10 冷たい校舎村9
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─ 回想 : 打ち上げ ─
[ 個人的にはトラブルに見舞われた文化祭だったが 3年9組のクレープは高評価を受け何処かほっとしたように 打ち上げの席に居た ]
ほんと、お疲れ様。 良い写真だったね
[ 黒板の前に居た黒沢>>202に招かれ ニコリ、笑ってさらさらと字を書く。
『文化祭お疲れ様でした!』
数々の写真のおかげで参加してる気分になれた。 ありがとうって。 言うのは何となく恥ずかしかったから 余り物のクレープに舌鼓を打つ ]
(317) 2021/06/06(Sun) 23時頃
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文化祭、楽しかった?
[ と口では訊きつつも きっと楽しかったのだろう、と半ば答えを予想して。 当たり障りなく空気に混じるためだけの、そんな問い。
そういや自分のクラスの出し物なのに ちゃんと食べたのはこれが初だな、とか。 余計な事を考えたら滅入りそうだから蓋をする。
楽しい文化祭だったんだ、と、そう思う **]
(318) 2021/06/06(Sun) 23時頃
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―― 少し前:教室 ――
樫樹君も気を付けてね。 いってらっしゃい。
[ 様子を見てくるという樫樹君を見送って>>295 私は自分の席の椅子に座った。 教室のドアから見える廊下は夏の日の文化祭なのに、 反対側に顔を向ければ、雪が降りしきる冬の景色。 メールの送信者名じゃないけど、 なんだか脳がバグを起こしそう。
思わずため息をつきそうになったその時、 誰かのため息が聞こえた ]
(319) 2021/06/06(Sun) 23時頃
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[ ひゅっと息を飲み込んでしまう。 吐きそうになったため息はどこかへ行ってしまった。 ばくんばくんと心臓が鳴る。 背中に汗が噴き出したのがわかった。
左の手首を押さえながら、ゆっくりと振り返る。 誰もいなかった。誰も* ]
(320) 2021/06/06(Sun) 23時頃
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── 現在:3-9→廊下へ ──
[ ひとり、ふたり、── と、 教室から人が減っていくのが分かる。 廊下の向こうには、綿見の背中が見えて>>101 扉一枚隔てた、教室内では、 鳩羽や柊がおおはしゃぎしている。>>77>>116 その奥には、黒沢の姿が見えたか。>>119
暮石の頭は、見下げる位置にあって、 声をかければ、ようやく眸が合った。>>134 ]
(321) 2021/06/06(Sun) 23時頃
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あはは。 自由にしてあげたほうが良いかも、か。 逆もあると思うんだよね。
幽霊の方が一度捕まえれば離さないってさ、 そういうケースもよくあるもの。
[ 何か困ったら言いなよ?って。告げて。 ひとみにはあれだけ過保護なご両親が居るから、 また何かあったら今度はどうなるだろうなって。
本気で思っているわけでは、無いけどね。 不思議なことなんてそうそう起きるわけないし]*
(322) 2021/06/06(Sun) 23時頃
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[ 炭蔵にとって、大人しい女子だと認識していた。 しかし、問題行動も大凡見当たらず、 黒沢と親しくしているイメージがあり、 悪い印象もひとつもない、── 噫、 そういえば、ヨーコ先生って奴は口が柔らかい。 委員長の仕事をしていた時にちらりと溢していた 暮石からのお願い≠ヘ一体何だったのだろう?
それに、目を合わせるしかできなかったが、 文化祭の役決めの時に、 手を挙げている姿も印象的だった。 ]
そうだな、まずは状況を把握すること これが一番肝になるだろう
[ さて、疑問には無事答えられただろうか?>>135 ]
(323) 2021/06/06(Sun) 23時頃
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しかし、暮石は思っていたよりも饒舌なんだな
[ もしも、王様が、 民衆の声を拾い上げる能力に長けていたのなら、 大勢を退ける必要もないくらい、 自然に声を発せられるようにできたのだろうか。
炭蔵がもしも、王様だったとしたらの話ではある。 高校生活が終わる頃に気付いても仕方ないか。
でも、今はこうして声を聞けている。>>137 ]
(324) 2021/06/06(Sun) 23時頃
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[ そして、カッターナイフを拾い上げた。 護身用には悪くない。 ]
暮石は、何かあったら 逃げられる準備をしておいてくれ
[ 何かあったら?─── 何を想定してる? 授業開始の鐘が鳴る前、鳩羽と話していた 密室事件の空想を思い返していた。
そして、拾い上げたカッターナイフを握り締める。 ]
(325) 2021/06/06(Sun) 23時頃
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[ 連想ゲーム、それは苦手ではない。
しかし、炭蔵はまだ 此処の空間を十二分に理解していなければ、 メールを迷惑メールだと思っている儘だ。 ]
(326) 2021/06/06(Sun) 23時頃
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[ そして、暮石を先導しながら、 明確な目的もなく歩き続けていた。
右を見ても左を見ても、 3-9以外はすべて文化祭の様相だ。 暮石にひとつひとつ確認されながら、 「見えているもの」を答えていく。 当然、炭蔵は不思議なものは見えていない。 故に、同じ景色を見ていて当然だった。 ]
何かの心理テストかと思ったよ
[ 夢ではないかもしれない。 じゃあ、目の前の暮石が夢の中の存在だったら? 考え出したらキリがない。 ]
(327) 2021/06/06(Sun) 23時頃
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[ そうして、次は窓の外を示される。 鳩羽が騒いでいたのは、 其れのことだったのかと気づいた。 ]
……屋台は、ないんじゃないか?
[ 窓枠に手を添えながら、その頭を見下ろして言った。 他のクラスはあの日≠フまんまなのに 確かに、3-9だけがいつものまんま。 しかし、亜空間でもなければ教室は増えない。
そう、現実的な答えを出しながら、 ]
(328) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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─── 暮石?
[ 窓の外を先に見下ろした彼女の表情の色が変わる。 ]
どうした?おい、
[ 呆然と立ち尽くす彼女の肩を掴み、 軽く揺さぶるなどしただろう。>>297
それから、一体何があったのだろうかと、 窓の外へと視線を向ける。 其処に広がっていたのは、深い深い闇だった。 *]
(329) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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── 現在・教室 ──
[ 「おかえり」って言われた。>>305 帰ってくるはずじゃなかったんだけどなあ。
ちょっと捻くれたこと書いてみたけど、 黒沢の声に慎一はふっと顔を上げて、 もごもごと「ただいま」って言う。
定型文的な挨拶くらいしか、 返す言葉として思い浮かばなくって。]
(330) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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[ 慎一の書き記した文字に、 黒沢は不思議そうな声を上げる。>>306
そりゃそうだ。 慎一と番代だって呆然とした。 意味が分かんなくて、間を埋める言葉もなく、 なんとなくあやふやに解散してきたのだ。]
……開かない。 押しても引いてもビクともしない。 鍵かかってないし、凍ってるんでもなさそ。
[ 並べ立ててみると、改めて理解不能だ。 不思議そうな顔してるとこゴメンだけど、 慎一にもそれ以上は本当にわからない。]
(331) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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窓も割ろうとしたけど、 傷もつかない……、
[ ちょっと声が沈んでても、 さすがに許されたいこの状況。
お察しのとおり、試したの慎一だからね。 非力じゃない元運動部の男の子。 たぶん今いるメンバーの中じゃ、 1番か2番くらいに適した人員じゃない?
あと、公立高校の窓ガラスに、 超強化ガラスを使うのはもったいないと思う。]
(332) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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[ そうやって状況を整理していくと、 どうしたってそこに行き着くらしい。>>307
閉じ込められた。 黒沢が発した言葉に、慎一は眉をひそめる。]
……番代もそう言ってたけど。 状況的には、そんな感じだけど、 でも、なんで? なんで俺たちなの? っていうか、現実的にむりじゃん?
[ だって、やっぱり、なんで? なんで慎一たちが閉じ込められることがある? どんな技術を使えば廊下が一瞬で様変わりする? 疑問は尽きなくて、慎一はうまく笑えない。]
(333) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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俺、チャイム鳴るギリギリに来たけど、 チャイム鳴るまで、廊下普通だったし。
しかも、なんで文化祭……
[ 悪いね。慎一オカルトには明るくなくて。
この状況に理由がつけられるような仮説、 ひとつだって思い浮かびそうにないから、
そうだなあ。 場合によっては図書館で情報収集とか、 あ。九重とかに聞いてみるべきかもしれない。*]
(334) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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[>>252頑張った向井くんに、もっとこう、 気の利いた言葉をかけてあげようとするのが普段の私だけど、 たぶん私たちはどちらも心に余裕が無かったので。
これからどうする、とか、もっと建設的な提案ができることもなく。 言葉少ないまま別れて、廊下を歩く。
目線を上げれば文化祭の装飾。 目線を下げればカッターナイフ。
またひとつ蹴飛ばした。]
(335) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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[近場の水道の水を出す。冷たい。 凍えるような低音だけど、ハンカチを浸して、汗まみれの顔を拭いていく。 朝、眠気と戦いながら頑張ったナチュラルメイクが無慈悲に剥がれていた。 後で軽くクリームだけでも塗り直そう……。
少し落ち着いた。 開かない扉と窓のことを思えばぞっとするけど、 まだ閉じ込められたと決まったわけじゃない。
仮に閉じ込められていたとしても、 ……あの時よりはマシじゃないか。大丈夫。]
(336) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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『ひとみ、平気? 安心して。私がいるからね。』
[——閉鎖されたはずの校舎の中でも、当然のようにぼたんの声が聞こえた。]
(337) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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[かつ、かつ、かつ……。 足音を鳴らし、カッターナイフを見かけたら脇に蹴り飛ばして、廊下を歩く。 ぼたんはとても心配そうな声で話しかけながら、追いかけてくる。]
『我慢できない時はいつでも手を握ってあげる。』
うん、ありがと。
『今はクラスのみんなもいるもんね。 甘えさせてもらいなよ。優しい人たちでしょう。』
そうだね……。
『ひとみの両親は心配してるかも。 きっとすぐ気付いて助けを呼んでくれるよ。』
そうだったら、いいね。
(338) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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[背後から無邪気な声がする。 一生懸命、笑わせてくれようとするような、子供の声。
私は返事をするけど、振り返らない。]
(339) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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— 1F:体育館への渡り廊下 —
[通って来た通路にある窓はどこも開かなかった。 途中の教室も入れるだけ入って、人の気配を探した。 やっぱり誰もいなくて、あの時の教室に揃っていた私たち以外にはいないのかもしれない。
かつん。 蹴飛ばしたカッターナイフが回転して、何かに当たる。
そこは体育館前の渡り廊下。]
……これも、あるんだ。
[>>167我がクラスが勝ち取った屋台の出店場所。 人通りが多い絶好の穴場。 そこに、あの日の姿の屋台が残っていた。
少し離れた場所で、足を止めてそれを見ていた。*]
(340) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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— 回想:ひとみちゃんの嘘 —
[予想通り、というほど考えて喋った訳じゃないけれど、 ひとみちゃん>>240はわたしの話に黙りこんだ。]
……うん。
[普段の明るい声とは違う、ひとみちゃんの 絞り出したような声>>241にわたしは本当を見る。
でも、話題はすぐに逸らされた。 これまでの何よりも明らかな嘘だ。 わたしはひとみちゃんを見つめる。]
(341) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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[ひとみちゃんには忘れたい”人”がいる。 それが虚空を見つめて喋る行為とどう繋がるのかは 分からなかったけれど、その日わたしはようやく 会ったことのない誰かの存在を認識したんだと思う。]
仕方ないなぁ。 また今度答え教えてね。
[わたしの視線にひとみちゃんがどういう反応をしても、 わたしはそのままひとみちゃんの嘘に乗った。
だってわたしみたいな人間が何を言えるんだろう。 忘れようとするのに忘れられない”ひとみちゃん”に、 XXXしかXせないわたしが。何も知らないわたしが。]
(342) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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店番 ソフィアは、メモを貼った。
2021/06/06(Sun) 23時半頃
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[それから、わたしがひとみちゃんに 「どうしたの」って聞くことはほとんどなくなった。 答えを教えてもらうまた今度も、訪れてないと思う。]*
(343) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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―― 現在 ――
[ 受験だけじゃないかも、>>308の言葉に ちょっとだけ表情を硬くして。
言うように、私だけじゃなくクラス皆、 嫌な事忘れて文化祭の楽しかった時に戻りたいって。 そう願ったなら、こういうことも起こり得るのかな。
引導がよくわかってない様子には 少しだけ呆れたような視線を寄せたけど。>>309]
…………死ぬみたい、うん。 確かにそう、だね。
[ 多分メールの主は鳩羽君じゃなさそうだけど。]
(344) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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そうだね、この文面だと 3-9の中の誰かが、皆を巻き込んだ、 ……そう考えるのが自然なのかな。
送り主なら、少なからずこの状況について 私たちより分かっていると思うし。
[ さて、誰かな、とクラスメイトを数名、 脳裏に思い浮かべてみて。 ……話でも聞いて回るべきなんだろうか。]
(345) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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[ ……元の現実に、いつもの日常に。 戻る必要、ある? って。 少し思った。 流石に口には出さないけれど。]
魔法使いは流石に居ないと思うよ。 こんな状況、だけど…………。
[ 疑問符と共にぽつっと出てきた言葉には>>311 呆れ半分、苦笑半分。 いやでも、私たちの知らないところに 魔法は存在したりするのかな?]
(346) 2021/06/06(Sun) 23時半頃
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