14 冷たい校舎村10
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[ 差し出された手。>>254 その意味を理解して、 わたしはこれ以上なく目を細めるしかなかった。]
まーーーったく、 かわいいなあ! 君たちは! もー! 二人まとめでわっしゃわしゃに、 撫でまわしたくなっちゃう。
[ でれでれと形容するのが相応しいだろう。 あまり写真には撮られたくない笑みを浮かべ、 追加のみっつずつを彼女らの手に落とした。
本当はコレ、みんなに意見聞くはずだったんだけどね。 収穫は充分でしたということで調理班には報告します。]
(285) 2021/11/06(Sat) 00時頃
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[ また持ってくるねーとかなんとか、 甘っちょろいことを言っていたわたしは、 果たして我らが有能な会計殿が、>>254 肉体労働に従事したかどうかはまだ知らない。*]
(286) 2021/11/06(Sat) 00時頃
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―― 回想・喫茶店のコンセプト ――
[ 猫カフェ風。>>258 提案されたコンセプトに、頭の中にぱああああっと イメージ図が広がる。
入口には猫のパネル飾りたいね! あ、その場合、イラスト?写真?どっちがいいかな? 店内は猫だけじゃなくて、猫じゃらしとか、 肉球マークとかで可愛くしたいね! チョコペンで猫の絵を描いたパンケーキとか、 ラテアートで猫を描いたりできるのかな? 衣装は?猫耳つけるの?猫メイド? それとも猫の着ぐるみとか? 妄想は広がって、どこまで実現可能かわからないけど ]
(287) 2021/11/06(Sat) 00時頃
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猫カフェさんせーでーす!
[ とりあえず猫カフェに賛成の一票を投じておいた。 女子が可愛い猫メイドになったり、 墨鳥君の猫の着ぐるみ姿が見られたりするかも? なんて邪念があったことは認める ]*
(288) 2021/11/06(Sat) 00時頃
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── 回想:莉希 ──
いや、大丈夫だ。 喫茶店なら忙しなく、混雑するだろう。 私の車椅子は場所を取る。 客にぶつかったら大事だ。 当日は邪魔にならないよう 裏方作業に従事するとしよう。
[ バリアフリー。>>234 気遣いに溢れたその案は、 真梛を思ってくれたこと。 理解した上で、気にする必要はないと笑って。 ]
(289) 2021/11/06(Sat) 00時頃
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代わりに、というのは私に都合の良い話だが。 莉希は衣装係だったな。
当日は愛らしく着飾った莉希が見られると。 期待しても良いだろうか?
[ ちょうど猫カフェ、なんて>>258 胸が躍る案も出ていた事だしな。
なんて楽しげ莉希に対して距離を詰め、 圧をかける私は。
大丈夫。きちんと青春を謳歌していたよ。 ]*
(290) 2021/11/06(Sat) 00時頃
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── 回想・文化祭準備 ──
[ 少しずつ上がるみんなの意見に、 やいのやいのと騒ぐのがわたしの仕事──、]
演劇部仕込みの衣装にメイク、 こりゃあ大成功間違いなしだねえ。
[ また挙がった手に、ゴキゲンに返しながら。>>233 委員長の役目とは何か。その思案の帰結である。 会議の進行、とりまとめ。 そういった類のものになっていればいいけれど、 基本的にお気楽で能天気なわたしである。
いいねえ、やろうやろう。 ──で、とんでもない場所に行きつかないかは、 副委員長の手腕にかかっている、と認めよう。]
(291) 2021/11/06(Sat) 00時頃
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[ 虎を冠する名を持つクラスメートが、 猫と見つめあっていたなんて知らなかった。>>256
いつ現れるとも知らない猫を見ちゃう気持ち、 つい、わかるわかると言ってしまいそうだから、 それを見つけたのが副委員長でよかった。
わたしが拾い上げたのは、 日食虎次郎のつぶやきというよりも、 河合和歌奈の修正案のほうだった。>>258]
(292) 2021/11/06(Sat) 00時頃
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──猫、いいねえ。 猫型ならこの世にたーくさんあるし、 パンケーキもクッキーも作れちゃう。
[ いいんじゃないでしょうか。 委員長はそう思います。なんて、 やっぱりわたしは囃し立てるお仕事をする。*]
(293) 2021/11/06(Sat) 00時頃
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── 朝の通学路 ──
……気が向いたらって、じゃあ俺に聞くなよ。
[明らかに人選ミスだ。>>214 どんな言葉を求めてたか見当もつかないが。 副委員長という肩書に対して感慨を漏らす河合の声は 穏やかに聞こえたので、内心少しホッとして。]
(294) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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[ そう。 能天気なわたしの口から吐き出されるのは、 おおよその場合、肯定に偏った言葉であり。]
(295) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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[移っていく文化祭の話題。 そして訥々と続く言葉を受けて、 俺は赤い前髪の下でなんとも言えない顔になった。]
俺のおかげっていうか…… あれは、委員長と夏見の人使いが 荒すぎた結果だと思う。
[やりたくてやったわけじゃない。 ただ勢いに流されるまま巻き込まれ、 飴と鞭に上手く乗せられた感があるので、素直に喜べず。 歯切れ悪く返した言葉は、諦めと愚痴混ざりになった。]
(296) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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── 回想・委員会と幕間 ──
かぼちゃプリン。 そっかあ、そういう季節かあ。
[ ごく真面目なふうにまなちが言うのを、>>277 わたしは、風情だねえみたいな顔で聞く。 四季の移ろいを愛そう。ここは日本だ。]
(297) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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……あー、んー? そーなー。 なかった…………と思う……。
[>>266おねだりのサイン。それを尋ねられてしばし心の海をまさぐってみる。 あったような気もするし、なかったような気もする。
いや、ただ俺が気に留めていなかっただけだった。 あいつは顔に出ないし言葉も少ないからって。 それを考えると胃の中がジュクリと嫌な痛みを立てた、気がする。 なんで今、それを思い起こさなきゃならないのかと。]
(298) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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[サインを見落としていたなら答え合わせが欲しい。]
(299) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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いや、いーや。 これは俺の宿題ってことで。
[臨時の委員会議の提案を、変に笑って受け流そうとした。 っていうかあれ、女子たちが一番盛り上がっていた気がするんだよな。 俺は話題の濁流を必死で聞きながらメモを取っていた。
それも終わった思い出話のひとつ。 そんな話をしていれば、雪にまみれた校舎が見えてきただろう。 辿り着くスピードは古香さんが先だったかどうか。
そして、ここまで来ても相変わらず人の気配がないことに気付けたのも、 彼女のほうが先だったか、それとも俺だったか。]
(300) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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コンビニプリン、食べたことあるかな? これまでのプレゼントがしっかりしてる分さ、 意外なところにヒットが潜んでたりしてー、 ヘータローくん、ギャップに弱い子多いらしいよ。
[ よかったねえ。またひとつ候補が増えたよ。 能天気な顔してそう構えていたら、 さて、ちゃんとまなちの認識は修正されたか。>>278
彼女の結論が真摯な応援に行きつくのを、>>279 わたしはやはりにこやかに眺めている。*]
(301) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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……いないな。なんか。 窓に明かりはついてるっぽいけど。
[昇降口へ向かいながら、3階建てのどっしりした建物を見上げる。 雪が顔に降りかかって冷たさだけを感じた。*]
(302) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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[俺は、3年1組で肩身が狭いと意識したことはないが。 このクラスの女子って図太いよな、なんて 感想を抱くことはたまに。いや、しばしばある。
意外なところ図太いと思うのは、演劇部の平塚莉希。>>232 通りがかりに手伝いの声を掛けられたときは、思わず 「眼鏡の度合ってるか?」なんて聞いてしまったものだ。 平塚の反省とか知るはずもない俺は、 この顔がよく見えなくて声を掛けてきたなら、 まあ納得できる話だと思ったわけである。
そして断る理由を考えるのが面倒だったので、 黙々と大道具運搬も手伝ったあと、 何故か演劇部室でお茶をもらったりしたのは、 受験に突入した今では少し懐かしい話かもしれない。]
(303) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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[そうして程無く着いた、校舎の昇降口。 3年間通い、すっかり見慣れた建物のはずだ。 けれど目の前にすると尚更、 不自然なほど静かさを肌で感じて、眉を顰め。
濡れた傘を畳んで冷えた手をポケットに突っ込むと、 スマホの着信に気づいた。>>150>>186]
良い副委員長としては、 コンビニで遭難した場合も、助けにいくべき?
[隣にグループチャットの画面を見せる。 意見は求めてみたが、俺は当然既読スルー。 通常運転だ。
再びスマホをポケットにしまったあと。 河合が返信をするようならそれを待ってから、 校舎の中へ入ろうか。**]
(304) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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── 現在・通学路 ──
自信なさげですねえ。
[ スムーズに進んでいた会話がとたんに、 ぷつぷつと途切れがちなそれになる。>>298
その様子さえも、 わたしは目を細めて見ていた。 ほほえましい恋物語を見守るみたいに。]
(305) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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宿題。ふふ、 どっちにしても、 もうすぐ答え合わせできるよ。
[ 友だちへのエールとして贈った言葉が、 果たして彼自身にとって、 もらってうれしいものかはわからないけど、
足には自信があるうえ、 ラッキーガールたるわたしである。 滑ることも転ぶことも、 縁起の悪いことはひとつとしてなく、 じきに校舎の入口へとたどり着く。>>300]
(306) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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いないねえ、人が。 道中も思ったけど、 これはなんとも不思議だ。
[ こんなときでさえ、 わたしの声は能天気に響いた。
がらんとした校庭。 窓から灯る明かりは見えるものの、>>302 そこに人影が横切る様子はない。
それでもわたしは前へ前へと進み、 引き返すことなく昇降口の扉に手をかける。]
(307) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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──さて、行きましょうか。 この手で真実を掴むときえすよ。
[ 冗談めかして一声かければ、 わたしはするりとその扉をくぐった。]
(308) 2021/11/06(Sat) 00時半頃
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[ そこにキンと耳鳴りのするような静寂を感じたのは、 果たしてわたしの気のせいだったのだろうか。]
(309) 2021/11/06(Sat) 01時頃
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── 現在・昇降口 ──
わたし──は、 とりあえず職員室で話聞いてみるよ。
[ 教室へ行こうか一瞬迷って、 わたしはヘータロー氏に行き先を告げる。
その声がやけに静かな校舎に響いた。 まるで、校舎の中でさえも、 降り積もる雪が音を吸い尽くしてしまったみたい。
すごく早いというわけではなくとも、 今はまだ始業時間前である。 ならば教師がいるのは職員室とあたりをつけて、 わたしはその廊下を歩き始めるだろう。]
(310) 2021/11/06(Sat) 01時頃
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ヘータロー、 ……遭難しないようにねえ。
[ 道を分かつならば冗談として吐いた言葉が、 今は、あまりそれらしく聞こえてくれない。*]
(311) 2021/11/06(Sat) 01時頃
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─ 回想:文化祭準備 ─
[ 私は皆んなが出来る事が出来ない。 かといって、何も出来ないわけではない。
己でも可能だと判断すれば、積極的に参戦した。 それが功を奏することもあれば、 手酷く失敗したこともある。
そしてこれはおそらく、後者に分類される話。 ]
(312) 2021/11/06(Sat) 01時頃
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[ 夏見七星は人の悪意が怖い ]
(313) 2021/11/06(Sat) 01時頃
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[ あたしはかつていじめられっ子だった。
仲間外れ。無視。 靴を隠される。教科書を、ノートをぼろぼろにされる。 聞こえるように悪口を言われる。 こちらを見てひそひそしてる。笑ってる。
直接的な暴力はなかったけど、 あたしの心はズタズタにされた。 あたしと仲良くしてくれたのは、 あたしの味方でいてくれたのは、ひめちゃんだけだった。 ひめちゃんだけが、あたしの親友だった ]
(314) 2021/11/06(Sat) 01時頃
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