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むなしいね。って、
だいぶ前、俺に言ったでしょ。
むなしかったよ。
あの場所で死んでいくのも。
今も少し、むなしい。自分がね。
[ 確かにぐちゃぐちゃにもなったけどね。
今の慎一は割と淡々とそう言って、
泣き出したりはしないので安心してほしい。
別にこれは今となっては、
何がなんでも隠したいモノでもなくて、
番代がいるのもわかって、そのうえで、
慎一はそんな漠然とした答えを返してる。]
綿見は──、あ、いや。
無理に聞こうってわけじゃなくて。
[ 根に持つタイプでごめんね。
慎一はあの日のこと、忘れちゃいない。
結局あの言葉の真意やなにやら、
わかんないまま豹変されるのを警戒して、
気づけば普通の級友の距離で会話してる。
そんな数か月だったなあって思っただけ。
それと、なんだろう。
もうごまかす理由もない気がした。
声に出してしまえばそれが本当になるようで、
あのときは頑なに認めることもできなかったけど。]
[ つい聞き返してしまったけれど、
これも、お得意の無視としてくれてもいいよ。
……や、これは別に嫌味とかじゃあなくって。
ゆるりと会話の向く先を変えようと、
慎一はそのとき思い出したように言う。
……実際、そのとき思い出したんだけどね。]
……そういえば、
クレープもパンケーキもうまかった。
夕飯に困んなくて助かってたんだよね。
あれ、綿見でしょ。ありがと。
[ 番代はパンケーキのこと知らないだろう?
羨ましがってくれてもいい。あれはうまかった。]
俺、飲み物買いに行くけど──、
ほら、外出たとこの自販機。
なんか買ってこようか。
お礼。番代もついでに。
[ あくまで綿見にはお礼として、
番代はついでだよって言っちゃうから、
慎一には浮いた話がないんだろうな。
……それ以外の原因からは目を逸らしつつ。
でもまあ、対価を払う気はあるよってこと。
どこまでいっても無償のナントカには縁遠く。
ラインナップまでは覚えてない慎一は、
ほらあっち、って入口のほうを指さした。*]
【人】 超心理学会 ヒイラギ― それから ― (506) 2021/06/13(Sun) 23時半頃 |
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[ そう。図太いひと。
これだけ大掛かりに死ぬよーって宣言して、
あんなメールまで残しておくような。
ともかく、そんな話をしていたらしい。
もうあそこから醒めてしまったから
そんな話は出来ないかとも思ってたけど、
ばっちり全部覚えているものだから。
よかった、とも、どうとも取れる。]
炭蔵くんの泣き顔?
それはレアだね、是非写真に残さないと。
……まだあそこに居るんだろうけどさ。
まあ、それはそうだと思う。
ゆっくりゆっくり、形を変えていたし。
世界にも受け入れられる上限があったりする、
そういうことなのかもね。
[ さて。死んだけれど、殺した、とも言った。
驚かれるのも無理は無いだろう
けれどたしかに私は殺したのだから、
くすくす笑って、お茶を濁しておくだけ。]
ただの夢では無いだろうし。
やっぱ、苦しい目にあってこっちにきたんだ。
それでも死んだけど死んで無いって、
変な感じするよね、……。
[ ちゃんと答えてくれてよくできました。
なんて、じっと向井くんの指の先を
なんとなく見ながら、
いつか話した言葉について言われれば、顔を上げ]
ああ、そんなことも言ったね。
なんだかもうそれすら懐かしいけど。
そっか。やっぱり虚しかったよね。
[ 淡々と。泣きそうにもなくそう言う姿に
吹っ切れちゃってまぁ、なんて思いつつ。
泣いてくれてもよかったんだけどなあ。
彼もまた、死ぬことで何か変わったのだろうか。]
…… 私?
私はずっと諦めて虚しくてだったからね。
似たようなものだよ。
頑張りたかった。でも無理だった。諦めた。
向井くん、認めないで堪えて頑張ってたから。
まあ、……ちょっと意地悪したくて?
頑張るのやめちゃいなよー……ってさ。
頑張り続けるの辛いじゃん。 それだけ。
[ 我慢の皮が剥がれてぐちゃぐちゃになった
素直なその下を見て見たかったから、なんて。
そう、言うなれば引きずり下ろしたかっただけ。
ただの意地悪だよ。ごめーんね、と。
そこまで反省してない様子で言って。
[ いきなり話題が変わっても、
まあこれ以上は泥沼かもしれないからね。
深入りしすぎない方がいいこともある。
ああ、食べてくれたんだ。
それは良かった。……ありがとう。
[ この礼だけは、少しだけ黒い視線は
和らいだものになって。
やっぱり、ね。自分の作ったものだ。嬉しいから。
飲み物を買ってくれると言うならば
それに甘えさせてもらおう。]
じゃ、カフェオレお願いしまーす。
[ 多分あった気がするから、と。
雑な注文をひとつ投げかけて]*
[向井くんと茉奈ちゃんの会話を聞いている。
盗み聞きするような意図は無いから、耳を澄ましているわけじゃない。
聞こえた内容をただただ、聞き流している。
楽しいことだけを享受しようと振る舞ってきた私。
クラスの誰と誰がどんな秘密を共有しようと、介入できないものもある。
……女子グループって噂が早いし、聞き流し慣れてるってのもあるけどね。
だけど、
釣られてしまう魚のようにそちらを向いてしまう。]
パン……ケーキ……?
[何それ。食べてない。
いいなーと羨みの視線を隠さずに2人に向ける。]
あ、クレープ美味しかったよ茉奈ちゃん。
ありがと!
[こちらに帰る前日の夜にいただいたクレープのお礼を、
ちゃんとしていたか、し忘れていたか、
覚えていなかったので、改めて伝えよっか。]
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