27 【crush appleU〜誰の林檎が砕けたの?】
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[今度は事故ではない口づけが得られただろうか。 どちらにせよ、そっと身を離して。]
エス、のつもりはないのですが……。 私の性癖はおいおい、解明していくと思います。
[微笑むと。 何も飾っていない髪に目をやった。 病院では求められることも、要らないともいわれなかった 彼女に似合う髪飾りをもう一度贈ろうと心に決める。*]
(233) yunamagi 2023/08/07(Mon) 22時半頃
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はい。楽しみです。 ……今日これだけで、こんなに田端先輩の かわいらしいところ見れて、
どきどきしますね。
[>>234 キスひとつで、いつもと調子の違う田端に 銀もそわそわしてしまった。 恋人の名を冠せるならば、銀は勿論喜んだし、 そうでなくても、彼女に受け容れられた事実だけで 今は満足だった。]
(242) yunamagi 2023/08/07(Mon) 23時半頃
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[間もなく、白い林檎の花とワインレッドの紫陽花の コサージュが田端に贈られることになるが、
お揃いのふたつが髪を揺らすことがあれば、 恋人の名がなくても、周囲も何かを察することになったと思う。**]
(243) yunamagi 2023/08/07(Mon) 23時半頃
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――ある日
[>>280>>281 卒業式が間近に迫っていた。 ひとり欠けてしまった研究室の四年生に キャンパスで会えるのもあと僅か。]
田端先輩ももうすぐ卒業なのね……。
[この頃には、彼女の家族についても もう少し詳しく聞いていたかもしれない。 卒業後の予定についてはどうだったか。 ともかく、今日は彼女とのデートだ。 『話したいことがある』 何だろう、気にかかる言い回しに。 極力、悪い想像をしないように努めても どうしても騒めく胸を抑えきれない。 それでも顔を会わせるのは当然嬉しいのだ、 複雑な心地で待ち合わせ場所に向かう。]
(282) yunamagi 2023/08/08(Tue) 12時頃
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はい。
[緊張を孕む田端の対面で背筋を伸ばした。 テーブルにはニルギリのブラックティ。 彼女の髪を飾るのは銀が贈った髪飾りだ。 贈ったものを見に付けてくれるのなら、 銀に対してネガティブな気持ちになったわけではない そう判断してよいのだろうか。
「もう会わない」「嫌になった」「別の人が」 脳内をぐるぐるしていた不吉な単語を追い払う。**]
(283) yunamagi 2023/08/08(Tue) 12時頃
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――ある日:カフェ
[今日は少し遅めの昼食を採っていた。 ブラックティーなのもそれが理由で、 だからケーキの類は「大丈夫です」と断りを入れる。
カップに両手を添えてぽつり話を切り出した 田端の様子を見守る。 卒業後の話。 この時期だ、予想していた話題のひとつ。]
はい。 里実さんと大学で会えなくなると思うと、 やっぱり寂しいですね。
[季節が冬に移った頃、銀の呼び方も変わっていった。 彼女がブライダル関連の仕事に就くことは聞いている。 マイペースな性格は接客部分でどう対応するのか 想像がつきにくい部分もあるが、 彼女には適した分野にも思えた。]
(293) yunamagi 2023/08/08(Tue) 17時半頃
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[田端の家族についても、 この頃には色々聞き及んでいて、 既に憎悪の対象ですらない切り捨てるべき存在と 彼女が見做していることも知っていた。 近くにいても、彼らは彼女の心が其処にないことに 気付かないのだろうか。 何故、気づこうとしなかったのか。 銀には不思議でならない。
そんな話を聞いた折には必ず、 髪を撫でて、優しく額や頬にキスを落とした。 貰えるはずだった愛情のひとつひとつを取り戻すように、 それ以上を与えることができるように。
弱いところを見せたくないという彼女に 「かわいいところは見せてくださいね」と 微笑みながら。]
(294) yunamagi 2023/08/08(Tue) 17時半頃
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指輪……?!
[置かれた小さな二つの箱と鍵がひとつ。 開けるよりも先に、フライングで声を上げる。 違っていたら恥ずかしいな、と田端を見ると、 どこか素っ気ない口調で呟いたあと、銀を直視しようとしない。 予防線というよりも照れているように映って、 銀は破顔した。]
いいんですか? ……開けますよ。 え、と、こっちの鍵は? 箱の鍵ですか? ……それとも一緒に暮らすためのもの?
[鍵を手に取って、首を傾げると ちらとカップの水面に揺れる朧な像を覗くように 視界に入れて、それから像の主を見上げる。**]
(295) yunamagi 2023/08/08(Tue) 17時半頃
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――ある日:カフェ
[彼女の職種と思うと、指輪を着けていた方が よいのは分かる。それでも彼女が 自分の気の進まないことをすると銀は思わない。 だから二つ並んだ指輪には、 彼女の気持ちが籠められている。そんな解釈を。]
わ…ぁ、可愛い……。これ、本物の石ですよね。 貰ってしまっていいんでしょうか。
[苦学生ではないが、装飾品に金をかける性分ではない。 どちらかといえば経済観念はシビアなほうでもある。 就職が決まったとはいえ、同じ学生の身。 やはり気にはしながらも。]
でも、とても嬉しいです。 ……素敵なデザイン……嵌めてもいいですか?
[そっと手に取ったのは、濃いブルーの指輪。]
(326) yunamagi 2023/08/08(Tue) 22時頃
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[彼女は気づいてないのだろうか。 弱みを見せたくないという言葉が、 銀の愛撫に滲む眸が、 可愛いところがわからないと拗ねる様が。 どんなにかわいくらしく銀の目に映ることを。]
(327) yunamagi 2023/08/08(Tue) 22時頃
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[今もそう。 銀の言葉に想像するものがあったのだろう、 言葉を詰まらせて、取り繕うように繋ぐ様が。 美術館を訪れる前に見せることのなかった反応と表情で。]
あっ、里実さんの部屋の……合鍵、ですね。 うわぁぁ。
行きます! お仕事忙しいと思うので、 邪魔にならないようにしますね。
[一緒に暮らす、は銀の早とちりだ。 少し気恥ずかし気な様子を見せながらも、 力強く頷いて鍵を受け取った。*]
(328) yunamagi 2023/08/08(Tue) 22時頃
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――ある日:カフェ
[田端が驚きの声をあげる。 当然のように彼女の方の指輪を手に取ってしまったが、 思いの外大きな反応に、性急だっただろうか と、一瞬心配になる。
目を泳がせたあと左手を差し出す様子に、 ほっと胸を撫でおろした。 浮かぶ表情も嬉しそうで、銀の心も浮き立つ。]
勿論です。
[彼女に求められたら、自身の左手も差し出して。 互いの指に指輪を嵌めた。]
(332) yunamagi 2023/08/08(Tue) 23時頃
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ほんとに素敵。 会えない日も、指輪を見て 里実さんを思い浮かべますね。 [就職して生活時間が変われば、今までのように 会うのは難しくなる。 忙しい時間は気が紛れるだろうけど、 ふとした瞬間、ひとりを感じたら指輪を見て、触れて、 銀を感じて欲しいと思う。
気付けば真っ直ぐな目が銀を見つめていた。 伸ばされる手に、両手を包み込まれる。]
(333) yunamagi 2023/08/08(Tue) 23時頃
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――カフェ:ある日
[そう、はっきりと言葉にすることも大事なのだ。 田端のほっとした様子に、彼女とは別の方向で まともな恋愛と縁のない銀は自身の不明を反省する。
指先からの震えで彼女の緊張するのが伝わると、 銀も引き締まった気持ちになって、静かに顔を上げた。 急ぐ必要はない。 ゆっくりと彼女のペースで、幾重にも覆った鎧を 外してもらえばいい。
そう思っていたのに、]
(369) yunamagi 2023/08/09(Wed) 12時頃
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今から?
[部屋への誘いに、少し目を見開く。 銀は一人暮らしだが、田端は今まで泊まるのはおろか ほんの少しの時間立ち寄る程度の訪れしかなかったし、 銀も彼女の元を訪れたのは米を貰いにいくような 明確な用件がある時のみだった。 口調は先ほどより改まったものではなかったから、 一瞬驚いたものの、おかしなことではないと思い直す。]
じゃあお邪魔してよろしいですか。 手土産も用意していませんが……里実さんの部屋、 行きたいです。
[目に入る部屋の鍵。 会おうと思えばいつでも訪れることのできる 合鍵の存在をやけに意識してしまう。 今の彼女はきっと、ただ部屋に呼んだだけだろうに。 気を落ちつけようと、カップに残った最後の紅茶を飲み干した。*]
(370) yunamagi 2023/08/09(Wed) 12時頃
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――西門教授HG慰労会
[久しぶりに皆が集い、元気な声が聴けた気がする。 いつもよりテンションの高い様子の骨谷に手形の跡はなく、 ゆえに、慰める理由もないだろうと判断した。>>358>>361 結局、9人目の彼女とは破局したらしいが、>>362 笑ったり泣いたり定まらない様子だったので、 気のすむまで放置することにした。 時には思い切りぶちまけることも必要だものね、 と銀なりの優しさだ(微笑み)。
>>349 ところで柊くんってこんなキャラだったかしら? 美術館内であまり話すことのなかった銀にとって 彼の印象は課外授業前のもののようが強かったのだ。]
(373) yunamagi 2023/08/09(Wed) 12時半頃
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へえ、そんなお酒が……え、た、高祈先輩ぃ? わかめとシュリンプ美味しそうですね。
[>>352 今まで聞いた高祈の声で一番声量があった気がする。 夢の中でも冷静な彼が、そんなに好物だったのだろうか。 口を覆われた柊は具合でも悪かったのかもしれない。
そんな銀はレモンサワーを飲んでいる。 酒は弱くもないが強くもない。 そも、酔うほど飲んだ記憶がないので 自身がどうなるのかも理解していない。 ――この時はまだ(*何も考えていません)。]
(375) yunamagi 2023/08/09(Wed) 12時半頃
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[>>363>>364 田端の様子がおかしい。 >>360 田端の隣に陣取る骨谷を対面から睨んでいたのだが、 彼は気付いてるのかそうでないのかどこうとしない。 田端は席を立つことが多かったので、特に暴力行為に 手を染めることもなく、ちびちびと西門教授の 寂しげな顔と頭部を見守りながら杯を重ねた。]
……先輩、大丈夫ですか、お加減が……。
[田端が手に取ったグラスは確か日本酒だった筈だ。 彼女は酒を飲まないと聞いていたが、今日は確実に飲んでいる。 そして酔っている。 少し崩れた姿勢と、蕩けた眸が色っぽい。 は? ちゅー??]
(376) yunamagi 2023/08/09(Wed) 12時半頃
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[田端が手に取ったグラスは確か日本酒だった筈だ。 彼女は酒を飲まないと聞いていたが、 今日は確実に飲んでいる。そして酔っている。 蕩けた眸が色っぽい。]
骨谷くん! どいて……!!
[行儀悪くも卓をまたいで、隣で泣き笑う骨谷を 突き飛ばす。大丈夫、命までは取らない。]
わ、私がその役目を……!
[ずざっと隣に滑り込んだが、 受け止めることは出来ただろうか。
急に激しく動いたせいで、少し頭がくらりとした。**]
(378) yunamagi 2023/08/09(Wed) 12時半頃
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白銀∴秘星 マユミは、メモを貼った。
yunamagi 2023/08/09(Wed) 12時半頃
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――S教授HG会
[>>396>>397>>398 慌てて飛び込んだ銀がした行為は 田端の"ちゅーしたい"にストップをかけることでなく、 自身で受け止めるのみならず、助長させるものだったようで。]
田端先輩……どれだけ飲んだんですか、 こ、こんな……な、なまめかしい……!
[慌てる銀を意に介さず、抱きしめられ、撫でられる。 仄かに、香水と酒気が混じった匂いがした。]
え、え、ちゅーって……そ、そんな? そ…………んぅ……っ
[これを他の誰かが受ける可能性もあったのかと思うと、 顔が赤らみながらも青くなる。 合わせるだけでなく、食まれ、啄まれ、舌を取られる。]
(401) yunamagi 2023/08/09(Wed) 17時半頃
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[酔っぱらってなければ、最高なのに。 若干涙目になりながらも、濃厚なキスを浴び続けた。 まあ楽しそうだからいいかな。
笑う田端が可愛らしいことには違いない。 一応銀のことは認識しているのか、 他の誰かに応じない様子にほっとして。 しかしこの状況、周りはどんな様子で見ているのか。 >>378 急な動きと脳まで溶けるキスと酒とで 徐々に銀の頭もぼんやりしてくる。]
たばらせんふぁい……、わたしも……っ
[どこかの時点でリミットを越えた酒精に、 今まで知らなかった酒癖がむくり顔を出て、強く抱き着いた。*]
(402) yunamagi 2023/08/09(Wed) 17時半頃
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――ある日とその後
[>>399>>400 忌憚なく思ったことを口にして、 自身のペースを重んじる人なのに、 銀に対しては思春期の乙女のよう 遠慮がちに伸ばされる手がとてもいじらしい。 手を取って、彼女の家まで並んで歩く。 傍目にはどのように映るか知らないが 恋人ですよ? 堂々とそんな顔をして。
その日、或いはその後のお泊りがどうなったか。]
今日はお酒はダメです。 素のあなたが見たいので。
[いつかの励まし会みたいな大胆な奔放さは拝めずとも 愛らしい一面が見る時があったはずだ。*]
(473) yunamagi 2023/08/10(Thu) 11時半頃
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[>>#2 あの絵との運命が断絶しても、 修復されるというのなら、助力は惜しまないつもりでいた。 美術館に貯蔵された絵画が買い取れるかは疑問だが、 いつか買い求められる日がくればと、 困窮しているでもないのにバイトしていた理由はそれだ。 学生の稼ぎで到底どうにかなる額ではないが それなりに貯金はあったため、寄付した金額は 学生一人のものにしてはそこそこの額。
災害の後、銀は貯金を寄付に注ぎ込んで、 ボランティアにも参加していた。 自分に出来ることはそれぐらいしかなかったから。]
(474) yunamagi 2023/08/10(Thu) 11時半頃
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もう少し、時間かかりそうね。
[時間というのは絵の修復が成される日のことではない。 貯蓄が目標額に達成するまでの話だ。 元々、学芸員になってあの美術館で働くか、 絵を購入するため金融関係に勤め稼ぐ方法を見に付けるか、 卒業後の進路は二択に定めていたのだが、 前者が潰えた今、後者を選択する。
ところで目標額というのは、 いわゆるブライダル資金というもので。 やはり自分から贈りたいのだ。 石の多寡や大小に彼女が拘らなくとも、 "あ、これ似合う"と思えたのがそれなりの品だったため せっせと準備を整える日々だ。]
(475) yunamagi 2023/08/10(Thu) 11時半頃
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[いつか そう遠くない日に、 どこで覚えたのか片膝ついて 『私のお嫁さんになってください』 プロポーズの言葉を告げる日を思い描いて。*]
(476) yunamagi 2023/08/10(Thu) 11時半頃
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――10月のごちそうさま
『 どれもおいしそう とりわけ銀は 人参と蓮根のきんぴらとチーズの ホットサンドがとても気になります 』
[>>434>>435 福原からのグループLINEに返す 銀の指の動きは高速だ。
一人暮らしの残り物にしては多すぎまいか? との疑問もあったが、暴食の秋ともいうし。]
(477) yunamagi 2023/08/10(Thu) 15時頃
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[翌日はうっきうきで研究室に向かって、 ちゃんとラップで個包装されているそれらに 感動しながら食しただろう。
>>450 それが個別LINEでないのなら、 なんとなく"らしくなさ"を感知したかもしれない。 作り手に向けられる柔らかな視線だとか、 温度を感じさせる文章だとかまでは 銀には察せるはずもなく、きっと好物が 含まれているのだろう程度に受け取って。 いつぞやの宴席でのわかめとシュリンプを 思い出して、食べ物なんて然程興味なさそうなのに 意外な面があるのだな、という感想に留まった。]
(478) yunamagi 2023/08/10(Thu) 15時頃
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[玉子サンドを選ばなかったのは、 美術館で田端がたまごサンドを所望していたのを 覚えていたからだ。 いくつあったか分からないが、彼女の分が 残るようにと考えて。
勿論あまりそうなら、 銀も遠慮なく摘まんだことだろう。]
食べ物の恩は忘れないわ。 この細腕にできることなら遠慮なくいってね。
[ハムスターのように頬を膨らませてから 伝えただろう。 ありがとう、ごちそうさま。*]
(479) yunamagi 2023/08/10(Thu) 15時頃
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――結婚式のスケッチブック
ふたりとも幸せそうですね。
[>>491 仁科の描いたスケッチブックを覗き込んだ。 利き腕ではないものの、腕をケガしたという彼女だが きっと記憶が鮮明なうちに残したかったのだろう。 勢いのある筆致で切り取られた多くのシーンを 見つめながら。
まだひと月も経っていない、 夢の中で挙げられた式は幸福な別れの儀式でもあった。 これから幸せになるためのものではなく 幸せな想い出を作るための。]
(519) yunamagi 2023/08/10(Thu) 23時半頃
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[仁科の記憶を通して描かれたスケッチは優しく、 温かいものに銀には映る。 きっと、式を見守る彼女の目が優しく温かいものだった からだろうと思う。 >>508>>510 スケッチブックを眺めるのは福原と田端、 銀の他にもいただろうか。
だとしたら、あの時の参列のようだと思えた。*]
(520) yunamagi 2023/08/10(Thu) 23時半頃
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