14 冷たい校舎村10
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[誰にも見られることなくフェードアウトしていった男性へ。 あなたが今どんな顔をしているのか、見せてほしい。
俺と同じ顔をしているのか、確かめさせてほしい。]
(200) 2021/11/12(Fri) 22時頃
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[潔く、敗者であることを認められたのなら。
こんなに苦しむ前に、自分から消えてしまえたのだろうか。*]
(201) 2021/11/12(Fri) 22時頃
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── 現在・1階廊下 ──
帰れないことはないんじゃないかなー みな生還! というのを読んだから。
けど、どうだろう。 わたしが、まなちがホストだとして、
ああ文化祭は今度も楽しかったー それじゃあお疲れ、帰ろっか……とは、 わたし、ならない気がするなあ。
[ これは、仮定の話の延長戦? これを君の疑問への答えとしよう。>>191
ゆるゆると紡いだ言葉に、 あともう少しだけを付け加えて。]
(202) 2021/11/12(Fri) 22時頃
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──でも、 ここがわたしの世界じゃないのなら、 わたし、おかしくなっちゃう気もする。
まなち、わたしが錯乱したらそのときは、 遠慮なんかせずに思い切りひっぱたいてね。
[ そのとき、最良と思える選択をするために。 これはひとつ、わたしからの内緒話ということで。 しいっとジェスチャーを添えておこうか。]
(203) 2021/11/12(Fri) 22時頃
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[ 生きている限り不変であるのは難しい。>>192
なるほどと唸ってしまいそうなことを君は言い、 わたしはそれを受けて周囲を一周ぐるりと見た。
文化祭の様相へと変わったそのあとも、 意味を捉えきれない変容を続ける校舎。
不可解だとも思う一方で、 改めてわたし、この場所が嫌いではない。と思う。]
(204) 2021/11/12(Fri) 22時頃
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……12時間。 今度は何が起きるんだろうね。
あんまり猶予はないなあ。 今を精一杯に生きなくては。 なにひとつやり残しがないように、ねー
[ この世界の主のためか、わたし自身のためか、 はたまたそれが同じことを指しているのか。
わからないままわたしは笑い、 まなちの深い色の瞳を見ていた。
そこにあるのは何だろう。 慣れているという言葉を君は発して、 それは受容にも諦念にも聞こえた気がした。]
(205) 2021/11/12(Fri) 22時頃
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……そんなまなちを頼りにしてるよ。
呼ぶ必要がないのはなによりだ。 ただね、わたしが君を頼りに思うだけ、 わたしだって駆けつけたいって思ってること。 覚えててね。
[ それじゃあ、再び文化祭の話をしよう。
君はもうプラネタリウムを見ていた。 頬を紅潮させてそれを語る様子は熱っぽく、 わたしは少しだけりのきちに嫉妬する。>>194
その印に、わたしは対抗するように、 あの場所はわたしの友だち──わかにゃんが、 わたしのために整えてくれたのだ。と囁いた。]
(206) 2021/11/12(Fri) 22時頃
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それじゃあ、出発進行だ。
──おや、まなち。 そこにわたしの瞳はなくってよ。 見るならこの好奇心に満ちた目を見てよー
[ 腹部に話しかけるのにおどけてみせて。>>195
りのきちの朝ごはんは朝昼ごはんに。 お菓子作りはおやつに持ち越しましょうと、 迷うことなくエレベーターに足を向ける。*]
(207) 2021/11/12(Fri) 22時頃
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[河合和歌奈のココロに、 悲しみの雪が降り積もったことはない]
(208) 2021/11/12(Fri) 22時頃
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[そりゃあしんどいみたいなことならあった。 一時期「ただいま」と言っても何の返事もなかったこととか、 手ひどく振った親友の恨みを買って、 机の中身をゴミ箱にぶちまけられたとか。
でも、全然泣かなかったし、みじめにも思わなかったし、 ココロが痛むということを、身をもって経験したことはなかった]
(209) 2021/11/12(Fri) 22時頃
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[だからこそより手ひどい喪失を怖れていた。 自分が他人のココロを突いたせいで ココロより人の縁よりも、より大きいものが壊れたら。 それこそ自分が嫌になってしまいそうで。
もっと普通に生きることができていれば、 普通に恋をして、 誰かの恋を失う痛みにも、普通に寄り添うことができたのかな]
(210) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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―― 屋上の扉の前 ――
さあね……。
[首を横に振った。>>144 心当たりの一番手はマネキンになりました、なんてわざわざ言うこともないし、 マネキンだけを残してしまった三人の他に心当たりもない。
クラスメイトが減っていってるのは確かだけど、 急にミステリーにジャンルが鞍替えしたとも思ってない。 死体は語るかもしれないがマネキンは語らない。 それでも大事には扱うよ。運んでいる間中は]
(211) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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…………。
[「悲しむ奴なんていない。」>>146 その言葉の意味するところに気付かなかったはずがない。 いつからそうなってたんだろう。 婚約者ちゃんの誕生日はちゃんと過ごせたのか。 ていうか、もしかして、もう向こうには他に男がいるとか? これはあくまで勘だけど。
壊れた物は元に戻らない。 彼らの婚約関係も、幸せな人だとぼんやり思ってた石頭幣太郎への認識も。 今己は壊れた関係の、あるいは思慕の残骸を踏んでいる。 もっと踏んだら細かくなってしまいそうな……]
―――へっ!? 心中って、……えっと、この世界で死ぬの?
(212) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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[うわあ、なんて心で言っちゃう。 和歌奈としてはこの世界で死ぬこととマネキンになることの相関関係は不明で、 だからこそうかつなことは言えない。 でも、かけるべき言葉は決まっている。 そう、河合和歌奈ならこう言うだろうってことが]
いやびっくりするって、……えー、と、でも、 ―――いいんじゃないかなあ。好きにしちゃって。
[…………ん?]
(213) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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[ まなちとともにエレベーターに乗り込めば、 もふもふ≠ニ形容されたボタンを押す。 明らかに猫をモチーフにしたそれは、 一体どこにつながっているのだろう。
未知なる場所への高揚をこころに携え、 ほんのわずかな時間、浮遊感に身を任せれば、
そこに広がっているのはわたしたちの思い出と──、]
(214) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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── 現在・3年1組 猫カフェ ──
──おすみ! こんなとこにいたのー?
[ 待ち受ける店員さんにわたしは驚き、>>175 まずはじめに口からこぼしたのはそんな言葉。
その背景に広がっているのはよく知る空間。 わたしたちがあの日作り上げたもの。 わたしにとっての大切な思い出。
猫耳まで完全装備だったおすみに、>>174 わたしは思わず笑っていた。
どうしよう。思った以上にこの世界が好きだ。 ここにあるのは優しい思い出ばかり。]
(215) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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驚かせないでよー
もー、こんなことなら、 先に商品を準備してくるんだった! じきにお客さんが押し寄せてきちゃうよー
っていうかその耳どうしたのー、ずるい。
[ それとも今はわたしたちがお客さん? あるいは、大急ぎで商品を準備しましょうか。
どちらにせよわたしは笑い、 ぐるりとその空間を見回したのだ。*]
(216) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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文化祭でやりたいことをやればいい、みたいなこと、 墨鳥くん、言ってたし。 ――いや絶対そういう意味で言ったんじゃないと思うけどさあ。 でも石頭くんに、他にやりたいことがないなら。 それも選択のひとつ……というか……
[待て待て。 これは、うん、「河合和歌奈ならこう言うだろう」とは明らかに逆だ。 石頭くんの投げやりが移っちゃったんだろうか。 今から全部ナシにする。どうしよう?
呆然としてマネキンを持つ腕から力が抜けかけたけど、 そこはどうにかこらえた。 気がつけば屋上へ向かう扉に視線が吸い寄せられていた。 むしろこの世界をつくった誰かさんと心中したいのはこっちだよ。 なんという身勝手]
(217) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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はあ……なんか、ごめん、語っちゃって。
[マネキンは運ぶけど、ちゃんと。 一仕事終えるまでの間、石頭くんとまともに目を合わせられる気がしなかった*]
(218) 2021/11/12(Fri) 22時半頃
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死ぬっていうか、 ここを作り上げた奴と、ずっと一緒にいてやってもいいって。 そうすれば現実では死ぬんだろ。
[>>212心中っていう言葉のチョイスが物騒だったか? 俺としては、こんな場所に俺たちを呼んだ奴の気持ちを汲んだつもり。]
……いや、そもそもここの主が俺たちをここに呼んだ理由、 心中してほしいってわけじゃないのかもしれないけど。
[そのあたりは依然として不明なので。 俺の想像を述べただけに過ぎない。]
(219) 2021/11/12(Fri) 23時頃
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……?? おっととと。
[>>217河合さんが何かを語ると同時に、 マネキンのバランスが崩れかけて、夏見さんの頭が一瞬床に近付いた。 俺も戸惑いながら、辛うじて落とさないようにバランスを立て直す。]
いや、やりたいことっていうか……? なんだろう……な……?
[驚かせたらしいけど、その後の反応は心中を止めるでもなく、 選択肢のひとつだとまで言う。
別に俺は止めてほしくて言ったわけではないけど、 何か違和感がある。]
(220) 2021/11/12(Fri) 23時頃
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ここで死ぬこと、否定しないんだ。 河合さんは、帰りたいと思ってる?
[確認するように聞いてみる。 >>218目は逸らされているけど、俺は細目で見つめていた。
エレベーターが到着すれば、マネキンを抱えたまま乗り込み、 そのままマネキンを安置している場所まで向かうつもりだけど、 その間に返事はもらえただろうか。*]
(221) 2021/11/12(Fri) 23時頃
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[この世界に残るという意味での心中。>>219 そっちはそっちで心穏やかじゃない。 もしかすると正体を隠したままの、 恥ずかしがり屋の誰かさんのことでも考えてるのだろうか]
……心中してほしい。 私は違うと思うな。なんとなくだけど。
[そういえば墨鳥雄火には言ってなかったが、>>2:349 現代文は和歌奈も得意ではない。 古文で、古き時代の言葉の意味を暗記する方がまだできる。 これが英語になるとちょっと頭が痛くなる。 ……話が逸れた。 とにかく誰かさんの考えていることなどピンとこない。 世界の仕組みだって、そう]
(222) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
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[自分で言ったことに挙動をおかしくして、>>220 夏見ちゃんのマネキンは落としかけたけど無事。セーフ。 そのまま無事にエレベーターにも乗り込めた。 閉ざされた箱の中で、ちらっと視線を流す。 相手に問われたからには、なるべく目を合わせて答えないとね>>221]
……そりゃああるよ。 仮にこの世界をつくった誰かさんの目的が、 ずっと一緒にいてもらうことだったら、そんなのゴメンだし。
[じゃあ、そうじゃなかったら? 天邪鬼じみてずっとここにいてもいい、って思うんだろうか。 誰かさんの目的を壊すために?]
(223) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
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でもまあ、私は私のやりたいことをやってからかなあ。 単に調理係っぽいことを。
[彼がそんなにヘンに思っていない様子なのは、 とりあえず落ち着いて受け答えするのに役立った。 それでもまともに顔が見れないって気分は継続中。
やがてエレベーターは1Fについて、 せっせと2組の教室へ運んだ夏見ちゃんのマネキンを、そっと横たえる*]
(224) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
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[エレベーターの猫ボタンの謎を 解明しに行くのだろう雄火を見送って教室に戻り。 黒板を一通り見た後で、ふと、開かない窓の外を見る。
どうも、昨日から時間の感覚は曖昧で。 チャイムが朝と夜に鳴ることで、 辛うじて日付の変わったことを認識してる感じがする。 たぶん、あれは何かの区切りなのかもしれない。
そして、次にチャイムが鳴った時は── ]
(225) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
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げ。
[足の下で何かが潰れた感触に視線を下げれば、 カラフルな卵の残骸があった。 余所見していて踏んづけてしまったらしい。]
(226) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
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[校内の卵と言えば、昨日のこともあり 敢えて近づかないよう避けていたが。 よく見ると、今日は中身がある。]
……猫耳?
[それも、片方だけ。 結局俺は最後までつけなかったけど、 クラスメイトが男女問わず全員装着だった記憶が蘇り。 やけに猫好きなチビがきてたことを、思い出した。*]
(227) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
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[夏見さんのマネキンを運び終えたら、 河合さんと別れて、一人廊下を歩いていた。
気付けば夜も遅くなっていた時間。]
(228) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
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── 回想・文化祭当日 ──
[委員長から受け取った本日の飴、もとい おしゃぶり昆布を着ぐるみ頭の下で噛みしめながら。 俺は突然飛びついてきたチビに、固まっていた。
もしかして、あれ予言だったのか?>>1:325]
…………に、に゙ゃあ?
[野太い声で威嚇したら泣かれるんじゃ。 ぐるぐる一周考えた結果、困惑の猫語を絞り出せば 笑う気配が近付いてきた。>>2:288]
(229) 2021/11/12(Fri) 23時半頃
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