19(Sat) 22時半頃
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[彼の励まし>>143を受け、康生はいつもの様に満面の笑みを浮かべた。]
……だよな。大丈夫だよな? 何とかなるよな? よし! そうとなったら、後は行動するのみ!か。 ほんと、いろいろサンキュ。縁士。 俺、困った時はよく父さんに相談するんだけどさ。 返事がある訳じゃねーから、違う意見とか考えとか貰えんの、すげー助かった。
[その後は菓子を摘まみ、お茶を頂きながら他愛も無い話をした。その中で出た案内人の少年とハロとの話>>144に、康生は「確かにココペリ、可愛い寄りの顔してたなぁ」なんて吞気な感想を漏らすのだった。そうして普通の高校生らしい時間を過ごしてから、康生は彼の家を後にした。*]
(155) 2023/08/19(Sat) 22時半頃
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―ハロと― ううん、それは知ってる。 私の方こそ、一人で食べるようになっちゃうからごめんね。 …人間だったときは何か好きなものあった?
[そんな事を離したりしながら、目当ての場所に転送してもらった。 燕趙園は、中国で設計、加工した資材をそのまま日本に運んできて 組み上げた本格的な中国庭園で、歴代の皇帝達が楽しんだ光景をそのまま再現してあるらしい。
中国を舞台にしたドラマの撮影にも用いられたことがあるそうだけれど、さすがにスケール自体はそのままというわけにはいかない。 それでも、私服に着替えなおした後に昼食を食べて園内をゆったりと散策して、しばらくの間現実を忘れるには十分な時間だった]
(156) 2023/08/19(Sat) 22時半頃
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…こういうの、何年ぶりだろ。 最近は父さん達もずっと忙しかったし、 私も夏にどこかに足伸ばすこともなかったから…
[ふふ、とハロに話しかける。傍から見れば、ちょっと不思議な光景だったかもしれない]
ありがとう。次はハロの番かな。 白兎神社と白兎海岸って言ってたよね。 …いつでもいいよ。
[存分に中を満喫してから、隣のハロにそう呼びかけた*]
(157) 2023/08/19(Sat) 22時半頃
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─大和命戦の三日後 ハロへの確認─
ハロ、今大丈夫か? 一個だけ確認しときたいことがあってさ。
[唐突に、康生はハロを呼んだ。本郷真弓と彼女が小旅行の計画を立てている事など知らないからこそ、気安く呼んだのだが。然程時間を取らせる用件でもないので、大丈夫だろう。]
これまでがそうだったから、聞いておきたいんだけどさ。 戦闘の開始位置って、“パイロットが居る場所”だったりする?
[“俺の居る場所”と、康生は言わなかった。まあ私達の場合は、完全に同一と言ってしまって差し支えないのだが。一心同体ならぬ、二心同体な訳だから。]
……ん、そっか。サンキュ。
[その回答がどうであれ、康生は礼を言ってハロを見送った。*]
(158) 2023/08/19(Sat) 22時半頃
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― 燕趙園>>156>>157 ―
ううん、全然。 好きな食べ物かー……。んー。 ……苺のタルト、かな。ミルフィーユも好き。
[好きな食べ物って何だろう、と考えた末に、出てきたものは食事ではなくスイーツだった。]
本郷さんは?
[そんな話をしながら、転送したのは燕趙園。 本格的な中国庭園が、目の前に広がっていて。]
わーー! すっごーい!
[私服に着替えた本郷さん。 1人と1匹で、食事をして、ゆったり庭園を見て回る。]
(159) 2023/08/19(Sat) 23時頃
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[今にして思えば、柊木が時々胸に手を当てるような仕草をしていたのは、そこにお父さんの心臓があったからなのだな。]
>>154 そう、なのか。 ……分かった。
[乾と柊木の関係を推し量るのは僕には難しいが、第三者は立ち入らない方が良いのだろう。僕は頷く。 それから少し、雑談などもして過ごし。]
……柊木、今日は話に来てくれてありがとう。 思っていたよりもスムーズに話せた。
──椅子が無い筈の僕がいて、2つ椅子を持つ柊木が居たのも何かの巡り合わせだったかと、思う。 お父さん、椅子をありがとうございました。
[そう言って、帰り際の柊木に──心臓に居る人に頭を下げた。 誰もいないこの家に来た友人は、柊木が最初で最後であっただろう。僕は、彼の姿が遠くなり消えるまで見送っていた。]**
(160) 2023/08/19(Sat) 23時頃
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[散歩をする最中、夏にどこかに足伸ばすこともなかった、と聞くと。]
じゃ、良かったら、花火大会も一緒に行こ?
……ごめん。永と話してたの、少し聞こえちゃって。 あ、でも、秘密の話は聞いてないよ。 その時は、ちゃんと移動したから。
あ、でも、他に一緒に行きたい人が居たらなしで!
[花火大会の話を永としていた>>0:367のを知っていたので、そう提案してみる。 戦闘の間隔はまちまちだけど、花火大会までは日が迫ってるし、一緒に見られるはず、と希望をこめて。]
[そうしてたっぷり満喫した後、私の番を促されると。]
うん。じゃ、先に白兎神社に転送するね!
[そう言うと、白兎神社へ転送した。]
(161) 2023/08/19(Sat) 23時頃
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― 白兎神社 ―
[私が白兎神社と白兎海岸に行きたいと言ったのは、単純に、兎が好きだからというのが1つ。
もう1つは、因幡の白兎の物語で、永の事を思い出したから。 隠岐の島から、因幡の国に行こうとした白兎は、ワニをだまして足場にして、渡ろうとした。 けれども最後にうっかりそれを言ってしまって、皮を剥かれてしまう。 ……永は、最後までだまし通して、みんなを契約させたけれど。]
[参道には、兎が乗った石灯篭が18匹並んでいて。 兎の周りには、『縁』と赤い字で書かれた石が沢山乗っていた。]
天道君だー!
[石を見ると、そんな風に言って、笑って。 拝殿に着くと、1人と1匹、並んで手を合わせただろうか。]
[社務所には、絵馬やお守り、石灯篭の上にあった石もあって。 この地球のお金は持ってないので、ご利益は無いだろうけど、複製してみて。 そっと、天道君へのお土産にする事にした。*]
(162) 2023/08/19(Sat) 23時頃
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― 柊木君と>>158 ―
うん。大丈夫だよ。
[柊木くんから呼び出しがあると、すぐにその場に姿を現した。]
うん。パイロットが居る場所に現れる。 ……ごめん、言ってなかったっけ。
[それはとても重要な事だったのに、言ってなかった事に気付いて、謝罪をした。]
(163) 2023/08/19(Sat) 23時頃
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……あとね、私からも言いたい事があったの。 敵の数、嘘を吐いてごめんなさい。
永のチームの時は、敵の数よりも契約者が1人多くて。 自分は助かるかも、って希望を持ってた人が、 自分の番が来てしまった時、酷い事になった。 だから、契約者と敵の数は、合わせないといけなくて。 でも、ごめんなさい。
あとね、縁士君の事、秘密にしてくれてありがとう。
[そう言って、その場を後にした。]
(164) 2023/08/19(Sat) 23時半頃
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─大和命戦の三日後 ハロへの確認─
いや、気にすんなって。 特に俺、入院してたりしたし、細かいとこ聞き漏らしてそうだからさ。
[ハロを見送った後、康生は暫く難しい顔をしていた。]
(165) 2023/08/19(Sat) 23時半頃
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─大和命戦の五日後 仮住まいにて─
[康生は現在、母親と共に学校から遠く離れた仮住まいに居を移している>>3:173。大和命のアドバイスが在ったからだ。学校へ行く必要がある時は、ハロに頼んで転送してもらっていた。一応、籍はまだ日暈学園に置いていたが、学園内で康生を見掛ける日はあまり無かっただろう。在宅勤務の母親の目を盗むような形でしか、通えなかった>>3:220からだ。康生は、母親に事実を知られる事を何より危惧していた>>72。だからこそ、五日間は乾恵一の言葉>>151通り、母親との時間を作る事に専念した。]
[それは、康生の母親が買い出しに出ている、その間の事だった。]
[戦闘開始の初期位置は、パイロットが居る場所になる。そう聞いた康生は、結構悩んでいた。私との別行動が不可能なので、戦闘開始位置は≒で康生の所在地だ。となると、十中八九康生の母親──私にとっての妻──を巻き込む事になる。彼女は良く言えば意志の強い、悪く言えば頑固な所がある。加えて(これに関しては私も人の事は言えないのだが)康生に対して過保護だ。何を言っても、離れようとはしない>>3:114だろう。]
(166) 2023/08/19(Sat) 23時半頃
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……でも、巻き込みたくねーって思ってるよな?
[当たり前だ。]
んで、流石にそろそろだと思うんだよな。 てか、まだ来てねーってのが驚き。
[……そうだな。]
どうするか結構考えたんだけど、もうこれっきゃねーなって。 俺の家出に付き合ってくれよ、父さん。
[…………は?]
んじゃ、出発〜。大丈夫大丈夫、なるべくいろいろ気を付けっから。ま、何とかなんだろ。
[おい、ちょっと待ちなさい。康生。聞こえ……ないか。]
[なんと、康生が選んだのは『家出』という選択肢だった。何処の世界に、父親を家出に付き合わせる息子が居るのだろうか。親の顔が見てみたい。 ……全部私に返って来るだけなので、考えるのをやめた。]
(167) 2023/08/19(Sat) 23時半頃
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─大和命戦の五日後 日暈学園近郊 柊木家─
[だが、家出先は実に理に適った場所だった。日暈学園に程近い場所に在る、柊木家だ。確かに、仮住まいのある平穏な地域にいきなりロボットが現れれば、避難も何もあったものではない。今や随分と閑散としてしまったこの地域はある意味、最も戦闘に適していた。先の戦いによりライフラインの危うい箇所も多かったが、幸いにして我が家は倒壊しておらず、ガス以外のライフラインは問題も無さそうだった。康生は湯で調理するインスタント食品は食べられるから、電気ポットがあれば取り敢えず食の問題は何とかなりそうだ。]
一日二日は「友達の家に泊まるから」で誤魔化せっけど、問題は長引いた場合だよな〜。 なぁ父さん、なんかいい言い訳考えてくれよー。
[思い付いた所で、伝えられないだろう。返事が無いのを解ってて聞くんじゃない。]
[……とまあこんな調子で。最期の二日間、私達二人は存分に話しながら日々を過ごす事になったのだった。明日香には本当に申し訳ないが…………幸せな時間だった、と思う。]
[だから“その時”が訪れたのは、私達が日暈学園近くの自宅に居るタイミングでだった。*]
(168) 2023/08/19(Sat) 23時半頃
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雲水 ハロは、メモを貼った。
2023/08/19(Sat) 23時半頃
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― 白兎海岸 ―
[白兎神社を後にすると、次に、白兎海岸の西側へある気多ノ前へ転送する。 展望広場から、目の前に広がる海を眺めて。]
[そこには、展望台、愛の鐘、ハートの石、白兎のお告げ箱などがあり。]
恋人の聖地だって! 女子二人で来る所じゃなかったね! [まずは、そう言って笑う。 私は男性に触れられるのが苦手だけど、かと言って、恋愛の対象が女性だったりはしないので。]
(169) 2023/08/19(Sat) 23時半頃
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[大分場違い感はあったけれど、お告げ箱の傍に、お願い事を書くコインを見つける。 それをお告げ箱から3歩離れた所から投げ入れて、少ない回数で入る程、お願い事が叶う日が近い事を意味するらしい。]
……本郷さん、やってみる?
[そう、訪ねてみた。 自分は書くとしたら、『縁士君と最後まで見届けて一緒に帰る』になってしまうので。 それは書けないから、やるつもりはなくて。 そんな風に、楽しい1日を過ごしたのだった。**]
(170) 2023/08/20(Sun) 00時頃
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雲水 ハロは、メモを貼った。
2023/08/20(Sun) 00時頃
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─>>165の続き ハロ>>164への返答─
あ、いや。謝られることじゃねーって。 希望って、時々逆に残酷になることあるもんな。 俺も、「もうダメかも」と「もう大丈夫」の間めちゃくちゃ行き来したから、大変になるよな〜ってのわかるし。 俺は……まあちょっと悩みはしたけど、酷いことにはなんなかったし。 ハロたちの事情考えたら、仕方ねーよなって。 だから、んな気にすんなって!
[いつもの様に、康生はからからと笑った。]
どういたしまして! ま、どっちかってーと、俺が黙ってたくて秘密にした感じだしさ。
[そうしてハロを見送り、母親をどう巻き込まないかに付いて、また考え込むのだった。*]
(171) 2023/08/20(Sun) 00時頃
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何も無い空間から、
厚みのあるハートマーク
両脇斜め下方にキャタピラが付いたような形状の、
『敵』が姿を現した。
そして出現した、僕等が操縦するロボット、『アストロ』は。
顔に点く光点が、今は『4つ』になっている。
コックピットから見える街並みは、
三度目の戦闘の舞台となってしまった、日暈学園と。
よく見慣れた、市街地の景色。
3人目のパイロットが住まう家。
――……【ホーム】**
(#1) 2023/08/20(Sun) 00時頃
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─コックピットへ─
[康生が日暈学園を受験した理由は、「自宅に近かったから」だ。それ以上も以下も無い。身体的問題を抱える康生とその母親にとって、高校生活を送るなら自宅に近い場所という条件は外せなかった。この辺りの話し合いに、当然私が口を挟む事は出来なかった。康生が学校生活を送れる可能性が出て来たのは、私が康生の心臓になったからなのだから。]
[でももし、何かを伝える事が出来ていたのなら。康生は日暈学園に入学せず、私も康生も契約する事無く、今も普通に暮らせていたのだろうか。或いは、私が事故に遭わなければ。それか、康生の心臓が健康と行かないまでも、移植を必要とする程の物でなかったなら……。そんな、益体も無い事をつい考えてしまった。]
[コックピットへ、康生ごと転送された今となっては────全てがもう遅い。]
(172) 2023/08/20(Sun) 00時頃
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よっ、みんな久し振り! 元気してたか〜? いやぁ〜、とうとうって感じだよなぁ。
[からりと笑う康生は、私服姿だ。最初の引継ぎ戦が制服姿、七尾千映の時が入院着、大和命の時が私服。今日は、前回ともまた異なる私服姿だった。理由は明白だ。碌に荷物も持たずに家出して来たものだから、康生は私の遺品である服を身に纏っていたのだ。それは高校生男子が着るにしては……良く言えば大人っぽく落ち着いて見え、悪く言えば地味でおっさん臭い服装だった。康生は、書斎椅子に座る天道縁士へと視線を向ける。]
あ、縁士。良かったら、席代わってくんね? なぁ〜んか、ベッドだと操縦!って感じしなくて。気合いも入んねーし。 ケイのもリラックスって感じだし、女子の椅子取んのもあれだし。大和みたいに漕ぎ続けんのとか、俺できねーし。縁士のが一番いいや。
[そもそも彼からの提案>>139だったのもあり、彼は席を代わる事を快諾してくれた。康生は、書斎椅子へと身を沈める。高校生になり身長も伸びた康生は、生前の私とさして変わらない体格をしている。まだ幼さを残す面差しを除けば、成人男性が座っている様な雰囲気を醸し出していた事だろう。*]
(173) 2023/08/20(Sun) 00時半頃
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雲水 ハロは、メモを貼った。
2023/08/20(Sun) 00時半頃
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ーーコックピットーー
[神様はいるんだろうか。
こんなにバタバタ仲間が死んでいく運命を黙って見ている神様は。
もしかしたら神様は。 いるんだけどただ無力に… 助けられない僕らを見ているのかもしれない。
転送された時、僕はカーキ色のチノパン、スカイブルーの薄手半袖シャツ、インナーは白黒ボタという>>3:123海辺デートの時の格好をしていた。
そろそろかなでなるべくこの服装を選び、彼から貰った巻き貝、その他必要なものはいつも手に持つようにはしていたが。
神様は、せめて。 死が二人を別つ瞬間の衣裳を手助けしてくれた。]
(174) 2023/08/20(Sun) 00時半頃
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[もうコックピット、不思議空間も見慣れたものだ。
明るい彼の口調もみんなを心配させないためとわかる。
しかし、彼の見慣れない大人びた服装はちょっと不思議だ。]
久しぶり、コウ。
[僕はそれだけ言い、指輪をしている左手をあげる。
椅子交換にはまたちょっと首を傾げるが。]
それ交換して大丈夫なの? >>173
(175) 2023/08/20(Sun) 00時半頃
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[とはいえ、彼がそうしたいなら止めることはない。
縁士につまらない嫉妬をしてキーッなんてのもない。
もう、彼といられる残り時間は僅かだ。
僕はyogiboを彼の傍に寄せる。]
隣にいるよ、コウ。
[彼の手の甲に手を添えられるかな。今日はもう手袋はせず、彼の素肌に触れられたら幸い。]*
(176) 2023/08/20(Sun) 00時半頃
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─戦闘開始前 コックピットにて─
ケイ! ……ちょい痩せたんじゃね? それに、顔色悪いぜ? さては、ちゃんと寝てないだろー?
[康生もまた、左手を軽く挙げて応える。薬指には、シルバーの指輪が光っていた。首を傾げた彼の様子に気付いたのか、「勝負服ってやつ」と軽く笑い掛けた。]
ダメだったら、ダメだった時考えるよ。 ……やっぱ、座り心地いいな。サンキュ、縁士。
[康生は一度、天道縁士へと顔を向けて礼を言った。それ以上の事は言わないし言えないが、感謝は伝わったのではないだろうか。彼は私に礼を言った>>160が、私の方こそ彼に礼を言いたい気持ちだった。身体を喪って尚馴染む、“私”の椅子の感触。最期の舞台を、此処で迎えられるとは思ってもみなかった。康生の内に居る私自身を見てくれる者は、妻と康生自身を除けば他に居なかったのだから。彼の様な子には、出来れば生きて幸せになってもらいたいが……。]
(177) 2023/08/20(Sun) 01時頃
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ははっ、サンキュ。ケイ。
[添えられた手を、康生は受け入れた。彼へと向かって笑い返す。緊張からか、康生の手は少し冷えていた。]
[……無理も無い。動かせるか、動かせないか。それが判る瞬間が、目前に迫っていた。如何に精神が安定しており、平常通り振舞おうとする康生でも、全く緊張しない訳が無かった。“その瞬間”の到着を引き伸ばす様に、眼前の“敵”への所感を述べる。]
なんか……動物とかじゃなくて、オモチャくっ付けたみたいな見た目してんな? それも、かわいいとカッコイイのいいとこ取りして失敗したみたいな。 攻撃手段とかは、現状見当付かねーけど……。 あのキャタピラで動くんなら、前後しか無理だよな。
[今の所、敵にまだ動く様子は無い。*]
(178) 2023/08/20(Sun) 01時頃
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ーーコックピットーー
…ッ、そんなことないよ? た、食べてるし寝てるし。
[バレた。僕は焦り額を指でかく。でも、彼が僕に関心を示すだけで嬉しかった。
勝負服には事情を全く知らないからやはりピンと来ないが、大人っぽい彼も素敵だと思う。
最高はウェディングドレスだけどな!!←]
(179) 2023/08/20(Sun) 01時半頃
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[彼は椅子に腰掛けて僕はクッションだから高低差はあるが、隣に並ぶことが叶う。
久しぶりに触れる彼の肌。 そう言えば僕は、あの展望台に向かう際に彼の手を握った。 >>0:93 汗ばんだ彼の手を覚えている。 今は、ひんやりとしていた。
僕は指先に少し力を入れて、存在を伝えた。]
(180) 2023/08/20(Sun) 01時半頃
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[彼はスクリーンに見入る。今日は混乱したり幻覚を見る暇はないから(※大和ごめん)、僕もじっくり敵ロボットを観察した。]
そうだね。なんだかハート…というか。 ハート…ラブラブ…心臓…
[まさか相手ロボットもラブラブ号なのか。そんな馬鹿な。]
あのキャタピラが凄く気になるな。前後にしか動かないなら、割りと捕捉しやすい? ジャンプとかはしなそう?
動物では、ないな…
[敵ロボット形状はかなり攻撃ヒントがあるから、僕は真剣に観察する。
アストロはまだ動かない。 僕は彼が言っていた『もし動かなかったら』を考えたが…]
焦らずいこう。時間はたっぷりあるから。
[緊張気味の彼の横顔を見つめた。]*
(181) 2023/08/20(Sun) 01時半頃
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─戦闘開始前 コックピットにて─
食ってて寝てて、んな顔になるかよ。 ……ったく、しょーがねぇな〜。 家帰ったら、ちゃんと食えよー?
[恐らく、彼が握ったのはあの時>>0:93と同じく康生の左手だ。今は其処に、シルバーの指輪が輝いていた。座る高さがかなり異なるので、康生は殆ど腕を下方へと伸ばしきっている形だ。存在を伝えようとしている>>180のを感じ、康生は握り返した。]
…………そういや、命から聞いたんだけどさ。 ケイ、アストロになんか……やたら恥ずかしい名前付けようとしてたって、マジ?
[彼が次々と連想する単語>>181。「心臓」と言われ、康生の右手は自然と胸元へと伸びる。それを誤魔化す様に、以前リークされた>>3:144内容>>2:325へと言及した。真剣に観察しているのの邪魔になるかも知れないが、今を逃せば聞ける機会も無いだろう。]
(182) 2023/08/20(Sun) 02時半頃
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[私はと言えば、タイミングを計っていた。康生は、あくまで自分がパイロットだという振りをするつもりの筈だ。だから、動かそうとするなら周囲への声掛けなり合図なりをする筈だ。例えば今の様な雑談している様なタイミングで仮に動き出してしまえば、あまりに不自然だろう。]
[とは言え、動かないとそれはそれで怖い。私は、極僅かに指と言うか爪の先と言うか、腕の末端を動かしてみようとした。動いた…様な気がする。少し、違和感があるが。ともあれ、全く動かせない訳では無さそうだ…と思った。思い通り、自在に動かせるかまでは判らないが、全くの起動不能ではない気がする。何となく。*]
(183) 2023/08/20(Sun) 02時半頃
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ーーコックピットーー
……わかった、食べる。 約束する。 パンとコーヒーをコンビニで買うよ。
[海辺デートで彼が食べていたもの>>3:296なら喉を通るだろうか。
こうして手を繋いでいると、彼との思い出が次々甦る。
鮮やかな記憶は、映画のフィルムみたいに色褪せない。
耀かしい笑顔の彼が僕の中にいた。沢山ーー沢山。]
(184) 2023/08/20(Sun) 03時頃
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[僕の指先は彼の指輪に触れた。その表面を愛しくて堪らないと言うように、辿る。
二人の名前が刻まれた指輪は、 二人の絆を形として残している。]
……つけてくれてるの、嬉しい。
[感慨に浸るのは数秒だ。 そも、戦闘前の僕らのやり取り事態が、ほんの数分だ。
僕は彼の言葉にドキッとし真っ赤になった。
あのミーティングに彼はいなかったから知らないはずなのに!
ミコト?大和か!]
ッ……え、? 縁士はステラとつけようとしてたよ?
僕はーー僕は"コーラ"と。
(185) 2023/08/20(Sun) 03時頃
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[僕がコーラ大好きなのは彼に知られているから誤魔化せるか?
いや無理だ。別にコーラなんて恥ずかしくもない。
項垂れて白状する。]
"コウ大好きラブラブ号"
ーー…
[頭から湯気が出ている。彼は呆れるだろうか。]
(186) 2023/08/20(Sun) 03時頃
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[そんな会話の最中、彼のお父さんが必死にタイミングを計っているなど僕は知る由もない。]
向こうも出方を見ているのかもしれないな。 先手必勝という言葉はロボット戦では必ずしも当てはまらなそうだし。
[スクリーンで見ているだけでは、アストロの末端が動いたのはわからない。
戦闘開始は刻々迫っている。僕に出来ることはーー。]
(187) 2023/08/20(Sun) 03時頃
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君はとても頭の回転が速く判断力がある。
状況を分析し、自身の知識に照らし合わせながら的確な対応を考える事が出来る。 誰よりも素晴らしい頭脳を持っている。
落ち着いて闘えば必ず勝てるから。 君がやりたいように闘って欲しい。
君が信じる方法が正解だよ。
ーー僕は、君を信じるよ。
(188) 2023/08/20(Sun) 03時頃
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[今まで僕は、こういう応援をして来なかった。 どうしても戦い事態の理不尽さに疑問があったから。
でも、彼が死んでしまうことは今は考えずに僕も全力を尽くそう。 彼は僕の全てだから。全力を捧げる。
彼の役に立ちたかった。]*
(189) 2023/08/20(Sun) 03時頃
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─戦闘開始前 コックピットにて─
約束だからな〜。 ……コーラじゃねーの? ま、いっか。 食べれそうなもんなら何だっていいから、ちゃんと食えよー。
[自分がかつて食べていたから>>3:296という理由だとは、康生は恐らく気付いていない。指輪を辿られる>>185。少し擽ったい。]
も〜、擽ったいっての。 ま、俺も貰ったの嬉しかったしな。外す理由ねーや。
[其処に含まれているのは、恐らく幼児がプレゼントを喜ぶ様な純粋な気持ちが主だったのだろうが。彼にとってはきっと、生涯支えに出来るような言葉だろう。地球を守る為の巨大ロボットに“コウ大好きラブラブ号”なんて名付けるくらいだから相当だ。]
(190) 2023/08/20(Sun) 03時半頃
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やっぱ付けようとしてたのかよ〜。 ったく、もー。恥ずかしいだろー、バカ。 俺に知られて照れるくらいなら、やんなっての。
[そう言う康生の頬も、ほんのり熱を持っていた。]
あはっ、すげー褒め殺してくる>>188じゃん。 でも、ん…………そっか。 サンキュ、ケイ。俺のこと、信じてくれて。 なんか、イケそうな気ぃしてきた。
[左側に居る彼の瞳を見つめて柔らかく微笑んだ後、康生は正面のモニターを真っ直ぐ見据え直した。**]
(191) 2023/08/20(Sun) 03時半頃
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ーーコックピットーー
炭酸は空きっ腹や胃には優しくないよ。
[確かに僕は無類のコーラ好きなんだけど、最近は全く飲んではいなかった。
お腹が空いたり喉は乾くのに、まともな食事は喉を通らないのだ。
鉛を飲み込んだみたいな状態が続いている。
ーー指輪に触れたら結果的に彼にくすぐったい想いをさせる。僕は慌てて手を離して。]
(192) 2023/08/20(Sun) 04時頃
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ッ、ごめん。
……
[『貰ったのが嬉しい』 言葉を噛み締める。
胸が苦しくなった。]
恥ずかしいけど。 ーー恥ずかしいけど、名付けたかった。
みんなで呼ぶ名前はステラでもアストロでもいい。
でもあの時、僕はロボットに乗り闘うならと考えてーー。
……?
(193) 2023/08/20(Sun) 04時頃
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[今彼は"恥ずかしい"と照れなかったか?
いや。別に僕に対して特別な感情がなくとも恥ずかしい名前と言えばそうだが。
ーー気のせいか。]
(194) 2023/08/20(Sun) 04時頃
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父さんが言ってた。 人の価値は、他人から与えられるものだと。
君の素晴らしさを知って欲しい。 君の魅力を。
君だから、惹かれたんだ。 君の持つ耀きは周囲を霞めてしまうほどだったから。
君はーー出来る。
[こんなにも価値がある命。 こんなにも耀きがある命。
だが、戦闘は無情にもそれを奪い取るのだろう。
僕は彼と視線を絡み合わせ、笑みを返す。
ーー時は来たーー]**
(195) 2023/08/20(Sun) 04時頃
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──コックピットへ/第3戦──
[それはいつもの如く唐突な招集だった。 僕は登校日でもないのに部室で本を読んでいたので、制服姿だったが、柊木と乾は私服で。]
>>173 ──いいよ、椅子替わってみよう。 結構機体が揺れるしベッドは操縦しづらそうだ。
[普通に考えれば各々の椅子には意味があり、交換して大丈夫なのか?という疑問が出そうなものだが、当然ながらここは快諾した。 見ていた乾からはやはり>>175意見が出ていたが、取り敢えずな感じで行けそうだ。今日の柊木は少し大人っぽい私服で、あの書斎椅子に沈み込む姿は僕よりも似合っていた。 >>177 サンキュ、と言う彼には黙って親指をぐっと立てて。]
(196) 2023/08/20(Sun) 10時頃
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[あらためて今回の敵機を見ると、これまた斬新な形をしていた。 色々な地球の"アストロ"が来襲して来ているわけだが………僕等の自機は、人型だし──自転車フォームなんかもあったけど──、だいぶカッコいい部類なのではなかろうか?]
形状が斬新だと、急所が分かりづらいという利点はあるよなあ……
[そんな事を呟いていたら、乾の"ハート……ラブラブ……">>181という感想が聞こえて、思わずコウ大好きラブラブ号の事を思い出してしまった。敵機ももしかしたら何かのラブラブ号なのかもしれない。大真面目に考えてしまうが無論、口には出さない。 出さなかったのに、柊木と乾が普通にその名を話題にし始めたので、横で笑わないように阿修羅像のような顔で耐えた。]
(197) 2023/08/20(Sun) 10時頃
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|
[気を取り直して敵機の形状を観察する。
キャタピラが付いているということは、戦車砲のようなものを出してくる可能性が高い。キャタピラの一番の利点は"衝撃吸収"だから。そして当然ながら地上戦向きの機体。 燃費は悪いので長期戦のほうがこちらに有利かもしれないが、そもそもこのロボットの動力はパイロットの生命力をエネルギーにしているらしいから、考慮外にした方がいいかもしれない……。]
戦車に近い機体だと考えれば、履帯を破壊すれば走行不能になると思うけど。装甲は固いかもしれないね。
[感想を述べながら、柊木を見守る。 自分の椅子に座った"お父さん"は、僕等のロボットを操縦できるだろうか。アストロはまだ動かない。]*
(198) 2023/08/20(Sun) 10時頃
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ーーコックピットーー
[最近不登校を貫いている僕は、縁士の制服姿に懐かしさを覚える。>>196
千映戦も大和戦も僕らの学校の近くだったから、家族と共に疎開した生徒も多数いるため、僕の不登校が特に咎められる事はなかった。]
[縁士は敵ロボットの"利点"を述べた。つまり人型のアストロは不利なんだろうか。>>197
人の急所といえば頭部か心臓だ。僕らのコックピットは一体どこにあるんだろう。]
[キャタピラ=戦車。その当たり前の発想すらない僕は安定の役立たずだ。
仕方ないよ、野球少年だったんだもの。
縁士は敵を戦車ベースと分析したようだ。ミリヲタなのか、はたまた、ウォーゲームの知識か。]
(199) 2023/08/20(Sun) 11時頃
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履帯ってあの車輪の周りのやつ?
[疑問を口にしたが、康生が理解しているなら僕に返事は不要だ。
僕は縁士と口論をしたが、別に彼を嫌いな訳ではない。 今の康生を助けられるのは彼の頭脳だろうし。]
縁士。どうか、コウを補佐してくれ。……頼む。
[言わなくたってするだろうとは思いながら(※僕は彼が男子には戦闘アドバイスを控えようと考えているのを知らない)、頭を下げた。
康生はみんなに明るく人懐こい性格だ。きっと彼と康生の間にも友情があるはず。
みんなに愛される康生になら、きっと彼は手を貸してくれるだろう。
康生の価値は、僕とは違うのだから。]*
(200) 2023/08/20(Sun) 11時頃
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─戦闘開始 コックピット─
[擽ったがった康生に配慮し、彼は慌てて手を離した。互いにもっと話していたかっただろう。だが、“敵”がいつ動くか分からない状況だ。あまり話し込む訳にはいかない。康生もそう考えたのだろう。ただ、彼に一言「謝んなって」と返し、左手は垂らしたままにしていた。]
……んじゃ、みんな。そろそろいいか?
[そう言うと、康生は胸に当てた手の平に少し力を入れた。鼓動がより鮮明に伝わる。それと、胸ポケットに入れてある手紙が微かに音を立てた。これは、康生が母親に宛てたものだ。全てが終わり、私達が彼女の元に帰った後、読んでもらう為の物だった。何もかも終わってから──耐え切ってから明かすのが、康生らしいと言えば康生らしい。]
[そして、いよいよだ。敵とは、少々距離がある。ちょうど我々と敵の間には、前回の戦いで出来た“道”の一つが線を繋いでいた。其処を伝って近付けば、被害も少ない筈だ。私は、まずは敵に近付く為、一歩踏み出そうとした。まずは歩く事だけを考えるのが、セオリーだと思った。]
(201) 2023/08/20(Sun) 11時頃
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アストロを動かせるかどうか。 縁士は「父さんが動かしてくれる」って言ってた>>139し、俺もそうだって信じてる。 もし動かなかったら俺と父さんは死ななきゃいけないけど、そうはならない。なるはずがない。
────行くよ、父さん。
動くはずだ。動け、と念じた。
(202) 2023/08/20(Sun) 11時頃
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[そして、次の瞬間────アストロは転倒した。]
────えっ?
[機体が揺れる。幸い、道の方へと倒れたから周辺家屋への被害は比較的軽微ではあったのだが。機体は俯せになってしまっている。]
えっと……ちょっと待ってな。 と、兎に角起きないとだよな。これ。
[流石に、康生の声にも焦りが見える。動くには動いたが、これはもしや────]
[そして次の瞬間、敵が動いた。 ……後ろ向きに。ひとりでに転倒したアストロと、そんな隙だらけの我々に向かってくるでもなくキュロキュロとキャタピラを回しながら後退を始めた敵。それは、何とも間が抜けていると言うか、酷く奇妙な光景だと言わざるを得なかった。*]
(203) 2023/08/20(Sun) 11時頃
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ーーコックピットーー
[手が離れても。もう、僕らの心は繋がっているから。
僕は君の傍にいるから。]
……うん。>>201
[彼がアストロを動かそうとする。それはすなわち、もし失敗した時はーー僕は、彼を。
左手をポケットに入れて握り締めた。]
ーーッう、わ!
[アストロが一歩踏み出すと思ってスクリーンを眺めていると、唐突に揺れが襲う。
不安定なyogiboの上で僕はぐらついた。
スクリーン無いのアストロは、なんとみるも無惨に地面に横たわっている。]>>203
(204) 2023/08/20(Sun) 11時頃
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え、?!
[大和の場合は動きさえしなかった。今回は上手く操作できないーーなのか?]
初めてなんだ、仕方ないよ。 大丈夫、すぐ起きればーー
あッ
[敵が動き出す。まさか隙だらけのアストロに突進してくる?!
身を乗り出して画面に叫ぶ。]
やめろッ来るなッ 来るーー…あれ。
[敵ロボットは正面向きのまま後ろへ。]
え、逃げてる…?
(205) 2023/08/20(Sun) 11時頃
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[そうとしか見えず、僕はまた自分の混乱を疑う。]**
(206) 2023/08/20(Sun) 11時頃
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―鳥取>>159―
私?甘い系だったら…ぼたもち。すあま。 他は…おかずだと 海老しんじょ…とかかな。 はんぺん混ぜてふわふわにして揚げたやつ。
花火大会って…まだどこかやってるんだ? …そっか。七星君のあれ、聞いてたんだね。 そういうの一緒に行きたい人は…いるけど。でも、どうだろう。 ……ううん、それはせっかくだからハロと一緒に行く。 …いいね。楽しみ。ハロとなら、混雑もしないだろうし。
[ハロと会話しながら、そんな話もいろいろしたと思う。 それから、彼女の望みの白兎神社に転送してもらった。]
(207) 2023/08/20(Sun) 11時頃
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[白兎神社は、病気平癒と良縁成就の神社らしい。 元ネタからしてさもありなんってところだろう。 参道を歩いていると、兎が乗った石灯篭が並んでいて、 縁の字を見つけてはしゃぐハロを微笑ましく見つめていた。 私の知らないところで天道君ともいろいろやりとりしているのかな。 乾君と関わりがないなら、私以外に呼ばれる事はもう多くなさそうだし。]
ハロもお賽銭いる?
[そう声をかけて、必要なら小銭を渡して。 ハロがこっそり縁君へのお土産のお守りを複製しているとは知らなかった。 気づいたら、もう一つ買うぐらいしたんだけどね。]
(208) 2023/08/20(Sun) 11時半頃
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[そこから、一瞬で白兎海岸の気多ノ前に移動して、目の前の海を眺めた。]
縁結びと関係ありそうなのは分かってたけど、 ここまで恋人の聖地になってるとは… 女子二人で来る場所じゃなかったね。ふふ。
[愛の鐘とかハートの石とか眺めながら、思わずハロを見て笑ってしまった。ハロが見つけたお告げ箱の傍の願い事のコイン、>>170ハート形の穴が開いた箱にコインを投げ入れる、という事みたい。]
え、本当かなあこれ。 願い事って、やっぱり恋愛関係なんだよね。 ……せっかくだし、やってみよっかな。
(209) 2023/08/20(Sun) 11時半頃
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[試しに書いてみよう。手の内に納めてこっそり願い事を書いて箱の中に投げ入れてみた。入るまでに1回かかったと思う。]
やっぱり、結構難しいね… そう言えば、ハロは私達が最後の1人になった段階で 元の地球に帰るんでしょ。 ……好きな人とかやっぱりいたりするの?
[そんな事もちらっと聞いたかもしれない。 そうやって、ほんの一時の楽しい時間は終わった。]
(210) 2023/08/20(Sun) 11時半頃
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[願い事は… もちろん1つ。
『最後の時に、私の傍にいてください』
それだってどうなるかわからないけれど、 それ以上の事なんて、分不相応だとしか思えなくて、 とても願えはしなかった*]
(211) 2023/08/20(Sun) 11時半頃
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―当日 コックピット―
……柊木君。
[いつもよりも耀げな様子で現れた私服姿の柊木君を、私は少し遅れて出迎えた。いつもとなんとなく雰囲気が違うのは、多分服装のせい>>173だろうか。随分落ち着いた…というよりむしろいつもの彼からするとじじむささすら覚える格好に見えた。
私はここ数日男の子達とはほとんど顔を合わせていなかったけれど、 様子はどうだったろうか。柊木君もさることながら、乾君の様子も気にはなっていたのだけれど。]
…確かに操縦にベッドってのも不思議な感じだし。 その服装だと、なんか椅子も様になってるね。
[柊木君がさりげなく天道君の席の落ち着いた椅子を譲ってもらった事には、特に疑問はわかなかったから、そう感想を述べただけだった。私はゲーミングチェアーに腰かけたまま、大和君の時以上にじっと事の推移を見守る立場に徹する事にした。]
(212) 2023/08/20(Sun) 11時半頃
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それにしても、今回もやっぱりこの街… 私達がいるところだけ狙ってきてるって 事なんだろうね。
……なら、きっとこの街にとどまるべきなんだろうな。
[前回の星座の跡がまだまだ生々しく残る街の光景は3度目。>>#1すっかり見慣れたものになりつつあった。敵性体も確認できた。]
ハートの…戦車……?
[蜘蛛とかライオンとかヤマアラシとかではない、無生物的なフォルム。脚部のキャタピラが随分特徴的だから、戦車という言葉が思わず出たのはそれが原因だけど。
柊木君と、その傍に寄りそう乾君を見やって、視線を戻す。 乾君がハートとかラブラブとか口にしていたから、“コウ大好きラブラブ号”の事を思わず思い出して柊木君とのやり取り>>191を傍で聞きながらふっと笑いが漏れた。]
(213) 2023/08/20(Sun) 11時半頃
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履帯…ああ、キャタピラね。それは…そうだと思う。
[キャタピラを壊してしまうのが、足止めには一番早い。 私も自然と敵性体について戦車ベースで考えていた。 ともあれ、柊木君の方も動き始める>>201。けれど]
きゃっ!!?
[急激な揺れに襲われて、コックピットから見える景色が地面に向けて急接近して、そのまま衝撃が走った。 ゲーミングチェアーのキャスターは前々回の教訓できちんと固定しているけれど、これだけ急な揺れだと耐えきれなくて、そのまま転げた。]
(214) 2023/08/20(Sun) 12時頃
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痛っ………大丈夫…、だけど……早く起き上がらないと…
[頭を押さえながら、スカートが捲れないようにもう片手で押さえてモニターを見上げる。 すぐに起き上がれば大丈夫だけど、敵の方が悠長に待ってくれるわけが… 焦りを抱いてみた先の光景は、敵機が前進…ではなく、むしろ後退していて]
あれ……?
[髪を直しながら、私も面食らったような顔になってしまっていたと思う*]
(215) 2023/08/20(Sun) 12時頃
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─戦闘開始前 コックピットにて─
[本郷真弓。私は正直、席の交代を一番訝しがるのは彼女ではないかと予測していた。天道縁士は事情を知っているし、乾恵一は康生が強く希望すれば反対はしないだろう。だから彼女の反応が気掛かりだったが、普通に納得してくれた>>212様だった。]
へへ。そうか? 似合う?
[嬉しかったのだろう。康生は、無邪気に笑ってみせた。]
戦闘が始まる場所、パイロットが居るトコになるんだってハロが言ってた>>163。 俺が家に居たから、ここなんだと思う。 違う場所に居ることも考えたけど……避難とか考えたら、この街に居るのが一番いいよなって。
[学校が見える距離にあるとは言え、完全に学校敷地内からだった前回・前々回とは異なり、今回は敷地外からのスタートだ。その事実が、康生の言葉の裏付けとなるだろう。*]
(216) 2023/08/20(Sun) 12時頃
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─戦闘開始? コックピットにて─
[現在、アストロは完全に俯せになってしまっている。]
[私は、機体に起き上がるよう念じてみた。 ……だが、やはりと言うか何と言うか、アストロは藻掻いている様な動きになった。そも、転倒の原因が『右足と左足を同時に出そうとしたから』だろう。もしやと思い私は一旦思考を止めてみるが、それはそれで起き上がるには力と言うか、出力が足りない様な印象を受けた。つまりは、そういう事だ。]
お、おう。サンキュ、ケイ。 でも、いや、マジで……? このパターンは考えてなかった、って言うか…………ちょっと待ってな。
[乾恵一からの励まし>>205に、康生は軽く言葉を返す。それから胸に手を当て、深呼吸をした。どうすればいいか、考えているのだろう。]
(217) 2023/08/20(Sun) 12時半頃
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父さんがアストロを動かしてる────これは間違いない。 俺が考えたんじゃない動きを、確かにアストロはしたから。 でも、俺が考えたようにも一応動きはする。 俺が考えた動きも一緒にしようとしたから、アストロは転んだ。 コントローラーが二つあるみたいな感じで。
けど多分、片方だけが動かそうとしてもダメなんだ。 今、父さんは動かさないようにしてくれてるみたいだけど、アストロは弱り切った病人みたいに立ち上がれずに居る。
俺と父さんは、二人で別のこと考えてて。 頭も身体も、二人で一つしかなくて。 だから、アストロを思い通り動かすには、二人で同じように念じるしかない……?
俺からは、父さんが何考えてるとか、どうしたいかはわからない。 わかる方法があるなら、とっくにやってる。 だけどもし、ずっと見守ってくれてるのなら──。
(218) 2023/08/20(Sun) 12時半頃
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両手を地面に付いて、上体起こす!
[唐突に、康生は声を上げる。だが、私はそれを待っていた。言葉通りの動きをイメージする。思った通りに、アストロは動いた。康生も、それが分かったのだろう。ほっと息を吐き、それから再度表情を引き締めた。]
右足立てて、力入れて、立ち上がる!
[そうだ。それで良い。 ──私が合わせる。お前がやりたい様に動け、康生。彼の言っていた>>188様に。]
……よし、行けた! 悪い、心配掛けて。でも、何とかなりそう!
[レヴァも、そういう話だった。親子で思考をシンクロさせればさせるほど、自在に動く事が出来る。親と子のどちらがパイロットかの違いはあれど、私達は確かに今、二人で息を合わせて機体を操縦していた。]
そうと決まれば、あれ追わなくちゃな。 右足、前に! 次、左! 右、左、右、左……!
[指示に沿ってイメージし、機体を歩ませる。徐々に加速し、走り出した。敵の後退の動きはキャタピラなのもあり、そこまで早くなかった。これなら、直に追い付けるだろう。*]
(219) 2023/08/20(Sun) 12時半頃
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― コックピット ―
[みんなを転送し終えると、私もコックピットへ移動した。 眼下に見えるのは、三度目の戦いの舞台となってしまった、日暈学園と周辺の街並み。]
――……なんで今回、『ホーム』ばかりなの……?
[『アウェイ』での戦闘になると、敵の正体に気付く可能性が出てしまうけれど。 『ホーム』が重なってしまうと、勝ってもこの地球の人に、街に被害が増える。]
[久しぶり!と笑う柊木君は、今回は大人っぽい服装>>173をしている。 天道君に席の交代を提案するのには、事情を聞いていた私が何かを言う事は無く。 みんなの反応>>175>>196>>212を確認して。]
(220) 2023/08/20(Sun) 13時頃
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[柊木君と乾君は何やら会話を交わしているけれど、いつ敵が動き出すか分からないので、 私はハート型にキャタピラが付いた、アンバランスに見える敵を注視していた。]
(動いた……!?)
[アストロの爪の先が動いた>>183様に見えると、内心でそう呟いて。 天道君の呟き>>197>>198には、同じ様に考えていたので頷いた。]
そもそも、急所そのものみたいな形だしね。 外装にレーザーは効かなそう、かな……?
[ロボットのコアは球体だけど、ハート形なんて、急所がむき出しみたいな形だな、と思った。
そして、恋人の聖地に行ってハート型とかを見てきたばかりだというのに、 ラブラブ的な方面の発想が浮かばない残念女子だった。]
(221) 2023/08/20(Sun) 13時頃
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[アストロが転倒し、機体が大きく揺れて、乗っていたベッドが救急搬送されるかのようにゴロゴロ転げた。]
……うわっ、と、……と!
[慌ててベッドから降り、下部のストッパーを掛ける。 やはり、心臓だけで機体を動かすのは無理なのか……? じっと柊木を静観していたが、次の瞬間、 彼の掛け声とともに、アストロが起き上がる。]
お、起きた!!
[起き上がって、歩き始めたアストロは徐々に加速を付けていく。柊木の声の通りに動く機体。 ──そうか、柊木の"頭"で考えた事を音声にして心臓に伝えてるんだ。事情を知っている僕はすぐに理解した。
となると余計な声を発してはいけない。しっかりベッドのサイドレールに手を掛けて、今は見守った。]*
(222) 2023/08/20(Sun) 13時半頃
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ーーコックピットーー
[僕は敵ロボットのコアにコックピットがある仮説を立ててはいる。
戦闘場所がサッカーみたいに『ホーム』『アウェイ』があるとまでは想像に至らない。
今回も学校近く。
真弓の言葉『私達のいるところを狙ってきている』>>213という言からは、敵パイロットまたは高次元が場所を指定(アウェイ)していると考えられるか。
僕たちは先行後攻みたいな選択権もないのか。
真弓は『なら留まるべき』と考えているようだ。
(223) 2023/08/20(Sun) 13時半頃
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[被害を広げないならyes。しかし、僕らの街に被害を出したくないならNoかもしれない。
ハロの『なんで今回ホームばかりなのか』という言葉>>220を推理に組み込むなら、場所は高次元が都度振り分けているようにも思えるが。
当然だが僕は『戦闘が始まる場所、パイロットが居るトコになるんだってハロが言ってた>>163。』のを知らない。>>216
向こう側にパイロットが乗っているならどちらになるかどう決まるのか不明だがーーこれ以上考えても仕方ない部分か。]
(224) 2023/08/20(Sun) 13時半頃
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[アストロが転倒し揺れが走った時、背後から悲鳴が聴こえた。真弓がゲーミングチェアから転げ落ちたようだ。]>>214
真弓ッ大丈夫?!
[立ち上がり駆けつけようとしたが、彼女は自分で起き上がった様子。胸を撫で下ろす。]>>215
(225) 2023/08/20(Sun) 13時半頃
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― 戦闘開始 ―
[柊木君>>201に、こくりと頷いて。 彼が座る書斎椅子の背もたれに着地すると、固唾は飲めないけど、飲むように見守った。]
(226) 2023/08/20(Sun) 13時半頃
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ーーコックピットーー
[アストロは動かなかった訳ではない。多分彼の意図が上手く伝わらなかったのだ。
何故?大和の時みたいに、ペダルを漕ぐとか動作が必要?
彼は落ち着いている。 ちょっと待って、との言葉に僕はしっかり頷く。>>217
彼は、僕なんかよりずっと頭が良くて、ちゃんとしているんだ。大丈夫だ。]
(227) 2023/08/20(Sun) 13時半頃
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[固唾を飲んで見守る。幸い敵は何故か距離を広げているから体勢を建て直す時間はある…
すると、彼がいきなり大声を張り上げた。
それはまるで、体育の時間の号令のような。>>219
ビックリし、彼とスクリーンを交互に見やるとーーアストロは、彼の言葉通りに両手をつき、大地をしかと踏み締めた。
勇ましく立つ姿が、再び。]
(228) 2023/08/20(Sun) 13時半頃
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……立った! アストロが立った!
[車椅子から金髪美少女が立っても僕はここまで声を上げなかっただろう。]
うん、大丈夫だ。号令が命令になるんだね。 アストロは君の命令が良くわからなくて、僕みたいに混乱しただけだったんだ!
[アストロは加賀先生に嫉妬したりはしないが。 ともかく、彼はハキハキした声でアストロに命を下す。
その張りのある声、真っ直ぐ伸びた背筋はまるで、軍の隊長のようだ。]
(229) 2023/08/20(Sun) 13時半頃
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うん、いける!!
でも、このまま追い掛けて大丈夫なのかな…?
なんでアイツ後ろに下がったの?何か罠かもしれないよ?
コウ、ーー
[心配が過るが、アストロは加速するーー]*
(230) 2023/08/20(Sun) 13時半頃
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わっ……!
[一歩踏み出す様に脚が動いて、安堵した瞬間にアストロが転倒して。 柊木君>>203の焦っている声が聞こえる。 隙だらけの危険な状態に、敵の方に視線を向けると、なぜか後退を始めていて。]
……どういう事? 射程が長くて、逆に距離を取らないといけない、とか?
[そうだとしたら、やはり危険な状態だけど。]
(231) 2023/08/20(Sun) 13時半頃
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公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/20(Sun) 14時頃
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─戦闘開始 コックピットにて─
……ん、そうだな。 俺の場合は、音声認識みたいなもんだと思っといてくれ。
[乾恵一の言葉>>229に曖昧に返しながら、康生と私は機体を走らせた。やはり、敵の動きの方が遅い。暫く走っていると、徐々に距離が縮まって来た。]
罠の可能性>>230はあるっちゃあるけど……すっ転んでる相手に罠張るかって考えると、微妙だし。 ハロが言う>>231みたいに、向こうが遠距離タイプなのかなって。 それなら離れられたら不利になるし、これ以上逃げ回られてもあれだもんな。 縁士の言う通り>>198、まずは追い付いて履帯を壊そう!
[敵は真っ直ぐ下がっているだけだが、大きさ相当のキャタピラが両側に付いている。当然だが、それらは周囲の建物を轢き潰し、破壊していた。それに、48時間とは言え時間制限もある>>2:328と私達は聞いている。戦闘の意思が見受けられないのには些か疑問を感じたが、放って置く訳にはいかなかった。]
よし、あとちょっと! 右腕、思いっきり振り被ってキャタピラに──ちょい待ち!!
(232) 2023/08/20(Sun) 14時頃
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[康生から制止が掛かる。敵が急に後退を止めたからだ。このままの勢いで突っ込めば、ぶつかってしまう。向こうの装甲は硬い可能性があるので、衝突は避けたかった。何とか、機体を止めるのに成功する。至近距離で正対した私達の目の前で、ハート部分に真っ直ぐ縦の亀裂が走った。そのまま、三面鏡の様にバタンと開いた。]
うっそだろ!?
(233) 2023/08/20(Sun) 14時頃
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ッ、右に飛んで! 回避!!
[驚くのも無理は無い。開いたハートの内側には無数の砲門があり、それら全ての中に弾頭らしき物が見えた。戦車に近い>>198という見立ては正しかったのだ。康生は大急ぎで回避を指示したが、私もその頃には避けなければと考えていた。砲門から大量のミサイルらしき物が放たれ、アストラが先程まで居た辺りを爆撃する。何とか避け切る事に成功するが、閃光と爆風、衝撃が辺りに走った。]
セ、セーフ……だけど。 …………ヤバいだろ、これ。
[閃光と土煙が収まると、爆撃された箇所が完全に焦土と化しているのが判った。当たれば無事では済まない。避けても大惨事は免れない。康生の背筋に冷たい物が走った所で────ハート部分がコマの様に横回転し、此方を向いた。]
もっかい右ッ!!
[先程同様、右に跳躍して避ける。再度大量のミサイルが放たれ、閃光と爆風と衝撃が走った。幸い、発射までにタイムラグがあるので、回避は可能ではあるが……。360度砲撃が可能であるなら、かなり厄介だ。*]
(234) 2023/08/20(Sun) 14時頃
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[柊木君>>217>>218に再び視線を戻すと、胸に手をあてて、何かを考えている様で。 柊木君と敵を交互に確認しながら、状況を見ていたけれど。]
[唐突に声が上がって>>219、機体がその通りに動き始めた。]
や、やったー! ……柊木君、カッコイイ!!
[柊木君の事情を聞いていた私は、なぜ彼がそうしているかに気付いた。 親子でシンクロして動かしているんだ、と思ったら、胸が熱くなる様で。 小さな手でぐっと拳を握りつつ、そんな感想を漏らしてしまう。]
[加速するアストロ。敵の姿が、徐々に大きく見え始めた。*]
(235) 2023/08/20(Sun) 14時頃
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[私は柊木君が天道君のものらしき椅子に代わりに座っているのを確かに似合うと言ったし、そう思っているし、疑問も>>216感じていない。 ただ、それはあくまでもきちんと動けるという前提あっての話。きちんと動けずに転倒してしまったままなら、本当に彼に合った席なのかという疑問は湧き出てくる。]
大丈夫?まだ具合よくないってことは…
[柊木君に声をかける。と、彼が声を上げた>>219のでちょっとびっくりした。]
(236) 2023/08/20(Sun) 14時半頃
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なるほど。声出したほうがイメージ湧きやすい、か。
[私は柊木君の事情を何も知らないから、そういう結論になる。大和君だって、必死で自転車漕ぎながらの戦いになった。 実際、一つ一つ声に出しながらで、確かにアストロは動いて体勢を建て直している。 私の時はどうだろう。きちんとイメージした通りに動いてくれるだろうか。]
……う、うん。乾君。私は大丈夫。 それより柊木君についててあげて。ね?
[心配してくれる乾君を>>225手で制して、再び椅子に腰掛け直す。]
(237) 2023/08/20(Sun) 14時半頃
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[柊木君の集中を乱してはいけないと思って、静かに彼の様子を見守る。
履帯を壊す>>232、というのには頷いて、アストロが右腕を振りかぶったその時。 後退を止めた敵>>233は、縦に亀裂が入って、三面鏡の様に開いた。]
[無数の砲門から出た、大量のミサイル。 すんでの所で避けたけれど、辺りは焦土と化していて。
角度を変えての砲撃>>234も、避けられたけれど。 再び、街を破壊する。]
ミサイルは、レーザーで迎撃できないかな?
……でも装甲は、厚そう。 コアがハートの中にあるなら、 まずは砲台を壊さないといけないのかな。 もしくは、コアが見える所に出てるタイプ……?
[柊木君の思考を邪魔しない様に、そんな風に、呟いた。*]
(238) 2023/08/20(Sun) 14時半頃
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ーーコックピットーー
[アストロは念で動くとの事だが、人間は1つの事だけ明確に集中して考えるのは苦手だ。 もしかしたら雑念が入ったのか。
お父さんの存在を未だに知らない僕はそう考えた。
彼は罠を考えるより距離を詰めるべきと判断する。>>232 僕は当然それを支持だ。]
もう少しだッ
(239) 2023/08/20(Sun) 14時半頃
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[ぐんぐん距離が縮まる。が、敵ロボットが後退を停止した。ここでもし僕ならそのまま猪突猛進しそうだが、流石彼である。 サッとアストロにと停止命令を。
なんてカッコいいのだろう。 この後彼は死んでしまうのを一瞬忘れてしまいそうになる。
一体何が起こるのか。]
えーー割れた?
[ハートが真っ二つ。なんて不吉なーー左右が扉のようになり、ゆっくり開く。>>233
そこにはロマンチックなものは一切詰まっていなかった。]
(240) 2023/08/20(Sun) 14時半頃
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なんだッ
[砲台?!あんなものから一斉に弾が放たれたらーー僕はその恐ろしい攻撃に一瞬で名前をつける。]
(241) 2023/08/20(Sun) 14時半頃
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[ラブラブシャワー。
しかし、それを口にすると康生の精神が乱れて回避に失敗する可能性がある。
僕は祈った。お願いアストロ! ラブラブシャワーを避けてくれ!]
[放たれたミサイルは幾つあったか。白煙が不規則な起動を描きながらアストロを襲う。
あと一歩康生の声掛けが遅れたら、きっとその放火に飲まれていただろう。
ミサイルは地面に着弾、辺りを焼き付くした。このままだと更地になるのでは。
しかしそんな被害を気にしている暇はない。追撃がアストロに降りかかったからだ。]
(242) 2023/08/20(Sun) 14時半頃
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[またも回避には成功したし、大和がトゲを避けている時よりは消耗戦ではなさそうだが、逃げているばかりでは勝機はない。]
……なんでハート型なんだろう。
[別にミサイルを格納するだけなら四角で良い気がする。何かの少女趣味?わからない。]
ミサイルもトゲみたいに弾切れになる?
[悪夢のようなラブラブシャワーはまだ続くのか。]*
(243) 2023/08/20(Sun) 14時半頃
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[僕は真弓の言葉には頷いた。]>>237
(244) 2023/08/20(Sun) 14時半頃
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[柊木君の方は体勢を立て直し、安定したらしい。
敵側の機動力はさほど高くないから、追いつくのも離れるのも容易だろう。立て直した柊木君は>>231かなり冷静に、危なげなく敵性体の方に迫っていた。前回の大和君の時みたいに、キャタピラの部分を破壊すればかなり優位に立ち回れるはず…
とは、簡単にいくはずもない。敵の正面が左右に鏡開いて、中に据えられた多数の砲門からミサイルが放たれた>>234]
(245) 2023/08/20(Sun) 14時半頃
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避けっ……
[柊木君は横に避けたから直撃はしなかったけれど、多数のミサイルが避けた先に降り注ぎ、周囲を完全な瓦礫に変えていく。避けた先にもさらにミサイルを降り注がせてくる。]
この間のヤマアラシみたいに弾切れがあるなら なんとかなりそうだけど…
[乾君も同じことを考えているし、それを狙えるなら一番手っ取り早いけれど、あれよりも遠距離爆撃に特化していそうだし、同じ手が使えるものかな。]
迎撃は…できなくはないと思うけど。 もしくはなんとか至近距離で後ろを取るかな…
…いや本当、なんでハートなんだろ。愛の矢…ってこと?
[みんなの声を聞きつつ、関係なさそうなことも含めていくつかが口をついた*]
(246) 2023/08/20(Sun) 15時頃
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[愛の矢。その発想はなかった。 するとラブラブシャワーは求愛行動なのかーー。
違う違うそうじゃない。]>>246
(247) 2023/08/20(Sun) 15時頃
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─戦闘中 コックピットにて─
そうか、迎撃……! 数で言えば、こっちのレーザーのが出せそうだもんな! 問題は、迎撃でどんくらい威力が抑えられるかだな……。
コアが見える所に? …………あっ、もしかしてあれか!?
[ハロの言葉>>238に、康生は視線を走らせた。(ちなみに私達は視界を共有しているが、それは全て康生の意思によって動く。)そして指差したのは、三面鏡の中心。無数の砲台に紛れる様にして、コアが見えた。だがそれは、ハートがぱたんと閉じてしまった事により隠れてしまう。開かせて撃たせるか、閉じさせたまま行動不能にして後で抉じ開けるか。恐らくは、いずれかを選ぶ事になるだろう。]
(248) 2023/08/20(Sun) 15時頃
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弾切れ>>243>>246はある…と思うけど。 あの威力の攻撃の弾切れ狙ったら、この辺一帯何も無くなっちまうよ。 確かに、先に撃ち尽くさせたら楽に勝てそうではあるけど……。
[康生も私も、まさかあの攻撃にとんでもない名前>>242が付けられているとは思っていない。敵が初手で後退を選んでくれたので、学園は今回被害を受けていないし、うちも(転んだ時に潰していなければ)恐らくは無事だろう。ただ、周辺が住宅地であることに変わりはない。日暈学園に通う生徒の家も、恐らくは含まれているだろう。康生は、それを良しと出来るタイプではない。]
サンキュー、本郷。後ろを取る>>246ってのは、かなりアリだと思う。 ああやって開くってことは、前と後ろがあるってことだもんな。 なんでハート型かは、正直わかんねーけど……。 うーん…………敵の形の基準とかって、なんかあんのか?
[一応最後の問い掛けはハロに向いているが、特に返答が必要な部分では無い。知っていれば、先に共有してくれそうなものではある。*]
(249) 2023/08/20(Sun) 15時頃
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ーーコックピットーー
[ハートの中央に。まるで無数の砲台に護られるように潜むコアを康生が発見する。]
ーーあれが。>>248
[僕の推測では、あれが敵のコックピットだ。
つまり、人が…乗っている。 だがコアを潰さねば決着はつかない。
三面鏡は扉が閉じてしまえばコアが隠れてしまう。 開くのは、ミサイルを撃つ場合。つまり。]
(250) 2023/08/20(Sun) 15時半頃
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コウ、むしろ弾切れを狙ったら駄目かも。扉が開かなくなるから、コアが露出しない…
[勿論彼が言うように被害が広がるのもある。
ハート型の謎は解けない。 後ろを取ると言っても簡単ではなさそうだが。>>249
敵の爆撃に合わせてレーザーを撃てば当たるかもしれないが…。]
敵が撃ってきたらレーザーでコアを狙い、すぐさま回避は無理だろうか?*
(251) 2023/08/20(Sun) 15時半頃
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[恋愛残念脳な私には、ラブラブシャワー>>242とか、愛の矢>>246なんて発想が浮かぶわけもなかった。]
えっ、これ、心臓って意味じゃないの!? 愛とかそういう意味のハートなの!?
[今更ながら、みんなと見方が違った事に気付いて驚いた。]
[私の呟きを拾ってくれた柊木君>>248には。]
永の時の敵より、量も威力も強そうだもんね……。
[どんくらい抑えられるか、については、小さく頷いて。 何かに気付いたらしい柊木君の視線を追うと、 三面鏡の中心、砲台に紛れる様にして、球体が見えて。]
きっと、あれだね……!
うん。それに、ミサイル系の敵は、 全弾撃ち尽くしても、また再生する事が多かった。
(252) 2023/08/20(Sun) 15時半頃
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[敵の形の基準>>249を問われると。]
えっ!? それは、無いと思うけど。
[だって、敵は、私達とだけ戦うために存在するのではなくて。 敵だって、必要な数だけ戦っていて、私達と同じなのだから。
敵が、何か意味があって選ばれているなら。 敵にとっても、アストロは何かを意味する事になる。
……だから違う、とは思う、けど。*]
(253) 2023/08/20(Sun) 15時半頃
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― 回想/燕趙園>>207 ―
甘いのも食事も、和系が好きなんだね。 私は、食事だったらなんだろ。 ……今は、小籠包が食べたいかな。
[中国庭園に居るので、そんな風に言って、笑って。]
でも、学校のある街の近くだと、中止になっちゃうかな? [花火大会は、他に一緒に行きたい人は居るようだけど。 私と一緒に、と言ってくれたので、小さく頷いて。]
任せて!
[混雑には、そう言って、笑った。]
(254) 2023/08/20(Sun) 16時頃
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― 回想/白兎神社>>207 ―
[転送した、白兎神社。 拝殿で、本郷さんがお賽銭を差し出してくれると、驚いて。]
いいの? ありがとう!
[そう言って、小さな手で受け取ると、お賽銭箱へ。
『本郷さんのお願いごとが叶います様に』
そう、小さな手を合わせてお願いをした。]
(255) 2023/08/20(Sun) 16時頃
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― 回想/白兎海岸>>208 ―
女子二人っていうか、むしろ一人と一匹だしね……。
[女子二人ならまだ、仲良く恋愛祈願に来た様にも見えるかもしれないけど。 本郷さん、一人で来てる寂しい人みたいに見えて、申し訳ないとは今更に。
そうして、お告げ箱とコインの話には。]
えっ!? 恋愛関係なんだ。そっか。そうだよね? お願い事なら、何でもいいのかと思ってた。
[本郷さんは、コインに何かを書いていて。 それを投げたら、1回で、お告げ箱のハートの穴に吸い込まれた。]
すごーーい! やったぁ!
[小さな手で、ぱちぱち拍手しつつ。]
(256) 2023/08/20(Sun) 16時頃
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……うん。帰るけど。 好きな人??
[こういう場所に来ているから、聞かれたのかもしれないけれど。 なんだか、修学旅行の夜みたいだな、って少し思った。]
それは、恋愛の意味でだよね? 今までは、永にべったりだったし。 好きの種類とかは、あんまりよく分からないな。
私に、女の子として好意を持ってくれる人も、 いると思えないし。 ……それに私も、男の人に触れないしね。
[一人だけ、例外は居るんだけど。*]
(257) 2023/08/20(Sun) 16時頃
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─戦闘中 コックピットにて─
や、俺も心臓かなって思ってたけど。やっぱ基準はないかぁ。 ……あの形に、みんないろいろ意味を見出しがちってだけなのかもな。
[ハロの回答>>252>>253を聞いて、康生はそう漏らした。右手を胸に置く康生にとってあれは、間違いなく心臓だ。私か、或いはとうに喪っている自分の物か。生い立ちが故に、意識せずにはいられないのだろう。人の心の形を模した記号。続いて、乾恵一もまた、康生に助言>>251をくれた。]
確かに、外側結構堅そうだよな。 じゃあ、あと一回は最低でも撃たせねぇとか……。
[話していると、閉じる事でハート型に戻った敵は、そのまま再度後退を始めた。初動は遅いが、このままだとまた逃げられかねない。]
そうはさせるか! 右足から出して接近! 四歩目と同時に、右腕振り被って履帯の継ぎ目を狙って壊す! 壊したら、すぐに左手で逆側も!
[分かった、行くぞ。一、二、三……四! そして、左だな!]
よし、壊せた! これでとりあえず、他所へは行けないだろ!
(258) 2023/08/20(Sun) 16時半頃
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[破断した履帯が、解ける様に地面へと落ちる。元々速くはない敵の機動力が、がくんと落ちた。後は、何とか開かせて撃たせて────そう考えていると、有り得ない姿が見えた。]
な、母さん……!?
[アストロを挟んで、敵の反対側。康生にとっての母親──私にとっての妻が、其処に居た。思えば、必然だったのかも知れない。康生が姿を消して、既に二日。家のすぐ近くで始まった戦闘。我が家の状態を確かめに帰って来た妻が、息子の生活の痕跡を見つけ、安否を気にして戦闘区域に足を踏み入れてしまうのは。]
[私達二人は、同時に気を取られた。敵が再び開く。避ける訳にはいかない。避けられない。盾にならなければ。残された選択肢は一つ。]
ッ、迎撃──!
[向こうのコアを狙う余裕は無かった。我武者羅にレーザーを放つ。兎に角全て撃ち落とし、後方に被害が出ない様に。落とせない物は、それこそ身体で受け止めるつもりで。大量の兵器の撃ち合いに、辺りが真っ白に染まる。]
[爆風と光が収まった時。其処に居たのは──気を失い倒れている妻。三面鏡の扉部分が脱落し、閉じる事が出来なくなり、コアを露出させたままの敵。]
(259) 2023/08/20(Sun) 16時半頃
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[────破壊された箇所から、敵のコアにそっくりな物を覗かせているアストロの姿だった。*]
(260) 2023/08/20(Sun) 16時半頃
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─戦闘中 コックピットにて─
母さん……。 …………、……よかった、生きてる。 ……ハロ。母さんを、病院か……どっか安全なとこ、転送してもらっていいか?
[康生が学校に行く為に、幾度か仮住まいに呼び出していたから、そちらの住所はハロもわかるだろう。こんな形で、今生の別れを済ます気は無かった。 ……いや。もう済ませた気で居た、と言う方が正しいか。康生にしたってそうだろう。]
[妻の事や、この事に対する康生の心境も心配だったが。それよりも、目下の問題は。アストロが重要と思われる器官を露出してしまっており、その形状が敵のコアに類似しているという事だった。]
…………、……。
[今までの戦いを思い返す。私は、敵のコアが潰される瞬間を一度も見た事が無い。何故か。毎回、康生が目を閉じていた>>1:445>>2:616>>3:339からだ。コアが何であるか判る前でさえ、康生にとって“何かの心臓部”を潰すというのは直視し難い光景だったのだろう。それが今や、私達と同じ様なパイロットが乗っているのだとほぼ確定してしまった。 ────出来るのか、この子に。誰もを愛し、命を尊ぶこの子に。自分達と同じ境遇であろう相手を殺す事が。*]
(261) 2023/08/20(Sun) 17時半頃
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─戦闘中・コックピット─
[乾>>200 柊木の補佐を、にはサムズアップして頷いたものの、柊木親子は声で動きを確認し合っていることが分かったので、基本的には静観していた。しかし、ハートが観音開きになった時は思わず声をあげてしまう。]
!!! 危ない、何か射出してくるかも!!
[次の瞬間、開いた敵機の中央から大量のミサイルが降ってくる。 >>246 愛の矢、なんて命名もされて。尚、ラブラブシャワーという名前もついている事は知る由も無かった。]
……やっぱ形が非常識だと、攻撃も非常識だな。 てか開くのかよ。
[心臓とか愛とかハートとか色々言われているけど、他に意味がないか考えた。植物の種、聖杯、猪の目………。でもやっぱり心臓がしっくりくる。柊木戦だからだろうか。 この戦闘が果たしてどんな組み合わせで決められているのか、分からないけど。 、、 彼らから見たら、人型のアストロだって"あいつマジかよ"って形状なのかもしれないし。]
(262) 2023/08/20(Sun) 17時半頃
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[柊木の声出しでの指示は的確で、ついに敵機の履帯を破壊する。 トドメ行けるか、と思ったが、アストロの、いや柊木の動きがふと止まった。僅か数秒の隙だったが、ふたたび敵機のミサイル放出が始まる。]
───また来るっ!!
[がむしゃらに迎撃を始めるアストロ。辺りが爆風で染まり、敵の動きも止まった。 しかし柊木の動きもまた、とある一点を凝視したまま止まってしまう。僕は彼が何を見ているのか分からなかったが。次のハロへの移動申請で、理解した。>>261 柊木の母親が居たのだ───。]
ハロ、柊木の母さんを日野病院に!! 6駅先にある病院だから安全な筈。
[速やかに移動してもらうために、僕は具体的な病院名を名指しで教えた。具体名があれば転送は容易だろう。こんな時は一分一秒も惜しい。 柊木のお母さんの転送さえ済めば、戦況は既にこちら有利になっているはず。さあ、柊木、あとは───。
しかし、柊木はアストロの核(コア)の形状に気付いてしまって、動けずにいた。]
(263) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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[僕の弟───縁牙の時と同じだ。
弟の戦いの時は、敵機の核がガラスのように透けていて、相手のコックピット内が丸見えだった。………完全に、人間が操縦していたのだ。 相手の姿が見えると弟は固まってしまって。泣いていた。
僕は "殺れ!!!" と大声で指示して、 弟は一撃で核を破壊した。透明な核は真っ赤に染まって。]
………殺さなければ殺られるんだ。
[僕は、あの時と同じ台詞を吐いた。]*
(264) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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コアが見えるの?中に?
[柊木君に反応する形で>>248思わず身を乗り出した。確かに…中に隠れてはいるけれど、それらしきものが数多の砲門の陰に隠れる形でちらっと見える。 弾切れを狙うのは気が進まないという>>249柊木君の意見はうなづけた。私はもうそこまで町の被害を気にしていられないと思っているから、そこの理由は少し違うけれど。乾君の理由も、>>251理解できる]
…ま、それはそうか。学校が完全に なくなっちゃうのは…ちょっとね。 私なら後ろを取りに行くけど、でも… コアが見えてるわけだし。 確かにこの装甲を後から自力で こじ開けるのは少し面倒かも。
(265) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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きちんと…でなくてもいい、とにかく数撃って ミサイルを迎撃できるなら、その方が…
[と考えていたところ、ふとハロの驚いたような声に>>253あ、と声が出た。]
(……やっぱり。)
[敵も必要な数だけ戦っている、って今確かに言った。 ハロは話そうとしていなかったけれど、つまり、やっぱり敵側の条件も私達と同じという事か。 そして、それは次の互いの一斉掃射の時に確信に変わる。 柊木君はコツをかなり掴んでいて、しっかりとキャタピラ部分を破壊して動きを封じてくれた。
でも、彼が母さんと叫んで、>>259遅れて事態を察する。]
(266) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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ーーコックピットーー
[ハロの言>>253が本当なら、今までの敵の形状と照らし合わせても攻略ヒントはないのだろう。]
[彼はみんなのアドバイスを脳内でテキパキ処理し結論を出したようだ。同時、再び敵は後退する。]
後退しないと撃てないんだな。後退させるなッ
[今度はアストロは転んでいない。間合いをあっという間に詰めると、彼の命令に従い右側の履帯の継ぎ目を破壊した。
これで脚を半分もがれたようなものだ。後退出来ないなら、攻撃に移れないはず。
なら、閉じたハートの扉さえこじ開けたらいけるだろう。]
(267) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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コウ、それでいいッ あともう少しだッ
[あともう少し。あともう少しーーで?
一瞬僕はスクリーンから目を離した。
敵の敗北はすなわち。]
……
[が、そんな思考が問答無用に中断される。彼が『母さん』と叫んだからだ。
今まで、画面にはほぼ人の姿はなかった。もしかしたら瓦礫の下に逃げ遅れた人がいたりはあったかもだが、少なくともハッキリ視認出来る人間の姿は。
彼が叫んだという事は、スクリーンに映る女性は彼のーー
だが、そんなハプニングは敵にとってチャンスでしかない。 またもや三面鏡の扉がギギギと開く。]
(268) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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コウッミサイルが来るッ
[僕にはそれを知らせるしかない。もしも回避をすれば、アストロの後方に位置する彼の母親はミサイルの嵐に巻き込まれる。
迎撃という発声にあわせて目映い光が敵に向かい放たれる。
まるでアストロの全身が耀いて、四方八方に矢を乱射したみたいな。
ミサイルとレーザーの応酬。バチバチと二つはぶつかり合い、弾け、周囲は煙と光に包まれた。]
ーーッ
[スクリーンがよく見えない。僕は思わず立ち上がる。
漸く視界が晴れるとーー倒れているらしき小さな小さな人影。
敵は、半分の履帯を失い傾いた姿勢、ミサイルの合間を縫ったレーザーが当たったのか、片側の扉が取れかけており、もうハートの形をしていない。
コアの露出。]
(269) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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[だが、損壊したのは敵だけではない。僕らが乗るアストロも、彼の母親を護るために立ちはだかったのでーー
傷を負っている。 まるで、鋭い獣の爪で抉ったような痛々しい痕。
そこにはーー今までA戦(僕は見ていないが)、千映戦、大和戦でアストロがぐしゃりと蜜柑を潰すみたいに破壊してきたコアと同じものが。]
……あ。
[スクリーンを見ているから不思議な感覚だが、恐らくあそこに僕らがいるのだ。
つまり、双方が弱点を晒した状態。]
あーー…
[やはり、そうなんだ。やはり、コアにはパイロットがいる。
ーー双方の。]
(270) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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[彼は敵が動けない、つまり止め寸前になったのを理解したのだろう。ハロに母親の転送を依頼する。 縁士が病院を指示してサポート。>>263]
……良かった。
[目の前で母親が亡くなったりしたら、彼はどうなったか。考えるだけで恐ろしい。
しかしまだ問題は残る。
剥き出しのコア。
恐らく人間が、僕らの地球のではない人間がぐちゃぐちゃ詰まったあのコックピットをーー彼は、潰すのか。]
(271) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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|
……駄目だ。
[僕はか細い声で言う。]
そんなこと、しちゃーー…
[わかってる。わかってるけど、でも。
僕は青ざめた唇を震わせる。すると縁士が叫んだ。>>264]
(272) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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[
ーー殺れ。]
(273) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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[信じられない。目を見張る。そんな、そんなのをーー]
(274) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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駄目だーーッ!!*
(275) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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(柊木君のお母さん、まだ逃げてなかったの…!?)
[タイミング悪く敵の再度の一斉掃射とかち合っての迎撃。 前方が見えなくなるほどのミサイルとビームの応酬の果てに、敵性体はコアを露出させたまま>>260となったけれど…]
……っ。
[柊木君はお母さんを気遣っている>>261。それは当たり前。 日野君が具体的な病院を>>263指示しているところは、素直に感心した。本当に、彼はこの場において頼りになる。 私はと言えば、逆に少し気が急いていた。]
(276) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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柊木君……コアを……!
[コックピットの中から、自機のコアの露出が見えたという事は、思ったよりこちらのダメージも甚大だったのかもしれない。私にとっては、敵性体がこちらと同じようなロボットで、中に人間が乗っているというのは疑惑が確信に変わっただけのことだった。気持ちとしては相当苦々しいけれど。
でも、柊木君はその事を知らなかったのだろうか。 乾君は早めの段階でほぼ結論に至っていたはずだけれど、さすがに聞いてはいないか…]
(277) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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柊木君……!! 撃たないと、次が来る……!!
[天道君は撃つように促した>>264し、乾君は…ああ。 分かってただろうに。ダメだって言っちゃうんだね。
私が叫んだのは、撃ってという意味の、短い一言をもう一度だった*]
(278) 2023/08/20(Sun) 18時頃
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─戦闘終了 コックピットにて─
[敵も、此方も。互いに、コアという急所を晒したままの状態だ。それでも、アストロは稼働自体には問題が無い。向こうはもう移動も出来なければ、ミサイルも今の所撃ってくる気配が無かった。ドア部分が脱落している程なので、発射機構が破損したか──向こうは先にコアを露出していた状態で撃ち合った為、パイロットに何事か起きている可能性すらあった。死んでいれば決着が付くのだろうから、まだ生きているとは思うのだが。もしかしたら、“交代”の最中なのかも知れない。いずれにせよ、決着を早く着ける必要がある事に変わりは無い。]
[そのパイロットが死んでいいとは、私も考えていない。だが、今動かなければ全てが終わってしまう。私一人では、この機体はまともに動かせない。動いてくれない。頭は康生の物なのだ。]
[天道縁士の声>>264がした。康生は俯く。震える声が、喉から出た。]
…………ああ、わかってる。 わかって……!?
[乾恵一の叫び>>275が響く。康生は、弾かれた様に其方を見て、顔を歪めた。視界が滲む。康生は、泣くのを堪えていた。本当は殺したくなどないのだと、言葉よりも雄弁に訴えていた。]
(279) 2023/08/20(Sun) 18時半頃
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[康生は迷っていたのだろう。けれど、本郷真弓の叫び>>277>>278は短く、そして的確だった。何をすれば良いのか、はっきりと康生に示してくれた。相手のコアを、撃ち抜く。]
────コアを撃ち抜いて、……破壊。
[震える声で康生は指示し、私は──私達は、レーザーで敵機のコックピットを撃ち抜いた。これが罪だというのなら、共に背負う……いや。パイロットは私なのだから、私が背負えば良い。「お前は何も悪くない」と、そう言ってやりたかった。言える筈も無い。]
ごめん。ありがとう、…………みんな。
[私は、何処までも無力な父親だった。*]
(280) 2023/08/20(Sun) 18時半頃
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ーーコックピットーー
[みんなは誤解しただろう。僕が敵パイロットを慮ったのだと。
勿論その気持ちがないわけではない。 だが、本質は、違う。
僕は"彼に人殺しをさせたくなかった"のだ。
そしてもう1つ。コアの破壊はすなわち。
ーー彼の死を、意味する。
僕が止めない理由の方がないのだ。]
(281) 2023/08/20(Sun) 19時頃
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[彼は縁士の言葉に頷いたが、僕の叫びを無視しなかった。
立ち尽くす僕と、彼の目線はしっかりと合う。 そう、真っ直ぐに。 なんの雑じり気もなく。
くしゃ、と。
彼の顔が歪んだ。ーー美しい瞳に涙が滲む。]
……コウ。
[僕は、彼に近づく。一歩、二歩、ゆっくり。
そして身を屈めーー椅子に座る彼を、抱き締めた。
耳元に囁く。]
……死なないで。 死なないでーーお願い。
(282) 2023/08/20(Sun) 19時頃
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[抱いているから彼の表情は見えない。 真弓が一言、言った。
それは彼が判断した通りに。 "すべきこと"であり。
彼が低い声でーーアストロに最後の命を下す。
僕は画面を見ていないが、それがもう、彼の生命の終わりであるのを知る。
彼は、皆に謝った。 僕は彼を離して、二の腕を掴み。]
なんで謝るの?何を? 君はーー君、は… 一番辛いことを、したのに。
君は、君はこれで。 もう後少しでーー。
(283) 2023/08/20(Sun) 19時頃
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[僕は彼を解放した。みんなにお別れを言いたいなら、邪魔してはいけないから。]
……。
[必死に堪える。崩れ落ちてしまいそうになるのを。]*
(284) 2023/08/20(Sun) 19時頃
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─戦闘終了 そして─
[書斎椅子に身を沈めたまま、康生は乾恵一に抱き締められていた。もう、康生にとって彼を拒む理由は何一つ無くなったのだから。]
……だって俺、大事な場面で迷っちまったから。 動かすのだって、最初上手くできなかったし。攻撃だってくらっちまったし。 他にも、他にも…さ。いろいろ、いっぱいあるんだ。謝ること。
…………ケイのお願いだって、聞いてやれない。
[「死なないで」>>282と願われても、康生は死ぬのだ。私が死んでしまうのだから。ただ、今の所まだその気配は無い様に思えるだろう。康生は普通に微笑んでいるし、話している。彼が身を離した>>283後も。]
[ただ、その右手に感じている鼓動は弱まりつつあった。]
(285) 2023/08/20(Sun) 19時頃
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─心臓の止まる時 柊木達見の最期─
[康生の名は、私が付けた。心臓に欠陥を持って生まれた息子に、『健康で生きてさえくれればそれでいい』と願って。それ以上の事は何も望まないと。それが、どれだけこの子の重荷になっていただろうか。私が一度目の死を迎えるまで、康生に“健康”と言える日は一日も無かった。親に唯一つ願われた事を、叶えられない。その時点で捻くれてしまってもおかしくないと言うのに、康生は真っ直ぐに育ってくれた。]
[良き妻と、良き息子と。平凡ではなかったかも知れないが、幸せな家庭を持てた。一度死して尚、夢の続きが見られた。最期は、レヴァの世界の様にロボットに乗り、息子とシンクロし共に戦うという、歪んだ形で叶った夢の様だった。私は、幸福だったのだろうと思う。息子にこんなにも想われ、妻の命を、彼女が生きる世界を守れたのだから。幸せな人生だった。]
[……ああ、でももし、あと一つ叶うのなら。康生には生きていて欲しかった。私の巻き添えで死なせてしまう息子。私を喜ばせようとして、契約してしまった息子>>2>>3。この件にもし戦犯が居るのなら>>1:477>>1:478、それは私だ。]
(286) 2023/08/20(Sun) 19時頃
|
|
[康生にも、その学友達にも、申し訳無い事をしてしまった。謝れない事が、心残りだ。]
[意識が遠退いていく。今度こそ、私は本当に死ぬのだろう。心臓が止まってから、脳が死ぬまではどのくらい掛かるのだったか。康生は、その間ひとりで……、………*]
(287) 2023/08/20(Sun) 19時頃
|
|
―― コックピット ――
[コックピットへの転送は恐らく最後だった。 服装の趣がこれまでと違う印象である以外は 常とさして変わらぬ調子で笑う柊木に片手を挙げる。 此方もできるだけ普段と同じ顔を作ってみせた。]
………ああ。
[天道に席の交換を持ちかける柊木。 他の者もきっと考えたように、 契約者に馴染み深い椅子が複製されて来ているのなら 席を交換しても操縦席として機能するのだろうか?
いや、この状況で意味のないことはしない筈だ。 彼の“二重契約”に関係する行動なら、 天道こそが、ハロや柊木の言うところの ”未契約者”なのかもしれない。]
(@12) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
|
|
[天道の快諾をうけて二人の席が交換される。 柊木と示し合わせてあることは知る由もないが 何らかの共有が二人の間にあるような気がして 天道に視線を向け、暫し思考を回していた。 もし目が合ったなら、普段通りに口端を上げただろう。]
俺も反省踏まえて、今回は席を借りるよ。 七尾が『使っていい』って言ってくれてる気がする。
たぶんだけど。 …借りるな。
[前回の戦闘の時、どこからか声が聞こえた気がした。 あの時は柊木のベッドのシャフトを借りたが、 今日はお言葉(?)に甘えようと思う。 七尾の身体は行方不明として隠されているはず。 ハロは『アストロの隙間』>>2:668と言っていたが 今もこの辺りに居るのだろうか。 皆の戦いを見ているのだろうか。]
(@13) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
|
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― 戦闘中/コックピット ―
[ハート型に戻った敵は、再度後退を始めた。>>258 アストロはその後を追うと、腕で履帯を破壊して。 次はどうやって、敵を開かせるかといったところで。]
えっ……?
[母さん>>259と、落ちた呟きに、そちらへ視線を向けると、再び敵が開いて。]
[敵から放たれたミサイルと、アストロのレーザー。 大量の兵器の撃ち合いに、辺りが真っ白に染まった。]
[爆風と光が収まって、視界が開けてきた時。 柊木君のお母さんを転送>>261>>263と言うのに。]
分かった!
[頷いて、すぐにその場から姿を消した。]
(288) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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[暖色系の大きなビーズクッションは、 なかなか一人暮らしの男の部屋に 置いてあるような代物でもない。 座り慣れずに位置を定めるまで少し難儀したものの 座ってみれば意外と快適なものだったらしい。 乾のyogiboも似たようなものだろうかと見れば、 乾は柊木の方に椅子を寄せて隣へ。
仲は良いとは思っていたし柊木からも聞いていたが 彼のあっさりとした口ぶりから 友情の範疇として受け止めたあの時と 空気感の変化くらいはいくら己でも分かる。 左手に光るものをみとめれば、彼らの方から目を逸らし モニターに移る見慣れた景色を眺めていた。]
(@14) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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……このあたりは本当に、更地になっちまいそうだな。
[敵の転送位置がパイロット基点だというのは 柊木の言葉で裏付けられた。>>216>>163 その理論で行けば、同じ場所で戦えば 他の地域の被害を抑えられはする。
被災地域が散らばるよりは良いのかもしれないが、 それでも見慣れた景色が尽く粉になって行く様は切ない。 例えば国保有の山奥で戦うなどは無理なのだろうか。
……無理か。 敵が襲ってくるまで山奥で暮らすことになる。 いや、国防省の方の隔離施設なら―――?
考えているうちに、敵性体が姿を現して。 一風変わった形状に、微かに首を捻った。]
(@15) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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[敵の形状へ生徒たちがめいめいに所見を述べている。 己はといえば、オモチャみたいだなと思ったわけだが。 一見して盾のような形状だが、パーツが多くない。 攻撃手段があるとすればその奥だと考えるべきだろう。 柊木の合図に頷きかけ、彼の初動を待つ。 が、次の瞬間に大きくモニターの視界がぶれた。]
[ビーズクッションから身体がズレる。 「起きないと」という柊木の声>>203で漸く 機体がうつ伏せになっているのを知った。]
(@16) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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[柊木君は、躊躇っていたのかな。それはわからない。 彼は結局、確かに敵機のコア…いや、コックピットをしっかりとレーザーで撃ち抜いた>>280から。コアは確かに破壊されて、敵機は消滅した。 柊木君は謝ってた。]
…なんで。柊木君が謝る必要なんて…ないのに。
[思わずそう呟いていた。柊木君はやらないといけないことをやっただけ。乾君は柊木君を慮っただけで、天道君は本当の事を言っただけ。]
ごめんね。柊木君。
[でも、私も自然と手を握りしめ、彼に謝っていた。 しないで済むならそれがよかった。大和君も、七尾さんも…特に七尾さんは知ってはいけなかった。彼女が最初だったのは、今思えば最悪の中でもまだ良かったのかもしれない。]
(289) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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―――っ 大丈夫か!?
[ぐらついたり>>204転げたり>>214する様に 思わず声を投げる。天道は冷静な対応だ>>222]
機体が横倒しになったからといって コックピットは縦になったりしないんだな。今更だけど。
[ロボットが形状を変えるのだから、 その度にコックピットが縦になったり逆さになったり しないような何らかの機構があるのだろう。
たとえば、球体を液体の中に浮かべるような?]
(@17) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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[アストロが上手く動かせないらしい。 柊木の焦りが見える。それでも、先刻は動いたし 完全に動作不能というわけではないのだろうが。 それでも過ぎる憂慮は、『二重契約』による弊害だ。 落ち着いて立て直すのを祈るように待った。 が、敵は待ってくれはしない。 キャタピラが可動し、此方に向かってくると思いきや――]
後退……?
[撤退でも退避でもない。 獲物の隙を見逃さずに動き出したそれは 距離を取って飛び掛かろうとする獣が低重心姿勢を取る その様にも見えてざわりと背が粟立った]
(@18) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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柊木君。 [乾君に抱きしめられた柊木君に近づく。 私から言う事は一つ。みんなに言う事と、柊木君だけに言う事。]
お疲れさま。 柊木君の役目は終わり。 もう世界とか考えなくていい。 後は全部、私達が引き継ぐから。
本当に、ありがとう。
後は、大事な人と過ごして。
[私はそう言って彼の元を離れよう。]
(290) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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[アストロは立ち上がった。 >>219>>232>>234 柊木の声が、 まるで指揮を執るように鋭く飛ぶ。 アストロは動く。飛ぶ。その通りに。 うつ伏せに転倒したことが嘘のような俊敏な動作で。
それを見て、理解した。
司令塔――文字通りのブレインたる柊木と 操縦者たる心臓部の分業か、と。
己は、この時点で誰が『心臓』の持ち主かまでは 柊木から聞いていなかったのだけれども この複雑な構造を支え叶えているのならば、 彼に近しい者なのかもしれないという予測だけ抱く。]
(@19) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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[飛び交う砲撃とその衝撃に モニターにはひっきりなしに閃光と爆風が映し出される。 途中、驚いたようなハロの声>>252には 不思議そうな視線を横目で向けた。
柊木の心臓と脳のことに思考が向いていたのもあるが 己にも敵性体のハート=心臓以外の発想がなかったので。 柊木も同じらしい>>258。 他に何があるというのだろう?]
(@20) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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[コアの位置をそれと定め>>248 履帯を損傷させ、有利かと思われたアストロが 突然不自然に動きを止めた。]
……え
[呆気にとられたような柊木の声。 柊木の母親。避難していなかったのか? 前もって“家出”しておいた柊木の事情は知る由もない。 いずれにせよこれでは動きが制限される。 回避行動は選択肢として消えた。
激しいレーザー砲の応酬に視界が白に染まった。 見えていて撃っているのか、いや――]
[やがて光が霧散し、そこに在ったのは 心臓部を曝し合う二体のロボット。>>260]
(@21) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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( …… そう、だよな )
[きっと、場に居る全員が敵の正体を識った。 己とて、予想をしていなかったわけではない。 かつて貪るように読んだ本の中、とりわけ SFに分類される物語には度々描かれるような二律背反。 柊木の顔をじっと見据える。 痛みに耐えるように表情が歪む様を。>>279
言葉をかけることはできない。 やれとも、やるなとも。
命を賭して戦い合うのは己ではないのだ。 アレを手にかける迷いも、痛みも、なにひとつ 負ってやることも共有することも出来ないのが ひどく歯がゆかった。]
(@22) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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[けれど、柊木は強い。 強くて、優しい。]
[――――最後の一撃で。]
[消滅したのは、敵機。]
(@23) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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― 日野病院 ―
[柊木君のお母さんの傍に姿を現すと、 すぐに6駅離れた日野病院へ転送した。]
[でも、お母さんが柊木君を心配して探しにきたのなら、転送しただけでは、また近くへ行こうとしてしまうのではないかと思う。]
[私が頼まれたのは『転送』だけど。 つまりは、『お母さんを無事に守る』事をしないといけないと思って。]
驚かせてごめんなさい! 私、柊木君に頼まれて。 お母さんに、ここに居て欲しいって言ってました!
[それでも彼の元に行こうとするのなら、強引にでも行かせない様にしないといけないし。 もしも戦闘がこちらまで拡大してしまうなら、守らないといけない。と思う。]
(291) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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― コックピット ―
お母さん、日野病院に転送したから安心して! 私は、このままお母さんの傍に居て守るね! [柊木君にそれだけ言うと、また、柊木君のお母さんの所に戻った。]
(292) 2023/08/20(Sun) 19時半頃
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[静かにビーズクッションを降り、 書斎椅子の上で乾に抱かれる柊木の傍へ。]
…… 柊木。 なあ、この間お前、言ってたろ。 『俺が居なくても、世界は回ってく』って。
ずっと病室にいて、 世界に存在しないような気持ちでいたとしてもさ。 もう、お前はこいつらや俺の世界に関わっちまってる。
[俺が居なくても世界は回ってたんだから、元に戻るだけ。 手紙を託された日、教室で、柊木はそう言ったのだ。>>136 後ろ向きな言葉でないことは理解しているが、 それでも、どうしても引っかかっていた。 あの時に伝えなかった言葉、せめて今ならと。]
(@24) 2023/08/20(Sun) 20時頃
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ちゃんと存在してるんだよ。 消えて大丈夫なわけがないんだよ。
世界は回り続けるかもしれないけど、 お前のいない世界は、『同じもの』じゃない。
[柊木も、大和も、七尾も、瑠璃川も。 それに、どこかの世界ではきっと七星も。]
お前はずっと、俺の大事な教え子だ。 …… ゆっくり休んでくれ。
ありがとう。 **
(@25) 2023/08/20(Sun) 20時頃
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─戦闘終了直前 コックピットにて─
[コックピットに戻って来たハロの報告>>292に、私は心底ほっとした。康生もまたそうだっただろう。]
サンキュ、ハロ。ほんと助かる。 ……後で、俺も母さんのとこ送ってくれ。 胸ポケットに手紙入れてる。 それ読んでもらえば、わかるようにしてるから。
[私達が敵を倒したのは、それから間もなくの事だ。*]
(293) 2023/08/20(Sun) 20時頃
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公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/20(Sun) 20時頃
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─戦闘終了後 本郷へ─ ・・・・ ・ [父さんの椅子に座ったまま、俺はみんなの顔を見回した。縁士に本郷、ケイ。カガセンも居る。みんなして何とも言えない顔してるし、本郷が謝って来た>>289もんだから、苦笑するしかなかった。]
何言ってんだよ。本郷がちゃんと指示してくんなかったら、俺きっと撃てなかった。 本郷が謝ることなんもねーし、ほんと助かった。サンキュ。
……悪いな、重いもん引き継がせちまって。 俺の方こそ、…………ありがとな。
[ほんとは、俺の役目は終わってなんかない。俺はまだパイロットに選ばれてなくて、本来ならもう一回戦わなくちゃいけなかった。だから、やっぱりどうしたって世界のことは考えちまうけど、本郷の言いたいことはわかったから、礼を言って甘えることにした。*]
(294) 2023/08/20(Sun) 20時頃
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公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/20(Sun) 20時頃
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[柊木を動かしたのは、本郷さんの呼びかけだった。>>278 次の瞬間、アストロは見事に敵の核を打ちぬいて。 そして───。]
───柊木…っ!!!
[柊木を抱き留めて乾が語り掛ける。僕も駆け寄った。 まだ目の焦点は合っているが……。 乾が一旦離れ、本郷さんも彼に最後の声をかけて。それは僕等みんなの代弁でもあった。
──僕は。 おそらく最初で最後の接触になるだろう。柊木の手を取って、言った。]
(295) 2023/08/20(Sun) 20時頃
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……ふたりが守った康生のお母さんは無事です。
後は大丈夫、まかせて。
[心臓はまだ動いているだろうか? そもそもお父さんにこれが聞こえているか分からないが、僕は2人に "ありがとう" と告げた。]
(296) 2023/08/20(Sun) 20時頃
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― 戦闘終了後/コックピット ―
[戦闘中、柊木君に報告だけすると、すぐにお母さんの元に戻ろうとして。 柊木君の声>>293が届くと、『分かった!』って簡潔に返事をした。]
[それからほどなくして。 敵のロボットが消えていくのを見届けると、私は、コックピットへ戻った。]
[柊木君は書斎椅子に身を沈め、乾君に抱き締められている。>>285]
お母さんは、無事だよ。
[それだけ、言って。 同じく一言だけ言葉をかけて離れた本郷さん>>290の傍で、二人を見守っていた。*]
(297) 2023/08/20(Sun) 20時頃
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[もう接触を躊躇う必要がないのは。彼の命の炎は消えるから。]
…迷うのが当たり前じゃないか?君は、優しい人だ。 敵だからと躊躇なく… 出来る人じゃない。>>285
[殺す、とは言えない。]
上手く出来なくて当たり前。 初めてだったんだよ。 むしろ、すぐ建て直せて凄かったよ。
(298) 2023/08/20(Sun) 20時頃
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君は、凄いんだ。
[心からの賛辞を。]
……聞けないんじゃない。パイロットに選ばれた時点、君にはどうにも出来なかった。
どの道を選んでも。
だから、僕が無理を言ったんだよ…
[涙が、頬を伝う。もう少し、後少しで、彼は。]*
(299) 2023/08/20(Sun) 20時頃
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[ハロが彼のお母さんを無事な場所に送ってくれた。僕はハロに感謝した。>>292]
(300) 2023/08/20(Sun) 20時頃
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─戦闘終了後 カガセンへ─
[カガセンがこっちに来た>>@24>>@25。すごい真面目ってか、切実な顔で。今まで聞いた中で一番優しいしてた。]
そ、っか。俺、生きてたもんな。 ……俺が消えても、大丈夫で居てほしかったんだけどな。 無理かぁ。関わっちまったもんな。
でも、うん。俺、関われてよかったと思ってる。 そのまんま返すみたいで、芸がないけどさ。 カガセンも、俺の大事な先生だよ。
……ん、そうだな。そろそろ休むことになりそう。 いろいろありがとな、カガセン。
────後は、頼みます。
[少しだけ真面目に頼んだその後で、俺は、段々ゆっくりになって動きの止まった父さんから手を離した。それでもう、何が起きたかカガセンにはわかったんじゃないかと思う。*]
(301) 2023/08/20(Sun) 20時頃
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[それだけ伝えると、僕は彼から手を放して、場所を空けた。 最後の時間は乾が手を握ってやるだろう。
僕は何故か、自分の胸、心臓の辺りに手を当てて見守っていた。 康生がいつもそうしていたように。]*
(302) 2023/08/20(Sun) 20時半頃
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[加賀先生が>>@25真弓が>>290 縁士が>>296ハロが>>297
みんなが彼に別れを告げる。感謝と共に。 僕は彼らと康生が言葉を交わすのを見守っている。]*
(303) 2023/08/20(Sun) 20時半頃
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── 戦闘終了後 ──
……ああ。
[真面目な声に、真面目に見詰めかけて。 彼に託されたものも確かに預かっていると 手にしていたクラッチを軽く持ち上げてみせた。 そうして……前にしたように、 触れるか触れないかで彼の頭に手を乗せた。 喉が詰まる。 それ以上は言葉を紡ぐことが出来ず、 他の者の別れの邪魔をしないようにと少し距離を取った。]
(@26) 2023/08/20(Sun) 20時半頃
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─戦闘終了後 縁士へ─
[縁士が手を取って言葉を掛けてくれた時>>295>>296、父さんは随分ゆっくりになっていたけど、まだ辛うじて動いてた。だからきっと、声も聞こえてたんじゃないかなって思う。右手は父さんに当ててたから、左手で縁士の手を握り返した。よく考えたらこっち、指輪付いてる手じゃん。ちょい恥ずいな。]
病院の指定、サンキュ。助かった。 ……ん、悪いけど全部任せるよ。
[“ふたり”ってガッツリ言っちまってるし。縁士って、しっかりしてそうでちょい抜けてんのな。みんな、他のことだと思ってくんねーかな。……無理か。ま、大丈夫って言ってるから大丈夫か。どっちにしろ、任せるしかねーし。]
……今、止まった。安心したんだと思う。 俺の方こそ、ありがとな。
[俺は、縁士にだけ伝わるように、ちょっと言葉を選んでそう言った。*]
(304) 2023/08/20(Sun) 20時半頃
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─心臓が止まった後 ケイへ─
[父さんの心臓が止まったから、俺に残された時間はあと数分だ。ケイもきっと気付いてるんだろう。もう死ぬなら、俺は今まで躊躇ってたこと、できなかったこと、全部できるんだって。]
…………ケイ。 ケイはさ、俺のことすげー褒めてくれるし、すげーやつみたいに言うけどさ。 俺、ほんとは全然ダメなんだ。
だって、あんなに死ぬの当たり前だって思ってたのに。 俺の心臓なんて、とっくの昔に止まってるのに。 今になって、怖いんだ。 身体の中から、何の音もしないのが。
死ぬのが、独りになるのが、怖いんだよ……。
[俺がいろいろ平気だったのは、ずっと父さんが居たからだ。いつだって、死ぬ時だって独りじゃないって思ってた。だから今、独りになって────初めて、すげー怖いってことに気付いたんだ。*]
(305) 2023/08/20(Sun) 20時半頃
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─カガセンに託した手紙─
[撫でてくれたカガセンに、俺は笑い返した。時間もなかったし、それ以上何も話せなかったけど。カガセンのクラッチバッグの中身には、こんな手紙が入ってる。]
(306) 2023/08/20(Sun) 20時半頃
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『パイロットのみんなへ』
『みんながこれを読んでる時、俺はもうこの世に居ないと思う。 文面がお約束過ぎるな? でも、ま、そんな感じ。 この手紙は、みんなが混乱してそうだったら読ませてくれって感じで、同じものを加賀先生と三千院部長に預けようと思ってる。 だから、みんなが落ち着いてたら読まずに済むわけで。読まれないことを祈ってる。』
『俺がどういう風に死ぬのか、今の時点ではわからない。 負けてるかもしれないけど、そしたらこの手紙は読まれてないから置いとくとして。 いきなりコックピットで自殺ショー始めたのかもしんないし、ちゃんと戦えてちゃんと死ねてるのかもしれない。 どっちかだとは思うんだけど。どっちでも、俺が二人分契約してたってのはバレてるだろうなって。 それが、この手紙を書いた理由。なんもわかんねーと混乱するよなって。 俺、説明下手だけど、ないよりはマシかなって。』
(307) 2023/08/20(Sun) 20時半頃
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『俺の心臓はとっくに止まってて、今俺の中にあんのは父さんの心臓なんだ。 だから、なんか命が二個あるって扱いになったっぽい。 なんでそうなったのか正確なとこは俺にもわかんねーけど、父さんの心臓は脳の俺と別人って判定で契約されてたってこと。』
『で、今回パイロットになったのは父さんの方。 父さんには頭がないから、頭で考えて動かすアストロを動かせないかもしれない。 その場合はパイロットを交代しないといけなくて、交代するには死ぬしかないから、ダメだったら俺は自殺してます。 自分でちゃんと死ねてたらいいけど、手を汚させることになってたらごめんな。 ちゃんと動かせた場合でも、心臓の父さんが死んだら俺は生きてらんないから、やっぱり死んでると思います。』
『俺が二人分の枠使っちゃったから、今頃みんな混乱してるよな。 数が合わないとか、動かせないかもとか、パイロットが足りなくなるかもとか、問題になること知ってて黙ってた。本当にごめんなさい。』
(308) 2023/08/20(Sun) 21時頃
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『謝るついでに、図々しいけどお願いがあります。 どうか、みんな仲よくしてほしい。悪いのは全部俺だから、俺以外の誰も責めないでほしい。 俺はこの世界が大好きで、出会えたみんなのことも大好きで。一人でも多く幸せになってほしいし、笑ってほしいんだ。 それが俺の、一番の望みです。 みんなのこと巻き込んじまった俺の言うことなんて、叶えたくないって思っちまうかな。 でも、ちゃんと言っとかないとって思いました。』
『もし、こんな俺のこと嫌いにならないって言ってくれるなら、どうか俺のこと覚えててほしい。 そしたら、俺はきっとみんなの中で生き続けるから。父さんが俺の中で生きてるみたいに。 みんな、ほんとサンキュ。またな。』
『P.S.ずっと一緒に戦ってくれてたもう一人の仲間、俺の父さんが居たってことも、覚えててくれると嬉しいな。*』
(309) 2023/08/20(Sun) 21時頃
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ーー君と僕の終わりーー
[僕たちは、二人きりだ。 みんなは見守っている。コックピットにいるけど。
二人きりだった。
彼のお父さんも去ってしまったのを僕は知らないがーー
世界に、二人きり。]
……コウ。
[僕は彼の髪を撫でる。なんて柔らかいのだろう。]
……怖いのは、僕も。 覚悟してたのに。
君に大丈夫と言い、安心させなきゃなのに。
(310) 2023/08/20(Sun) 21時頃
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ーー僕も怖いよ。
[僕は、彼の胸に手を当てる。温かみはあるのに、鼓動が聴こえない…]
君の、心臓はーーもう。
[声が震える。涙がとめどなく、溢れる。]
コウーーコウ。 君を独りになんかしない。
僕も、君が逝くところへ逝くから。 だから、先に待ってて。
[もう一度抱擁を交わして。囁く。]
(311) 2023/08/20(Sun) 21時頃
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キスしたい。 ……君も、僕とキスしたい?*
(312) 2023/08/20(Sun) 21時頃
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雲水 ハロは、メモを貼った。
2023/08/20(Sun) 21時頃
雲水 ハロは、メモを貼った。
2023/08/20(Sun) 21時頃
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─心臓が止まった後 ケイへ─
[ケイが髪を撫でる手>>310に、頭を摺り寄せた。俺の手はもう胸から離れてて、ケイの手が代わりに触れた>>311けど、そこに在るのは父さんの死体だ。俺の中だから、まだ冷たくはなってないけど。俺の血は、全部父さんが動かしてた。血が巡らないから、息してるはずなのに段々頭が巡らなくなって来る。]
ケイも、怖い? ……ごめんな。 来てくれる……? ちゃんと、来る? 独りはやなんだ、俺。
[キスしたいって、ケイは言った。ずっとしたかったんだろうな。俺がこんなだから、できなくて。ずっと我慢させてたんだろうな。]
俺は、ケイにしてやれること……全部、したい。 約、束……誓い、の。できなかった、から。 独りに、しないで……。
[息を吸ってるのに、全然酸素が来ない。苦しくなって、ぼやけてく。貧血みたいに、段々世界が暗くなっていく。ケイの顔、もっと見たいのに。やだな。死にたくないな。って、手を伸ばした。*]
(313) 2023/08/20(Sun) 21時頃
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──柊木 康生と、その心臓の──
[初めて夏合宿で出会った時の康生はとても元気で明るくて、過酷な背景を微塵も感じさせない奴だった。 ロケット花火で一緒にふざけていた日がもはや懐かしい。 いや、結果的にはふざけ損なったのだが。
康生のお陰で、すんなり天文部に入部出来たし、LINEグループにも入れてもらえて。思えば随分助けられている。 あの明るさと、分け隔てない優しさは、親に充分愛されて育まれたもの。 そう思っていた。 それは合っていた。……のだが。
まさか、父親の心臓を移植していたなんて。
親子の情は僕には分からないが……自分の大事な人の、心臓が自分の胸の中にあったら……? 想像を絶する世界だ。]
(314) 2023/08/20(Sun) 21時半頃
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[しばらく後に僕等は、加賀先生もしくは三千院部長から、康生の手紙を見せてもらうことになるだろう。
その内容は、───"みんな仲良くしてほしい"。
ふたりで話した時に、アストロの光点が消えた後のことを心配していたけど。僕なら大丈夫だと言ったけれど。本当にずっと心配したんだな。そういうところだぞ。
あの康生を育てて、心臓を提供したお父さん。 会ってみたかった。 ……会っていたのかもしれないが。 しばらく僕が拝借していたあの書斎椅子の、大きくて、包容力のある座り心地。僕にろくな父は居ないが、悠然と座る優しい"父"を連想する………。あの椅子の持ち主、そして康生を文字通り生かし続ける、心臓。 そして、康生と一緒に、戦った人。
誰がなんと言おうと世界一の父親だ。]
(315) 2023/08/20(Sun) 21時半頃
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[康生が居なくなった部室は、文字通り、太陽を失った世界のように静かになるだろう。
でも、運命は待ってくれない。
最後までやり遂げなければならない。
康生とお父さんが、2人で守ったお母さんを。大和と珊瑚さんの星座を。七尾さんの家族を。最後まで守り通すためにも。]*
(316) 2023/08/20(Sun) 21時半頃
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公安部 カガは、メモを貼った。
2023/08/20(Sun) 21時半頃
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[触れているのに。 指先はまだ、彼を感じているのに。
遠くなる。遠退いて逝く。
僕の腕の中で、僕の最愛は息絶える。 僕の全てがーー息絶える。]
[僕は彼の頬に触れる。キメ細やかな肌を撫でる。]
するわけないよ。 コウが来るな!て言ったって、 追い掛ける。
ーーパイロットに選ばれたら、僕は。君の傍に。
ーーすぐだよ。きっと。 だから寂しがらないで。
(317) 2023/08/20(Sun) 21時半頃
|
|
[後三戦。真弓、縁士、僕。誰も漏れることはない。
彼が死ぬのだから、僕にはもう生きるために足掻く理由がないのだ。]
あの日のエアキスだって嬉しかったよ?
ーーコウは、僕のお願いを叶えたいばかりだなあ。
……大丈夫。僕は君を愛してる。愛してるよーー康生。
[彼の言葉が途切れて、途切れて。
命が奪われていく。
死ぬ理由なんてまるでなかった。 死ななきゃいけない理由なんて何処にもなかった彼。
ーー理不尽に、ただ。]
(318) 2023/08/20(Sun) 21時半頃
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|
[
消える。]
(319) 2023/08/20(Sun) 21時半頃
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[伸ばされた手は。世界ではなく、僕に。
彼はちゃんと最期に僕を求めてくれた。それは他の誰でもなかった。
僕は彼の頬にを添え、顔を近付けた。
唇と唇をしっとりと重ねーー彼の生を看取ろうとする。]*
(320) 2023/08/20(Sun) 21時半頃
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[加賀先生も>>@25、天道君も>>296、柊木君に別れを告げて行って、ハロも>>297柊木君のお母さんのために、動いてくれた。 みんな、ここにいる意味はあるんだ、きっと。そう思いたい。
私は柊木君の元を離れて、乾君が柊木君と別れの言葉を交わすのを見ている。多分外に転送されて、光点の数と先生に託された手紙を読んだ時に、私も遅れて全てを知ることになるのだけれど、今は、まだ*]
(321) 2023/08/20(Sun) 21時半頃
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─心臓が止まった後 ケイへ─
[ほんとはさ、いつもの俺ならさ。「すぐ来るとか言うなよ」って笑ってなきゃいけないんだ。でも、独りになった俺は、「死にたくない」って誰にも言えずに、独りこっそりベッドの中で泣いてたような俺はさ。最期の最期にボロ出して、寂しくて。いい子になんてなれなかったんだ。カッコ悪いよな。]
……来て、くれ。待って、るから。
かあ、さん……せか、い……、………ケイ。
[言いたいこと、多分これじゃ伝わんないな。説明下手なんだよ、俺。でも、最期に呼んだのはケイの名前だったし、最期に手を伸ばしたのはケイだったし、最期の一呼吸はケイとキスしながらだったから、少しは伝わったかな。]
[唇があったかくて、血が巡らない俺は寒かったから、なんかすごく安心して。抱き締められてたのもあったかくてさ。ほっとして、ケイの頬に伸ばしてた手が滑り落ちて────俺の人生は、そこで終わった。*]
(322) 2023/08/20(Sun) 22時頃
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雲水 ハロは、メモを貼った。
2023/08/20(Sun) 22時頃
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[柊木君がコックピットを撃った直接の引き金は私のようなものだけれど、柊木君はそれに対して一言も責めたりしなかった>>294。 彼は七尾さんほどではないにしても、人が傷ついたりすることを良しとしない人だと思っていたから、申し訳なかったんだけれど]
…私こそ、ありがとう。 大丈夫。後のことは。
[後で、柊木君の手紙を…私はきっと加賀先生に見せてもらう事になる>>307のだけれど、その手紙を読んでようやく察した。柊木君が実は2人分で、移植された心臓の部分のお父さんと2人、私達と一緒に戦っていたこと。 本当のパイロットはお父さんで、柊木君が声をあげていたのは司令塔としての役割だったって事。]
(323) 2023/08/20(Sun) 22時頃
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……そっか。うまく動かせなくて、 自分で命を絶たないといけない可能性をずっと考えて… それで戦ってたんだね。柊木君は。 …すごいね。私には、きっとそんな事できなかった。
[みんな仲良くしてほしい。誰も責めないでほしい。>>309その言葉は、彼の決意を知った後だと素直に私の胸に染み込んできた。]
私は… 世界なんて好きでも何でもなかったのに。 他の人のことなんて、どうでもよかったのに。
私達は覚えてるけど…その私達だって、 遠くないうちにいなくなってしまうのに。
(324) 2023/08/20(Sun) 22時頃
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[どんなに優しくて純粋だったんだろう、彼は。 思えば、色々と病気を抱えていたらしいのに、私達の前では一番元気に振舞っていた。 合宿の時まで彼の事を私は何一つ知らなかったから仕方ないのだけれど、もう少し言葉を交わせていたら。そんな思いも、胸に浮かんだ。]
………これで3…ううん、4人。 [私も、そろそろ考えないといけないんだろう。 私の家族、私の周り、仕舞いをつけ始めなければいけない頃かもしれないんだって、読み終えた時にそう考え始めていた*]
(325) 2023/08/20(Sun) 22時頃
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ーー愛しく散る君の唇をーー
[確かにそれは、今までの彼とは違う彼であった。
僕はまだその事実を知らないが、彼はずっと父親と共にあった。だが心臓に屋度っていた父親が先に旅立ちーーたった独りになってしまったから。
きっと、今までは堪えられたことが、強がれたことが出来なくて。]
(326) 2023/08/20(Sun) 22時半頃
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[だが、人は弱くていい。 人はちっぽけで、力ない存在だ。自分だけで何かを変えることも出来ず常に無力感に苛まれる。
お互いを支え合いやっと生きていく。
だから、弱くていい。
独りぼっちは嫌。 それは人間の根幹が発する魂の叫びだ。
最後に彼は、とてもーーとても人らしく。 弱音を吐けたのだのではなかろうか。]
(327) 2023/08/20(Sun) 22時半頃
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[柔らかく吸い付く彼の花弁を。ずっとずっとこの唇で味わっていたかった。
だが、彼の吐息すら途絶え。 震える睫が閉じようとするのなら。
僕は、終わりがきたと悟った。]
ーーコウ。 ずっと、一緒だ。
[母親と、世界と。 僕を呼んで。 彼は逝ってしまった。
眠るように目蓋を臥せて。]
(328) 2023/08/20(Sun) 22時半頃
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……コウ?
[抱き締める。渾身の力で。 僕の全身が、心の痛みに軋む。]
コウ、コウーーコウ。
[譫言みたいに彼を呼ぶ。揺すっても、彼は答えない。]
コウッ!
[わかってる。もう、彼は。 もう終わった。終わってしまったんだ。
ーーだけど。]
……なん、で。 なんでだ、よーー
なんでだッ!
(329) 2023/08/20(Sun) 22時半頃
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なんで彼が死ななきゃならないッ! 彼が何をしたッ! なんの理由で、彼を奪うんだッ!
[涙が滝のように流れて。僕の感情が溢れる。]
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だッ! こんなの納得しない、 僕は認めないッ!
コウを返せッ! 返せよッ!
[左手で彼を抱き、僕は床を右手拳で叩く。何度も何度も。 血が滲むまで。
そして最後はーー彼を抱き締めて頬ずりをし、床に蹲る。]
(330) 2023/08/20(Sun) 22時半頃
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ーー返せ、かえして。
……かえ、して。
[彼を床に横たえた。僕はその傍に体育座りをし、ハロを呼ぶ。]
ーー…彼を。
[それ以上は言わなくとも伝わるだろう。その後は、膝を抱き抱え、ずっと嗚咽を漏らしている。]*
(331) 2023/08/20(Sun) 22時半頃
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[乾君の頬へ伸ばされた柊木君の手>>322は、力を失って滑り落ちて。 乾君が柊木君を床に横たえる>>331までを、黙って見ていた。]
[彼を、と言われて小さく頷くと、 まずはみんなをコックピットの外へ転送して、 私は、柊木君の亡骸と一緒に、お母さんの待つ病院へ転移した。]
(332) 2023/08/20(Sun) 22時半頃
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アストロの外へ転送されたパイロット達と副顧問の先生は、
見ただろうか。
アストロの顔の部分に灯る光点の数が、
4つから2つに減っているのを。
(#2) 2023/08/20(Sun) 22時半頃
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─俺と父さんが死んだ後─
[母さんが無事だってハロに伝えてもらった時>>297、俺は「ありがとな」って一言伝えんのがやっとだった。時間も余裕もなかったから。]
[事前に、ハロには「俺が死んだら、死体は母さんの元に送ってほしい」って頼んで>>293あった。ハロは快く引き受けてくれたし、ちゃんと送ってくれた>>332。その時の為にずっと胸ポケットに手紙を入れてた>>201から、母さんならきっとその通りにしてくれるだろうと思ってる。その“母さん元”が日野病院になるとは、思ってなかったけど。却って手続きはしやすかったのかな。]
[その手紙の内容が、これ。]
(333) 2023/08/20(Sun) 22時半頃
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『母さんへ』
『何も言わない方がきっと苦しませずに済むと思うけど、父さんががんばったってこと知ってほしくてこれを書いてます。 俺が通ってた高校の近くに出てた、巨大なロボット。俺らは、「アストロ」って名付けたんだけど。 アストロは地球を守るロボットで、六人のパイロットが契約して、一人一体ずつ敵を倒すことで地球を守ってます。 なんで一人一体ずつかって言うと、アストロを動かすのには、人の命が必要だから。 一回動かすごとに、誰か一人が必ず死ぬ。パイロットは全員、命懸けで戦ってる。もう二人死にました。 俺の後輩の女の子と、同級生の友達。二人とも、この世界を守る為に命を賭けて戦ってました。』
『三人目のパイロットに選ばれたのが、父さんです。 さっき六人のパイロットって言ったけど、そのうちの二人が、俺と父さんだったんだ。 つまり、人智を超えた力で動くアストロが、俺と父さんをどっちも別の命だって判定したってこと。 父さんが俺の中で生きてるってのは、俺と母さんの思い込みとかじゃなくて、本当の話だったんだ。』
(334) 2023/08/20(Sun) 22時半頃
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『この手紙を母さんが読んでるってことは、父さんは戦って勝ってるはずです。 それで死んじゃって、父さんの心臓が止まってるなら、俺も多分一緒に死んでるはず。』
『独りにしちゃってごめんなさい。黙っててごめんなさい。 でも、母さんのことは絶対に巻き込みたくなかった。全部話したら、絶対逃げてくれないと思った。 家出しちゃってごめんなさい。戦闘が起きる場所はパイロットの居るとこになるから、近くに居られなかったんだ。 全然不満なんかなかったし、今も、いつまでもずっと大好きだよ。父さんだってきっと、そう思ってる。 母さんが生きてる世界を守るために、父さんと俺は戦うよ。』
『お願いが二つあります。俺と父さんは、母さんのところへ帰してもらうよう言ってます。 俺だけじゃなくて、父さんの葬式も一緒にあげてください。お骨も、そん時に一緒にお墓に入れて。』
(335) 2023/08/20(Sun) 22時半頃
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『もう一つ。もし、俺がしてるのと同じ指輪をしてるケイ ──乾恵一ってやつが訪ねて来たら、聞ける望みは聞いてやってほしいんだ。 俺、生きてる間、あいつに何もしてやれなかったから。母さんがどうしても嫌だって思うこと以外は聞いてやってくれないかな。 そいつもパイロットで、死ぬことが決まってて、もうあんまり時間が無い。 俺が契約したからって理由で、そいつも契約したんだ。 その上、俺が父さんと死んだことで、そいつの時間もっと短くさせちゃったから。俺だと思ってよくしてやってほしい。』
(336) 2023/08/20(Sun) 22時半頃
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[……ま、後の内容は省略するけど。こんな感じだから、俺の葬式は父さんと合同でになっただろうし、みんなは遺影で父さんの顔を知ることになったんじゃねーかなって、そんな話。*]
(337) 2023/08/20(Sun) 22時半頃
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― 日野病院→仮住まい ―
[日野病院で待つお母さんの元へ、柊木君とお父さんの亡骸と一緒に姿を現すと、すぐに、みんなで学校から離れた仮住まいに転移した。]
[柊木君のお母さんは、酷く取り乱して泣いていただろうか。 小さな手で、背中を撫でていたけど。]
……胸ポケットに、柊木君の手紙が入ってます。
[それだけ言って。 お母さんが手紙を開封したら、内容は見ない様に少し離れた。]
(338) 2023/08/20(Sun) 22時半頃
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―戦闘後 コックピット外―
[柊木君の最後のことは…私よりもっと彼を良く知る人達に任せる事にした。 それは乾君であり、天道君であり、加賀先生でもある。 だから、アストロが消える前に最初に光点の数>>#2に気づいたのはきっと私だったから、その場にいる誰かか、もしハロが病院での用事を済ませて戻ってきたなら彼女にでも尋ねただろう。
そのぐらい空気を読まずに言えるのは多分私ぐらいだったかもしれない。
私にとっては、こんな時にでも確認しなければならないほどの重大事だった。]
(339) 2023/08/20(Sun) 23時頃
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…こんな時に確認ってのもどうかと思うんだけど。 あの光点って…1つずつ減るから 残りの戦闘の数かとも思ってたんだけど。 4つから2つになったって事は、 私達契約者の人数なんだよね。
私と、乾君と、天道君……
なんで、残りが2つなのかな。
(340) 2023/08/20(Sun) 23時頃
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……それに、私達の戦う敵の数って、6体だよね。 ハロの話をそのまま取ると残りは3。
でも……七星君は最初の時に、 最初の1つを自分が倒すって言ってたよね。 それなら残りは2戦になるはず。
……ハロに悪意がないのは分かってる。 でも、これって、どういう事?*
(341) 2023/08/20(Sun) 23時頃
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[柊木戦の少し前だったか。直前かもしれない。 僕はハロと2人だけの通信で、話していた。]
……柊木戦の後にアストロの光点が2つ消える筈。 そろそろ全部話さなくちゃいけないね。
[柊木は、彼がもともと僕が未契約だと気付いていたこともあり、とてもスムーズに理解してくれたけど。 乾と本郷さん。何から話すのが良いだろうか………。]*
(342) 2023/08/20(Sun) 23時頃
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[残念というかなんというか。
僕はショック状態だから排出後、アストロの光点に全く気付かないだろう。]
(343) 2023/08/20(Sun) 23時半頃
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― コックピットの外で/本郷さん ―
うん。光点は、契約者の数だよ。
[問われる言葉を、最後まで聞いて。 心臓も無いし、呼吸もできないけれど、 左胸に手をあてて一度深呼吸をした。]
……まずは、嘘を吐いてごめんなさい。 契約者は2人。敵の数も残り2体。
誰かが契約してない、って知られると、 疑心暗鬼や争いの原因になると思ったし。
契約者よりも敵の数の方が少なくて、 誰か1人助かるかも、っていう状況だと、 呼ばれた時に、酷い事が起こる可能性がある。
だから、契約者と敵の数を合わせないといけなかったの。
(344) 2023/08/20(Sun) 23時半頃
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……私、男の人に触れない、って言ったよね。 七尾さんの戦いの時、蜘蛛型の敵に組み敷かれた時も、 本当は凄く取り乱してた。
永のチームは、契約者が1人多かったの。 絶対に自分1人は生き残る、って信じてた人が、 名前を呼ばれて、戦闘放棄して逃げて。 ……私は襲われたんだ。
だから、そういう事が起きない様に。
私が吐いた嘘は、これ一つ。 他の事は、全部本当。 もう私の事、信じられないと思うけど。 ……ごめんなさい。
[そう返答をすると、本郷さんの反応を待った。*]
(345) 2023/08/20(Sun) 23時半頃
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―戦闘後 コックピット外―
[ハロと真弓が何かを話していたが、今の僕の耳には何も届かない。
独りになりたい。 ただそう考えて、僕はフラフラ帰宅する。
もし僕が足を止めるとするなら、加賀先生か三千院部長から康生の手紙を受け取る時ぐらいだと思う。]*
(346) 2023/08/20(Sun) 23時半頃
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雲水 ハロは、メモを貼った。
2023/08/21(Mon) 00時頃
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──第3戦のあと・自宅で──
[誰も居ない自宅に帰り付き。 銘仙判の座布団に正座して、 仏壇に手を合わせていた。
天道縁里(ゆかり)。 元の世界では僕の母親だった人だが、 この地球では、故人だった。 独身のまま、若い頃に事故で亡くなって。
つまりここは僕も、弟も生まれていない地球。
それでも仮住まいを天道家にしたのは何故だろう、 自分でも分からない。]
(347) 2023/08/21(Mon) 00時頃
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[ハロの能力で祖父母に偽の記憶を植えてもらい。 学校でも。昔から"天道縁士"が居た事にして貰って。
ここは無理やり居場所を作った世界。 僕の椅子は、 無かった。]
(348) 2023/08/21(Mon) 00時頃
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[だけど康生が、大切な筈のお父さんの椅子を 僕に赦してくれて。]
………あと2戦。
[あらためて誓う。 僕はこの地球を勝たせてみせる。
そして、必ず───…。]**
(349) 2023/08/21(Mon) 00時頃
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―― 戦闘後 コックピット外 ――
[外に転送されて 真っ先にアストロの巨躯を見上げた。 光点の減少がたしかに2つであることを確認し クラッチバッグに入れた人数分の手紙に意識を遣る。]
[乾は憔悴しきっていたし、 天道は恐らく事情を知っている。 だから、柊木と己とが、当然抱くものと予想した問いは 本郷の口から発せられることとなった。>>341]
(@27) 2023/08/21(Mon) 00時頃
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[ハロの回答と事情を聴いて>>344>>345 話に一段落がついたと判断した折、 乾、天道、本郷を改めて呼んだ。]
みんなに、柊木から手紙を預かってる。 混乱してそうだったら読ませて欲しい…と 言われている。
手紙を書いたのは、パイロットの残り数のことで 争いや揉め事を阻止したいという意図だったと思うが。
折角あいつが綴ってくれた言葉だ。 争いの危険云々なしに、みんなに渡しておきたい。
[乾は柊木の死の影響で 早々に帰路に就こうとしていただろうか。 それならば、呼び止める形で。皆に手紙を託す。*]
(@28) 2023/08/21(Mon) 00時頃
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