人狼議事


35 忙しい人のための手紙村(宇宙編)

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【人】 地下軌道 エフ

―― 宇宙のどこか ――
[宇宙に出てからしばらくは、周回衛星上にある
 宇宙ステーションに立ち寄ったり、
 なんだかんだ活動はしていたから、
 最初に送った電子メールの返信が
 一か月も経ってからだったことにはやきもきしたもんだ。
 こっちは当然、元気にやっていると思って
 送っているのだから。

 何かあったんじゃないか?
 いや、それならそれであいつの両親からなり、
 俺の親からなり、何かしらの連絡がくるはずだ。
 家族ぐるみで仲がよかったんだから。]

(4) 2024/04/06(Sat) 18時頃

【人】 地下軌道 エフ

[もしかして、返信しにくい内容だったか?
 ……そうかもしれない。

 自分だって人工衛星や他の宇宙飛行士が撮影した
 地球の画像なんて見慣れているんだから。
 そんなもん送られて困っているのかもしれない。

 さらにそのうえ、文章がえらそうだったか?
 いつも話している口調をそのまま文字にのせたから
 なんだか上から目線だったかもしれない。

 己の送ってしまった文章を何度も見返し、
 送信取り消しできねーかな?
 なんて考えながら着信を確認する日々。]

(5) 2024/04/06(Sat) 18時頃

【人】 地下軌道 エフ

[いやいや、単純に、忙しいんだろう。
 そうだ。
 あいつに彼氏の一人や二人だって――……
 できてたって、全くおかしくない年なんだし。

 マーフィーの法則だ。
 起こる可能性のあることは、いつか実際に起こる。

 これまでずっと隣を歩いてきたからといって
 これからもずっとそうなるとは限らない。

 気もそぞろに作業や日課をこなし、
 モニターを眺めていたが、
 一か月後、ようやく届いた返信で
 心底ほっとしたのを覚えている。]

(6) 2024/04/06(Sat) 18時頃

【人】 地下軌道 エフ

[幼いころは俺のことを
 『えぅおにーたん』
 なんて呼んでは、にこにこ笑って
 後ろをずっとついて回り、
 それはそれは天使のように愛らしかったというのに。
 いつ頃からあんなにつっかかって
 くるようになったんだっけか。

 その憎まれ口も、直接聞けなくなって随分と久しい。]

 ああ、そうか。
 これがホームシックってやつだったのか?

[聞けなかった声がようやく聞けた。
 届いたのは文字だというのに、そんな心地になる。
 何光年も離れた彼方から
 届いたメールはいつもより随分言葉尻が優しく感じ、
 書かれていた内容に、
 一人合点がいったとばかりにうなずいた。]

(7) 2024/04/06(Sat) 18時頃

【人】 地下軌道 エフ


 くくっ、それにしても、
 もっと他のエフェクトはなかったのか?
 なんでタコなんだ?

[漏らした笑い声は他に誰もいない部屋の中で
 静かに響いた。

 筋トレは元より宇宙飛行士の義務だが、
 その日以降、より熱心に筋トレに励んでいることは
 ヨーコには秘密だ。**]

(8) 2024/04/06(Sat) 18時半頃

地下軌道 エフは、メモを貼った。

2024/04/06(Sat) 18時半頃


【人】 地下軌道 エフ

[それからは、ささやかな近況報告が
 ぽつりぽつりと届くようになった。>>0:28

 謎のチョイスの便箋に肩を震わせたりしながら、
 送られてくる画像を眼鏡越しに眺め
 妙な安心感を胸に日々を過ごしていた。

 きれいだと思ったもの、珍しいもの、
 彼女が過ごす中で切り取られたごく一部の
 とりとめのないことばかりだが、
 それは妙な不安に駆られていた日々を癒すには十分で。

 何度も何度も読み返しはするものの、
 返事はろくに返せずにいた。]

(14) 2024/04/06(Sat) 22時半頃

【人】 地下軌道 エフ

[咥えたスティックキャンディーをカラコロと
 口の中で転がしながら、
 宇宙局本部から届いた定時連絡を確認。]

 YARS、念のためだ、
 警報装置をチェックしておいてくれ。
 動作確認も忘れずにな。

「アイ、コピー。警報装置をチェックします」

 ……問題なさそうだな。
 ん?

[そうしていれば、
 1件の音声メッセージの受信音が鳴った。]

(15) 2024/04/06(Sat) 22時半頃

【人】 地下軌道 エフ


 ……、

[再生させ、久々に聞いた声は
 時折届いていた近況報告の電子メールよりも
 悲痛な響きを帯びていて。
 随分と――寂しさを押し殺したような声に
 聞こえたのは、きっと俺の勘違いじゃないと思いたい。]

 あー……、どうすっかな。

[最後のノイズからも、意図的ではなさそうな
 その音声メッセージにどう対応したものか。
 拳を額にあて、しばし考え込む。**]

(16) 2024/04/06(Sat) 23時頃

【人】 地下軌道 エフ

[何光年も先の未知の惑星への旅。
 果てしない旅路の末は万全でもない。
 確実な安全の保障もない。

 出発前にも、出発してからも、
 いつ帰るか、どれぐらいで帰れるか、
 なんて話はひとつもできなかった。
 必ず帰るという約束も、どうしてもできなかった。

 縛るようなことを言うのもよくないと思ってたんだ。
 けれど。
 あんな弱々しい声音を聞いたのは、
 それこそいつ以来だったか。
 ずっと妹みたいなもんだと思っていたから。
 近くにいて、頭を撫でてやれないことを
 こんなにももどかしく感じる日が来るとは思わなかった。]

(21) 2024/04/07(Sun) 01時半頃

【人】 地下軌道 エフ


 ……ふぅー、
 


 …………、
 慣れないことは、やるもんじゃないな。

[眼鏡をはずして、手で両目を覆った。
 急に気恥ずかしくなってしまった。
 新しいスティックキャンディーの包みを開いて
 ガリリとかみ砕く。

 音声メッセージは通常の電子メールよりは早く届く。
 とはいえ、何光年も離れた距離にいるのだ。
 きっとすぐには届かないだろうけど、
 それでも何か送らずにはいられなかったから。**]

(22) 2024/04/07(Sun) 02時頃

【人】 地下軌道 エフ

[探索チームから送られてきた画像を添えて、
 電子メールも追加で出しておいた。

 水面に満点の星空が反射している画像が添付されている。
 地球でいうところのウユニ塩湖のような画像だが、
 空にも水面にも、二つの月が浮かんでいた。

 合計四つの月は見事に淡く輝いて、
 それはそれは幻想的だったから。
 傍にはいられずとも、
 少しでも何かの癒しになればいいのだが。

 便箋の下の方には跳ねたあと土下座するような
 動きをしているイルカがいる。
 これも俺の柄じゃないが、昔、
 ヨーコが好きな動物だったはずだと思って添えてみた。**]

(23) 2024/04/07(Sun) 02時頃

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